知事の部屋
記者会見
記者会見の動画は長崎県公式YouTubeチャンネル「長崎がんばらんばチャンネル」で公開しております。また、会見録テキスト版は順次このページに掲載します。
・午後5時から午後5時25分(25分間)
・特別会議室
【臨時記者会見】
会見内容
平成23年12月26日 臨時記者会見
会見内容
- 九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)に係る国の整備新幹線着工方針の決定について
九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)に係る国の整備新幹線着工方針の決定について
配布資料:整備新幹線の取扱いについて【PDF:870KB】
それでは、ただいまより知事の記者会見を始めさせていただきます。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
今日、政府・与党の整備新幹線問題検討会議等が開催されて、基本的な方針が示されたところであります。お手元にお配りしてあろうかと思いますが、整備新幹線の整備については、配付資料のとおり、着工方針が示されたところであります。
これによりますと、現在建設中の武雄温泉〜諫早間と、新しい区間となります諫早〜長崎間、これを一体的な事業として取り扱う。この一体的な事業の中には、佐世保線の肥前山口〜武雄温泉間の複線化も含むということとされております。一体的な事業として扱い、軌間可変電車方式、いわゆるフリーゲージトレインにより整備をし、諫早〜長崎間の着工からおおむね10年後に完成、開業することとされたところであります。
このフリーゲージトレインについては、お手元の資料にも記載してありますように、基本的な走行性能の技術が確立したことを踏まえまして、実用化に向けて技術開発を推進する一方で、JR九州及び地域において導入を判断することが必要とされております。
それから、肥前山口〜武雄温泉間の単線区間の取り扱いでありますが、フリーゲージトレイン導入の判断を前提として新規着工が決定した段階で整備着手をすると。整備方式については、整備新幹線事業で行うこととされたところであります。
なお、投資効果、B/C(費用対効果の試算値)は1.1とされております。収支採算性と投資効果を改めて確認するとともに、営業主体であるJR九州の同意が条件とされております。
これまでの経過については、既にご承知のとおり、この西九州ルートは昭和48年に全国新幹線鉄道整備法の整備計画に位置づけられて以来、平成4年の短絡ルートへの変更など、さまざまな曲折を経てまいりましたが、多くの皆様方の長年の努力により、その一部、武雄温泉〜諫早間が平成20年3月、着工がなされていたところでありました。残すところわずか21キロメートルの諫早〜長崎間がまだ認可がいただけていないという状況でありましたが、今般、全線について、武雄温泉〜長崎間について着工の方針が示されたということは、大変意義深いものであると考えております。
私は、今年が一つの正念場になるのではないかとの考えから、議長をはじめ県議会議員の皆様方、そして沿線自治体の皆様方、経済界、各種団体の皆様方のお力添えをいただきながら、国に対して何度となく働きかけを行ってまいりました。
そしてまた、去る10月3日には総決起大会を開催し、県民の皆様方の熱い思いも結集をしていただいたところであります。
この間賜りました本県選出の国会議員の皆様方をはじめ関係各団体、地方自治体の皆様方のご支援のたまものであり、改めて深く感謝を申し上げたいと考えております。
今回の決定で、この西九州ルートの開業に向けて大きな山場を越えたものと考えておりますが、改めて今後国において、JR九州あるいは地元との調整が進められるということになってくるものと思っております。
年度内認可が実現できるよう、そして武雄温泉〜長崎間が着実に整備されるように、引き続き、全力で取り組んでまいりたいと考えておりますので、より県民の皆様方のご理解とご支援をお願い申し上げたいと考えているところであります。
私の方からは以上でございます。
幹事社の西日本新聞です。今日のこの決定というのは、おおむね知事としても満足ですか。
そうですね。これからまだ具体的な認可・着工に至るまでには所要の手続が残されておりますが、基本的な方針が推進の方向で示されたということは大変ありがたいことであると、歓迎をしております。
当初、県としては、平成29年度ですか、武雄〜諫早間の完成と同時に長崎まで一括開業をと言っていました。この計画によると、一括開業ですが、5年ぐらい遅れることになりそうですけれども、その辺のタイムスケジュールについては、どのように考えていますか。
これまで武雄温泉〜長崎間の一括開業、同時開業ができるように、一刻も早く諫早〜長崎間の認可をいただきたいという要請を重ねてまいりましたが、やはり最大の課題は、事業費の捻出確保ができるかどうかという課題であったろうと考えております。非常に厳しい財政状況の中、そしてまた東日本大震災の復旧・復興対策で多大な財政負担が見込まれる中、こうした従前の貸付料の財源活用等を含めて一定のめどを立てていただいたということは、大きな前進であろうと思っております。
(開業まで)諫早〜長崎間の着工からおおむね10年とされておりますので、一刻も早く認可をいただけるように努力していかなければならないと思っているところであります。
もともと諫早〜長崎間が長大トンネルの整備も必要となっており、29年度までの完成を目指すにしても、非常に微妙な時期を迎えつつあるなという思いがございましたので、今回また新しいスキームが示されたことで、より確実に完成に向かって進むことができるのではなかろうかと思っております。
今、長崎駅周辺の区画整理とか高架事業が進んでいますけれども、この辺の整合性というのは、これからまた詰めたりされるんでしょうか。
やはり新幹線整備も、どの部分から着手していくのかというのは、周辺のまちづくりの状況、あるいはまた工事の内容、所要期間等を総合的に勘案して判断をしていくべき課題ではなかろうかと思っております。
資料に標準軌で整備するとありますよね。これはすなわちフル規格ということだと思うんですけれども、武雄温泉〜長崎間、フル規格で整備するということについて、改めて、長崎の望んでいた満額回答に近い回答じゃないかと思うんですけれども、その点について教えていただきたいんですが。
今までは、スーパー特急方式という考え方のもと、認可・着工がなされていたわけでありますが、やはり整備新幹線の整備効果を最大限に発揮させるためには、時間短縮効果が最も期待できるフル規格で整備がなされるよう、これについては地元もそういった思いで要請を進めてまいっておりましたので、今回、そういう前提で整備が進められるということは、非常に歓迎すべきことであると考えております。
先ほども(別の記者が)聞いていたと思うんですが、工期の関係なんですけれども、一括開業ということでずっと求めてきて、示された工期も従来と同じおおむね10年ということで、長崎に関しては延期延長もなかったということなんですが、さっき言ったように、2018年というのはどうやら一括開業は難しいと、これでですね。その辺は、知事としては4〜5年遅れるというのは、今回の状況からするとやむなしというか、許容範囲というふうにお考えでしょうか。
そうですね。時代とともに財政状況等は変わっていくものと思っておりまして、現在、新たな未整備区間について着手していこうという中で、財源捻出が大きな課題になり、こうしたスキームを組み立てていただいたわけであります。もちろん、それぞれの未整備箇所を抱える沿線自治体等にとっては、一刻も早い開業、整備が望まれるところでありますが、やはりその時々の財政状況等を勘案しながら要請を行っていく必要があるものと思っております。
先ほど申し上げたように、従前から、全線一括開業が一番望ましい、それも(平成)20年3月着工から10年以内にという思いを持ってきたのでありますが、現実的には、やはりその財政的な負担等も考慮した場合に、難しい現状に直面しているというのは十分承知しておりましたので、逆に、10年以内に完成のめどが立ったということは、歓迎すべきことではなかろうかと思っています。
ほかに知事への質問はございませんか。
総工事費なんですけれども、これはどんな風に読み取ればいいでしょうか。
従前は、少し試算時点が古いかもしれませんが、武雄温泉〜諫早間が45キロメートル、これは2,600億円とされておりまして、そして諫早〜長崎間21キロメートルが1,100億円、合わせて3,700億円と試算をされておりました。しかしながら、おそらく時点修正で、その後、整備費は増嵩していくだろうという課題も指摘されていたわけであり、今回、その全線分について5,000億円という事業費が示されたところであります。
地元負担はどうなりそうなんでしょうか。
5,000億円の18.3%ですね。
地元負担も、事業費が増嵩してまいりますので、増加するということになろうかと思います。
その点は、いたし方ないとお考えですか。
そうですね。いずれにしても、資材高騰等の諸要因があって、それは当然ながら吸収していかないと新幹線は完成しないわけでありますので。先ほど申し上げたように、地方負担について相当軽減されるスキームの中で事業が推進できるということは、有利な整備手法ではなかろうかと考えております。
今回の決定を追い風にして、新鳥栖〜武雄温泉間のフル規格というのを佐賀に同意を求めたり、協力を求めたりするお考えってあるんでしょうか。
それは今回、基本条件等の確認に示されておりますとおり、フリーゲージトレインを導入する、そして肥前山口〜武雄温泉間の単線区間の複線化についても新幹線スキームであわせて着工と同時に進めていくということであって、新鳥栖〜武雄温泉間をフル規格で整備するというのは、佐賀県のご了解もいただけてない案でありまして、前提条件が全く異なる話でありますので、現時点では、難しい話であると思います。
今日示された条件で武雄温泉〜長崎間についてはJR九州の同意というのがありますけれども、これは唯一の条件だと。JR九州の方からも、これまでネガティブな話は聞こえてこないですけれども、知事として、改めて要請するとか、一応条件として示された以上、何らかの働きかけというのは今後行っていくお考えなんでしょうか。
この区間についてはフリーゲージトレインを走らせるということで、これについては一定めどが立ったということでありますが、いろいろな課題はこれからの技術開発を進める中でもやはり解決すべき課題となるのではなかろうかと思っております。そういった問題点等を含めて、総合的にJR九州の方で判断をされるということになろうと思いますが、今のところ、そういった整理をしていただくことがまずは必要ではなかろうかと思っております。判断をされる際に、必要であれば私どもの方からも、ご理解いただけるように努力していかなければならないと思います。
今日の決定は、知事は100点満点ですか、それとも何か減点理由があれば教えてください。
今の時点では、ここまでかなと思います。あとは具体的な課題を整理して、(鉄道建設・運輸施設整備支援機構から国へ)認可申請ということになります。先ほど申し上げたように、一刻も早く実現、着工できるように努力していかなければならないという課題は残っておりますが、まあまあ満足の得られる結果ではなかろうかと理解をいたしております。
予想どおりということですか。
期待していた状況に近いと思っております。
県民の中には、やはりそういった知事の思いとは裏腹に、反対だったり、関心が低かったりというのがあるんですが、これで変わってきますでしょうか。
私も、いろんな場で多くの方々からご意見をお聞きいたします。直接、新幹線については反対だとおっしゃる方々も少なくありませんし、地域によっては、新幹線よりも高速道路の整備が先だというような意見も確かにあります。ただ、足元を考えます時に、鹿児島ルートの現状等を見た場合に、確かに新幹線というのは二面性があると思います。ストロー効果があって、逆に大都市に吸い上げられてしまうのではないかというお話もあります。ただ、その反面、集客、外からおいでいただくお客様は、相当離れた地域から集客することが可能になってきます。鹿児島ルートが対前年比7割程度も伸びているというような現状を考える時に、長崎県も観光県の一つでありますので、関西圏域、中国圏域から多くの皆様方にお出かけいただくことができる環境が整うのではないかと思っており、私は、整備効果に大きな期待を寄せているものであります。
先ほども出ていたんですけれども、長崎駅周辺のまちづくりの関係で、この4〜5年の遅れというのは何かその影響が出るのかどうかという点が一点と、もう一点は、今後に向けた課題について聞きたいんですけれども。
駅周辺のまちづくりというのは、今まで(新幹線の)認可が得られておらず、新幹線駅が来るのか来ないのか自体がわかりませんでした。しかしながら、所要の手続が進んでいくと、新幹線駅の整備を前提に、まちづくりも組み立てていく必要があるものと思っております。したがって、完成の時期は、駅舎の周辺をどのタイミングで取り組んでいくのかということにかかわってくるものと思いますので、整備に対して相当時間がかかると、あるいは他の事業との関連の中で、より早期に方向づけを行う必要があるということになれば、当然ながら、そういったスケジュールの中で整理をしていくべき課題であろうと思っております。
次に、今の課題は何かということでありますが、当面は、やはりしっかりと一刻も早く認可が得られるように、諸条件の調整を進めて申請してもらうということになってくるものと思っております。
また、着手をするということになりますと、具体的な地権者の皆様方のご理解を得る用地交渉でありますとか、周辺のまちづくりとの兼ね合い、またこの新幹線の整備を地域の活性化にどう活かしていくのか、これは地域の皆様方と一緒になって知恵を絞っていかなければならないと思いますので、そうした取組が確実に進むように努力を重ねていく必要があります。
すみません、いいですか。質問じゃないんですが、満足をされているとおっしゃっているんですけど、笑顔で会見されてないので、何か笑っている形で話していただけるとうれしいなと思うんです。
(笑顔で)満足です。
すみません、ありがとうございました。
気持ちとしては、ほっとしているのと、うれしいのとどっちですか。
やはり今の段階では、ほっとしているというのが本音のところですね。これからいろいろ絵をかいて地域の活性化に結びつけるような具体策を練っていかなければならないと思いますので、そういう計画が進んでいくと、これが本当にうれしいことになってくるのではなかろうかと思っております。
プレッシャーが多かったんですか。
最後の最後まで気を抜けない状況であるのは事実だったと思います。特に、復興財源の捻出が大きな課題となっておりましたし、そのためには、やはり増税という痛みも国民の皆様方に担っていただく中で、こういった事業が進むかというのは非常に予断を許さない状況が続いてきただけに、こうした方針をお示しいただいたというのは、正直申し上げて、よかったなと思っております。
以上で知事の会見を終わらせていただきたいと思います。
以降は、企画振興部政策監の方で詳細について質疑を受けたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
どうも、後をまたよろしくお願いします。ありがとうございました。
・午後2時から午後2時45分(45分間)
・特別会議室
【定例記者会見】
会見内容
平成23年12月19日 定例記者会見
会見内容
1.県民栄誉賞について
それでは、ただいまより知事の定例記者会見を行わせていただきます。
よろしくお願いいたします。
どうぞよろしくお願いします。
今日は、まず私の方から2点、ご報告をさせていただきます。
1点目は、県民栄誉賞の贈呈についてでございます。
先般、内村航平選手に対して県民栄誉賞をお贈りしたいというお話をいたしておりましたけれども、今般、日程の調整がつきまして、あさって、12月21日、14時15分から表彰式を執り行わせていただくということにいたしました。大変お忙しい選手生活を送っておられるのでありますが、長崎にお帰りいただいてふるさとでの表彰式を執り行うことができるということになったところでありまして、内村選手をはじめ、関係者の方々に心からお礼を申し上げたいと思います。21日には改めて県民の皆様方とともに、心からお祝いを申し上げたいと思っております。
内村選手は、先般、お話をさせていただきましたように、世界体操競技選手権大会の後も、11月の「FIG2011体操ワールドカップシリーズ東京カップ」でも個人総合優勝をされ、今月の豊田国際体操競技大会の種目別の床、鉄棒でも優勝をされるという大変すばらしい成績を挙げておられます。来年夏のロンドンオリンピック代表にも決定したという報道をお聞きしており、日本体操選手として初めての選出で、大変喜ばしいことであると思っております。
それから、市川森一先生に対する県民栄誉賞についても授与させていただきたいということで決定をさせていただきましたが、この詳細な日程については、これから調整をさせていただくこととしております。これが1点目のご報告であります。
2.諫早湾干拓事業について
2点目は、諫早湾干拓事業の開門問題であります。
これまでの経緯については、既に皆様御承知のとおりでありますが、12月3日、九州農政局から地元に入られて説明会が行われました。地元の皆様方からは、ボーリング調査と言いながら、取水量が現在、1日に1万2,000トンほど取水がなされておりますが、これが2万9,000トン加わるということになって、相当の量に上ってまいりますので、新たな地盤沈下、あるいは周辺の井戸に対する影響が懸念されるということで、強い反対の意向が示されたところであります。
その際、国においては、地元の理解と協力が得られるよう努力する。得られない場合は、上の指示を仰ぐことになるというような発言があったとお聞きしておりますが、この間、その後の説明等はなされておりません。
そういった中に12月12日、ボーリング調査の入札が行われたということであります。地元の理解と協力が得られるよう最大限努力するという姿勢でありましたが、地元の意向に沿うことなく、こうした入札が行われたということでありまして、信頼を裏切ることにつながりかねない取り扱いであり、大変遺憾に思っております。
この間、私どもは、これだけ大量の地下水を取水するということになると、地盤沈下、周辺の井戸に対する影響が生じるのではないかということを繰り返し申し上げてきたところでありまして、そういった中に国は環境アセスの準備書を公表するという段階になりました。
このアセスの実証の一環としてボーリング調査を行うという説明をされておりますが、アセスはアセスとして準備書を公表した後でこういったボーリング調査が行われるというのは、手順として本末転倒である。本来であればアセスを取りまとめる過程の中で十分そういった影響調査というものを踏まえた上で、地下水に頼ることができるのかどうか見きわめた上でアセスを行うべきであると考えております。本当に何度も申し上げるようで恐縮でありますが、手順が全く逆転していると思っております。
逆に言うと、いかに安易に地下水によるということが選択されたのか。ボーリング調査も行わないで、アセスの中では農業用水を地下水に頼るという方向性が示されているわけでありますので、このアセスの手順そのものがいかにいいかげんなものであったのかということにもなりかねない内容を含んでいると思っております。
万が一、周辺の飲料水、あるいは工業用水に影響が生ずるということになると、これは大変な問題である思っております。直ちに企業の撤退にも結びつきかねない課題をはらんでいると思っているところでありまして、私ども、しっかりそうした問題点を改めて国に説明をし、理解を得ていく努力をする必要があると考えております。
今回のこのボーリング調査の基本的な考え方でありますが、15日間の揚水試験を行うとされております。そして、3月下旬までに調査を完了するという考え方のようでありますが、15日間のボーリング調査で、例えば水量が確保できるのか、どれだけ水が揚水できるのかということは把握できるかもしれませんが、その結果、どういう影響があるのかというのは、15日間ではまず難しいものと思っております
専門家の方々のご意見をお伺いする中でも、例えば、粘土層の場合、地下水の移動速度が遅いので、地盤沈下を発生させるには相当の時間がかかるであろうと言われております。15日間の試験では地盤沈下の影響までは把握できないのではないかという指摘がなされているところであります。
一方、平成19年に、中央干拓地においてボーリング調査を行いました。これは宅地等の用地を造成しており、そこで活用するための用水を地下水で確保しようということで、この時には日量200トンのボーリング取水の予定でありましたが、この時の揚水試験が3ヵ月間、影響監視など含めますと、全体で1年間の調査が実施されたところであります。
わずか200トンの時に、しっかりそうした手順が踏まれているにもかかわらず、今回は新たに2万9,000トン、これを15日間でやろうというお話であり、理解しがたい問題を含んでいると考えているところであります。
一方、また、諌早市においては、地盤沈下の防止と地下水保全のために、地下水取水の規制に向けた条例がさきの議会で可決されたということであります。
これまでの地盤沈下等、深刻な状況の中にある諌早市の対応としては、当然必要なことではなかろうかと考えているところであります。
また、この条例の施行は、来年の4月1日からということでお聞きしておりますが、こうした条例の趣旨、あるいはこれまで地元の方で取水協定を締結してきたという経緯を十分に踏まえていただいて、慎重な、真摯な対応を求めてまいりたいと考えているところであります。
以上、私からは2点ご報告を申し上げたところであります。
あとはどうぞよろしくお願いします。
3.朝鮮民主主義人民共和国情勢について
幹事社のNCCです。最初に質問させていただきます。
今起きている一番大きなニュースというのが、北朝鮮の金正日総書記死去ということですけれども、知事としてはそれをどう受け止めていらっしゃるか。長崎県にどのような影響があると考えられるか、その辺の考えをお聞かせください。
突然の報道でありまして、大変びっくりいたしました。今後、北朝鮮の政治体制がどのように進んでいくのか、まだ見極めができないような状況であろうと思いますが、基本的には東アジア地域の情勢が安定化する方向で進んでいくことを強く願っております。
特に、本県の関連の事項でありますが、例えば本県出身の拉致被害者の方もいらっしゃるというお話をお聞きしておりまして、そうした問題、あるいは核兵器の開発の問題等も大きな課題になっております。こうした問題が平和裏に解決の方向に向かうことを強く期待しているところであります。
4.平成23年を表す漢字について
全体的な話なんですけれども、今年の日本全体での漢字一字というのに「絆」という字が選ばれましたけれども、長崎県で例えば漢字一字で表すというと、どういう字、振り返って見られて今一番適切なのはどういう字と思われますか。
漢字一字というのは難しいですよ。熟語だったら何か出てくるかもしれませんが。あえて一字と言われると、実は私も「絆」かなと思っておりました。というのは、いろんな場面で「絆」という言葉を多く聞いてきた年であります。
一つは、佐世保の米軍基地のマーチン司令官が代わられましたが、やはり地域の市民の方々との絆は非常に大切だと、日本語の「絆」という文字を書いて、市民の方々に紹介をされていました。
そして、私自身も特に、アジア戦略の中で、孫文・梅屋庄吉の関係を数多くの場でお話をさせていただきましたが、この事業に取り組む基本的な考え方は、長崎と中国との友好交流の絆をさらに強固なものにしたいということを、繰り返し、繰り返し訴えてまいりました。
それと、東日本大震災の発生に際して、やはり人と人との絆がいかに大切であるのかということが大きな話題になったところでありますので、私自身、どういう文字かと言われると、私も今年は一番「絆」ということについて、多く話をさせていただいたかなという気がしております。
5.石木ダムについて
石木ダム建設について伺います。
7月に県の方針が出されて、国に報告をされたと思うんですが、年内にも国の方針が出るのではというようなことも会見か何かでちょっとおっしゃって、予測だと思うんですが、おっしゃっていたと思うんですが、まだ出ていないということについて、まず見解をお示しください。
去る7月に事業継続の方針で国には報告をしております。有識者会議の議論を踏まえて、早急に方向性をお示しいただきたいという要請活動も行ってまいりました。
現状は皆様ご承知のとおり、ダムの大きな争点となっておりました八ッ場ダムについての議論が行われている状況のようでありまして、引き続きできるだけ早く方向性が得られるように求めていきたいと思いますが、当初は秋口にも一定の方向性を示していただけるのではないかと期待をしておりましたが、石木ダムの前に八ッ場ダムの議論の方が先行したというような状況でありまして、そちらの方が早く方針を示されるのが先なのかなということで待っている状況であります。
それに関連してですが、国の回答が付替道路の工事再開のタイミングときっかけにもなり得るというようなこともおっしゃっていましたが、予算執行の問題もあると、同時におっしゃいました。再開の見通しについてはいかがでしょうか。
そう遠からず方向性をお示しいただけるのだろうと思っております。そうした場合に、残された期間との関連で、どういう工期がとれるのか。どこまで執行できるような体制になるのか。そこら辺の見極めもしながら、着手の時期については判断をしていかなければならないだろうと思っております。
年明け早々ぐらいには方針をお示しいただきたいと思っております。
年明けにも、もし国の方針が出ない場合には、県としての決断もあり得るということですか。
そうですね。そういうこともあわせて考えなければならないだろうと思っております。ただ、地元の皆様方は、国の姿勢がどう示されるかということに関して、やはり関心をお持ちだろうと思っておりますので、できるだけ国の方針が示された中で手順を踏んでいければと思っております。
6.九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)について
長崎新幹線の件でお聞きしたいんですけれども、議論が中央の方でいよいよ大詰めになっているようなんですが、1点気になる点が工期の問題、費用を抑えるために10年程度からもう少し工期を延ばすという案がどうやら検討されているようなんです。知事に確認の意味でお聞きしたいんですが、仮に認可ということになっても、その工期が今までよりも延びるということになった場合、従来県の立場としては一括開業と、できればフル規格化ということなんですけれども、仮にその工期が延びて、一括開業は難しいということになった場合、県としては、あくまでも一括開業というのを求めていくのか。それとも、先に武雄温泉〜諫早までは先行で開業して、そこから先はでき次第というような立場なのか。工期の延び方にもよると思いますが、その辺、県の立場としてはどういうことになるんでしょうか。
認可の方針がどういう形で示されるのか。例えば、武雄温泉〜諫早間は認可して、もう着工しています。今回、諫早〜長崎間が認可されるのか、武雄温泉〜長崎間が認可されるのかですね。フル(規格)という選択肢もあるでしょうし。
そういった場合に、例えば、それが具体的に工期がどうなるのかということにもよりけりなんだろうと思いますが、武雄温泉〜諫早間が早く完成をして、その間にいわゆる諫早〜長崎間がうんと長くなって、その間の施設がたなざらしになるというようなことは、これは避けなければならないだろうと思います。別々にやるとすれば、これまでも申し上げてきたように、フリーゲージトレインを投入する計画がありますので、その他数十億円の軌間変換装置を別につくらなければならない。そのための用地の確保もしなければならない。ということは、相当手戻りがあるし、将来的には不必要な投資まで必要になってくる。したがって、全体の進捗の中で、武雄温泉〜長崎間が一定の時期に完成を迎えることができるのが一番望ましいと思っているところです。
これは事業費、予算が幾ら確保できるかということによるだろうと思うんです。この西九州ルートの場合には、わずか残された区間が21キロでありますので、全く他の路線と同じように25年になるのか、どのくらい想定されているのかわかりませんが。3路線全く同じ期間だと、21キロの区間を同じように少しずつ、少しずつやっていくというのは不合理な話だと思います。非常に距離の短い区間でありますので、工期も短くて済む環境にあると思います。前提条件も一定西九州ルートは整理済みでありますので、そういった中でどのくらいの工期が想定されるのか、それを見極めていく必要があると思います。
基本は一括開業だと。
そうですね。無駄な投資を避けるという意味でも、一括開業できるような工期内で完了が迎えられるよう努力をしていく必要があると思います。
関連ですが、そうすると、開業時期が先延ばしもやむなしということでしょうか。
どの程度想定してあるのかというのは全くわかりません。といいますのは、例えば、認可を受けたのが(平成)20年だから21、22、23、今もう3年経過していますね。実はこの間、中央にも訴えてきたのは、諫早〜長崎間は長大トンネルを予定している。これにはやはり相当期間もかかる。そして、工事を進めるためには用地買収からかかっていかなければなりませんので、そうした状況の中で工事そのものにどのくらいの期間を要するのか、これは改めてしっかりとスケジュールを把握していく必要があると思っております。
そういった中で、意図的に事業費を少なくして先延ばしをするというようなことはあってはならないと思っておりますので、粛々と計画的に進めていった時にどのくらいの工期になるのか。我々はこれ以上遅くなると一括開業に間に合わなくなりますよということを申し上げてきたんですが、改めて武雄温泉〜長崎間について認可が得られるということであれば、そこら辺の工程を見極めながら、粛々と工事が進んでいくように働きかけを行っていく必要があると思います。
2018年の春(の開業)を目指しているんですけれども、それに伴ってまちづくりも一緒に進めていく必要がある。そこら辺、まちづくりに与える影響はどうなんでしょうか。
それはやはり事業の着手順位というのがあるのだろうと思います。例えば長崎駅がまだ認可が得られてないので姿が見えないような状況ですが、認可が得られれば長崎駅部から着手していくと、あるいは諫早駅周辺もあわせて計画を策定して取り組んでいくということになっていくのではないでしょうか。
周辺の事業との関連性、連動性も十分考慮して事業の順番を決めていかなければならないのではないかと思います。
7.諫早湾干拓事業について
諫早湾干拓関連で1件確認させてください。 筒井農水副大臣が、「ボーリング調査を行う時は事前に地元県に通知する」というふうにおっしゃっていたんですが、今の段階で来ておりますでしょうか。
現地に入るということですか。それはまだ聞いておりません。
先ほど知事、非常にお怒りの言葉があったと思うんですが、今までも官邸だったり、農水大臣だったり、直接上京されて抗議文なりをお渡しされたりするケースがあったと思うんですが、今回もそのようなお考えがありますでしょうか。
ボーリングの契約がなされたということもありましたので、今日、県、諫早市、雲仙市の市長さん連名で、「諫早湾干拓事業の開門問題に係るボーリング調査の即時中止と開門方針の見直しを求める要求書」を出させていただきつつあります。まだ届いてないのかもしれません。
送り先は農水省でよろしいでしょうか。
九州農政局長、農林水産大臣、内閣総理大臣あてに出しております。
例えば、それは提出を確認されたら、いただくことってできますか。
提出確認後、記者室の方にも情報提供をしたいと思います。
8.原子力災害に関する対応状況について
玄海原発関連のことでお聞きしたいんですけれども、先々週の金曜日、1次冷却水の漏れがあったということで、長崎県への連絡というのがちゃんとした連絡という形で入らなかったというふうなことをお聞きしたんですけども、そのことでかなり長崎県としても不安、不満を抱える県民の方がいらっしゃると思うんですよね。
今のところ2回ぐらい九電との間で安全協定の話をされているというふうにお聞きしていますけれども、それが締結できていないから遅れたのではないかという話もちょっとあるんですが、そういったことについて知事はどういうふうにお考えなのかということをお聞きしたいんですが。
一部合意に向けて先行しているところもあると聞いておりますが、恐らく立地自治体以外での安全協定というのは全国に例がありませんので、少し時間がかかるのかもしれません。それはそれで鋭意できるだけ早く締結できるようにという調整を進めていきたいと思います。
それと今回の情報提供、説明は全く別の話だと思っております。こうした福島第一原子力発電所の事故を踏まえて、やっぱり地域住民の皆様方に対するしっかりとした情報提供と説明責任、これは不可欠な要素だと思っておりまして、そういう要請も繰り返し行ってきたところでありますので、改めて今回の事態を受けて強く申し入れを行っておりますが、やはりこれから原子力発電所を安定的に運営していこうとされるのであれば、そういった点についてしっかりと留意をいただく必要があるものと思っております。
この件に関して、県議会の特別委員会でもいろいろと九電の長崎支店の方を呼んで話をしているけれども、広報担当者で原子力担当の方とは話ができていないというようなことがあって、そこがちょっと長崎県としてももう少し原子力担当の人間とも話すような形でやるべきではないかという意見がありましたけど、その点についていかがでしょうか。
安全協定の話を含めて、本店のしかるべき窓口の方と協議を進めさせていただいている状況でありますので、そういった場を含めてしっかりと申し上げるべきところは申し上げていかなければならないと思います。
9.諫早湾干拓事業について
話が前後してすみません。諫干の今の中止の要請書の関連でちょっとお伺いします。昨年から判決が確定して、抗議文なり、いろいろと抗議は国に対してしてきた経過がありまして、今回も内容としては同じような開門の判断をもう一回見直すようにということだと思うんですけれども、今回の件がこれまでと違う点というか、変わっている点があればそこをお伺いしたいんですが。
ボーリング調査の入札が今の時期になされたということは、恐らく早急に現地の調査に入るのではなかろうかと思います。現地の調査がなされるということになると、地域の住民の方々は非常に大きな不安を抱え、そうした事態に直面されるということになってくるものと思います。場合によっては予想しないトラブル等も懸念されるところでありますので、まずはしっかりと冒頭申し上げたように、地元の理解と協力を得ながらと、こうおっしゃっているのであれば、まず繰り返し説明をしていただいて、理解が得られるようなご努力をいただく必要があると思うんです。1回いらっしゃって、お帰りになられて上の指示を仰ぐと言われて以来、そうした動きが止まっていますので、一体どうなるんだろうかという不安も地域の方々は抱えておられると思います。
実は、県もいろいろと複雑な立場があります。地域住民の安全・安心を守る行政としての立場がありますし、それから、ボーリング調査が行われようとしている国有地の管理を委託されている立場もあります。そして、農地についてはご承知のとおり、農業振興公社の方で土地の譲渡を受けて管理して営農をしていただいているという立場もあります。さまざまな立場がありますので、現地にいざ入られるということが想定されるわけでありますが、仮にそうなったら、やはり大きな混乱につながっていく可能性もあるのではないかと思っておりまして、そういうことも踏まえて、今回改めて要求をさせていただいたところであります。
それで、現地の大きな混乱につながるということですけれども、ボーリング調査中止というより、説明に来てくれという要請になるんでしょうか。
いえいえ、説明に来てくれというんじゃなくて、説明もなされずに、入札自体が前に進んだわけです。12月3日に説明があって、これはもう絶対まかりならんといったそのわきで、もう次の段階に進んでおられるわけでありますので、そういったことについては、今までおっしゃったことと違うではないかという趣旨の要請です。
関連ですが、そうすると、県の今の複雑な立場からすると、ボーリング調査を阻止するということは、現実できないんでしょうか。
これはなかなか難しい面があると思います。というのは、例えばボーリング調査をやろうとされているのが民有地であれば、それは土地を提供しないということで阻止することができるだろうと思いますが、国有地で計画をするということであれば、国有地の管理は一旦委託されておりますが、所有権は国であるわけです。管理者としての県に対する相談はまだ一切あっておりません。
そういう中で、どこまで権限が及ぶかというと、県の立場は管理を受託している立場でありますので、最終判断は管理者としては反対だということは、これは申し上げることができると思いますし、そうしなければならないと思うんですが、それを国に上げたら、国の権限のもとに判断し、方向性が示されるということになるだろうと思います。
ただ、それはボーリング調査の問題でありまして、いざ本格的に取水、井戸を掘るということになると、国有地だけでは当然済まない話になってきますので、そうした段階では当然ながら、多くの地権者の方々のご理解も得ていく必要があるものと思っております。
いかんせん、我々が懸念しておりますのは、手順を考えてみた時に、これまでの手順と違って環境アセスの手順も、先ほど申し上げたように後先、逆のような手順になっておりますので。しかも、12月3日に地元に説明に入られて、12日には入札をするという形になっていますので、拙速に事が進められつつあるのではないかという懸念をしております。
そういった中で、やはりこれまでの国が取り組んでこられたような手順をしっかりと地元の慣行、協定、こういった部分についても尊重していただいて、手順を踏んで検討を進めていただく必要がある。これはもちろん、環境アセスのためのボーリング調査と、こう言っておられますので、そうであるならばなおさらのことであろうかと思います。
これは開門差し止め訴訟の原告団の方からちょっと聞いた話ですが、ボーリング調査をさせることによって、逆に影響があるとか、これじゃ間に合わないといったことが証明されるからやらせてやったらいいんじゃないかというような意見も聞いたんですけど。
先ほど申し上げたように、今の手法というのは、15日間でやろうとしているんですね。15日間、恐らく揚水試験を中心に調査が行われるだろうと思います。水量が安定的 に確保できるかどうか。その影響が周囲にどの程度及ぶのか。直ちに影響が出れば、これは取りやめになると思います。ところが、やはり専門家のお話を聞くと、すぐすぐに影響が出るか、出ないかわからないということなんですね。問題は、そうした時ですよ。
事が粛々と前に進められて、後日、とんでもない影響が生じてきたということになると、これは後戻りがきかない要素があるわけです。例えば、地盤沈下を一旦来すと元に戻らないわけですよね。その辺のことをやっぱり慎重に対応していく必要があるのではなかろうかと思うんです。直ちに、取水する過程の中ですぐ影響が出るというような形になるのかもしれませんが、そうならないかもしれない。そこはやはり慎重に対応を求めていくべきだと思っております。
今のままではボーリング調査をしても、それは簡単にやっただけで大した結果も得られないのに、大丈夫という結論だけが出てしまうような危険性があると。
15日間のボーリング調査ですから。向こう1年間の経過観察を含めてやるという話じゃないですから。前回は、同じ事業主体、国ですよ。1年かけて調査を行い、わずか日量200トンの水に対して地域住民の皆さん方との協定を締結して手順が踏まれてきたわけであります。そういった事実と比較してみると、今回は非常に拙速に事が運ばれようとしているのではないかという危惧の念を強くしております。
なんででしょうね、農水省はそういうふうに拙速に。
恐らく先の控訴審判決が確定してしまって、国が開門の義務を負っていると、度々説明をされておりますように。そういうことで開門を行うためには、あと2年しかないという考え方があって、そのためには今から準備しないと間に合わないという計算のもと、スケジュールが組まれているのではなかろうかと思っております。
我々は、これまでと同様、その判決は国が負うものであって、地元の住民の方々が負うべきものではない、国が判断したわけですから。我々は、問題があるので慎重にやってくれと言ったにもかかわらず、自ら決断してそういう結果を負う話になったわけでありますので、我々としては納得できないという思いについては、これまでと同様、変わりありません。
諫早湾干拓以外で何か質問があれば。
10.県民栄誉賞について
話は戻るんですけれども、内村選手に県民栄誉賞を授与されるということで、もう今や「世界の内村」になっていると思うんですが、長崎県にとって内村選手の存在はどういう存在ですか。
そうですね、これまでになかったすばらしい実績を上げてくれている選手ですね。スポーツ界のみならず、幅広い県民の方々に大きな力を与えてくれた選手だと思っております。まだまだ若いですので、これからもっともっとオリンピックを含めて大活躍をしていただいて、また県民の皆さん方に大きな夢と感動を与えていただきたいと思っております。
11.原子力災害に関する対応状況について
私も戻って申しわけないんですが原子力の関係で、安全協定なんですけれども、例えば年度内とか、何か(締結までの)見通しのようなものというのは出てきているのでしょうか
先般、危機管理監が年度内を目標に頑張ると、こう話をしたと思います。そんな悠長に構えておくような課題ではないと思いますが、ただ一つは、恐らく全国似たような動きにあると思うんです。そういった中で、それぞれの電力会社ごとに取扱いが違うというようなことにならないよう、九州電力さんも相当気になさっておられるんじゃないかなと思います。したがって、そこは全国の動きも見極めつつ、お互いに早期に締結できるように努力していかないといけないと思っております。
向こうの感触として、どれぐらいかかるかなというのは。
まだ個別の項目については私も把握しておりません。ただ、そういった方向で話し合いの場は持っていくということは了解をいただいておりますので、何らかの形で安全協定が締結できるものと思っております。
ストレステストの結果が提出されているんですけれども、(運転を)再開する前に保安院の説明会を地元で開くようにというようなことも要望されていたかと思うので、その日程とかは連絡は来ているのでしょうか。
いいえ、まだ日程等の連絡はいただいておりません。この間の経過の中で、地元に対するしっかりとした説明を行うということについては既に了解をいただいておりますので、再稼働前には間違いなくご説明等がいただけるものと思っております。
それでは、以上で知事の定例記者会見を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。
発言内容については、わかりやすいように一部変更している部分があります。
・午後3時から午後3時40分(40分間)
・特別会議室
【定例記者会見】
会見内容
平成23年11月8日 定例記者会見
会見内容
1.中国訪問及び上海航路就航について
それでは、ただいまより知事の定例記者会見を始めさせていただきます。よろしくお願いします。
どうぞよろしくお願いします。
まず、今日は2点について、ご報告をさせていただきます。
ご承知のとおり、去る11月1日から中国を訪問してまいりました。
まず、北京市において、中国の国務委員、あるいは外交部長を歴任されまして、現在、中日友好協会の名誉顧問をされております唐家セン(とう かせん)名誉顧問と会談をさせていただきました。
日本の大使館にも勤務をされた経験をお持ちで、高田元知事と親交の厚い方でありましたので、ご紹介をいただく形で面談が実現したところであります。
非常に日本に明るい方でありまして、これから日本と中国の交流を進める上で大切な方の一人だろうと考えて、こうしたお願いをしたところでありましたが、これまでの本県の取組についても非常に詳しくご承知でありまして、日中の交流・発展のために、本県が大切な役割を果たしていることに高い評価をいただきました。特に、来年からは、日中国交正常化40周年という節目を迎えてまいりますので、これからは青少年交流と経済・貿易関係の交流をいかに発展させていくかということが大事ではなかろうかというようなお話がありました。
私の方からは2点お願いをいたしました。
1つは来年の日中国交正常化40周年を機に、さまざまな交流事業が国と国との間で展開されるということが予想されているところでありますが、上海航路も初便が運航したところでありますので、ぜひこの長崎も交流の舞台として積極的に活用していただきたいというお願い。
そして、「新中日友好21世紀委員会」というのが、有識者のさまざまな課題について中日友好をどういう戦略を持ちながら進めていくのかという委員会が、これは日本側と中国側で毎年交互に開催されているところですが、来年は長崎でこれを開催していただけないかというお願いをしてまいったところであります。この唐家センさんは、中国側の座長をお務めの方でありますので、各委員とも相談をして検討をしたいというお話をいただいたところであります。
県としては、引き続き、日本の関係機関の方にも要請を行ってまいりたいと思っております。
その後、11月2日から6日まで、宮内県議会議長をはじめ県議会議員の皆様、地方公共団体、経済界の代表の皆様方ともども上海市を訪問してまいりました。これは長崎県と上海市の友好交流関係樹立15周年、そして、辛亥革命100周年という年にあわせて、そして、時期的にも上海航路の復活初便の運航にあわせて、こういう形で上海市を訪問したところであります。
今回の訪問の目的は、これまでの長崎県と上海市の友好交流15周年を迎えたわけですが、これまでのさまざまな交流について謝意を表するとともに、新たな交流の促進について、引き続きご理解をいただきたいという目的がございました。
具体的な取組としては、一つは梅屋庄吉像を上海市の紹興公園に設置、除幕式を行うということでありました。
除幕式の主催者は上海市側でありましたけれども、像は長崎県民の方々の浄財をもって制作、寄贈したものでありまして、これは今から10年前に、逆に2001年11月、韓正(かん せい)上海市長が来県されて、孫文と長崎県のゆかりが非常に深いということで、10年前に孫文像を寄贈いただきました。それに対する返礼の意味を含めて、今回、長崎県側から上海市側に寄贈をさせていただいたところであります。
非常に閑静な、緑豊かなたたずまいの中にある、まさに街中の公園でありましたが、ちょうど中央部の一番目立つところに、この梅屋庄吉像が設置されておりました。
翌日も参りましたが、早速地域の住民の方々がしみじみとご覧になられて、説明文をお読みいただいておりまして、歓迎されていたように思っております。また、中国の皆さんからもお礼の言葉をいただいたところでありました。ぜひ長崎県と上海市の友好のシンボルとして、市民の皆様方に親しまれていくように願っているところであります。
この除幕式には、上海市の対外友好協会の汪小ジュ(おう しょうじゅ)副会長、そして、上海市の黄浦(こうほ)区の周偉(しゅう い)区長さんほかにもご出席をいただいて除幕式が執り行われたところであります。
また、除幕式の前日には、孫文と梅屋庄吉の関係、上海と長崎県との関係について講演会を開催いたしました。講師を務めていただいたのは、日比谷松本楼の梅屋庄吉の曾孫に当たられる小坂文乃さんと、そして、この長崎県と上海市の友好関係樹立に当たって当初からお力添えをいただいてまいりました、上海市の対外友好協会の兪彭年(ゆ ほうねん)副会長、県立大学の教壇にも立っていただいていた方でありますが、そうしたお二方から講演をいただいたところであります。
そして、講演の後は、中国東方航空を利用した長崎への旅行商品のプレゼンテーション等も含めてプロモーション活動を行ったところであります。この席では、中国のメディアの方々、そして、旅行業者の方々もお集まりをいただきました。その後、記念祝賀会を開催して、終始なごやかな雰囲気の中でこの歓談が行われたところであります。
そして、韓正上海市長とも面談をいたしました。
私の方から、先ほど申し上げたように、15年の交流についてお礼を申し上げ、そしてまた、さきの東日本大震災の際に中国の皆さん方から、物心両面にわたって支援をいただいたことに対してお礼を申し上げたところであります。
あわせて、今、ご報告をさせていただきました梅屋庄吉像の設置、そして、上海航路の就航、長崎における「孫文・梅屋庄吉と長崎」という特別企画展の開催等、ご報告をいたしました。この特別企画展の開催に当たっても、上海市の孫中山(そん ちゅうざん)故居記念館、あるいは宋慶齢(そう けいれい)故居記念館から大変貴重な文物もお借りしているところでありまして、そうしたご協力、ご理解に対して、お礼も申し上げたところであります。この15周年を一つの契機として、さらに友好交流の発展に努めましょうというお話で面談をさせていただきました。
帰りは、長崎〜上海航路の復路に乗船いたしました。出発が霧のために2時間ほど遅れたところでありましたが、大変快適な船旅だったと思っております。
大体乗船いただいた皆様方に、非常に前向きの評価をしていただいたことに安心いたしました。
もともとは、このオーシャンローズ号は、ローコスト・エンターテインメント・シップということで、できるだけ安い料金で、さまざまなイベント等を楽しんでいただく航路として、今後運航を進めたいという考え方でありましたが、まだまだ本格的な船の改修が終わっていない状況でありましたので、本来の姿ではなかった面があろうかと思います。施設、部屋が若干古いということはありましたが、おおむね皆様方、ゆったりとした時間の流れで会話を楽しんだり、会食をされたり、読書をされたりということで有意義な時間をお過ごしになられたということをお聞きいたしました。
李文亮(り ぶんりょう)総領事と(衆議院議員の)北村誠吾代議士には、往復ともこの航路をご利用いただきましたし、復路には、在上海日本国総領事館の泉総領事にもご乗船をいただき、ご講演をいただいたところであります。
泉総領事にも、大変高いご評価をいただき、「これから長崎と上海、長崎と中国との交流がますます拡大していくのではないか。そのためには、自分の立場からも支援をしたい」というようなありがたいお話もいただいたところであります。
いずれにいたしましても、こうした取組を一つの契機として、さらに長崎と上海の友好交流促進に力を注ぎ、県内の地域の活性化に結びつけていくことができるよう努力していきたいと考えております。
2.県民栄誉賞授与について
<配布資料> 県民栄誉賞授与について【PDF】
それから、2つ目のご報告でありますが、皆様ご承知のとおり、世界体操競技選手権大会において見事3連覇の偉業を達成された内村航平選手に対して、県民栄誉賞をお贈りしたいと考えているところであります。
内村選手は、去る10月7日から東京で開催された第43回世界体操競技選手権大会において、すばらしい成績で個人総合優勝を果たされました。前人未踏の3連覇という偉業でありまして、県民の皆様方にも明るい希望と活力を与えていただいたものと考えております。こうしたことを県民の皆様方とともにお祝いを申し上げたいと思っております。
これまで内村航平選手は、北京オリンピックでメダルを獲得されました。そして、世界体操競技選手権大会で連覇をされまして、実を申しますと、平成20年、平成22年に県民表彰で特別栄光賞をお贈りしてきましたが、3連覇というと、これまで例のないことでありまして、ぜひ、これを機会に県としても、しっかりその偉業をたたえるべきではないかというようなお声が挙がっていたところであります。そうしたことで、今回、県民栄誉賞をお贈りしたいと考えているところであります。
これまでの県民栄誉賞は、昭和63年、当時、国見高校サッカー部監督の小嶺忠敏様、そして平成8年、シンガーソングライターのさだまさし様、平成9年、当時の日本相撲協会の理事長であられました市川晋松様にお贈りした経過がございますが、今回で4人目ということになってまいります。
具体的な表彰式については、内村選手のご日程の都合もあるだろうと思いますので、今後調整させていただきたいと考えているところであります。
今後、ロンドンオリンピックでもさらにご活躍をいただき、世界の頂点を極めていただきたいと考えているところであり、再び県民の皆様方に夢と感動を与えていただけるものと確信をしているところでございます。
とりあえず、私の方からはこの2点を報告させていただきます。あとはどうぞよろしくお願いいたします。
3.上海航路及びTPP交渉参加について
それでは、幹事社のNBCが代表しまして、まず2点質問させてください。
1点目は、上海航路の件ですが、実際に知事が、帰りに乗船されて、実際にその目で見てこられて、現場の雰囲気も確かめられたというのを前提にして、今後、事業主体はもちろんハウステンボスではあるものの、県もかなり支援をしているという中で、今後、その取り組むべき課題なり、解決すべき問題なりというものが、もし現場を見て感じられたのであれば、それを聞かせてもらいたいというのが1点。
それから、話はまた全然違いますが、あさって、10日にTPPの問題について野田総理が態度を表明するのではないかという報道もされています。この中で、さきの県議会で知事は、慎重に対応すべきというような答弁をされていたかに思いますが、改めてTPPに対する見解を聞かせていただければと思います。
まず、上海航路の課題ですが、大体、長崎県と上海市、あるいは中国に対するこれまでの歴史的な経過についてご理解いただいている方々は、非常に高い評価をいただけていると実感をいたしました。
ただ、課題はというお話でありますので申し上げますが、まだまだこうした話が幅広い中国国民の皆様方に行き渡っていないということが一番大きな課題だろうと思っております。
そういう意味で、実は復路にも中国のメディアの関係者の方々、旅行業界の皆様方にご乗船をいただき、県内各地の魅力を取材いただいて、ご帰国後、幅広い情報発信をお願いしたいと考えているところでありますが、中国は極めて広い、多くの方々がいらっしゃるということでありますので、残された期間は決して多くはないと思っております。これからどう情報発信をしていくのかといったことが一番大きな課題として残されているものと思っております。
ただ、航路の具体的な時刻、料金、運賃体系等を含めて、まだまだ明らかにされていないという状況でありますので、いつ、具体的な旅行商品という形で情報発信できるのか、できるだけ早く実務を詰めていただきたいと思っておりますが、県としては、これまでも努めてまいりましたように、さまざまな機会をとらえて、長崎県の情報発信にさらに力を注いでいかなければいけないと思っております。
それから、TPPの問題ですが、これについてはこれまでも申し上げてきたとおり、TPPに参加することによってプラスの影響を期待できる分野と深刻な影響が懸念される分野があるものと考えております。
例えば、農業分野でありますとか、関係業界の皆様方もご心配されていると思います。福祉、医療、労働、金融、そういった分野において、影響が少なからず生じてくるのではないかといわれておりますが、まだまだ正確な情報が伝わっていないというのが一番大きな課題ではないかと思っております。
例えば、第一次産業に対する影響が一番強く懸念されているところでありますが、TPPに参加する場合に、国内の農林業、水産業をどう変えていくのか、全くそういった道筋というのが明らかにされていない状況であるわけです。
そういう状況の中で一方的にTPPについての結論を出されるということは、地域としてもなかなか理解しにくい面があると感じております。
しっかり情報を提供し、説明責任を果たしていただいた上で、国民的な議論の中で一定の方向性を見定めていくべき課題ではなかろうかと考えているところであります。
以上でございます。
4.上海航路について
上海航路についてお伺いします。
今後、県から支援策として、例えば港や運航の際の助成など、何か具体的な支援策として考えていることがあれば教えてください。
運航主体に対する支援策というよりも、例えば港の問題であれば、国際観光クルーズ船の入港がまた復調傾向で推移しておりまして、そうしたところにこの定期航路が開設されてまいりますので、接岸岸壁が不足するということになってくると思います。
クルーズ船が同時に2隻入った時にどうするかといったことを考える場合に、今の国際観光船埠頭だけでは足りない場合が出てきますので、そういった港湾機能を高めていくための整備はこれからの課題として対応する必要があるものと考えております。
それから、運航そのものに対する支援措置というのは当面考えておりません。ただ、一般的な、空路も含めたところのさまざまな情報発信、あるいは誘客に向けての支援措置、こういったものについては引き続き力を入れていかなければならないと思っております。
特に、船をご利用いただくということになると、1,000人規模の方々が一度にみえるんですが、20数時間の船旅を往復ともご利用される方がどのくらいあるのかなといったことを考える時に、これからは空路とあわせて、うまく旅行商品をつくって提供していかなければならないと思います。
そういう意味では、例えば飛行機を活用する時も、往復飛行機であれば一定の割引などの適用がなされるんですが、片道だけ飛行機を使うということになるとなかなか難しい面がありました。したがって、中国東方航空に対しても、この船の便と合わせてフライ・アンド・クルーズに向けて何としても取組を進めていかなければならない。そのためには安価な航空運賃で座席を提供してもらえないかといったようなお願い、提案もさせていただいております。それから、また、増便についてもお願いをいたしました。
そういうことで、今後、具体的な協議の窓口を設けてお互いに検討を進めていきましょうということになったところです。
佐賀県に来年1月から春秋航空が上海便を飛ばしますが、それについては長崎県側からはどういうふうに見ていますか。
非常に有力な航空路の一つになり得る可能性があるのではないかと思います。佐賀空港とさほど離れてはおりませんし、もともと上海航路自体も長崎県内に(観光客を)とどめようという考えは毛頭ありません。九州全域の魅力に触れていただいて、一人でも多く日本を訪問していただきたいと思っておりますので、その出口、あるいは入口として佐賀空港をご活用いただくというのも非常に有益な手段の一つになると思っております。
現状では、中国東方航空が長崎空港には来ているので、春秋航空に対して何か、長崎空港を使う便を持ってくるようにアプローチをする予定とかは特にないんですか。
それは具体的なお話があれば当然ながら協議をさせていただいて、どのような条件が整備できれば実現するのか、検討をする必要があるだろうと思っておりますが、既存の空路として、東方航空が就航している実態がありますし、なかなかこれまで搭乗率も思わしくない中で、32年間この航空路を守ってきていただいたということもありますので、そうした面で(中国東方航空への)協力の要請が先ではないかということで、今回お願いに上がりました。
あるいは、春秋航空からもアプローチがあるかもしれません。そうした場合には柔軟に対応していく必要があるものと思っております。
上海航路関連なんですが、今、チャーター便の誘致に1人1万円ぐらい助成していると思うんですけれども、それとこの上海航路は違う話なんでしょうか。
チャーター便というのは(定期)航空路とまた違いまして、観光客誘致のための直接的な手段です。100人観光客をおいでくださいという時に、どのくらいの支援をさせていただければ実現するのかという話であります。定期航空路、あるいは定期航路に対して、その運航について当面、直接的な支援というのは考えておりません。まずはやはり航路運航責任者のお立場でしっかりと第一線を守っていただければありがたいと思っております。
5.諫早湾干拓事業について
諫干の話なんですけれども、九州農政局の方がボーリング調査の工事の発注をしていますが、これに対する県の見解を教えてもらえますか。
これは正直申し上げて非常に困っております。といいますのは、既に申し上げたとおり、環境アセスメントの準備書が公表されました。その前の段階は準備書の素案でありましたが、括弧が取れた形で公表がなされたと。
なお、恐らくおっしゃっておられるのは、アセスの一環としてやるんだというようなことをおっしゃっておられるのではないかと理解しておりますが、アセスメント手続を既にもう一歩前に進めて、その前提となる必要な調査に今から入りますということはあり得ない。非常におかしな手順だと思っております。
したがって、我々としてはそういう中でこれをどう受け止めるべきであるのか。具体的な開門に向けた準備作業であるならば、これはもう前から申し上げているように、お受けできないと考えているところであります。
もともとあの地域の実情については、既にご承知いただいていると思いますが、取水をするということによって地盤沈下を来して大きな問題になってきた事実があるわけでありまして、そういった問題点については繰り返し指摘をしてきました。その中で、ここまで話が進んだ今の時点で、改めてそのボーリング調査をやるというのは全く理解ができません。
地元の方でも取水をすることによって、さまざまな水源が枯渇したりということを懸念されるお話もあるわけでありますので、そういったことから相互に監視、あるいは協定を結んで取水を行っていただくというルールが存在していたわけですね。
例えば諫早湾干拓事業の中でも、宅地になる予定地の地下水のボーリングについては、そうした手順を経てボーリングをやっていただいた経過がありますので、まずは地域の皆さん方の理解を得ていただくということが前提だと考えております。
6.九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)について
話は全然違うんですが、新幹線の問題です。先月から、2カ月ぐらい前からですけれども、たびたび上京されて中央に陳情をされていますけれども、その後、進展があったんでしょうか。それと、その着工認可に向けての感触なりというのは、どういう感じなんでしょうか。
まだ具体的な道筋は見えない状況にあるのではなかろうかと受け止めております。
これまで着工予算が90億円認められて、これがそのまま使用されない状況で推移してきたわけでありますが、特に西九州ルートについては、これ以上着工が延びていくということになりますと、武雄温泉〜長崎間の一括開業は難しくなるという問題もあります。そういった中で、ぜひ本年度予算の中からでも認可・着工をしていただきたいというお願いをさせていただいております。
今の与党の中でも、この新幹線の未整備区間の取り扱いについては、恐らくこれから議論が大きく始まるのではなかろうかと思っています。東日本大震災関係の3次補正予算の成立がまず第1だと異口同音に皆さん、ご指摘をなさっておられますので、その決着がついた後で新幹線等も議論されるということになってくるのではなかろうかと思っておりますが、この西九州ルートが他のルートに引けをとることがないように、関係団体の皆様方のお力添えもいただきながら中央への要請活動を積極的に展開しているところであります。先般は、フリーゲージトレインの試験結果も、ほぼ良好な結果が得られたという評価がなされたと聞いておりますので、何としても、先ほど申し上げた諫早〜長崎間の延伸部分についての認可を早急にいただけるよう努力していきたいと思っております。
7.五島沖の中国漁船による漁業法違反事件について
話は変わるんですけれども、長崎の五島沖で中国漁船が日本の領海内に入ってきたということで逮捕されるという問題が起きたんですが、過去に五島沖で平成19年に起きていて、こういうことに漁業者も懸念とか持っているんですけど、これについてはどう受け止めていらっしゃいますか。
実は、私も細かな情報はまだ詳細に把握してないんです。領海内に入り込んだというのは事実らしいんですが、操業は一切してなかったというような話も聞いております。
8.TPP交渉参加及び来年度の子どもに対する手当制度にかかる厚生労働大臣発言について
ほかに質問はありませんか。
2点あるんですけれども、先ほどのTPP、先に説明責任を果たして国民的議論のもと結論を出すべきとおっしゃっていて、ただ、APECで表明しないと乗り遅れるというような意見もあるのですが、それを遅らせて議論を優先すべきだというお考えであるかということと、もう1点は全然違うのですが、今日、小宮山(厚生労働)大臣が拡充児童手当の財源について地方に負担を求める、約9,800億円のうち負担を求めるというような発言をされているのですが、それについて知事のお考えをお聞かせください。
TPPの判断については、いつまでに態度を表明しなければいけないということは、これは国の方で慎重に検討されるべき課題であると思っておりまして、地方の立場からは、なかなか申し上げるのは難しいのではないかと思っております。
ただ、国民の間にこれだけ不安視する声が上がっているのは事実でありますし、例えば、先のウルグアイラウンドの際には農業構造改善に向けたさまざまな方策が講じられた経過もあるわけです。今、例えば一挙に門戸を開放する、あるいは障壁を撤廃すると、このシナリオがどうなるのか、あるいは少し時間的な余裕が、これから検討する余裕があるのかもしれませんが、そうであるならば、そういう説明をしっかりしていただかないと、今のまま門戸を開放されたらどうなるんだろうという不安は間違いなく、農業者、漁業者の方々はお持ちだろうと思っております。
したがって、「しばらく待ってください、間違いなく本格的に門戸、障壁が撤廃されるまでには間に合いますよ」とか、それまでにどう農業構造改革、水産業の構造改革を進めていくかといった道筋なりしっかり示していただかないと、今の状況で右だ、左だという議論をするのは、情報が不足する中で、いたずらに議論だけが先行することになるのではないかと思っておりますので、具体的にどういった面が課題になるのか、どういう影響を被る可能性があるのか、そこはしっかり国民の皆様方に説明をしていただいて、そのための対応策をこういう形でとっていくんですよということを発信していただかないと、なかなか難しいのではないかと思っております。
それから、子ども手当の問題で、これは私もこの会見直前にお聞きしたので、詳しいことは把握しておりませんが、子ども手当に対する財源の負担を国と地方、1対1にしたいという提案があったようにお聞きしております。地方の立場からは福祉施策というのは現金給付、サービス給付、さまざまあるんですが、この子ども手当というのは国策として始められた現金給付の政策でありますので、それはもう全額、国費負担でお願いしたいとこれまでも繰り返し要望してきており、この考え方は、今も私自身、変わっておりません。
そういった中にさまざまな協議の場を設けましょうということで、当然ながら、事前に協議がされるべき課題であったにもかかわらず、突然、恐らく文書でもって申し入れがなされたのではないかと思っておりますが、新たに地方負担が数千億円発生するということであって、こういったことがまかり通ってはならないと考えているところです。
9.TPP交渉参加について
TPPの関連でお伺いしたいんですが、そうすると、現時点では交渉参加に賛成なのか、反対なのか、もしくはどちらでもないのか、どれに当たるんですか。
まだ内容の分析ができてないんです。例えば、建設業にも相当な影響が出そうだという話があったり、そうした時に県内業者に対する発注を大事にしなさいというようなご指摘がある中で、そういった対応策が講じられない。どんな分野に、どの程度の影響が発生するのかというのは、まだまだ見えない状況であります。片や、輸出関連産業にとっては非常に遅れることなく、むしろ、輸出促進する上では、有利な取り扱いになるのではなかろうか。プラス、マイナス両面ありますので、今の段階で賛成か、反対かというのは、なかなか決めがたい状況であります。
私自身、もっともっと情報が欲しいと思っております。まだ判断するだけの情報が得られてないということであります。
お伺いしていると、どっちかというとデメリットの部分を例として挙げられるものですから、反対寄りかなというふうに僕から見て…
今の段階で参加していくということについては、賛成はいたしかねるという思いであります。
県内では、どんどん農業団体とか漁業団体とかが反対の声を挙げているんですけれども、反対すべきでない、賛成だと思われる方々からの意見というのも知事のところには来ているんですか。
賛成の意見は、まだお聞きしておりません。反対の意見はたびたびお聞きしております。
最後に、TPP以外で何かご質問はございませんか。無いようですので、以上で知事の定例記者会見を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
どうもありがとうございました。
発言内容については、わかりやすいように一部変更している部分があります。
・午後4時30分から午後5時10分(40分間)
・特別会議室
【定例記者会見】
会見内容
平成23年10月6日 定例記者会見
会見内容
1.特別企画展「孫文・梅屋庄吉と長崎」について
それでは、ただいまより知事の定例記者会見を始めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
まず、数点、私の方から報告をさせていただきたいと思います。
まず第1点目は、先般、開幕いたしました「孫文・梅屋庄吉と長崎展」についてでございますが、9月30日に、辛亥革命百周年記念行事日本実行委員会の委員長であられます福田元総理をはじめ、国内外から320名の方々にお集まりをいただいて、開幕式典を開催いたしました。その後、私も初めて内覧会の形で展示内容を拝見させていただきましたが、非常にすばらしい展示内容だと思いました。
福田元総理も熱心にご覧いただきまして、「これまで見た孫文関係の展示の中では、一番充実した、すばらしい内容だった」という感想をいただきました。また、そのほかの方々からも、お褒めの言葉をいただいたところでありますが、せっかくのこうした特別企画展でありますので、より多くの皆様方にぜひおいでいただいて、この孫文・梅屋庄吉のメッセージを感じとっていただければ大変ありがたい。特に、これからの両国関係を担っていく若い世代の方々に、ぜひ触れていただきたいという思いを強くいたしました。開幕式典の中でもそう申し上げたところでありましたが、さらに工夫をしていく必要があるのではないかと思っております。
そしてまた、今回、中国政府ご当局の特別の計らいで復元が実現いたしました孫文像、これについても、この特別企画展の期間中、皆様にご覧いただけるような形になっておりますので、あわせて楽しみにご覧いただければと思っております。
そしてまた、中国から本県に寄贈いただきました孫文と梅屋夫妻像、これについても、エントランスホールに展示をいたしております。
翌10月1日には、それぞれゆかりの博物館、記念館の館長様方がお集まりになられて、館長サミットも開催されたところであります。
これからも交流、協力、情報交換を図りながら、毎年1回は長崎に集まってはどうかといった話がなされたと聞いているところであり、さらなる友好交流の促進に結びついていくものと期待しております。
2.中国湖北省・上海市訪問について
<配布資料> 中華人民共和国湖北省・上海市への訪問について【PDF】
それから、もう一点は、お手元に資料を差し上げてあろうかと思いますが、来る10月10日から13日まで、宮内県議会議長、そして大堀長崎歴史文化博物館館長とともに、湖北省武漢市、そして上海市を訪問してきたいと思っております。
これは、今回の特別企画展の開催に当たりまして、孫文、(妻の)宋慶齢(そう けいれい)ゆかりの資料をお借りする交渉をさせていただく中で、新たな交流が深まってきたところでありまして、この辛亥革命百周年を記念して、武漢市で新設される辛亥革命博物館、そして武漢市の中山艦(ちゅうざんかん)博物館、ここに長崎県のコーナーを設置するということになりました。このオープニングに出席をさせていただくということが主目的になっております。
実を申しますと、武漢で孫文と梅屋庄吉展が開催されたことがあったのですが、その際には、昨年12月でありましたが、藤井前副知事が出席をいたしました。
今年の3月に、改めて湖北省の方から、湖北日本経済交流会を開催するので出かけてきてくれというお話があったのですが、ご承知のとおり東日本大震災で、これが延期となりました。そういうことで延び延びになっておりましたが、これを機会に、湖北省並びに武漢市を訪問してまいりたいと考えております。
それから、今回、湖北省の人民対外友好協会から邵元洲(しょう げんしゅう)会長が、開幕式典に出席をされるために来県いただきました。その中で、孫文と梅屋庄吉の友情を基礎に、長崎県と湖北省の友情を深めていきたいと。ついては、10月の知事の湖北省訪問は、この友好交流の新たなスタートとして、その印として友好交流関係を締結できないだろうかというご提案をいただいたところであります。
湖北省の概要でありますが、人口が約6,000万人。(県議会の)閉会あいさつでも申し上げたとおり、三国志で有名な地域でありまして、現在は交通の要衝であるということから目覚ましい発展を遂げている地域であります。
お聞きしてみますと、大体、年間100万人の方々が海外旅行に出かけておられるということ。そして、数多くの大学がありまして、学生が130万人おられるというようなこともありまして、こうした観光交流、文化交流、教育交流、そういったものが展開できないだろうかと考えております。
それともう一つは、湖北省という地名からも推測いただけると思いますが、湖北省は非常に湖が多い地域でありまして、例えば環境関連技術、水質浄化でありますとか、そういった長崎が持っている技術シーズをもってビジネス展開ができる可能性もあるのではなかろうかと考えております。友好県省というのはご承知のとおり福建省だけでありますが、これに次ぐ友好関係ということで上海市とも15年前に締結をしたところであります。これに準じるような形で友好交流の同意書なりといったものが締結できないかということで、現在、検討を進めているところであります。
3.九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)について
3点目でございますが、ご承知のとおり、10月3日、九州新幹線西九州ルートの総決起大会を開催いたしました。1,700名を超える多くの方々にご出席、ご参加をいただきましたが、その際申し上げましたように、この西九州ルートの最大の課題は、諫早〜長崎間の21キロメートル、このわずかな区間がいまだに認可・着工が得られてないという状況であります。全線一括開業を目指す上で、もうタイムリミットを迎えているということでありまして、何としても、一日も早く認可をいただけるよう努力していかなければならないと思っております。
そういう意味で、既に今年度予算に留保されております90億円の財源の活用を含めて、ぜひ今年度中には認可をいただけるよう努力をしていかなければならないと考えているところでありまして、5日、宮内県議会議長のご同行もいただきまして、民主党、自民党、公明党ほか、国土交通省の前田国交大臣にも要請を行ってきたところであります。引き続き、実現のために全力をもって取り組んでいきたいと思っております。
4.諫早湾干拓事業について
それから、もう一つ、諫早湾干拓事業の開門問題であります。
さきの県議会におきましても、抗議の決議をいただいたところでありましたが、改めて私の立場からも、地元の市と連携をして抗議を行ってまいりますとともに、改めて白紙の状態から再検討を進めていただきたいという要請を行ってまいりました。今日午前中、民主党の樽床幹事長代行、それから篠原副幹事長ご同席のもとお話をしました。その後、鹿野農林水産大臣、そして官邸に出向きまして、齋藤官房副長官に対しまして、宮内議長、そして地元の住民、各団体代表の皆様方にもご同行をいただき、抗議を申し上げるとともに、冒頭申し上げたように、改めて開門については絶対反対であるという立場から、考え直していただくように要請を行ってきたところであります。
具体的な形での方向性等を改めてお示しいただくことはありませんでしたが、農水大臣からは、現在、準備書を作成する作業を進めているところであり、改めてできた段階で相談をしたいと。国においては25年12月までに開門の義務を負っているということから、引き続き話し合いをさせていただきながら検討を進めていきたいという趣旨のご発言がありました。官房副長官からも、農水省、官邸も一緒になって準備書の作成を進めて精査の上、誠心誠意努力をしていくという趣旨のご発言がありましたが、改めて開門の方針について、これを見直すというような明言はいただけない状況でありました。
以上、私の方から数点についてご報告をさせていただきました。
よろしくお願いします。
幹事社の長崎新聞です。諫干の関係なんですけれども、今日抗議されたということなんですが、知事が前々からおっしゃられていたように、もう開門方針が示された今、これから先の大臣との協議となると、開門に向けた協議になってしまうと思うんですが、今後については、例えば大臣がまた再び来県の意思を示された時とか、どのような対応をされるということでしょうか。
それは、大臣がどういうお考えで来県されようとしているのか、内容次第だと思います。例えば9月23日に環境アセスについての意見書の回答だという趣旨でご来県になられて、最後に(開門方法に示されたケース)3の2の手法で開門したいというようなお話があったわけでありますが、準備書(素案)の内容について、さまざまな議論を重ねている最中に、全く別の開門に向けた方針をお示しになられるというのは非常に遺憾であり、不信の念を強くいたしました。
したがって、これからも開門を前提にした協議、それに応じてくれというお話は、これはお受けできないと思います。といいますのは、開門をしない、差し止めるための訴訟を地域住民の皆様方が提起されているわけでありまして、そういった環境の中で開門に向けた具体的な協議というのは応じられない状況であろうと考えております。
諫干の関係でもう一点なんですけれども、今日、同じ日に、佐賀県の方も全開門に向けての要望というか、要請というか、行動に出られているわけなんですけれども、隣県の佐賀県と何か協議の場なり、何かを設ける考えというのはございますでしょうか。
私どもの方からそういった要請を行うつもりはございません。
今日も、実は鹿野大臣に改めて申し上げてきたのですが、さきの12月6日に判決が出された福岡控訴審判決、この判決内容は、諫早湾干拓事業と有明海全域にわたる漁場環境との因果関係は認められてないのです。因果関係が認められているのは、諫早湾内及び湾口部周辺、ごく限られた地域の方々だけ原告適格性が認められて、因果関係があり、開門を求めるという判決内容になったわけです。
ところが、この間、国の考え方が、どういうことをおっしゃっているかというと、「長年にわたる諍(いさか)いに終止符を打ち、有明海の再生に向けて総合的に判断をした結果、開門するんだ」ということをおっしゃっておられるわけです。これについては非常に強い違和感を覚えているところでありまして、あるいは、農水大臣も、「開門をすれば有明海の生物・生態系の環境に変化を及ぼす可能性がある」と、こうおっしゃっています。あたかも開門すると、有明海全体の漁場環境に何らかの好影響をもたらすかのような、そういう前提でお話をなさっているんですが、現実はそんな甘いものではなくて、裁判の中でも因果関係が認められたのは、ごくごく限定された地域の話であるし、そうした前提で環境アセスメントを読んでいくならば、必ず漁業被害が生じて深刻な事態に直面するというのは、これは読み取れるわけです。そこのところをはっきり自覚して対応していただきたいということは、改めて今日も農水大臣に申し上げてきました。
開門によるプラスの影響、マイナスの影響を比較考量する限りにおいては、決してプラスにならないと。それは漁民の方々もそうお考えになっておられるんではないかと思います。アセスの結果を見ると、おのずとそういうことが読み取れる内容でありますので。したがって、他の地域の方々を含めて、開門すると何らかいいことがあるのではないかという議論があるのかもしれませんが、有明海全域との因果関係というのは否定されているわけですので、そういった方々がどんな思いをお持ちであるかというのは別にして、これからの議論というのはそういう前提の中で、当然、当事者としても進めていく必要があるのではないかと思っております。
諫干についてなんですけれども、今日佐賀県の知事が大臣と会って、大変意義があったというふうにおっしゃっていましたが、中村知事は、今日抗議に行って、何らかの手ごたえとか、明言をいただけなかったということなんですが、意義があったとお考えでしょうか。
地域の深刻な状況、危機感というのは、改めて各団体の方々から直接お話をお聞きいただき、鹿野農水大臣以外にも官邸、そして民主党を含めて十分時間をおとりいただいてお聞きいただいたということで、深刻な状況については受け止めていただいたのではなかろうかという気がいたしますが、ただ、このことをもって、これまでの国の方針が変わるということは期待できないのではないかと思っております。
もう一点ボーリング調査なんですけれども、取りかかりの時期などについて、これまで知事に何か向こうの方から報告などはあっていますか。
全然ありません。先般、9月23日にご来県いただいた際、地下水の活用については、私どもとして無理があるのではないかと繰り返し指摘をしてまいりました。開門を進める前提として、ボーリング調査を行いたいというお話がありましたので、その際にも開門前提での調査は受け入れられないというお話をはっきり申し上げたところであります。
その後も、具体的なスケジュール等についてのお話は一切あっておりません。
諫早湾干拓について質問します。地元の人の間で、一部の人ではあると思うんですが、国が開門するという、その(福岡高裁判決の)義務を履行するという方針に変わりがないのだったら、もう開門絶対反対という抵抗よりも、開門した後の被害対策に全力を注いでほしい、次の段階に進むべきなんじゃないかという声もあると聞いています。そういう地元の声があってもなお、県としては絶対反対という立場は変わらないんでしょうか。
今、どういった議論をしているかというと、環境アセスメントの中でさまざまな議論を行っているわけですね。例えば開門をして、3の2の開門手法であっても、地域の漁場環境には少なからぬ影響が生じると。
さきの平成14年の短期開門調査の時にも、具体的に影響被害が生じて、漁業補償まで行った事実があるわけであります。そうした部分について、被害を防止するためにどういった対策を講じようとされているんですかというのを繰り返しお尋ねしているわけですね。それに対して、なんら具体的な方策が示されていません。
ですから、私どもは、環境アセスメントを唱えながら、具体的に被害を回避するための対応策、そういうものをお示しいただかないと、地域住民の方々も納得していただけませんよと。仮に万全の対策を講じて、住民の皆様方に安心していただけるような状況になれば、それは開門やむなしという判断をされるかもしれないわけでありまして、今既にそういうさまざまな提言、協議を行っているわけです。
仮に、今後の協議で、開門した後のそういった被害対策について具体的なものが示されて、安心な状況だということになったら、県として開門を受け入れるという判断もあり得るんですか。
それは県としてということではなくて、冒頭から申し上げているように地域住民の皆様方が納得されるかどうかですよ。安心して開門していただいて結構ですという環境が整えば、住民の皆様方も、そう判断をされるだろうと思っておりますが、現実的には(諫早湾干拓事業の潮受堤防の排水門の開門に係る環境影響評価準備書(素案)に対して)これまで102項目、県から意見書を出しました。そのうちわずか1項目ですよ、実現できたのは。さまざまな懸念、課題について、ほとんどお答えいただいてないという現状があるわけですので、ますます地域住民の皆様方、不安にお感じになっておられるのではなかろうかと思っております。
今日、筒井副大臣が、記者会見で年内にボーリング調査に取り組みたいという発言をされたのですが、それについてはどう思われますか。
それは承知しておりません。先ほど申し上げたように、本来、ボーリング調査というのは、環境アセスメントをやる前に、あるいはその過程の中で取り組まれるべき課題であると思います。なぜならば、繰り返し、繰り返し長崎県は地域の実情を訴えてきたわけです。それが環境アセスの中では一切前提として調査も行われず、おそらくは経費を節減するために、地下水に頼らざるを得ないという方向性が示されたのではなかろうかと思っております。
したがって、今、何が進もうとしているのかというと、開門に向けた調査が行われようとしていると私どもは受け止めざるを得ないと思っておりまして、そうであるならば、賛成しかねるということであります。
5.九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)について
新幹線に関する要望なんですが、知事の感触として、今、何合目ぐらいまでたどり着いているかなという印象がありますか。
それはわかりませんね。といいますのは、まだまだ議論が始まってない状況ではなかろうかと思います。これから、3次補正予算の編成作業、そしてまた、来年度の予算の編成作業、そういった中でさまざまな議論が重ねられて、23年度予算の留保財源90億円の使途を含めて、来年どういう形でこの新幹線の整備について方針が示されるのか、まだ読めない状況ではなかろうかと思っております。
年末に向けて、ほかの沿線自治体もさらに追い込みをかけてくると思うんですが、長崎県として新たな戦略だったり、アピールポイントというのはありますか。
アピールポイントは、もう既に申し上げているとおりでありまして、この西九州ルートといいますのは、すべて着工に向けた環境整備は終わっておりますし、わずか距離が21キロ、事業費も現段階で示されている事業費は1,100億円。ほかの未整備区間を抱えるルートについては百十数キロ、1兆円を超える事業費も予定されているところであって、いわゆる一刻も早く整備効果を発現させるという意味では、西九州ルートの熟度が一番高まっているものと考えておりますが、なかなかやはりそれぞれのルートに地域の皆さん方熱心に取り組んでおられますので、私どももいろいろな機会をとらえて要請活動を行ってまいりました。先般は、ちょうど長崎県がこの整備新幹線関係18都道府県の期成同盟会の幹事県の役割をしておりましたので、そうした立場からも要請活動を行ってきました。これからの動きに柔軟に対応しながら、引き続き全力で取り組んでいかなければいけないと思っております。
新幹線に関連してなんですけれども、一方でその長崎ルートの大前提となっているフリーゲージトレインのことなんですけれども、予算は要求されましたが、なかなかうまくいかないという中で、本当にそのフリーゲージトレインがきちっとでき上がるのかというようなところで、知事は懸念なり、そういうものはお持ちじゃないでしょうか。
四国で走行試験が行われたというお話を聞いておりますが、その評価については、まだ実は情報が入っておりません。
ただ、今回、新たに車両を整備する予算を含めて要求されたということは、やはりそこに何らかの実現可能性があって、車両編成の整備に取り組もうとされているものと理解をしております。そういった意味では、実現に向けて、これからより具体的な車両整備に取りかかろうとされているのではなかろうかと、これは推測の域を出ませんが、そう考えております。
仮に、大きな課題があって実用化が無理だということであれば、新たな車両整備経費等については、多分難しいという判断をなさっておられるのではなかろうかと思います。
6.新たな離島振興交付金と県独自の給与カットについて
2点お伺いしたいんですが、国土交通省が新たな離島交付金を創設すると。概算要求で10億円ですね。この点についての評価をお伺いしたいというのが1点と、人事院の勧告が9月末に出ました。マイナス勧告です。恐らく県の人事委員会が今月中に勧告を出されると思います。その人事院勧告の実施については、国家公務員の給与削減法案もありますので取り扱いはまだ決まっていませんが、県として独自にカットするような可能性があるかどうか。これは以前、5月か6月に聞いた記憶があるんですが、改めて知事のお考えをお聞かせください。その2点です。
離島交付金については、新たな離島振興法の改正延長の中にも、一括交付金としてぜひ制度創設をしていただきたいという要求をしていたところでありまして、まだ、その交付金の具体的な中身が見えておりませんので、評価が難しい段階であると思いますが、方向性としては非常に歓迎すべきと思っております。より柔軟な形で活用できるような財源の創設を、引き続きお願いできればと考えております。
それから、人事院勧告が出されましたが、私どもも人事委員会の勧告を恐らくこれからいただくことになってくるだろうと思います。国の方も一律カットをする前提で(労働組合と)合意がなされて法案が提出されているようですが、継続審議ということになっているようであります。具体的な方針が定まったわけではないものと理解しておりますが、そういった意味では、国がカットしたから、当然ながら地方もカットすべきであるといった議論は、少し乱暴な議論ではなかろうかと思っておりまして、地方は地方としてのそれぞれの賃金水準、財政状況、あるいは他県とのバランス、民間との較差等、さまざまな要素を総合的に勘案して一つの方向性を見出していくべき課題であると思っておりますので、現時点では一切、予断を持っておりません。
7.九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)について
新幹線についてなんですが、年末までが正念場だという発言が何度も出ていますが、今後、年末に向けて中央への要望とか、スケジュールがある程度決まっているようであれば、どれぐらいの頻度で行かれるのかとか、より活発にしていこうとか、そういうのがもし方針があれば教えていただきたいです。
引き続き、あらゆる機会をとらえて要請活動を展開していきたいと思っております。
具体的なスケジュールはまだまだ決まっておりませんが、例えば経済界の皆様方でありますとか、沿線自治体の方々を含めて、要請活動を積極的にご展開いただくということになっていると思いますので、私も、そういった節目、節目、あるいは先ほど申し上げたように(未着工の)3区間での共同の要請活動、これも恐らくあと1回残っていたと思います。前半、後半、それぞれ計画をしておりますので。そうした際には、また私も参加をさせていただいた上、要請活動を進めていかなければならないと思っております。これまで以上に回数が増えてくるのではなかろうかと思っております。
8.県議会議員選挙に係る公職選挙法違反について
先ほどこの4月の県議選での公選法違反事件に関して、県の職員の方の控訴が棄却をされました。判決が出ました。これについて、どう思われるか聞かせてください。
公務員である立場は、当然ながら法令を遵守し、県民の皆様方に疑い、懸念を抱かれることがないように、公明正大に公正に職務に取り組むべき立場であると思っております。そうした立場の中で、今回このような事態に直面したということは大変遺憾で、申しわけない思いでいっぱいであります。
これからも引き続き、職員に対しては、しっかりと注意を喚起していきたいと思います。
ほかに質問はございませんか。
9.原子力災害に関する対応状況について
原発関連で、9月から九電と安全協定の締結に向けて交渉が進んでいるかと思いますが、その進捗状況と、もし、なかなか進んでいないという状況があるとすれば、締結の壁になっているものは何だと思われますか。
恐らく一番大きな壁になっていますのは、全国に波及する形になるということで、本県だけ、あるいは九州電力だけ突出した形になるのは困るというお考えが一番のネックじゃなかろうかと思っております。
数多くの自治体が、安全協定の締結について、恐らく申し入れ等を行っておられると思いますが、まだまだ今、この原発問題、ストレステスト等を含めてさまざまな課題が同時並行で進んでおりますので、そうした中では、なかなかゆっくりご検討いただくような状況にないのかなと思っております。ただ、引き続きそうした思いというのはお伝えしながら、協議を進めていく必要があるものと思っております。
国と九電による説明会もまだ、めどは立っていないのですか。
あれはいわゆるストレステストを終えた段階でということでお話をいただいておりますし、私どももそれでいいだろうと判断をしているところでありますが、このストレステストがどのくらいのスケジュールで終了をしていくのかというのは、まだわかっておりません。ただ、お約束をいただいておりますので、しっかりご説明をいただくような場を設けていきたいと思っております。
時間も押しております。最後の質問をお願いします。
10.動物愛護の取り組みについて
全然違う話になるんですけれども、9月20日から26日は動物愛護週間で、長崎って、犬と猫の殺処分が全国ワーストクラスです。大分減ってきてはいるんですけど、やっぱり全国的に多いということで、減らすために何か、行政として対策というのは考えられないかなと思うんですが、知事はどうお考えですか。
一時、地域猫であるとか、そういう話がありましたが、やはり愛護の精神からすると、自分のところでしっかりかわいがる、手放して放置しない。例えば避妊のための手続をとるとか、できることはいっぱいあると思いますので、そうした運動はこれからも進めていく必要があるのではないかと思っています。
それでは、知事の定例の記者会見を以上で終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
どうもありがとうございました。
・午後2時から午後2時45分(45分間)
・特別会議室
【定例記者会見】
会見内容
平成23年8月31日 定例記者会見
会見内容
1.アジア・国際戦略に関する最近の取り組みについて
<配布資料> 知事及び県議会議長の香港・マカオ訪問について【PDF】
それでは、ただいまより、知事の定例記者会見を始めさせていただきます。
よろしくお願いします。
最初に、最近の県のアジア・国際戦略に対する取組等について、簡単にご報告をさせていただきたいと思います。
まず、香港・マカオ訪問でございますが、明日9月1日から4日まで、宮内県議会議長、長崎市の古賀副市長とともに、香港とマカオを訪問する予定にしております。行程につきましては、お手元にお配りしてあると思いますが、今回は、香港中華総商会のジョナサン・チョイ会長のご招待によりまして、「香港・日本経済サミット2011」、そして、「孫文・梅屋庄吉展」の開幕式典へ参加することとしております。
長崎県と香港との関係でありますが、ご承知のとおり、両地域とも中国文化、西洋文化を取り入れながら、ともに発展してきたという歴史的な共通点がありますが、これまで、行政が主体となって積極的な交流に取り組んできたというようなことはあまりなかったのではないかと思っております。
しかしながら、今回のこうした国際戦略に取り組む過程の中で、孫文と梅屋庄吉が初めて出会った所が、実にこの香港でありました。こうしたことをきっかけに、昨年11月でありましたが、私を含めて訪問団が香港を訪問した際、このジョナサン・チョイ会長との会談等も行いました。これが一つのきっかけとなりまして、香港側からの呼びかけに基づき、今年6月、香港のドラゴンボートレースと長崎のペーロン大会、この2つのイベントの相互交流協定が実現をして、また、7月には、本県で初めて香港ビジネスセミナーが開催されたところであります。
さらに、このジョナサン・チョイ会長は、孫文の生誕地である中山市のご出身であります。実は7月に本県を訪問されたところでありますが、その際、田上(長崎)市長とも懇談をされまして、今回の長崎市と中山市との「市民友好都市」締結につながる一つのきっかけともなったところであります。
私どもが香港に今後いろいろなプロモーション活動をやろうと考えておりますのは、一つは香港が持つ市場そのものの魅力があります。そして、もう一つは、中国の本土戦略の拠点として、さらに戦略的な取組が展開できる可能性があるのではないかと考えているからでございます。
中国全土に対して、この香港は金融、不動産など、多くの分野で資本進出がなされておりまして、香港側からも、ぜひ中国本土戦略を展開するのであれば香港をうまく活用してもらいたいというようなご提言等もいただいたところでありまして、今後、戦略的に香港との人脈の構築に力を注いでいきたいと考えております。
それから、一方、韓国の方の取組として、最近の出来事でありましたが、去る8月21日に、長崎県美術館と釜山市立美術館との交流協定を締結いたしました。これは、もともと対馬市と釜山市との間で行われた民間の美術関係の交流から始まったものであります。その後、館長同士の交流、そしてまた、両市の子どもたちによる美術作品の相互展示等を重ねてきたところでありますが、今回、この両館の協力関係をより高めていこうということで、こうして締結に至ったものであります。
当日は、許南植(ホ・ナムシク)釜山広域市長さんほかご出席をいただいて、協定締結の調印式を行ったところでありますが、こうした機会を活かしながら、今後、さらに広い分野にわたって、本県と釜山、あるいは韓国との交流拡大に力を注いでいきたいと思っております。
それから、先週のことでありましたが、去る8月23日から25日まで、北京を訪問してまいりました。これは、孫文と梅屋庄吉夫妻の像を中国側から長崎県に寄贈したいというお話がありまして、そのお礼のために中国を訪問させていただきました。
経過についてはご承知いただいていると思いますが、梅屋庄吉が、孫文が亡くなった後、4体の孫文像を中国に寄贈いたしました。これは今も大切に保存、展示されているところでありますが、その返礼という意味も兼ねて、日中の新たな友好関係のシンボルとして中国側から贈呈をいただくということになったところであります。
あわせて、せっかくの機会でありましたので、「孫文・梅屋庄吉と長崎プロジェクト」、あるいは「長崎・上海航路の復活プロジェクト」等についても、しっかりご報告、説明をさせていただいてきたところであります。
特に、今回訪問をさせていただいた中で、王剛(オウ・ゴウ)辛亥革命百周年記念活動準備弁公室主任さん、この方は中国人民政治協商会議全国委員会の副主席を務めておられまして、恐らく中国ではトップ10に入るような立場の方でありましたが、この方とも直接お話する機会をいただきました。その面談の中で、「長崎県が中日友好のために貢献してきたことを評価します」というようなお話もいただいたところであります。
また、辛亥革命100周年記念行事日本実行委員会の委員長、福田康夫先生にはお祝いのメッセージをいただくことにしておりましたので、この中国側の委員長さんであります王剛副主席に対しても、書をいただけないかというお話をしたのでありますが、そうであればお祝いのメッセージを差し上げましょうというようなお話もいただいたところであります。
そうしたいろいろな取組を積み重ねていくことによって、このアジア戦略の前進を期待しているところでありますが、さらにいろいろな取組を通して、日本と中国の友好・信頼関係をより強固なものとしてまいりたいと思います。
その上で、産業、経済、観光、物産といったさまざまな多様な分野での交流の拡大に結び付けていきたいと考えているところでございます。
まずは、冒頭、私からの報告とさせていただきます。
○記者(時事通信社) 幹事社の時事通信社です。香港、マカオを訪問するということなんですが、この香港・日本経済サミット、毎年やられているものというふうに理解してよろしいんでしょうか。
○知事
恐らく定期的に開催されている取組ではなかろうかと思います。日本で開催されたり、香港で開催されたりという形で開催されているのではないかと思いますが、今回は岡村日商(日本商工会議所)会頭も参加されるというお話をお聞きしております。
○記者(時事通信社) 長崎市、県の経済界からもメンバーとして行かれるのかなと思うんですが、ほかに20名の主な方というのがもしおわかりになれば。
○アジア・国際戦略課長
今回、長崎市は副市長さんだけでございます。あと、主なメンバーとしては、長崎にゆかりのある華僑の方の会長さんや副会長さんが同行されます。
2.九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)について
野田新首相が誕生しました。長崎県にとっては新幹線の長崎延伸とか課題も多いんですが、新幹線について民主党政権になってからこの2年間、何にも進んでないのが実態だと思います。野田新首相に代わって何か変化が期待できるのかどうか、知事はどう認識されていますか。
新幹線は、政権が代わってからも、優先順位を含めて検討を進めるということで、調整会議が設置されたと思いますが、各整備新幹線を抱えている自治体からのヒアリング等も行われてきたところであります。最終的には財源がなかなか見当たらないということで延び延びになってきたのではないかと思います。
そういった中で、先般来、鉄道建設・運輸施設整備支援機構の利益剰余金1兆数千億円をどう活用するか。私どもは、ぜひこれを新幹線の整備財源として活用してほしいというような要請等も重ねてきたところでありましたが、結果として、ご承知のとおりの状況になったわけであります。
ただ、今回、長野新幹線の整備財源の償還に、この利益剰余金の一部が充てられたということで、そうした債務の償還が終わりましたので、今後の見通しとしては、整備新幹線の貸付料収入がJRから国に入ってくる。そうした財源等も今後の整備財源として活用できるのではなかろうかと、こう考えておりまして、3線とも積極的に整備に着手してほしいという要請を重ねているところであります。そういう意味では、年末にかけてが一つの山場になるのではなかろうかと思っております。
一括開業を目指しているんですけれども、もうタイムリミットだと言う人もいるんですが、知事はどんな印象ですか。
そうですね。平成20年3月に着手して、今、工事の方は順調に進捗を見ておりますし、整備財源が若干膨らむということはありますが、このまま順調に進みますと、平成30年前後は、一定、武雄温泉〜諫早間は完成を見るであろうと。
そうした場合に、残る区間であります諫早〜長崎間、ここには長大トンネルが計画されておりますので、相当な工期が予想されるところでありまして、これ以上先延ばしになると、手前の部分は完成したけれども、フリーゲージトレインを運行する場合には、先の方につなぐために数十億円規模の軌間変換装置を諫早につくらなければならない。これは最終的に手戻りになってくる可能性があるわけでありますので、そういうことを考えれば、やはり武雄温泉〜長崎間は一括開業が望ましいと。そのためには今年度中に何としても認可・着工をしていただきたいということを要請しているところであります。
3.野田新首相の誕生について
野田新首相に関連してなんですが、お伺いしたいことが2つあって、まず、泥臭いどじょうに例えて、積み上がる雪だるまを前進させるような政治をしたいという特徴的な発言をされていらっしゃると思うんですが、それに対しての中村知事のご感想をお伺いしたいのと、もう一つは、2日に組閣が行われると見られるんですけれども、人事や政策について注文をつけるとすれば何を求められるかなと思いまして、その2つをお伺いいたします。
泥臭く、そしてまた、挙党態勢を構築して全員で取り組んでいくんだというようなお話をなさっておられたかと思いますが、賛成であります。
一つは、やはり机の上の話だけではなくて、その周辺の環境等も十分見極めながら幅広い意見を集約していただく中で、いわゆる力強いリーダーシップを発揮していただいて政策を前に進めていただきたいという期待を強く持っております。
これまでもいろいろな構想なり考え方というのは表明されたところでありますが、具体的な実施に至る手順、あるいは議論というのが十分に重ねられた上で打ち上げられていたかというと、必ずしもそういう面がないような気もしておりまして、そういう意味では、やはりより実践的に即効性のある形で政策の具現化に力を注いでいただけるのではなかろうかと期待をしております。
それから、今後の組閣に向けて期待を申し上げたいと思いますが、1点目は今申し上げたような思いを持っておりますが、やはり地域、地方の実情というものを十分に踏まえていただきたいと思うんです。ややもすると、例えば、国の財政状況が非常に厳しいと。地方に比べてどちらが厳しいかと、それは国の方が厳しいんだということで、少し地方に我慢してもらってもいいじゃないかというような議論が時々起こってきます。例えば、補助金の一括交付金化といった過程の中でも、一括交付金化すると、より柔軟に政策選択が可能になる、そうなると削ってもいいじゃないかという議論が一時出たことがありますね。そういった極めて乱暴な発想では困る。
4.公営企業会計の定期監査結果について
公営企業会計について質問します。
今日、知事にも報告があったかと思うんですけれども、スマートカードの売上代金の未収が発覚しました。それについて3つ疑問があって、まず、1月末に発覚していたのに半年以上たっての公表になったということと、あとさらに、先ほど記者室で会見がありまして、その中で私的流用も明らかになったんですが、にもかかわらず、業者名を公表されないということと、あと最後に、県が回収をこれからするためという目的で引き続き契約をするというご判断だったんですが、知事は、このスマートカードの未収問題についてどういうふうに受け止められていますか。
時期が今の時期になったというのは、これまで恐らくそうした事態を受けて具体的にどう返還していくのかという交渉を交通局の方で重ねてきたのではないかと思います。
その結果、一定の合意を見て、引き続き事業を継続する中で計画的な返済に充てていただくということで合意がなされたものと理解をしております。
そうした中で、確かに一部私的な流用の部分があったのだろうと思いますが、業者名を公表してしまうということになると、恐らく信用がなくなって継続した事業の運営が難しくなるという判断があったのではなかろうかと考えているところです。
○記者(朝日新聞社) こういう業者に、これからも県が業務を委託するという点についてはどう思われますか。
○知事 それはやはりこれまでの取扱いの実績がありますし、そして、いわゆる売上金の納付、これまではまとめて納付していただくというようなことだったと思いますが、それを毎日納付していただいて間違いが生じないような体制をつくっていただいた。業務に精通しておられますし、引き続き誠意を持って償還していただくという約束ができたわけでありまして、一つは確かに全く別の方に変えてしまうという方法もあるかもしれませんが、そうなった場合になかなかこの債務の部分を返還いただける道が閉ざされてくるという判断があったのではなかろうかと思っております。
5.原子力災害に関する対応状況について
話は変わって、原発の問題で1点なんですが、8月下旬の説明会は延期になりました。この待っている間に九電側から新たな不正が次々発覚したりだとか、また、国の保安院を含めた体制も変わるというようなこともありました。
明日、副知事が要請に行かれると思いますが、改めてどのようなことを国に要請したいと思いますか。
一つは、以前この場で、8月下旬ぐらいに説明会を開催するということで協議を進めているというお話をさせていただきましたが、その後、ストレステストの話が出てまいりました。
私どもとしては、非常に地域住民の方々が重大な関心をお持ちの事項でありますので、ぜひとも責任のある方々にしっかりしたご説明をいただきたいと考えていたのでありますが、確かにストレステストというのは新たに出てきた課題でありまして、これがなされない中で説明会を開いてもお答えできる部分がないというようなお話でありますので、そうであれば一応の手順が進んだ段階で、少なくとも再稼働前には地元でしっかり説明をいただく機会を設けてもらいたいと考えております。そうした部分については一定ご理解いただいているものと思っておりますが、前回も副知事と(県議会)副議長さんに上京していただいて、そうした申し入れを行っていただいたところでありますので、地元の住民の方々の思いもお伝えした上で、再稼働前にはしっかりそうした場を設けていただくように、再度、確認の意味で要請を行うということにしております。
6.石木ダムについて
石木ダムについて伺います。
先週、反対の地権者の方が河川課に事業断念の申し入れをされました。その時に、「継続方針を撤回しない限りは、もう知事と今後会うこともない」とおっしゃっていました。
申し入れについては、これまで私も何回かお会いする中で、そうした姿勢は変わっていないというのは十分理解しております。
こうした中でダムの検証作業を終えて、一つの方向性が出され、国に対して報告を行ったところでありまして、これからも国の方で十分検討をされた上で方針が示されるものと思っておりますが、そうした中で、やはりこの事業を進めていくためには地権者の皆様方の同意が不可欠でありますので、何としてもご理解が得られるように努力をしていかなければならないと思っております。
まだ県の考え方を国に報告した段階であり、国としての結論が出されたわけでもありませんので、そういった意味では、今後の動向をしっかり踏まえた上で、しかるべき時期には再度そうしたお話し合いに応じていただけるようにお願いをさせていただく必要があると思っております。
(県の)継続(方針)がそのまま国に認められたとして、地権者の方は、「絶対応じない」というふうにずっと言ってらっしゃるんですが、それでもお願いするしかないというふうにお考えでしょうか。
今の段階で、お願いしなければ(他に)どういった選択肢があるかというと、例えば強制収用をやるかというお話なんだろうと思いますが、あくまでご理解を得た上で事業を進めるというのが本来のあり方でありますので、そのために最大限の努力を重ねていかなければならないと思っております。
7.諫早湾干拓事業について
2点お聞きします。まず、諫干の問題で、これから農水大臣が決まってからになると思うんですが、前の菅政権の時に上告が見送られて、開門が決まりました。農水大臣が決まってからは、県としてどう動いて、何を訴えていくのかという部分を聞きたいのと、あと上海航路の件で、県の第1便の運航まであと2ケ月なんですけど、進捗状況を聞きたいんですが。
農水大臣はお替わりになられるのか、続投なさるのか、よくわかりませんが、基本的にはもう裁判の結果として確定をしておりますので、国は原告団に対して開門の義務を負っておられます。ただ、地元としては、それは受け入れがたいということで国を相手に新たな訴訟が提起されているところであります。大臣がお替わりになられたから特段の動きが必要になるのかというと、まさに今、裁判の中でお互いの立場を主張した上で争っている段階でありますので、まずはその動向を見守る必要があると思っております。
基本的な考え方はこれまで申し上げてきたとおりであります。地元としての考え方は変わっておりません。
8.上海航路の復活について
それから、上海航路の進捗状況でありますが、11月3日、長崎発上海行、そして、5日に上海発、6日長崎着ということで1往復運航をしようという計画を進めております。具体的な事業の組み立てについて、どういった方々にどのような席を提供できるのか、料金がどうなるのか、そういった部分を含めて、今調整を進めさせていただいております。
あわせて、せっかくの機会でありますので、この船中においてさまざまなイベントでありますとか、シンポジウム等も開催していきたいと思っております。そうした部分の組み立て等も、今進めているところであります。
○記者(NHK) 中国の方では、何かやる予定というのはございますか。
中国の方では、ちょうど長崎県と上海市の友好交流関係樹立15周年になりますので、そうした友好交流促進団を派遣して、さまざまな政府関係機関を含めて訪問をして、友好交流を深めていきたいと思っております。そうした取組の中で、上海市に対して、今回長崎県から梅屋庄吉像をお贈りするということにしておりまして、そうした梅屋庄吉像の除幕式などもこの機会にあわせて開催をしたいと考えているところであります。
9.石木ダムについて
石木ダムの関連なんですが、付け替えの道路工事が中断してもう1年以上経っています。予算の執行ということも含めてこのままにしておくのか、それとも年度内に工事を再開するのか。地元は反対していますので、また強行すればかなりの反対も起こるだろうし、いろんな場面で推移を見られているんだと思いますが、このままずっと工事をしないのか、それとも予算を執行する上で、どうしてもやっぱりしないといけないという段階にきて、何かのきっかけで工事を再開するとか、その辺の見通しなり、知事のお考えがあれば聞かせてください。
今、明確にどのきっかけがあれば工事を再開する、着手するというところまでは考えておりませんが、県の姿勢としては先ほども申し上げたように、事業については継続の方針で国に報告をしたところでありまして、国の方針も遠からず示されるのではなかろうかと思っております。先行して各都道府県から報告があった分については、順次国の姿勢も示されておりますので。
今の段階で、例えば直ちに付替道路の建設工事に着手するということになると、これまでの状況と全く変わらない状態でありまして、先ほど申し上げたように、国の姿勢がどうなってくるのかという部分についても、地権者の方々は関心をお持ちになっておられるのではなかろうかと思います。
10.九州電力相浦発電所の不祥事について
先日、九電の相浦発電所で(石油タンクに)穴が開いて(その事実を隠して)いたということがありましたが、これについてはどう受け止めていらっしゃいますか。
すみません、それは状況を詳しく存じ上げておりません。
11.九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)について
新幹線に話を戻したいんですが、先日、佐賀、福岡の知事、副知事と3県で陳情に行かれました。こういう他県と合同陳情というのは、今までなかったように思うんですが、陳情のやり方の変化があったのはどういうねらいがあるのか教えてください。
やはり新幹線の整備というのは、地域の盛り上がりが不可欠であると思っております。
経過について申し上げると、むしろこの西九州ルートの方が鹿児島ルートよりも先に進むのではないかというような時期もあったわけでありますが、そうした中、鹿児島ルートが先行したわけですね。そうすると、今度は間違いなく西九州ルートの番であるということで、先般、九州各県選出の国会議員の皆様方にもお声をかけさせていただいて、この懇談会を開催したところであります。
12.県立図書館について
県立図書館の建設についてですが、答申が出てから半年ぐらい経ちます。昨日も3市町の議長が連名で県議会の議長に、長崎市に建て替えてくれという要望があったんですが、これは大村市と長崎市の2ヶ所が今、上がっているんですが、どういうふうな決着を目指そうと知事は考えられているんでしょうか。
まだ、今、教育庁の方で検討を進めている段階だろうと思います。以前の検討会議の中で検討していただいた報告内容については承知しておりますが、私の方に一定の方針なりというのは、まだいただいておりません。さまざまな課題、新県立図書館の担うべき役割、そういったものを十分見極めながら、どこに整備をしていったらいいのかという判断を行っていく必要があるものと思っておりますが、その後の検討状況は、正直申し上げて、まだ私も把握しておりません。
○記者(毎日新聞社) 別に急いでないんでしょうか。
もう収蔵能力を超えるような状況でありますので、さほどゆっくり構えている課題ではないと思いますが、一つの大きな施設の整備になりますので、県立図書館としてどういった部分を担っていくのか、あるいは時代の大きな流れにどう対応していくのか。従前のように本を購入して、それを収蔵して、来館者の方々にお貸ししてお読みいただくということだけではなくて、例えばこれから電子書籍でありますとか、さまざまな動きが始まってくるでありましょうし、基本的には第一線図書館としての市町立図書館、こことの機能分担を含めまして、よりどういった分野に県立図書館として力を入れなければいけないのか、そうしたもろもろの観点からその在り方を検討する必要があるものと思っております。
○記者(毎日新聞社) 年内とか、年度内とか、めどは。
そのめどはまだ考えておりません。
13.石木ダムについて
石木ダムの件で確認なんですが、先ほどのNBCさんの質問に対して、もうすぐ国の方針が示されるということをおっしゃって、それがきっかけになるというふうに受け止めてよろしいんですか。
問題は、国の方針がどのくらいの時期に示されるのかということなんだろうと思います。事業認定申請をしてもう1年以上経ちますが、行政手続ですから本来であれば進んでないとおかしいんですよね。
(国は)この検証作業を同時並行して指示されましたので、この検証作業の結果を見てというお考えがあるのではなかろうかと思っております。
したがって、県の考え方は既にお示ししたところでありますので、これからはそれを受けて国としての一定の方針が示される。そうなると、先ほど申し上げた事業認定申請の手続も開始されるのではなかろうかと思います。
ただ、これが、例えば今年秋前後には示されるのではなかろうかという話もありますが、どのタイミングになるのか全くわからないという状況になれば、またその段階で、県は県として判断をする必要も出てくるかもしれないと思っております。
○記者(長崎新聞社) 県と同じような方針が示されれば一つのきっかけにはなると。
それはあるでしょうね。
○記者(長崎新聞社) 年度内に再開しないと予算執行上問題があるとか、その辺りはいかがですか。
そうですね。関係予算を計上して、昨年から事業が休止されている状況でありますので、これ以上先延ばしになると関係予算は流れてしまいます。それ以上はなかなか難しいと考えております。
よろしいでしょうか。
以上で知事の定例記者会見を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
・午後3時30分から午後4時15分(45分間)
・特別会議室
【定例記者会見】
会見内容
平成23年7月26日 定例記者会見
会見内容
1.中国上海市への梅屋庄吉像の寄贈について
<配布資料> 中国上海市への梅屋庄吉像の寄贈について【PDF】
それでは、ただいまより知事の定例記者会見を開催いたします。よろしくお願いします。
皆さん、こんにちは。よろしくお願いします。
まず、今日は私の方から2点、報告をさせていただきます。
一つは、上海市に対する梅屋庄吉像の寄贈の件についてご報告をさせていただきます。
ご承知のとおり、今年は辛亥革命100周年ということでありますが、こうした中で孫文先生と本県出身の実業家である梅屋庄吉について非常に興味、関心が高まっているところであろうと考えております。こうした中国との絆を一層深め、また、さらに交流拡大のきっかけにしてまいりたいと考えまして、「孫文・梅屋庄吉と長崎プロジェクト」を推進しているところであります。
この取組の一環といたしまして、さきの県議会の冒頭でもご報告をいたしましたとおり、ちょうど今年は長崎県と上海市の友好交流関係樹立15周年という年に当たることから、県内すべての自治体、企業、団体、個人会員で構成しております長崎県日中親善協議会から、この梅屋庄吉の銅像を制作し、上海市へ寄贈することといたしております。
10年前の2001年11月、この時は長崎県と上海市の友好交流関係樹立5周年というタイミングでありまして、上海市から長崎に孫文の銅像をいただいた経過があります。今回の寄贈は、その返礼という意味も込めているところであります。
この像の制作・寄贈に関する費用については、かかわりの深い長崎県、長崎市などから一定の負担金を頂戴した上で、日中親善協議会を構成する会員の皆様、関係機関、さらには県民の皆様方にも募金協力のお願いをしてまいりたいと考えております。
像の制作は、長崎市風頭公園の坂本龍馬像、あるいは高島町の岩崎弥太郎像などの制作者であります山崎和國先生にお願いをしております。今日は、完成予想図と制作中の粘土原型の写真を準備しております。これがデッサンでございます。これは粘土原型の写真であります。
これから制作をいただいて、具体的な寄贈の時期は11月上旬に15周年記念の訪中団の派遣を検討しているところでありまして、その行程の中で上海市側の主催によって除幕式等も行うこととしているところであります。
以上、1点目のご報告でございます。
2.石木ダム、浦上ダム事業の検証について
<配布資料> 石木ダム、及び浦上ダムの対応方針について【PDF】
2点目のご報告は、石木ダムと浦上ダムについての検証結果等についてご報告をさせていただきたいと思います。
石木ダム、浦上ダムの事業の検証については、昨年9月、国土交通大臣から要請がありまして、ダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目に基づき、それぞれの事業について関係地方公共団体からなる検討の場を設置し、複数の治水、利水策の代替案について検討を行ってまいりました。
この検討過程におきましては、広く県民の皆様方からご意見をいただくため、パブリックコメントを実施し、関係住民説明会を行うとともに、治水、利水、農業、環境、経済等の7名の学識経験者等からの意見聴取を行い、現行ダム案がコスト等の面から他の代替案よりも優位であるとの意見集約がなされたところであります。
さらに、これについては皆様方にご報告させていただいたかと思いますが、その後、公共事業評価監視委員会からもダム事業の継続を認めるといった意見書の提出をいただいたところであります。
また、石木ダムにつきましては、佐世保市議会において、7月12日に、「石木ダム建設促進に関する意見書」が可決されております。
さらに、7月19日に閉会した県議会におきましても、「石木ダム建設推進に関する決議」が可決されたところであります。
今回、ダム事業の検討主体であります長崎県といたしましては、検証の手続を通した検討、これまでにいただいたさまざまなご意見等に基づいて総合的に判断した結果、石木ダム、浦上ダムについては、事業の継続という対応方針を決定したところであります。
今後の予定につきましては、この実施要領細目に基づきまして速やかに国土交通省に九州地方整備局を経由して検討結果を報告することといたしております。
以上、冒頭、2点についてご報告をさせていただきます。
3.石木ダム建設事業について
幹事社の読売新聞です。各社、今の発表項目について関連質問があればお願いします。
石木ダムについてなんですが、今後の予定のところで結果報告をする日程ですが、いつごろを予定されていますか。
この結果報告は、今週いっぱいに行います。
石木ダムでもう1点ですが、依然として反対されている方々がいて、例えば、県が使っているデータの数値について疑問を投げかけているような方もまだいるんですが、そういう反対する方々への対応は、これからどうされますか。
県が使っている数値についての疑問をお感じになっておられるというのは、利水の必要量等についてだと思いますが、地権者の皆様方と話し合いをさせていただく中で、やはり今の4万トンという必要量、これは過大ではないかというようなお話もたびたびお聞きしたところであります。これは利水事業者としての佐世保市とも十分検討を重ねてきた結果としての数字でありまして、こういった面も含めて理解が得られるように、引き続き誠心誠意、対応していきたいと思っております。
石木ダムについてですけど、手続きとして国に報告をすれば、県として今止めている工事を再開するということになりますか。
いわゆる取付道路の事業が中断して1年経過をしているわけでありますが、この工事の再開については、しかるべき時点で判断をしなければいけないと思っております。
これをもって再開を判断するというわけでもなく…
これから国に報告をして、国の方でも検討の場が設けられてくるものと思っております。そうした中でその方向性等も一定見定めていく必要があるのではないかと思います。
工事再開のための条件とか基準みたいなものは知事の中で何かおありになるんでしょうか。
特にこれだけの要件がクリアされればというところは具体的には持っておりません。
今後も反対地権者の方々との交渉、話し合いの場を持つと…
そうですね。これは改めてダムの検証手続の中で、地元の方々に対する説明会、あるいは専門家の方々を交えた意見交換の場等も設けさせていただいてきたところでありまして、そういった中で、やはりほかの代替案というのは現行案に勝るところがないという結果になったわけでありますので、改めて推進に向けて地元の理解が得られるように、最大限の努力を傾注していかなければいけないと思っています。
関連してお聞きします。
地元の方にまだお話をするということですが、国の方向性も見定めて付け替え道路工事についてはということを今おっしゃっていました。その工事に関しては地元の方の了解を得てからやられるというふうな方針であられますか。それとも、そこの部分に関しては地元の方のことは考えずに、今のところやろうというふうにお考えでしょうか。
ダムの建設に対する基本的な方向性というのは、やはり一連の検証作業を進めてきたわけでありまして、県としての方針は今申し上げたとおり、事業を推進すべきであるという考え方を整理させていただきました。その旨、国に報告をし、国の方で再度検討をされて一定の方向性が示されるものと思っております。
実は、この取付道路の件については、こういった見直し検証作業と全く別の予算措置等がなされる中で推進をしてきたところでありますが、改めて地元の住民の方々の大変なご反対の中で、相談の時間を得るということもありまして、今、休止中であります。
その点については、全体に連動させるということは必ずしも考えておりませんが、これからのダムの建設に向けたスケジュール等の課題もありますので、そういったもろもろの要素を見極めながら、一定しかるべき時期に判断をさせていただく必要があるのではないかと思っています。
同時期でない可能性もあるということですか。
そうですね。
関連なんですけれども、地権者の方々と3月に意見交換会を行われましたが、その後、知事の方でお話を実際にされたということはありますか。
実は、数回、反対地権者の方々を含めてお会いをさせていただいて意見交換をさせていただきました。そういった中で、反対に対するお考え、お気持ち、そしてまたいろいろな代替案等の提案もいただいたところであります。
いただいた代替案を含めて、やはりそうしたお考えに対する回答はしっかり皆様方に対してお示しする必要があると考えまして、この見直し検証作業の中で一定考え方を整理いたしまして、こういった提案もいただきましたが、こういった部分についてはこういう状況であるということを報告をさせていただきました。
住民の皆様方もご参加いただき、また、専門家の方々もご参加いただく中で、もう一度しっかりご議論いただいた方がいいだろうということで、ダムの見直し検証作業の中でそういった疑問点についてはお答えをさせていただいたというところです。
石木ダムの検証作業で事業継続という決定をされまして、一連の手続を経ても反対地権者との溝というのは埋まっていないような気がするんですが、何か埋まるような検証というのはできてないと僕は感じているんですが。というのは、データが古いのにそのままのデータで検証を続けるとか、何か反対地権者の溝が埋まるような努力というのが余り見えなかったような気がするんですけど、その点は。
それは少し違うと思います。というのは、この検証作業というのは、先ほども申し上げた実施要領細目に基づいて、今のダムの計画を代替案と比較して再度検証しなさいということになっているわけであります。
したがって、ダムの計画時点の数字とやはり基本的に見比べながら、いずれの案が有利であるのか検証をすることが求められてきたものと思っております。
一部おっしゃっているのは、例えばここ1〜2年、水の使用量も必ずしも伸びていないではないかというようなご指摘があって、その部分についてお話になっておられるのかもしれませんが、確かに近年、例えばリーマンショック以降、水の需要というのは増えない傾向で推移しているものと思っております。そうした1〜2年の傾向を計画の中に反映させるべきであるのかどうかというのは、これはまた別の議論になってくる可能性があるものと思っております。ダムの計画を進めてきた基本的な考え方の中で、代替案を採用した場合にどうなるのか比較しようということでありますので、改めてそのダムの計画を白紙からやり直すということではなくて、代替案ということで比較考慮しながら検討を進めるという手法によらざるを得なかった面というのはあるものと思っております。
ただ、溝が必ずしも埋まらなかったのではないかということだろうと思いますが、正直申し上げて、地権者の皆様方とあのような形で説明会を開催させていただいたり、専門家を交えて意見交換の場が持たれたということは、これは今までになかったことなのです。もちろん十分納得して了解していただくまでには至ってないのは事実ですが、そうした話し合いの場が持たれてきたということは、これまでになかったことではなかろうかと思います。
関連なんですが、(取付道路の工事再開は)地元の了解を得られたらということですけれども、何をもってその地元の了解を得られたという判断をされるんでしょうか。
取付道路は、しかるべき時期に一定判断をさせていただく必要があると考えております。
4.諫早湾干拓事業について
そのほか、各社、何か質問はありますか。
諫早湾干拓事業についてなんですが、佐賀県と熊本県は既に意見書を出されましたが、長崎県の意見書はいつ頃出す予定かということと、出す場合はどういった内容になるか、改めて教えてください。
内容は今精査中であります。いずれにしても膨大な資料を精査しながら検証をしているわけでありますので、これからどういった観点での資料整理になるのか、まだ方向性については見極めがついておりません。
時期的には7月いっぱいぐらいにはご報告をさせていただく必要があるのではないかと思っております。
先般、鹿野(農林水産)大臣にご説明にお越しいただいた時にも、1箇月程度で意見を集約したいという話があったんですが、地元としてはやはり地域の安全・安心等にかかわる大変重要な課題でありますので、少し時間をいただきたいというお話を申し上げて、柔軟なご返事をいただいたということがありますので、そのように考えております。
意見書で伝える内容は、今までの知事の主張とは変わらないんですよね。
基本的な方向性としてはそういう方向性になるのではなかろうかと思っています。
ただ、もっと技術的な突っ込んだ検証、議論が今なされているものと理解しております。
今の関連なんですけれども、熊本の方は意見書の中で開門方法についてはこちらが判断すべき話ではないと、佐賀の方は段階的な全開門ということで、既に今の知事のお話とお立場がそれぞれ異なっているかと思うんですけれども、このあたりについて知事の受け止めと、その調整を図っていくお考えがあるのかどうか、そのあたりについて、どういうふうに…。
この開門の問題については、これまでも繰り返しご説明をさせていただいておりますように、開門の手法のいかんにかかわらず、開門をするということは、今の淡水の調整池が潮水になるわけであります。そのことに伴うさまざまな課題、問題点等について繰り返し指摘をしてきたところであって、農業、水産業、あるいは地域の住民の方々の安全・安心確保の観点からいっても、やはり開門があってはならないという基本的な姿勢については、いささかも変わりがないところであります。これから引き続き環境アセスに対する県としての意見書の取りまとめも含めて、より具体的な検証作業を進める中で指摘をしっかりしていかなければいけないと思っております。
諫干で追加なんですが、昨日、福岡市で農水省側と訴訟の原告団の開門協議があったんですが、そのやりとりの中で、アセスの手続が終わらなくても、途中で対策工事に着手する可能性はあるかという原告団の質問に対して、農水省側は予算措置がとれれば、それも理論的にはあり得るというふうに言っていたんですけれども、そういう農水省の考え方についてはどう思われますか。
それは農水省としてのお考えなんだろうと思いますが、地元としては、開門に向けた諸手続については地元の了解なしでは進めないでいただきたいということははっきり申し上げているところでありますので、そうした姿勢で臨まざるを得ないと思っております。
5.離島振興法の改正・延長について
昨日の離島振興特別委員会(県議会の離島・半島地域振興特別委員会)で県が新しい離島振興法に関する意見書の素案を出されましたが、非常におもしろい内容だと思いました。知事なりに、例えばこうしたところがポイントではないかとか、今までとはこういったところが違うとか、そういったお考えがあれば教えてください。
どこまで実現できるかというところが一番大きな課題になってくると思いますが、これまでの離島振興施策よりも、一歩も二歩も踏み込んで、思い切った支援策、あるいは制度、財政対策等について要請を行うという考え方で今の考えを取りまとめたところでありまして、従来から申し上げておりますように、いわゆる離島の不利条件、これは例えばガソリン価格が本土と比べて極めて高い。あるいは、輸送コストが非常に割高になっているといった点の是正、これは従来も同じような発想があったんだろうと思いますが、やはり離島に居住すること、そのことによって国土を守り、我が国の領海を今のような状況で維持できているという事実に着目して、さらに踏み込んだ各種優遇措置、財政、税制上の支援施策について検討、提案しているところであります。やはり従来だと一国二制度的な観点からなかなか難しいとされたところまで、あえて踏み込んだ部分はあります。
具体的に言いますと、例えば、住民税・所得税等の課税上の特例措置でありますとか、消費税を減免すべきであるとか、そういった点、あるいは離島振興債といった提案をさせていただいたところです。一括交付金等も離島分として確保してもらいたいといった面については、これまでになかったような提案をさせていただいております。いずれにしても、離島の現状を考えるときに、人口がピーク時から半減しているわけでありまして、やはり離島に安心して暮らしを築いていただくためにはどうあるべきかと。地方の力だけでは、もう足らざるところがありますので、国策として強力な支援体制、支援措置を講じてもらいたいと考えております。
ほかにご質問はございませんか。
6.原発事故に関連する県の対応について
原発関係です。県議会の方でも九電(九州電力株式会社)の方を呼んでお話を聞いたりとか、いろいろとされていますけれども、県の方で具体的に九電とこういったことを話し合いたいということで接触を持ったりとか、今後持つ予定というのはありますか。
九電には、実は私の方からお邪魔したいという申し入れをしたんですが、ちょうどあの(メール問題の)直後で、社長さんが交代されるかどうかといった議論が交わされている時でありまして、今お邪魔するのはよくないのかなということで、改めてそうした機会をつくろうと思っておりました。例の不祥事の問題について、長崎支社長の方からご報告をいただく機会がありまして、その時に改めて県としての考え方をしっかりお話をさせていただきました。いわゆるメール問題については、こういうまさに地域住民の信頼が不可欠な状況の中で大変遺憾であると。ぜひ全社を挙げて信頼回復に取り組んでいただきたいということ。そしてまた、安全協定については、これまでも締結をしていただくよう申し入れを行っていたところでありましたが、改めてその機会をとらえて、安全協定の締結について、今月19日に文書をもって要請をしたところであります。
そして、国に対する要請については、もう既にご承知のとおり、副知事と(県議会の)副議長さんに上京していただいて、原子力安全・保安院長に申し入れをいたしました。
そういった中で、地元に対する説明会の開催は、8月下旬ぐらいをめどに開催してはどうかという話で、今調整を進めている状況です。その際には、国からももちろんご説明、ご報告をいただく形になりますが、あわせて九電からもそうした機会をとらえてご報告、ご説明をいただくことになるのではなかろうかと思います。
地元というのは松浦市ということですか、それとも長崎県ということですか。
もちろん関係者は説明会には参加できるような形で開催したいと思っております。松浦市だけではなくて、周辺の自治体の皆様方も非常に不安視されているわけでありますので、そういった方々もこの説明会に参加できるような前提で検討を進めております。
説明会はどこが主催ですか、九電ですか。
県と松浦市主催ということで、今進めております。
そこに国も九電も担当者が来て説明をしてもらうということですね。
九電の玄海原発の3、4号機でデータの入力ミスというのが相次いで明らかになっていて、先ほど信頼回復に努めてほしいと。まさに原発の安全性にかかわる問題だと思うんですけれども、この相次ぐ入力ミスについての知事の受け止めをお願いします。
入力ミスがどういった影響につながっていくのかというのは、詳しくわかりません。しかしながら、これまでも申し上げたように、原子力発電所の運転ということは慎重に慎重を期すべき問題であって、そういった安易なミスが許されるということはないと思いますので、十分関係の皆さん方に信頼を築き上げることがまず第一でありますので、そういったミス等がないように強く期待をし、また、必要があれば申し入れを行う必要があるのではないかと思います。
地元の説明会についてもう少し詳しく伺いたいんですが、先ほどおっしゃっていた周辺の自治体というのは、玄海原発から30キロメートル圏内という意味なんですか。それとも県内のあらゆる自治体の人が参加できるようにということなんですか。
現実的にはあらゆる自治体というのは難しいと思います。やはりEPZ(防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲)が仮に30キロメートルになった時に4市、県という形になりますので、そういった関係先が主になってくるのではないかと思っております。
主にそういうことでございますが、(他の市町についても)あえて参加を否定するものではないというところです。
県と松浦市の主催ということは、こちらから国や九電に、どなたか呼ぶということになると思うんですけれど、どのレベルの人に来てもらうのかという点なんですが、例えば玄海原発、当該のところに大臣が来たりとかするようなことになるんですか。大臣を呼んだり、九電の社長クラスを呼んだり、どのようなレベルで。
それは、説明をいただく場としては適切でないのではないかと思います。例えば政治的な判断を求めるとかいうことであれば、そういった場も考えられないことはないのでしょうが、まずは現状等についてしっかりとした住民の方々の不安等にお応えいただく必要があると思っております。
いろいろな技術的な諸課題等もご質問として出るだろうと思いますので、基本的には実務者でお詳しい方、地域住民の方々の疑問にしっかりと答えていただけるような方々がまず一番適任ではなかろうかと思っております。
規模は、どのくらいですか。何百人ぐらいの説明会にするとか、大きさなんですけれども。
概ね400名程度を考えております。
県と松浦市が主催ということで、ここに例えば佐世保市とか壱岐市、平戸市が入るとか、そういったことはないんですか。参加するのは拒まないが、主催には入らないというふうに理解してよろしいんですか。
一番身近な存在として松浦市、長崎県、仮に例えば(EPZの範囲が)20キロメートルになってもこの両者は変わりがないところであります。壱岐市、平戸市、佐世保市というのは、EPZ圏内に入ってくるかどうかよくわからないという状況であろうと思いますので、そこは、一番の地元としては松浦市、その他の代表、取りまとめというんでしょうか、という形で県が主催をさせていただいて、そういった(壱岐市、平戸市、佐世保市の)方々もご参加いただくものと考えております。
国に要請していらっしゃるということなんですけど、これは確認までですが、保安院というふうに理解してよろしいでしょうか。
そうです。
7.九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)について
九州新幹線長崎ルートについてなんですが、先日、知事も上京して整備促進などを要望されたと思うんですが、国土交通省、国の方から、何かこう、感触の違いなど、震災後の要望で感じられたことがあるのか、もしくは国土交通省の方から費用対効果などについて説明など何かありましたか。
いわゆるB/C(費用対効果の試算値)の問題につきましては、ちょうど県の政府施策の要望活動を展開しようとする、その日に報道がありまして、国土交通省あたりでも話題にいたしました。そしてまた、他の方々からも提起されたところであります。
基本的にB/Cというのは、確かに一つの尺度であろうとは思いますが、例えばこういった他の整備新幹線の費用対効果を考える時に、一駅ずつやるかどうか、尺取り虫みたいに。例えば北陸ルートも、一つの駅ごとのB/Cを出していくかと、それはあり得ない話だと思うんです。
特に足元を見てみますと、諫早〜長崎間というのは超大トンネルを整備する必要があるわけでありまして、B/Cが出ないから直ちにやめるということであれば、おそらくは他の新幹線も、どこかの駅と駅の間では止まってしまう。
例えば未整備延長が百数十キロメートルという未整備路線がありますが、西九州ルートの場合に新鳥栖から長崎まで、これが117キロメートルですから、なぜ別の物差しを当てなければならないのか、そういった思いについては私の方からも国土交通省の方に話をさせていただきました。
国土交通省からはまだ、そうした数値がどこから出たのかわからない、精査はやっているが公表できるような段階ではない、しかもB/Cというのは、大臣も記者会見等でお話になっておられると思いますが、それがすべてではないというようなお考えも表明されておりますので、引き続き、他の路線にひけをとることがないように、しっかり取り組んでいかなければならないと思っております。
そういった議論がなされて報道がなされたということは、それだけ新幹線の整備に向けていろいろな活動が繰り広げられている証だろうと思いますが、大変残念であります。
そういった報道がどういうところから出るかは知りませんけれども、考えると、これまで北陸や北海道と3者一体で整備するように進めてきたと思うんですが、既に新しい財源などをめぐっていろいろせめぎ合いが始まっているのかなというふうに感じられるんですが、B/Cを出すことによって優先順位をつけようという声がもう出ているんじゃないかと思いますけど、知事はそのあたりをどのように受け止めていらっしゃいますか。
それは間違いなく出ているでしょうね。未整備区間を抱える3線は、財源が潤沢に準備できるということであれば3線同時着工でいいじゃないかという議論があるんだろうと思いますが、期待できる財源がまだまだ整備予定の総額に満たないという状況の中で、一歩でも二歩でも自分たちの路線を先に進める必要がある。そういった中でどういった尺度で優位性を保つか、そういう議論はそれぞれの路線ごとに繰り広げられていると思います。
そういった中の一つとして、このB/Cという尺度というのは、よく議論の対象になってくる話ではありますので、現実問題として、そういう議論が出ているだろうというのは十分想定されるところであります。
ただ、私どもは、繰り返し申し上げておりますが、他の未整備区間と比べて条件がどの程度揃っているかというと、並行在来線、JR貨物の問題を含めて、この西九州ルートは解決済みであります。わずか21キロメートルというところであって、そこを先延ばししたから大きな影響があるかというと、決してそういう状況ではなくて、むしろ逆に、今一緒になって、同時全線開業という形にしないと、別の投資もまた必要になってくるわけです。例えば、フリーゲージトレインを運行するということになると、軌間変換装置を諫早につくらなければならない。そういう手戻りの部分が当然出てくるわけでありますので、我々としては、整備環境は十分整っている。しかも、全線一括開業することによって、この新幹線の整備効果がフルに発揮できる体制がすぐ整うわけでありますので、むしろ、西九州ルートの優位性が高いという思いを強く持っているところであります。
つまり、それは優先順位をつけるとすれば、長崎ルートの方を先に着工すべきだというお考えでしょうか。
そうです。現実にそういう決着になるかどうかというのは、これはまたこれからのいろいろな力が働いていく中で結果が得られると思っておりますが、地元としてもしっかり取組んでいかなければならないと思っています。
もう一つ関連して、これまで聞いているとは思うんですけれども、そういう中で、本県は国会議員の中にも、FGT(フリーゲージトレイン)がうまく開発が進んでいないという中で、今の時点からフル規格で進めるべきだという意見も本県選出国会議員の中にもあるんですが、知事のお考えを改めて伺います。
やはりこういった、まさに目の前にどう動いていくかという非常に大きな分かれ目に差しかかっているわけでありまして、議論をもう一回元に戻して、例えば、フル規格で計画をし直すかということになると、振り出しに戻ってしまうような立場になってくる可能性があると思います。
あとは整備財源の問題として全線同時着工が難しいという現状にある中で、西九州ルートだけフリーゲージトレインを前提にした整備からフル規格に考え方を変えますよということになると、環境アセスの問題があるし、並行在来線(の問題)が場合によっては新しく出てくる可能性がある。そういう議論をもう一回振り出しに戻ってやるかどうかということを考えた時に、まずはこの西九州ルートというのは、諫早〜長崎の延長を一刻も早く認可してもらえるかというところが大事であります。
先般の地元の国会議員の皆様方に対する説明の際にも、そういった議論はあるかもしれませんが、まずは延伸を一日も早く認可してもらい、成果に結びつけることが大事であるというお話はさせていただきました。ご理解を得られるものと思っております。
よろしいでしょうか。それでは、以上で知事の定例記者会見を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。
・午前10時から午前10時50分(50分間)
・特別会議室
【定例記者会見】
会見内容
平成23年6月24日 定例記者会見
会見内容
1.長崎県庁節電実行計画について
<配布資料> 長崎県庁節電実行計画について【PDF】
それでは、ただいまより定例の記者会見を開催いたします。
おはようございます。よろしくお願いします。
まず、今日は、2件、皆様方に報告をさせていただきたいと思います。
その一つは、「長崎県庁節電実行計画」についてでございます。
ご承知のとおり、さきの東日本大震災に伴いまして、特に夏場における電力需給が逼迫(ひっぱく)してくるということが懸念されております。こうした深刻な事態を回避するためには、全国的にも節電の取組が求められているところでありますが、九州内においても、同様に電力供給不足の懸念が生じているところであります。
県庁に対しましては、今の時点で九電(九州電力)から個別の節電の要請はあっておりませんが、安全・安心な県民生活、安定的な経済活動の確保を図るため、県内の一つの事業者の立場から、今般、県としても県庁節電実行計画を策定し、計画に基づいて自主的な節電の取り組みを展開していくこととしたところであります。
節電の取り組みにつきましては、これまでも地球温暖化防止の観点から、「県庁エコオフィスプラン」などに基づき、不要な電気を消すなどの取組を実施してまいりましたが、今回は実行計画において、特に電力需要が高まる7月から9月までを期間といたしまして強力に節電対策に取り組むことといたしました。
具体的な取り組みとしましては、例えば、空調を稼動しておりました朝夕の時間帯において、1日当たり1時間半程度の短縮を図る。そして、執務室、廊下の照明を間引くというような取り組みを実施していきたいと考えております。こうした取り組みを通して約10%程度の電気使用量の削減を目指していきたいと思っております。
県民の皆様方には、計画の実施に伴いまして、庁舎の照明が暗いなどといった不便をおかけすることがあるかと思いますが、節電の取り組みに対してご理解とご協力を賜りたいと存じております。
2.矢上大橋有料道路の無料化社会実験について
2点目でございますが、矢上大橋有料道路の無料化社会実験に取り組んでいきたいということであります。
この矢上大橋有料道路は、カーブが多くて幅員が狭いという国道251号の交通混雑を解消するバイパス道路として昭和58年から一般有料道路事業の工事に着手し、60年11月19日に供用を開始いたしました。
この道路は、4年後の平成27年11月に償還満了となる予定でありますが、今般、長崎市から市民の利便性の向上、並行する国道251号の混雑解消、さらには、歩行者の安全性の向上を目的として、朝の通勤時間帯、具体的には午前6時から9時までの時間帯でありますが、この時間帯の無料化社会実験を行いたいという申し入れがありました。
県といたしましても、夜間の自主投入時間帯、午後11時から午前6時まで、料金を自主投入していただくという時間帯を設けておりましたが、この時間帯に合わせて実験期間中、無料化いたします。長崎市の施策と併せて、午後11時から午前9時までの時間帯、無料で通行できる社会実験に取り組んでいきたいと思っております。
この社会実験期間といたしましては、8月から来年の3月までを予定しているところであります。
以上、2件について、冒頭ご報告を申し上げます。あとは、どうぞ、ご質疑をよろしくお願いいたします。
3.長崎県庁節電実行計画について
幹事社の西日本新聞です。節電の実行計画を出されているので、ここから聞きたいんですけれども、今出されているのは本庁と出先の節電計画ですよね。他県では学校も対象に節電をされているところもありますけれども、長崎県は、学校とかについて節電を広げていく予定はあるんですか。
学校は、今、計画はどうなっていますか。
○未来環境推進課長
学校も検討をしているというふうに聞いております。
学校にも広げていく予定はあるということですね。
そうですね。学校も、また学校としての事情があるでしょうから、どういう形で節電に取り組んでいただくのか、今、検討していただいているようです。
4.原発事故に関連する県の対応について
節電にかかわってくると思うんですが、玄海原発が今、2つほど停止中ですけれども、その再開については、知事はどういうお考えを持っていらっしゃるんでしょうか。
ご承知のとおり、玄海原発については、EPZ(防災対策を重点的に充実すべき地域)の範囲内に本県の松浦市の一部が入っているわけでありまして、今回の福島原子力発電所の事故等を見ますと、これがさらに20キロメートル、30キロメートルまで拡大してくる可能性があると思います。本県の地域住民の方々も、そういった意味では大変不安視されている方々も少なくないと考えているところであります。
先般、私は宮内(県議会)議長に同行していただいて、そして松浦市長ともども、国の関係機関に要請を行ってきました。まずは今回の事故をしっかりと検証し、万全な体制を整備していただく必要があると思いますが、それについては一定、時間がかかるのではなかろうかと思っております。その前に県としても原子力発電所の事故を踏まえた地域防災計画の見直しも進めていく必要があると思っています。
そうした中で、今、ややもすると原子力発電所の立地地方団体に対していろいろな判断が求められているような状況にあるようですが、密接な利害関係を有する区域というのは、相当な広がりを持ってくると思っております。
そういうことで、(EPZを)仮に30キロメートルまで拡大していくと、長崎県、佐賀県のみならず、福岡県まで入ってくるということでありますので、先ほど申し上げた地域防災計画の見直し等についても、この3県が連携して取り組んでいかなければいけないということで、合意を得て作業に取り組むこととしております。
この原子力発電所の運営そのものに関しては、やはり普段から情報を共有化し、地方の声をしっかりと届けるような場を設けていただく必要があるのではなかろうかと思っております。一つの原子力発電所の点検後の運転再開、これが今、地元の自治体に非常に重たい判断が求められていますが、こうした分については、先ほど申し上げたように、しっかりと情報を共有化し、普段から地元の声をしっかり聞いていただくような場を設けていただく。その上で、このエネルギー政策は国策でありますので、国が責任を持ってしっかりと方針を定めて、国民に対して説明をし、理解を得ていく。そういう体制づくりが必要なのではなかろうかと思っておりまして、こういった項目を含んで政府の方にも要請を行ってまいりました。
要請項目については、このほかにも例えば代替エネルギーの活用・開発でありますとか、いろいろなEPZの検討要請でありますとか、適切な情報の提供と説明責任を果たしていただきたいといった数点を盛り込んで要望活動を展開してまいりました。
○記者(長崎新聞社) その情報提供の場というのは、我が県でいうと松浦、佐世保、そして県も入ってくるということですか。
当然そうあってほしいと思っております。
○記者(朝日新聞社) 同じ原発に絡んでなんですが、まず、補正予算に入っていた検討委員会なんですけれども、どういった手順で今後進んでいくのかということについてお聞かせください。
これは地域防災計画の見直し手順ですね。
まずは、今回の大震災を踏まえて、震災対策を今この防災計画の中に盛り込もうとしておりますが、今のような対策で十分であるのかどうか。実は本県の地域防災計画というのは、地震対策については相当踏み込んだ厳しい条件を想定しながら防災対策を練り上げております。具体的に言いますと、例えば都市の直下型の地震が発生した時に被災範囲がどうなるだろうか。その時に避難をどう進めればいいのかという計画は策定しているんですが、いわゆる津波の想定、活断層は陸域にとどまらず海域にもあるわけでありまして、どういった津波等を想定しながらこの防災計画を練り上げていったらいいのか。そういった点については、まずは専門家の方々の意見もお聞きする必要があるだろうと考えております。この策定に当たっては、専門家の方々を含めたところの委員会で、まずはそういった方向性を議論していただく。そして、足らざるところは具体的な調査、シミュレーションを進めていただいて、最終的には年度末ぐらいまでにはこの見直し作業を進めていきたいと考えております。ただ、この前提として、国の防災基本計画の部分がどうなっていくのかというのも十分に見極めながら、同時並行して作業を進めていく必要があるだろうと思いますので、国のそうした手順の推移も見極める必要があると思っております。
○記者(朝日新聞社) 年度末までにというのは、EPZも含んで地域防災計画全体の新しいものができ上がるのが年度末までということですか。
はい。したがって、EPZも見直しを国の方に要請をしております。
特に本県の場合は、ご承知のとおり、原子力発電所の立地状況を見ますと、海域を隔てて遮へい物のない位置関係にあるわけですね。松浦市でありますとか、あるいは壱岐市がまさにそうでありますので、単純にコンパスで10キロメートル、20キロメートル、30キロメートルという線を引いただけでいいのかどうか。気象条件、地理的な要件等も十分加味していただいてこのEPZを見直していただきたいという話は中央の方に上げております。
○記者(朝日新聞社) 松浦市も含めて県内の市町会議、議会で脱原発の意見書が可決されていますが、改めて知事としての原発そのものに対する考え方というのは変わりませんか。
原発そのものの現状を考えてみた時に、例えば九電は約40%をこの原発に依存しているわけでありまして、直ちに原発から脱却をしていくというのは現実的な話ではなかろうと思っております。
したがって、今回の福島原子力発電所の事故を踏まえて、十分原因と問題点について検証をしていただく必要があると思います。
そういった検証作業を経て、専門家の立場から本当に安全性が確保できるという見極め、そういったものが必要になってくると思っております。
したがって、これからのエネルギー政策の中で原子力発電所をどうしていくのかというのは、そうした非常に専門的、具体的、科学的な検証作業を経た上で、しっかりと評価をして方向性を見定めていく必要があると思っております。
確かに深刻な事故が起きたわけでありますが、直ちに脱原発だというのは現実的にはなかなか難しい方向性ではなかろうかと思っております。
原発関係で最後の質問なんですが、福島第一原発に絡んで、長崎大の山下教授が市民団体の方からアドバイザー解任の署名運動を受けられていますよね。その動きについては、知事はどのようにご覧になっていますか。
非常に残念なお話だと思っております。福島で被災直後からこの放射線漏洩(ろうえい)に関して、非常に放射線医療に詳しい先生が現地にお入りになられて、専門的な立場からさまざまなアドバイスをなさってこられたし、よくおっしゃっておられるように、「あなどってはいけないけれども、怖がり過ぎてもいけませんよ」というような専門家の立場から適切なアドバイスをしていただいてきたと思っております。
実を申しますと、私も先般被災地にまいりました。被爆地から来たということもありまして、避難生活をされておられる方々から、非常に具体的な質問をお受けしたこともあります。
例を申しますと、放射性ヨウ素はすぐなくなるかもしれませんが、長崎では放射性セシウムはどうされたんですかとか、あるいは、土地の除染作業をどうやってされたんですかというような非常に専門的な質問を、避難生活を送っておられる方々から私もお受けしました。
長崎の被爆地としての現状は、もうご承知のとおり、ヨウ素、セシウムなどの情報は全くなかったわけでして、また、除染作業なども行われてこなかったと。そういった中で多くの市民の方々は、そこで採れた野菜を食べ、食事を続けながらこれまで生活をしてこられたわけであります。私も被爆二世でありますが、母親はまだ元気に頑張っております。
そうした意味では、あまり怖がられる必要はないのではないでしょうかということを私も実は申し上げたことがあります。そういった意味で、専門的なお立場から、過度の恐怖心をお持ちいただかないように、安心して生活をしていただけるように情報提供をしていただいた役割というのは非常に重いものがあると思っております。
私も(福島県の)佐藤知事さんとお話をいたしましたが、本当に感謝のお言葉をいただいたところでありまして、一部原子力発電所自体に反対されるような方々も中にはいらっしゃると思うんですが、そうした方々からの批判があるというのは非常に残念に思っております。
原発対策なんですけれども、国とか九電が安全対策を打ち出してくると思うんですが、県としては、それを評価する手だてがあるのかどうか伺いたいんですが、専門の職員というのがいるんでしょうか。
県には、今のところ原子力に詳しい専門の職員はおりません。それを県独自で評価するというのは、したがってなかなか難しい。仮に必要であれば、そういう態勢づくりから進めていく必要があるものと思っております。
ただ、県の職員としてそういう専門性を備えておかなければいけないかどうかというのは、国全体としての原子力発電所の安全性を管理、監視する立場というのが当然あるわけでありまして、そういった方々がしっかり役割を果たしていただく。そして、なおかつ、情報をしっかり出していただくということが極めて大切なことではなかろうかと思っております。わからないから、過度の不安を覚えるということもあると思っておりますので、そうした役割を果たせるような体制の整備というのが一番重要な観点ではなかろうかと思います。
その職員を養成するとか、採用するとか、今のところ考えておられませんか。
すぐにそういう対応が求められている状況ではないと思っております。
5.諫早湾干拓事業について
諫干ですけれども、諌早湾干拓事業の潮受堤防の排水門の開門調査に係る環境影響評価準備書(素案)のケース3ですよね、一番被害が少ないと言われているケース3、制限開門について。ケース3で調整するという話が、会談の時も出ていましたけど、会談以降もちらほら出てきています。改めてお聞きしますが、ケース3という形で調整をしたいという国の意向に、県としてはどういうふうに対応されるご予定なんでしょうか。
もともと、長崎県の立場というのは、地域住民の方々が開門そのものに大きな不安を感じておられるわけでありますので、いかなる開門の手法であろうとも、これに賛同するような状況にはないと思っております。
いろんな手法がある中で、例えばケース1の場合、あるいはケース2の場合も全開放されてくると、これはまさに甚大な被害、影響をこうむるということは、今回のアセス素案の中でも明らかにされたところでありまして、影響を少なくするという意味では、ケース3も考えられたと思いますが、その開門手法によっても、ご承知のとおり、特に漁業被害、そして農業用水の確保対策、これについては根本的な課題として解決されていないわけでありますので、そうした部分について、やはり農業者、漁業者、地域住民の方々は大きな不安をいまだに感じておられると思っております。
したがって、先ほど申し上げたように、いかなるケースの場合であっても、やはり地域住民の方々のそうした不安が根本的に解消できるような状況にならないと、理解の姿勢をお示しするというのは難しいと思っております。
6.矢上大橋有料道路の無料化社会実験について
23日付の毎日新聞によると、矢上大橋(の無料化社会実験について)なんですけれども、実験効果があるのかどうかと。市は通勤の早朝のラッシュの時にやるんですけれども、県はほとんど通行量が少ない夜間に実験をするということなんですが、それに対して実験の効果というのはどんな効果を期待されていますか。
長崎市から提案がありましたのは、夕方も含んでの話だろうと思いますが、特に朝の通勤・通学時間帯、この時間帯に多くの車両が国道251号を通過すると。通学の児童・生徒が歩道も安定的にないような状況の中で通学をしている。(車両に)矢上大橋を通過させることによって(そういう危険性を)解消できるのではなかろうかというような考え方の中で提案を受けたわけであります。
確かに午後11時から午前6時というとさほど通過車両数は多くはないんですが、これが時間帯によって取り組み(有料か無料か)が変わってくるということになると、県民の皆様方に対して非常にわかりにくい。11時から朝の6時までは自主投入、そして6時から9時までは無料、そしてまた、9時以降は有料という形になるわけでありますので。そうであれば、夜間の11時から9時までは無料時間帯として通行していただこうと。そのことでどのような課題の解消がなされるのか、そういった見極めも行っていく必要があるだろうと思っています。
それともう一つ、夕方もやったらいいじゃないかということなのかもしれませんが、夕方まで含めますと、やはり財源負担が相当高額になってきます。また、朝の通勤・通学の時間帯と比べますと、仕事が終わって帰る時間、これは少し分散されますので、そういう意味で、まずは午前中の通勤・通学時間帯に無料化の実験を行ってはどうかということで、長崎市と共同して取り組もうとしたところです。
23日付の毎日新聞によると、市ばかり3,000万円費用負担をして、県は何もしてないじゃないかと、それでフェアなのかというような趣旨の記事になっておりますけれども、そこら辺はどうでしょうか。
矢上大橋有料道路は、確かに社会実験に(長崎市と)一緒に取り組むべきなのかどうかというのはあるんですが、ここを必ずしも通らなければいけないという有料区間ではないんです。既存道路のバイパス機能としてこの道路をつくったところであります。そういった中で、やはり地域の課題としてそういうご要請をいただいたということであります。本来であれば、長崎市に主体的に取り組んでいただくべきところですが、「県も一緒にぜひやりましょう」というお話がありまして、この分について財政的な負担も一部生じてきますが、自主投入時間帯の無料化については道路公社の方で取り組んでいくことにしておりますので、こういった形になったところであります。したがって、これまでの離島架橋の無料化とは少し位置付けが違うのではないかと思っております。
7.社会保障・税の一体改革と給与カットについて
国の施策(に関連して)、2つお伺いしたいんですけれども、社会保障改革が大詰めを迎えています。地方消費税がどれぐらい配分されるのか、地方の首長さんはすごく関心があるところですが、それについて知事の所見を伺いたいというのが1点。
あと、国家公務員の給与削減の方向性が先日出されましたが、地方公務員、長崎県庁が追随するような可能性があるか、そういった可能性についてお伺いしたいと思います。
社会保障と税の一体改革、これは、今、国において検討されてきたんですが、実は社会保障は、決して国だけが担っているわけではありません。さまざまなサービス分野については、地方も主体的な役割を担ってきているわけであります。
これまでの議論というのは、国の年金等を主体にした財政負担をいかに調整していくかとの観点で見直しが進められてきて、地方の財源というのは想定されていなかったわけでありますが、実質的に地方の一般財源の負担というのは、年を追うごとに相当増嵩傾向で進んでいくわけでありますので、私どもが最も財政運営上危機感を持っていた分野であります。
したがって、こうした社会保障制度というのは、国だけではなくて、国、地方の両者が分担しながら国民に対するサービスを提供しているわけでありますので、そういった分野の財政負担についても、当然ながら、全体のスキームの中で検討をしていただくべき内容であると私も思っておりました。さきの「国と地方の協議の場」でさまざまな議論がなされたと思いますが、一定、地方の負担についても着目をしていかなければならないという方向性が出されたということについては、非常にいい方向性だろうと思っております。ただ、最後の最後までどういう決着が図られるのか、曖昧な表現の部分もありますので、これはしっかりと今後の動向も見極め、申し上げるべきところはしっかりと申し上げていかなければいけないと思っているところであります。
それから、国の方では、震災復興対策の財源を捻出するという考えから、給与をカットしたいという取り組みをされているということでありますので、それは国の財政状況に応じて判断をされた結果であろうと思っております。
ただ、同じように、地方もこれに歩調を合わせてカットしなさいという議論はあり得ない議論だと思っております。地方の給与水準というのは、ご承知のとおり、国の給与、他の地方公共団体の給与、あるいは民間の水準等も参考にしながら、最終的には自らの財政状況を見極めながら、その水準を定めていく責務があるわけであります。そういう意味からすると、地方の方でも、この間、相当給与抑制のためにさまざまな取り組みを行ってきたところであります。他県においては、一定期間、一律、給与をカットするというような取組も行われてきましたし、本県においても、例えば、管理職手当、特別職の報酬、議員の皆さんの報酬のカットというような措置も講じてきたところであります。
長崎も、その一律カットをどうするんだという議論がこれまであったのですが、本県の考え方としては、この給与カットというのは、期間限定でせざるを得ない措置であると考えております。というのはなぜかというと、公民格差というのが必ずそこに出て人事委員会の勧告がなされて、これに反するような形でカットするということは、やはり財政上の特別の要請がある場合であります。
ずっとカットを続けるというわけにはいかない措置でありますので、本県は、むしろ、そういう取り組みではなくて、恒久的な財源を節減するために、やはり職員数を相当減らしてきたということが言えると思っております。
ちなみに、本県の場合、給与カットされている九州各県の状況等も見ますと、例えば、人口当たりの(一般行政部門の)給与費の負担額では、低い方から3番目というところにございます。
ただ、よく県議会等でご指摘をいただくのは、ラスパイレス指数が高いじゃないかというお叱りをいただきます。確かに、全国と比べてもラスパイレス指数は高い状況でありますが、この間、年々、下がってきております。というのは、本県は、離島があって広域人事を行ってきたということもあり、離島特昇制度を設けていました。この経過措置が実はまだ残っているわけでありまして、給与の構造改革を相当厳しくやりましたので、これらの経過措置が切れるに伴って、年々下がってきております。もう少し時間を要するかと思いますが、間違いなく、このラスパイレス指数も含めて下がっていく状況にあります。したがって、今のところ、本県独自で給与カットを行う必要が直ちに生じているという状況ではありません。
ただ、先ほど申し上げましたように、税制改革の中で地方の財源を含めてどういう措置がなされるのか、地方財政措置の動向を十分見極めて判断をしなければならないと思っております。これが地方財政危機を再度迎えるというような状況になると、本県の財政構造は極めて脆弱(ぜいじゃく)な体質でありますので、そうした手法も一つの手法として検討せざるを得ないこともあり得ると思っております。
8.九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)について
新幹線についてなんですけれども、先日の県議会の議会運営委員会で、「副知事が国交省から5代も続いているのに何で着工がまだなんだ」というような嫌な言い方というか、急かすような意見もあったんですけれども、先週、国に要望されての成果はいかがだったでしょうか。
新幹線の問題は、例えば、国土交通省が方針を決めれば動くかというと、そういう課題ではないんです。まさに、政治課題となっておりまして、新幹線の建設については、与野党含めて議員連盟というのもつくられておりまして、そういった中で、まさに政治判断として財源をどう確保し、どういった手順で整備を進めていくかという協議がなされてきたわけであります。
この間の経過については、ご存じのとおり、昨年早い段階で未整備区間を抱える新幹線について着工の順位を見極める必要があるということで、私もヒアリングを受けたところでありましたが、こういった議論がなかなか進んでいないというのが今の大きな課題だろうと思っております。
先般、鉄道・運輸機構の剰余金が1兆数千億円ありまして、これを鉄道整備財源として活用し、新幹線に着手してもらいたいと、我々は要望活動を行ったんですが、ご承知のとおり、社会保障財源に振り向けられて、これが今回は震災復興財源にまた向けられていくというような状況になっているわけでありまして、今の当面の最大の課題は、財源をどこから捻出してくるかということが一番大きな課題だろうと思っております。
今の国の厳しい財政状況の中で、そうした新幹線整備の財源が直ちに確保できるような状況ではないわけでありますので、そこをやはり国の方で十分議論していただいて、その方策を検討していただきたいというのが我々の一番大きな願いであります。
先般もまた県議会議長にご同行いただいて要請活動を行ってまいりましたが、要望項目内容については、これまでと変わりません。未整備区間であります諫早〜長崎間、わずか21キロメートルが残されているわけでありまして、この部分について一刻も早く認可をしていただきたいという要請、あわせて肥前山口〜武雄温泉間の単線区間の複線化、そして、大きな課題になっておりますフリーゲージトレインの開発促進、こういった項目について要請を行ってきました。特に今回私が申し上げたのは、東日本大震災の状況を見ても、この新幹線の優位性、耐震性、災害に対する対応力の強さ、これは改めて実証されたわけでありまして、例えば、今の長崎本線の状況をご覧いただくとおわかりのとおり、まさに、海岸線に沿った形で線路が布設されているわけであります。津波の発生を想定すると、これは直ちに鉄道輸送路が途絶してしまうということになるわけでありまして、そのバイパス機能を確保するという意味でも大切な役割を果たすのではないかと、そういう訴えを一つ行いました。
それともう一つは、来る11月には上海航路を復活させようとしているわけでありまして、中国ではいち早く新幹線網がもう整備をされて、北京〜上海間も全線開業されるという状況にあるわけで、こうした新幹線も日本と中国の新幹線網を1つの航路で結ぼうというのがこの上海航路の本来の目標であります。そういった中で、国内の新幹線網が長崎までなかなか来ないという状況でありますので、一刻も早く整備を進めていただきたいという要請をしたところであります。
したがって、例えば国土交通省のしかるべきポストの方が決断をすれば進むかというと、決してそういう課題ではないのはご理解いただいているものと思っております。
9.離島振興法の改正・延長について
来年度末で期限切れを迎える離島振興法の関係なんですが、今、夏ごろまでに県の方で国に新法制定を求める意見書を準備中だと思います。この前の県議会の議論の中でも、その意見書に盛り込む具体案をもっと何かないかというような議論があったんですが、知事ご自身はその意見書に盛り込むような何か具体案というのは、知事のお考えを聞かせていただきたいんですが。
離島振興を図る上で一番基礎的な課題、根っこの課題は、さまざまな社会基盤というか、ユニバーサルサービスとして一定水準は日本国内であれば維持してほしい部分、ここがなおそういった状況に至ってないということです。
1つ例を申し上げますと、高速情報通信ネットワーク、こういったものがその経済的な判断の中で整備が遅れている。高速情報通信網を整備する上でも、離島は新たな行政負担を強いられているという現状にあるわけです。あるいは電力は、九電の方で配慮をしてもらって、離島の電気代も本土と同じような料金体系で供給していただいている。こうした基本的な部分、(交通)運賃も含めて、そういった社会全体を支える部分については、もっと国策として気を配った対応が必要ではないかと思っております。
そういった部分についてはしっかりソフト、ハード両面にわたって、今回の離島振興法の中に盛り込まれるように強力に要請していく必要があると思っております。
例えば、この間話題になりましたガソリン価格一つとってもそうであります。対馬はリッター当たり概ね30円も高いということでありますので、そういった中で離島の産業の活性化を図るというのは、重たい課題を背負った状況の中で、地元の方は一生懸命努力していただいているわけでありますので、そういった部分については同じ国土として同一のサービスが享受できるような環境をまずはつくっていただきたいと、その点をまず強く申し上げていかなければならないと思います。
それと、本県の場合は、特に国境離島、外洋離島が数多くあるわけでありますので、内海離島とは違う課題もあると思っています。先般来、尖閣列島問題であるとか、領有権の問題等が国際的な物議を醸しておりますが、そういった事態を未然に防ぐためには、やはり離島に人が安心して住み続ける必要がある。そのためには生活環境をしっかりと整備していく必要があるわけでありますので、そういった部分について、しっかり今回の離島振興法の改正・延長に内容が盛り込まれるように頑張っていかなければならないと思っております。
それぞれの離島ごとに特徴ある取り組みはこれまでも進めてきております。例えば五島列島であれば教会群等、あるいはEV&ITS構想などを進めておりますし、壱岐では一支国博物館、その他の取り組みが進められております。対馬で特にこれから大切にしていかなければならないと思いますのは、韓国から数万人のお客様がみえているわけでありまして、そういった交流人口を地域の活性化にどう結びつけていくのか。さまざまな取り組みが進められておりますが、そういったそれぞれの離島ならではの取り組みをさらに助長支援していくような施策も講じていかなければなりません。
もっともっとこの離島振興については、県自ら知恵を絞っていかなければならないと思っておりまして、そのためには地方の創意工夫を活かす、実行に移すだけの財源が必要になってきます。そういった財政的な配慮についても求めていく必要があると思います。
10.石木ダムについて
石木ダムについてです。公共事業評価監視委員会が答申を出されましたが、それを受けて県の方針を固めて国に報告をする、そのスケジュールはどういうふうにお考えでしょうか。
先日、公共事業評価監視委員会から意見書をいただきました。今後、そういった状況を踏まえて県議会にもしっかりご説明をし、ご意見もお伺いしながら県の考え方をしっかり決定させていただいた上で、国に報告をしなければならないと思っております。おそらくこの報告のタイミングは、国の概算要求に間に合うようなスケジュールで進めなければならないのではないかと思いますが、そういう前提で取り組んでいく必要があると思います。
それは8月末までには国に。
そうですね。
11.県議会への情報提供について
知事のこの春の会見で、たしか議会の方に説明する際に、まとめて説明する機会があれば助かるなということをおっしゃっていると思うんですが、その後、そういった投げかけ、県側の方から議会に投げかけたりしたのか。また、今度の6月議会では何かそういった仕組みが変わったりするのか、もう既に変わっているのかということをお聞きかせください。
そうした事前説明については、県議会の方にも相談をさせていただいておりますが、6月議会を目前にしての相談でありましたので、当座はこれまでと同様にやって、同時並行して検討をしようということになっております。
ただ、事前説明を個別にやりますと当然時間がかかりますので、そのタイムラグが生じて一部報告をできた方々と、まだ説明をさせていただいてない方々が生じるという問題点がありました。できるだけ資料等についてはファックスでお送りをさせていただくということで、今回の予算議案等については一律ファックスで送付させていただいて、それぞれの時間差が生じないような考え方で取り組みを進めております。
引き続き次の議会あたりでも、できればまとまった日程をいただいて、一括して説明できるように協議を進めていきたいと思っています。
よろしいでしょうか。以上で、知事の定例記者会見を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
・午後5時30分から午後6時20分(50分間)
・特別会議室
【臨時記者会見】
会見内容
平成23年6月11日 臨時記者会見
会見内容
諫早湾干拓事業の潮受堤防排水門の開門に係る環境アセスメント結果素案について
それでは、昨日、国の方で公表をされました諫早湾干拓事業の潮受堤防排水門の開門に係る環境アセスメント結果素案につきまして、知事の方から会見を始めさせていただきます。
よろしくお願いします。
ご承知のとおり、昨日、国の諫早湾干拓事業の潮受堤防排水門の開門に係るアセスメントの素案(九州農政局ホームページへリンク)が公表されたところでありますが、出張中でありまして、コメント(記者発表資料:諫早湾干拓事業の潮受堤防排水門の開門に係る環境アセスメント結果素案公表に関する知事コメント)のみを出させていただいておりました。今日は、諫早市長さん、雲仙市長さんにもご出席をいただきまして、こういう機会を設けさせていただいたところであります。
内容につきましては、コメントの中で触れさせていただいております。まだ詳細な問題点等については、これから検証、精査をしていく必要があるものと考えておりますが、現時点での私どもの考え方なりについて、まずご説明をさせていただきたいと思います。
まず第1点目は、そもそも何のためにこの開門が行われようとしているのかという点であり、まさに根幹にかかわる部分であります。さきに両市長さんと連名で公開質問状を出させていただきましたが、総理の回答によりますと、有明海の再生を目指す観点から、上告を見送り、開門を受け入れるんだということでございました。
しからば、有明海の再生につながる道筋が見えてきているのかどうかという点が一番の問題点ではなかろうかと考えております。アセスの素案をご覧いただくとおわかりのとおり、例えば、流速、あるいは水質等についてケースごとにアセスが取りまとめられておりますが、その影響範囲は極めて限定的である。潮受け堤防の排水門の周辺に限定される、あるいは諫早湾内あるいは湾口部に限定されるというようなアセス結果でありまして、有明海全体の環境変化に結びつくような結果が得られていないと我々は理解せざるを得ないと思っております。しからば、こういったアセスがなされた上で、なぜ開門されるのかというのが一番根本的な私どもの疑問であります。
開門を行うとすれば、そのプラス効果とマイナス効果、これをしっかりと比較考量した上で、客観的に、あるいは科学的な説明をしていただかないと地元としては理解できない。むしろ、さまざまな観点から見た場合に、諫早湾内の水産業に対する影響は甚大なものがあるのではないかと危惧をしております。そういう根本的な部分についての疑問がますます強くなったと感じております。ぜひ、今回の結果を踏まえ、国におかれては開門の方針を見直していただくべきではなかろうかと考えております。
2点目でございますが、開門の方法について、従前は3つのケースを想定して取り組むとされておりました。前回も、段階的な開放、そして一部制限を加えながらの開放ということでありましたが、この制限的な開放、ケース3の場合ですが、これにもう一つのケースが加えられました。この3−2のケースといいますのは、ご承知のとおり、既に平成14年に、短期開門調査を受け入れて、実際に調査が行われた事実があります。なおかつ、この短期開門調査の結果によりますと、この影響は諫早湾外の有明海全体にはほとんど及ばないという結果が明確に示されているところでありまして、なぜこうした経過を踏まえた上で、ケース3−2が今の時点で提案されたのか、極めて疑問に思っております。
3点目でありますが、これは実は、今回の開門調査で一番我々が危惧の念を持ってきた点でありますが、漁業に対する影響であります。常時開放すると、速い流速が生じて濁りが拡散する、なおかつ、浮泥が堆積し、漁場環境が大幅に変わってくるというような懸念事項を表明し、開門を避けてもらいたいという根拠の大きな理由の一つにしていたのであります。確かに今回のアセス素案によりますと、程度の差はあるが、開門をすることになれば、護床工などの対策を講じても流況の変化、濁りの発生、泥土の堆積等に伴って諫早湾の水産資源、漁業にさまざまな影響を及ぼすと、こうされております。ところが、素案はここまででありまして、それでは、これを回避するために、どういう手法が講じられようとしているのか、一切その対策が示されていないのであります。これは、まさに漁民に対して、この被害を甘受せよと、こう言っているに等しい内容ではなかろうかと考えております。
福岡高裁判決が命じた5年間常時開門というケースに一番近いのはケース1でありますが、その際には、洗掘防止のために巨額の護床工の実施が必要であるとされております。しかしながら、その効果について考えてみましても、潮位は諫早湾及び有明海にほとんど変化は見られない、潮流は下げ潮時に湾口部南側から島原半島に沿う流れが一部速くはなるが、その他の有明海にはほとんど変化がない、そう評価されている一方で、水質は諫早湾内で濁りが顕著に増加する、諫早湾口部周辺までこの濁りが拡大していく。そしてまた、諫早湾の奥の部分、北部沿岸部、河川の旧河口部分に泥土が堆積し、これに伴う漁業等への影響の可能性が大きいと、こう指摘をされているわけであります。まさに、被害は想定されるが、有明海全域についての物理的な影響は見られないという結果が明らかに示されているわけでありまして、こういった状況を前提にした開門というのは理解できないというところであります。
それからまた、3−2については、先ほども申し上げましたように、平成14年に、短期開門調査を実際に行いましたが、このときは1カ月間の開門でした。それにもかかわらず、アサリの漁場等に対する被害が発生し、国自身、漁業補償を行ったことは十分理解されているところだと思います。
そうした地元のこれまでの心配に対して具体的に答えていただいていないということであり、到底理解することは難しいと思っております。
4点目は、農業に対する影響の部分でありますが、我々が一番心配していたのは、農業用水の確保対策であります。ため池をつくる案等々を含めて、いろいろな手法が検討されてきたであろうとは思いますが、結果として、地下水をくみ上げるという方法がとられております。地下水をこれ以上くみ上げると、地盤沈下を引き起こすということは従来から繰り返し指摘をしてきたところであります。地盤沈下に影響を来さないようにということで、深井戸を掘削し、地下から水をくみ上げようということでありますが、この点については、既に皆様もご存じのとおり、地元の方では、地盤沈下が非常に深刻な問題となっていました。このため、お互いに協定を結んで取水量を制限してきたという状況であります。今回、大体年間320万トンの水量を代替水源として想定されておりますが、これだけの膨大な水量を深井戸からくみ上げるということになると、本当に地盤沈下は心配する必要がないのでしょうか。お手元に、地下水にかかわる簡単なペーパー(地下水流動の推定資料)をお配りしています。58ページというグラフの資料、図面があると思いますが、そこをご覧いただきたいと思います。左側に、どのレベルから取水するかということでありますが、実は、森山地区がこれまで農業用水を地下からくみ上げていたために、大幅な地盤沈下を来して、大きな問題になっていました。干拓調整池が淡水化されたことによって、(農業用水が確保できたため)このくみ上げを停止したら、地盤沈下も止まったというのは、皆様ご承知のとおりであります。
森山地区の状況を示している矢印の区間がありますが、ここが比較的浅い部分から取水をしております。ここら辺は農業用水を中心としてくみ上げられてまいりました。その左に小野地区というのがあります。これは、実は工業用水を取水しております。200メートル、300メートル程度のいわゆる深井戸から取水をしております。これまでは、深度の違いはあっても、同じ帯水層から取水をしておりましたので、森山地区から農業用水をくみ上げていた時点で、地盤沈下がこの取水地帯から生じていたところでありまして、森山地区の取水をやめたら地盤沈下が止まったという状況であります。深井戸から取水するということであっても、今、ようやく水の需給バランスがとれたところであろうと理解しております。そういう状況の中で、本当にこうした手法が可能であるのか、仮に可能であるとしても、なぜ調査が行われてこなかったのか。地元がそれだけ問題点を指摘していたにもかかわらず、一切の調査もなく、こういう手法が採用されたというのは、大きな不信の念を抱かざるを得ないところであります。
そもそも、福岡高裁の議論の中でも、この代替水源確保というのは大きな論点の一つになっていたはずでありまして、地下水で対応できるといった議論は、原告、被告とも行っておりません。ということは、双方とも、地下水だけに頼るというのは無理だということを理解されていたのではなかろうかと私どもは考えております。そういう状況の中で、あえて今、また地下水を代替水源にするという案がなぜ示されてきたのか、地元の実情をどのように理解した上でこの地下水利用案が採用されたのか、理解に苦しむところであります。
そしてまた、塩害と潮風害の問題であります。今回の素案では、既存の堤防、あるいは内部堤防から干拓地内の水路へ海水が浸透すると指摘をされております。しかしながら、その塩害を、例えば、堤防の基礎部地盤からの海水浸透をどうやって防止するのか、具体的な対策が示されておりません。おそらく、旧干拓堤防等については、堤防の下にぐり石等が敷き詰められて工事がなされていると考えておりますが、当然ながら、そういった状態であれば地下水が浸透していくわけでありますので、どうやって対策を講じようとしているのか、そこら辺は明確に対応策を示していただくべきだと思っております。
そしてまた、潮風害の方でありますが、この潮風害は、内部堤防から締切堤防まで約3キロメートルの距離がありまして、調整池が淡水の状況であれば、ここが緩衝地帯になって潮風害の被害を緩和するという大切な役割を果たしてきました。ここが海水になりますので、当然ながら、潮風害の発生はあるものと予測の結果が示されております。しかしながら、これをどう回避していくのかということが極めて大きな問題になってまいりますが、国は、ローテーションで散水をしたらいいではないかと。いわゆる、代わりばんこに水をかけて塩分を取り除いたらいいじゃないですかというような考え方が示されておりますが、とんでもない話でありまして、この潮風害、葉っぱについた塩分を洗い流すのは、極めて短時間に一気に洗い流さないと潮風害は免れ得ないということであります。試算しますと、例えば、5時間に40万トンの水が必要になってきます。こういった水が地下水で確保できるのか。
それともう一つは、今は、こういう被害が発生していない状況であります。新たな負担を農業者に強いるということになるわけでありまして、国は、この点についてもどう考えているのか、全く触れられておりません。
そして5点目は、防災面への影響であります。この干拓事業の大きな目的の一つが防災面の確保という点にあるわけでありますが、実は、今の干拓事業計画は、諫早大水害の体験もあり、100年に1度の(頻度で発生が予想される大規模な)降雨量を前提にさまざまな施設の設計がなされております。潮受け堤防、内部堤防等もこういった降雨を前提に設計されているわけでありますが、今回のアセス素案では、30年に1度の雨を前提にして対策が講じられようとしております。端的に申しますと、例えば、ケース1の場合、大きく調整池の水位が上下するわけでありますが、この上下する最高潮位を考えた場合に、やはり内部堤防が洗掘されるおそれがあるということで、1メートル程度の嵩上げが必要ではないかといった対策工も検討をされております。実は、まだ細かく計算はしておりませんが、仮に、この事業全体が想定している100年に1度の雨が降ったときに、本当にこの程度の対策で耐え得るのかどうか。ここが決壊するということになれば、想像するのも恐ろしいぐらい被害が一気に拡大する可能性があるわけでありまして、そういった点についても大きな疑問点として今、感じているところであります。
以上、大きな5点について、現時点での感想を述べさせていただきましたが、なお詳細な課題は幾つもあるだろうと思っております。これから内容を十分検証させていただいた上で、国に対しても、おそらく意見が求められることになってくるだろうと思いますので、しっかりと申し上げていかなければいけないと考えているところであります。
諫早市長さんと雲仙市長さんがお見えになっておりますのでお願いします。
総括的にはもう知事の方からお話いただきました。
ケースが4つございますが、そのケースを聞いた私の印象を申し上げますと、まず第一に疑問に思うのが、いずれの開門の仕方の場合でも、何らかの影響が漁業も農業も環境も防災にもあるということがこのアセスでは書いてございます。いずれにしても、程度の差こそあれ、開門をするということは、その影響が出るということになろうかと思います。そういった中で、12月6日の判決というものが一方では確定しているという状況でございます。一番疑問に思うのは、こういうアセスという調査をやっている途中で、なぜあの判決を受け入れたのかというのが一番の疑問です。判決を延ばしてもらうなり、反証をするための時間をいただくなり、そしてまた、上訴という手段もあったのに、その上訴をしなかったというのは、このアセスの結果を見る限り理解ができませんし、非常に疑問を持っているということでございます。
先ほどから申しますように、このいずれのケースをとっても何らかの影響が出てくるということがわかっていながら、これまで農水省が言っていたこと、それから長崎県が言っていたこと、諫早市が言っていたことと同じような、ケース1、2、3、4ともに、これまで私どもが心配していた、疑念を持っていたとおりの結果だと思います。ですから、それを政府が受け入れたということには大きな憤りを感じているというようなことでございます。最高裁に上訴をするとか、それから判決を留保してもらって、このアセスの結果が、素案が出るまで待っていただくとか、そういうことがなぜできなかったのかというのが私の思いでございます。
それから、先ほど知事もおっしゃいましたが、23項目にわたりまして1月に公開質問状という形で提出をさせていただきました。その回答にはほとんどなっていないというのが今回のアセスの結果であると。我々の疑念、そういうものをある意味、肯定しているのかなとも思いますが、それに対する回答にはなっていないというのが印象でございます。
それから、従来3つの方法で開門のアセスをやるというようなことを言われておりました。今回、結果としては3−2というのが追加をされまして、4つの方法になりましたが、私は、4つの方法いずれにしても、こういう結果が出るだろうということは想定していた範囲だと思います。そういった中で、開門をしないで有明海の再生、防災、環境、農業ができないのかと、そういうことをずっと訴えてまいりました。ですから、昔は3つだったのでA、B、Cと呼んでいましたが、ケースDを加えてくださいと、開門をしないで再生の道はないのですか、それを検証する必要があるのではないでしょうかということを訴えてまいりましたが、それについても何にも触れられていない、開門ありきであるというような印象はぬぐえないということで、非常に残念でございます。それが私の思いでございます。
もう既に5点、知事がおっしゃいましたし、また諫早市長がおっしゃったとおりでございます。ですから、あえて私がいろいろ言うことはないわけでありますが、私どもは雲仙市として出発して6年になります。これは干拓を、すべて完了を前提として出発した市でございますので、市民の安心・安全というのは、干拓を一つの前提としてやってきたわけであります。ですから、今回こうした形でアセス案が発表されましたが、私たちとしては、これはもう既に市としての我々の安心・安全の範囲の前提ではないわけであります。ですから、農業振興にしましても、それからまた市民の生活安全にしましても、すべてこれらは私たちが前提としたことを覆したわけでありまして、先ほど諫早市長もおっしゃいましたが、上訴しなかったことについては、昨年の12月、総理官邸まで行きまして、私どもも市民のありったけの不満というものを総理自身に申し上げてまいりました。あのとき、なぜ、地元の意見を十分に聞かず、あるいはまた地元の方々の意見を尊重しないまま、ああいった上訴に対する断念という形の結果を打ったのか、それらが全く地元の声を無視された、地域主権を名乗られる政党にしては余りにもお粗末な判断の仕方ではなかったかというふうに思います。
ただ今回、1つだけ私が言いたいのは、このアセスの結果の中で、水産振興については、諫早湾に影響があるということであります。私どもは、少なくとも、干拓と水産は共存共栄ができるということで、市としても、一生懸命これまで水産振興に対して力を入れてまいりました。ですから、例えば、瑞穂のカキでありますとかは、ブランドとして認定させていただきまして、大いにセールスもやってきたわけでありますが、これらに影響が出るということになってまいりますと、これからどういった形で水産振興、また諫早湾の水産業の方々と協力していけるのか、私は、この結論、アセスの結果というのは極めて重いと思っております。
こういったことも踏まえて、我々はこの結果に対しては非常に異議を唱えていかなければならないし、今後もやはり干拓に対して、開門ということについては、体を挺してでも反対をしていかなければならないと思っております。
幹事社の方からご質問をお願いします。
幹事社の西日本新聞です。
中村知事にお聞きしますが、県としては、農・漁業、水害、防災ですね、いずれにおいても被害を全く出さないということを再三国に要請してきたと思いますが、アセスの結果は、対策を講じても被害が出るということを逆に裏づけるような結果になりました。こういうものを出してきた国に対して、今どういうふうな感情というか、お気持ちでいらっしゃるのか。
実を申しますと、今回のアセス素案については、私どもも、ある程度想定をしながら、地域の実情を踏まえた上で、繰り返し申し上げてきた中身がこういった形で改めて検証されたということではなかろうかと思っております。したがって、昨年末に控訴審判決について、ぜひ上訴していただくようにというお願いをしたにもかかわらず判決が確定してしまったわけでありますので、しかるべき状況は想定されたわけでありますが、まさに国の責任において適正に対処していただく必要があるものと思っております。
これは先ほど申し上げたように、さまざまな影響の範囲というのは、諫早湾、そしてまた湾口部に限定されており、なおかつ有明海全体にはほとんど影響がないというような結果でありますので、やはり地元のそうした思いというものをしっかり尊重していただきたいと思っております。
82億円の3−2のケースというのが一つ、かなり金額が抑えられた案がつけ加えられました。これについては農水省と官邸の間で金額をめぐっての綱引きがあったというようなお話が出ていますが、知事は、この82億円が出てきた背景については、どういうふうに考えていらっしゃいますか。
経過については詳細承知しておりませんのでコメントのしようがないのですが、もともと今回の開門調査というのは、先ほど申し上げたように、開門することによってどんなプラスの効果が出るのか、そして開門することによって失われるマイナスの影響、これがどのくらい、どんな分野にあるのか、そこをしっかりと見極めて比較考量した上で判断をしなければならないと思います。その判断の中には、やはり地域的な、この地域にとってはいい話、この地域にとっては悪い話というのがあるかもしれませんが、今回の結果を見る限りにおいては、特定の地域によくて、特定の地域によくないといった結果ではないと思っています。結局、地元が一番大きな被害、影響をこうむることになるというのは明らかでありますが、それに対して、有明海全体に対するプラスの効果は一切期待されないという調査結果でありますので、本来、こうした形での開門調査はあってはならないと思っております。引き続き、そうした考え方については国にしっかり申し上げていく必要があるものと思っております。
そういう中で、3−2のケースというのが新たに選択肢として提案されたわけでありますが、正直申し上げて、想定もしておりませんでした。なぜならば、既にやった手法だからです。(平成14年の短期開門調査で)結果も出ているわけですので。確かにこの手法を採用するのが一番経費的には安上がりですが、全体に対する評価をする中で、こういった小手先の対策で本当に理解が得られるのかというのは、はなはだ疑問に思っております。
これを踏まえて、鹿野農水大臣が長崎県に来てお話をしたいということですが、そのときには、知事はどういったことを重点的にお伝えしようと考えていらっしゃいますか。
これまでも潮受け堤防の開門にかかわる話としては、繰り返し公開質問状等も出させていただいて議論をしてきたところでありますが、そうした国の方針なり、姿勢の根拠となる部分を今回、科学的に明らかにしようということで調査されたわけでありますので、その結果を踏まえ、国がどういうお考えなのか、またその根拠は何なのかというのはしっかりお聞きする必要があると思っております。
国はこれまで、アセスが出るまではということで開門に向けた具体的な協議というのは進んでこなかったのですが、こういう形でアセスがようやく出て、国はいよいよ開門に向けた具体的な協議というのを県なり、市なり、原告側と進めていくということを考えておられるんでしょうけれども、知事は、このアセスの結果をもって、具体的な開門に向けた協議を国と進めていけるというふうに現段階ではお考えになっていらっしゃるんでしょうか。
現段階では、先ほどから申し上げているように、我々が一番懸念しております事項がある程度このアセス素案によって明らかにされた、なおかつ、漁業被害等については国の姿勢がいまだに示されていないということでありまして、開門に向けた協議に応じられるような状況ではないと考えております。
ご質問はございませんか。
皆さん、おそらくこの概要(開門調査に係る環境影響評価準備書(素案)の概要(九州農政局ホームページへリンク))はご覧いただいたと思いますが、12ページ以降、例えば、流速でありますとか水質の問題、「ケース1」から「現況」を差し引いたもの(等、各ケースと現況との差)が一番右の欄に効果として明確に示されております。これを見ると、本当に明らかに、いろいろな影響が生ずるのは諫早湾内であり、ということはすなわち、長崎県の漁業者の方々が一番甚大な影響を受けるだけであって、有明海には全く影響がないということが、この数ページの資料で明らかに示されていると私は理解しております。
先ほど地下水の話をされていましたが、当然、原告側も地下水を利用してというのは、先ほど、裁判の中でも県も原告側もそんなことは言っていないのに、今回こういうアセスで地下水を利用する云々という話が出てきました。原告側もおっしゃっていたんですが、もう国にはお任せできないと、国に任せていると、突然我々が望んでいないようなアセスの結果が出てきたりするということでした。県としても、先ほど協議に入る状況ではないとおっしゃっていましたが、一方で判決が確定しているという現状がある中で、例えば、原告なり国なりと一緒にある程度考えを、アセスというか、開門に向けた何か方法、施策というものを考えていくというのも一つの方法なのかなという気はするんですが…。
私どもは基本的に、開門があってはならないという考え方で一貫して意見を申し上げてきたところであります。この結果を見て、開門したらどうなるかというのは何も示されていないわけでありますので、そこはやはりしっかりと説明をしていただかないと理解できません。
それと、改めて申すまでもないことでありますが、長崎県内の関係者の方々が訴訟当事者としてこれから裁判を継続していかれるわけでありますので、その一方で、行政が開門を前提に、そのための検討、協議を進めるということはあってはならないと私は考えております。
大臣は、できるだけ早く説明に来たいとおっしゃっていますが、今のところ、知事の方に、いつごろ来たいとか、そういった具体的なお話は出ていますでしょうか。
私も今日帰ってきたばかりでありますので、今のところ、私はいただいておりません。
2点ほどお伺いしたいのですが、先ほど知事がおっしゃった地下水の件で確認なんですが、実際の調査がなく、こうした深井戸を使うということが示されたとおっしゃったと思うのですが、実際に調査もなくというのはどうして分かったんですか。
それは聞いてみました。
国がそう言っているんですか。
例えば、具体的なボーリング調査等をやった上で出した答えですかと尋ねてみましたが、具体的なボーリング等々は行っていないと伺っております。
冒頭から代替水源としての候補の一つであれば、当然ながらボーリング調査等は行われて、検討されて、こういった形で盛り込まれてしかるべきだと思っておりますが、そうした手順がなされたのかということを確認しましたところ、そういう手順なしに盛り込まれたということでした。非常に唐突な思いもいたしておりますし、現在、その対策工費として1,000億円ないし八十数億円という形が示されておりますが、おそらく、農業用水をどうやって確保するのか、ため池をつくるにしても、あるいは別の方法で確保するにしても、この対策経費というのは数百億円に及ぶだろうと思います。そうなると、地下水で対応不可能となったときに、また事業費が幾ら膨らんでくるのか。これは相当大幅な変動が出てくるのではないかと考えております。
一時は下水処理水を使うという話もささやかれたのですが、急に出てきた話ということなんでしょうか。
非常に唐突に感じております。一つは、先ほども申し上げたように、我々が、一番難しいのは農業用水の確保でしょうと、しかも相当な経費がかかりますと。国に対しては、六百数十億円周辺の対策経費がかかって、農業用水を確保するとなれば、例えば、ため池とか止水堰とかを考えると、やはり数百億円はかかりますよということを申し上げてきた経過があって、それが15億円のこの地下水案に突然代わってきているという思いで受けとめております。
それともう一点、全く別件なんですが、上告を断念されたのは菅首相ですが、菅首相は、ご存じのように、8月、今年中かわかりませんが、退任されるようですけれども、実際に何かをするというのは次の、また次の首相の判断になってくるのではないかと思うんですが、そこら辺をどういうふうに見ていらっしゃいますか。
これは訴訟の結果として、国は責務をもう既に負っているわけでありますので、政権がどうかわろうと、今のままでは、その責務を負い続けていく、必ず履行するのが前提であろうと思っております。したがって、我々は別個の訴訟でもって判決が確定したわけでありますので、もう一つ別の判決を確定させていく必要があるということで、訴訟を関係皆様方、提起されているわけであります。しっかりそうした手順を踏んでいかないと、なかなか今回の結果を覆すことは難しいと思っております。
今回のコメントの中で、対策費に係る額についてどう思うかという言及がなかったと思うのですが、費用についてはどう思われていますか。
費用については、国の責務で行っていただくわけでありますので、そこを多い、少ないという評価をさせていただくのは避けさせていただきました。これは国が自ら責務を負われたわけでありまして、我々としては、仮に開門調査が行われるということになっても、地元に対する被害が生じないようにしていただく必要がありますので、それについて、費用がかかるからいいですよと申し上げるわけにはいかない立場であります。
先ほどの、協議の場に応じる状況ではないというお話のところですが、これから手続完了に向けて意見聴取が始まりますよね。その意見聴取を拒否するということではないんですよね。
意見は意見として、これまで同様、しっかりと申し上げていく必要があると思います。
意見聴取以降のスケジュールについては足りると思っていますか。
この意見聴取、1カ月程度設けてあるんですが、これだけの資料に1カ月で意見を出せといっても、なかなか難しいと思います。やはり相当高度で専門的な知識も必要ですので、我々も、県の職員だけでは対応しかねる部分も多々あろうかと思います。専門家の方々のご意見等もお聞きしなければなりませんし、勉強をさらに積み重ねていく部分も必要だろうと思いますので、正直申し上げて、1カ月というのは何とか延ばしていただけないかと思います。そうしないと、地元としてしっかりした意見を申し上げるには余りにも短過ぎるかなという思いであります。
大臣は来たいというふうに言っているんですが、知事は、会談には応じられる意向はあるものの、意見を述べて、特に開門に向けた協議のテーブルに着くというようなものではないというような感じですか。
今回、鹿野大臣が、私も記者会見等の場でご発言等をお聞きして、地元に説明に行きたいというお話をなさっておられるということだそうですが、今回の環境アセスというのは、我々自身、開門を行うにしても、しっかり科学的、客観的な根拠を明確にしてその是非を判断してもらいたいということを申し上げてきたわけです。したがって、アセスが出る前に判断しないでくださいというのは繰り返し申し上げたんですが、結果はそうなりませんでした。しかし、やはり今回、手続をされて、私どもの質問状にも、環境アセスの結果が得られた上でということを、ほとんどすべての項目でそうお答えになっておられるわけで、この結果を踏まえてご説明をいただくということでしょうから、説明はいただく必要があるものと思っております。しかしながら、その後、では開門しましょうと、長崎県は開門するにはどうしたらいいですかという、その協議の場、これには到底参加いたしかねるという思いであります、今の段階では。
よろしいでしょうか。
以上で諫早湾の環境アセスの素案に関しての会見を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
どうもありがとうございました。
・午後2時から午後2時50分(50分間)
・特別会議室
【定例記者会見】
会見内容
平成23年5月11日 定例記者会見
会見内容
1.九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)について
<配布資料> 西九州ルートの所用時間等について【PDF】
それでは、ただいまより知事の定例記者会見を始めさせていただきます。
皆さん、こんにちは。よろしくお願いします。
冒頭に、1点だけ皆様方にお話をさせていただきたいと思います。お手元に資料を1枚配付させていただいております。
先般、九州新幹線西九州ルートの費用対効果について新聞報道等がなされておりましたので、現状等について長崎県としての考え方をご説明させていただきたいと思います。
先般4月1日に費用対効果が試算されて公表をされました。一番最初に公表されたのが一番上、フリーゲージトレインを走らせた時のB/C(費用対効果の試算値)であります。この考え方は、博多から新鳥栖までは九州新幹線鹿児島ルート、これは標準軌のレールを使用して最速260キロのスピードで走ると。それから、新鳥栖〜武雄温泉間は在来線しかありませんので最速130キロ。そして、武雄温泉〜諫早間については、実は我々は標準軌にして欲しいと、こういう考え方を持っているのでありますが、狭軌を前提に試算されました。前回の試算の時と同じような考え方で、最速200キロで試算、そして、諫早〜長崎間は在来線を活用するということで、時速130キロでB/Cを出したところ、21分短縮、費用対効果は1.5ということになったというお話でありました。
しかしながら、フリーゲージトレインの現状の開発状況を踏まえた時に、ちょっとおかしいのではないかというような議論もありました。1つは、博多以遠、いわゆる山陽新幹線に乗り込む時の300キロで試算してありますが、実はフリーゲージトレインはまだ300キロの開発には到達してないと、現実的にはあり得ないのではないかというようなご指摘等があったわけであります。
そういうことで、再度、国土交通省の方で試算をされまして、博多以遠のスピードを270キロ、これはフリーゲージトレインで一応開発目標は達成されております。そしてまた、武雄温泉〜諫早間を狭軌で走るということがあって、これは130キロ、現実的には今の技術開発状況を踏まえればそういった速度になると。そうしますと、21分短縮が15分の短縮ということになってくる。この時の費用対効果は1.3であるということで、再試算結果が公表をされたところであります。
一方、これに対してスーパー特急方式でどうなっているかというのはその下でございますが、スーパー特急は標準軌を走りませんので、当然ながら博多〜鳥栖間は在来線を走るということになりますので130キロ。鳥栖〜武雄温泉間も130キロ。武雄温泉〜諫早間は狭軌を前提に線形がよくなりますので200キロぐらいということで試算をされて、22分短縮、費用対効果が1.1だということになっております。実はこのスーパー特急というのは狭軌のレールを使用し、車両の改良を行うことによってスピードを上げていこうという基本的な発想なんですが、具体的な開発はなされておりません。したがって、実際200キロというのも現実にはあり得ない状況であります。
現在、全国の特急の一番速い車両を持ってきた時に何キロぐらいかというと、この区間が160キロ、この車両があるということでありまして、それをもとに再試算を行ったところ、18分短縮ということで、費用対効果は1.1、これは変わらないという状況になっております。
こうしたご議論をいただいてきたところでありますが、我々が目指すところはどこかといいますのは一番下でありまして、博多〜新鳥栖間は鹿児島ルートの標準軌をあわせて活用をするという前提、今のところ新鳥栖〜武雄温泉間は在来線130キロであります。
しかしながら、武雄温泉から諫早、諫早から長崎、ここは標準軌を延ばしてもらいたいという要望を重ねてきているわけでありまして、仮にこれが実現いたしますと、先般来公表をさせていただきましたように、これは本県の試算結果でありますが、41分短縮、費用対効果が2.2ということであります。
もともとこの九州新幹線西九州ルートといいますのは、「長崎ルート」という正式な名称でありますが、長崎まで持ってきて初めて「長崎ルート」と言えるんだろうと思っております。
したがって、諫早〜長崎間はまだ認可をいただいてないという状況でありますが、引き続き関係機関、団体の皆様方と一緒になって、延伸が実現できるように国に対して働きかけを行っていく必要があると考えております。
そういった考え方のもと、これまでも取り組んでまいりましたし、これからもそういう方針で臨んでいきたいと考えているところでございます。
今日は、私の方からは以上、考え方を申し述べさせていただき、あとはご質問等を頂戴したいと思っております。
2.東日本大震災の長崎県の支援について
幹事社のNCCです。
今日で震災から2カ月が経ちました。現時点で、県ではどのような支援ができているのか、そして、今後、どのようにその支援対策を取り組んでいきたいと考えていらっしゃるのか、改めて教えてください。
今、県内の市町の皆さん方と一緒になって、3県の被災地の復興支援に力を注いでおります。
福島県には20名、県・市、10名ずつの20名体制で避難所の運営支援等に職員を派遣し、当たっていただいております。
そして、宮城県は、罹災証明書の発行支援の事務を、これまた県と関係市町合わせて、こちらの方は今20名、県6名、市町14名派遣しております。
そして、岩手県、こちらは復興支援ですか、避難所支援ですか。
陸前高田市で荷捌きですとか、避難所の支援でございます。
今申し上げたように、避難所の運営支援等に、こちらも20名派遣をし、県6名、市町14名、活躍をいただいているという状況であります。
このほかにも、いわゆる関係機関、長崎大学の皆様方でありますとか、あるいはまた、別途関係の市の要請を受けて市町の方で対応いただいている分もあります。
復興には、これからまた相当長期を要することになってくるだろうと思いますし、具体的な復興の足取りによって地元のニーズも変わってくるだろうと思っております。
おそらく具体的な復旧・復興作業が始まるということになりますと、さまざまな分野で技術系の職員の派遣要請等もくるのではないかと考えているところであり、地元の進捗状況に応じて、引き続き全力で支援に努めていきたいと思っております。
以前、県では雲仙とか、ハウステンボスとか、旅館で受け入れ施設を構えようということで会見をされていましたけれども、実際問題、結局利用された方はゼロだったと伺っています。それについては知事はどのように感じていらっしゃいますか。
支援体制等については、十分現地の方にも説明に出向いて、「よろしかったらどうぞ、ご遠慮なく」というお話を差し上げてきました。そういった中で、一時長崎の方にもお入りいただくというような話もあったんですが、やはり被災地の状況を考える時に、一つは距離的に相当遠いということ、それからまた、数多くの行方不明者の方々がおられまして、その安否の確認ができるまではというようなお気持ちも強いものがあったり、そしてまた、復興に向けて現地で頑張らなければいけないというような思いをお持ちの方々が多かったのではないかと思っておりまして、今のところ、具体的に準備させていただいた受け入れ態勢等をご活用いただいていないという状況であります。
また、いろんなニーズもこれから変わってくる可能性もありますし、例えば「学校単位でおいでいただいても結構ですよ」というようなご提案を申し上げたり、あるいはまた、例えば「家畜等を受け入れてもいいです」というような準備の態勢づくり等も進めているところでありますが、何分にもやはり距離的に相当遠いというところを気になさっておられる側面があるのかもしれないと思っております。
今、家畜の受け入れの話がありましたけれども、具体的にどういうような家畜を考えていらっしゃいますか。
例えば牛ですね。乳牛、肉用牛、あろうかと思いますが、酪農牛というのは、これは難しい面があるのかもしれません。非常に敏感な取り扱いが求められる面があると思いますが、肉用牛については比較的おとなしい牛でありますので、離島地域等を含めて放牧であるとか、あるいは飼養施設をご活用いただくような方法も可能ではないかと考えております。
具体的にいつ頃できるかなというふうな目途というものは。
そういった考え方は、(福島県の畜産関係者に)既にお伝えしていると思います。具体的なご要請があるかどうかということですね。
3.原発事故に関連する県の対応について
原発関係でお話を伺いたいんですが、今、玄海原発の2号機、3号機は、まだ点検中ということで、今日、九州電力の長崎支店から安全対策の点で議会に説明があったようです。それで、聞いたところ、2号機、3号機の運転再開の目途というのは今の時点では言えないけれども、今後、地域住民の人たちの了解を得てやりたいというふうなお話をされていました。知事は、その辺についてどのように考えられますか。
原子力発電所の被災事故が非常に大きな課題になっておりますので、周辺住民の方々は不安をお感じになっておられるだろうと思います。今の原子力発電所の現状を見ますと、供給電力量の3割がこの原子力発電に依存しているということでありまして、これを直ちに止めてしまうわけにはいかないというのは、私もそうだろうと思います。
ただ、そうした地域の住民の皆さん方の不安に対して(九州電力から)十分な説明を行っていただきたいと思っています。国の方でも安全基準の見直しを行って、例えば電源が全部なくなってしまった時にどうするのか、発電用の車などを準備するというような具体的な対応策も講じられたと聞いておりまして、そうしたことなどをしっかりと説明していただいて理解を得た上で進めていただきたいと考えております。
今の原発の件に関係してですけれども、大阪の橋下知事とかは新しい原発の建設をやめるべきだと、脱原発の方向で発言されていますけれども、知事の今の発言だと、やっぱり共存していくことが大事だと、そういうふうなお考えだというふうに考えて良いんでしょうか。
いいえ、それは今の現状を踏まえた時に、直ちにやめてしまえというのはなかなか難しい議論ではないかと申し上げたところであって、まず、原子力発電の問題について、一番緊急の課題というのは福島原発の沈静化に向けた具体的な取組を一刻も早く進めていただくということが大事でありますし、そうした中でしっかりと問題点の分析を行うべきだと思います。分析と評価、これをしっかりと行って、共存できるのかどうか、これは国民的な議論も必要になってくるのではないかと思っております。そうした上で、日本全体のエネルギー政策として方向性をどう見定めていくのかという手順が必要だと思っております。
見直しの必要性については、知事も同一というか、見直す必要があると…。
現に(今回の津波は)想定外だったと言われていますが、事故が起こったわけでありますので、そうした可能性があるとすれば、どういった対応策がとられ、安心できるのか、真剣に考えていく必要があると思います。
原発の件に絡んでですけれども、玄海原発2号機、3号機の再開について、目途が立ってないということで、知事のお考えとして、こういうことがはっきりわかるまでは再開してもらいたくないとか、そういうお考えがあれば教えていただきたいというのが一つと、震災以降すぐに松浦市の方からもやはり不安だということで、松浦市長から防災計画の話等もちょっと考えてくれというような話もありましたよね。その点についていかが考えていらっしゃるのか、教えてください。
ここまでの基準をクリアすれば再開できるといった基準は、今のところ持ち合わせておりません。
ただ、現実に県内でも近くにお住まいの方々が数多くいらっしゃるわけで、やはり今回の事故を踏まえて不安を感じておられるという現状があるわけです。そうした部分にまずはしっかり対応していただく。それと、今回の事故を踏まえ、様々な緊急対策、中長期対策について検討され、指示をされている分がありますので、そうした部分についてはしっかり現場サイドとして、当然ながら対応していただいているし、いただいていくものと思っております。その後に原発全体の問題について、今回の事故の課題、評価をしっかりと行った上で方向性を見定めていくべきだと思います。
また、防災計画の見直しが必要ではないかということでありますが、確かに今の地域防災計画の中で発電所の事故が起きた場合に、いわゆる10キロ圏域というものを引いておりますが、現実には20キロ、30キロまでその影響が拡大したというわけでありますので、県の地域防災計画についても、まずはそうした状況を踏まえて、見直し作業は進めていく必要があるものと思っております。
そのほかにも、今回の東日本大震災を踏まえた上で、例えば津波の問題でありますとか、そうした部分も見直す必要があるのかどうか、これはまた、全体として専門家の方々も委員にご就任いただいて、ご議論、ご検討をいただく必要があると思っております。
ということであれば、もう早めに再開ということは、玄海原発に関してはあり得ないというような認識だというふうに考えてよろしいんでしょうか。
いいえ、そうは思っておりません。
先ほど申し上げましたように、(九州電力から)しっかりと住民の方に説明をしていただいて、安心感を持たせていただきたいというのが今の考え方であって、再開に至るまでにはこういう条件をクリアしなさいという具体的なものはなかなか難しいところがあります。
現に、これまで長年にわたって運営をしてこられて、貴重な電力を供給してこられたわけでありますし、これが再開できないということになると、総電力量の確保に非常に大きな課題を残す。そしてまた、県民生活、あるいは産業活動等に重大な支障をもたらすことにもなるわけでありますので、そういう考え方でおります。
その住民の理解ということなんですが、住民というのはだれのことを指しているんでしょうか。
例えば松浦市の方々は一番近い距離におられるわけです。そうした松浦市議会の方々、あるいはもっと近い10キロ圏域にお住まいの方々もいらっしゃるわけでありまして、まずはそうした方々に対して十分な説明を行っていただく必要があると思っております。
もっと(区域を)広げたりですね、そういったのは知事としては求めていかないということですか。
どの区域まで広げるのかという話だろうと思いますが、そこに一定の線引というのはなかなか難しいと思います。
それに関連して、県として九電の方に具体的にこうしてほしいというように要望をするお考えはありませんか。
原子力発電所の事故災害等については、従前から地域防災計画の中にも盛り込んで連絡体制等は確立をしております。
ただ、今回の事故を踏まえた話としては、先ほど申し上げたように、地域住民の方々に十分説明をしていただく。そしてまた、私ども自らもお話をお聞きし、ご報告等もいただいてきております。
説明するのは、九電が地域の住民の方に説明するというような形になるんでしょうか。
まずは、そうではないでしょうか。
4.東日本大震災の長崎県の支援について
震災関連でもう一つ。先ほど計画的な支援が必要だというふうにおっしゃいましたけれども、現地に拠点となるような施設というか、何か拠点等をつくるというようなお考えというのは…。
実は、支援をさせていただくサイドから申し上げると、今回の災害で一番悩みましたのは、発生直後からいろんな関係機関から支援要請がくるんですね。厚生労働省からきたり、あるいは日赤関係だったら日赤のラインを通してきます。そしてまた、全国知事会の方からきたり、市は市のおつき合いの中でいろんな要請がきました。
その結果、いろんなチームを派遣しているんですが、活動拠点がばらばらなんです。岩手県で活動しているチーム、宮城県で別の役割を果たしているチーム、福島県に入っているチーム、もろもろありまして、途中では福島県の原子力発電所の近くの区域が、やはり放射線に対する心配をされておられて、なかなか支援が行き届いてないというお話をいただきました。そういうこともあって、県と長崎市で第一陣を福島県に40名態勢で派遣したのは、そういった情報を踏まえた上で、被災県・市であるということもあって、そうした地域を重点的に支援すべきではないかということで入ったわけであります。
例えば、診療放射線技師チームの派遣であるとか、あるいは心のケアチーム、そうしたチームも現地のお話を聞いてみますと、非常に放射線の影響に対する心配をされている方々が少なくない。支援チームを派遣する際には、そういう事前レクチャーをした上で、現地に事務職員を派遣したということもありまして、例えば福島県には、(本県は)被爆体験を持つということもあって、できれば重点的に支援できないだろうかと、こう考えていました。少し時間が経過して、現状については、個々具体的な形で岩手県から20名ぐらいぜひお願いしたい。あるいは石巻市から、罹災証明を発行するのに応援が要るので派遣していただけないかと。なかなか断りにくい面がありますので、(派遣先が)分散化しているというような状況であります。
私もこの間の経過等を見た時に、できれば担当県、担当地域というのをそれぞれ分担を決めて担っていった方が非常に支援する側としてもバランスのとれた支援ができるのではないかということで、この支援態勢を構築する一番最初の時期に、少なくとも担当県を決めてくれないかという話をしました。全国知事会の方で調整をされて、九州は宮城県の方に物資を集中的に送付しようということもありましたので、一応そういう役割分担が決まったのかなと思っておりましたが、現状については先ほど申し上げたように、復興の段階、段階に応じていろんなニーズが出てきますので、個別の要請に応じていく必要もあるということです。
担当地区を決めていただいた方が活動しやすいと申しましたのは、我が県が大きな災害の体験を複数持っているということでして、被害救援から復興に至るまでにどんなニーズが次に発生するのか、あるいは、被災地域全体を見た時に、いわゆる地域間格差みたいなものが生じないような配慮でありますとか、その時々のニーズに応じてきめ細やかな支援活動ができるのではないかと考えたからであります。
5.原発事故に関連する県の対応について
ちょっと戻りますが、知事は、現時点で原子力発電所についてはすぐになくすことは影響が大き過ぎるので、そういうのは無理だと思うが、今後についてはそういった方向性をみんなで話し合っていく、検討していこうということでしたが、現時点では、知事ご自身は原子力エネルギー依存を推し進めていくべきだとか、そういったお考えというのはお持ちですか。
それはコストの問題等もありますし、環境との共生の課題もあるでしょう。確かに再生可能エネルギーというのをこれから増やしていく方向性には間違いなくあるんだろうと思いますが、どの時点で乗り換えていけるのか、そういった大きな流れというのを十分見極めながら議論をしていかなければならないと思っています。
長崎県は再生エネルギーを、グリーンニューディールということで推進していこうということで、これをいい機会にという言葉は語弊があるかもしれないですけれども、そういう方向にいった方がいいというような、そういうふうなお考えですか。
方向性は間違いなくそういう方向性にあると思っています。また、さまざまな技術開発も進んでいくでしょうから、不可能ではないと思っておりますし、県の目指すべき方向もそういう方向であろうとは思っております。
先ほどの、住民への説明をして、そして安心した上でということで、それを条件に、定期検査中の2号機、3号機については再開の条件となるというようなことをおっしゃったと思うんですが、結局判断するのは九電だということになるんでしょうか。
最終判断はそうですね。
十分説明がなされたと判断するんですね。
6.県庁舎整備について
県庁舎問題ですけれども、これまで長い期間にわたって議論してきて、震災を受けた後にもさらに特別委員会を開いて、専門家も呼んで、一時、安全宣言をなされたわけですけれども、連立会派が「白紙再考」という考えを示していますけれども、知事はどのようにお考えですか。
今のご質問にもあったように、この県庁舎整備の問題というのは長年にわたって議論を重ねてきていただいた経過があるわけです。議会で特別委員会を設けていただいてご議論をいただきましたし、委員長報告、そしてまた、本会議でも意見書を二度にわたって採択をしていただき、早急に魚市跡地に建設をすべきだという意見書をいただいたところであります。
確かに、その後、震災が発生しましたが、その時にも、改めて専門家の意見等は確認したのかというお話があり、再度確認をしてこれまでの議論の経過が間違いないということを回答をさせていただいたわけであります。
東日本大震災が生じて、今、いろいろな懸念の声があがっています。津波は大丈夫なのか、液状化が起きるのではないか、なぜ高いところから低いところに移るんだといったさまざまなご議論があります。そういった点はすべてこれまでの議論の中で、専門家の方々にもご意見をいただくなど、協議、議論を重ねてきた結果、さきの意見書になり、また、そうしたことを踏まえて、私も一定の方向性を決断させていただいたところであります。改めて「白紙再考」ということでありますが、どういったお考えであるのか、直接お聞きしておりませんので、議会でどういったご議論をいただくのか、今後の課題だろうと思います。
今の件ですが、直接意見をまだお聞きしてないということで、これから聞く予定があるんでしょうか。
おそらく議会でのご議論になってくるのではないでしょうか。設計関係予算については、もう既に議決をいただいているところでありまして、どういったご趣旨でのご議論をいただくのかということになるのではないかと思います。
7.諫早湾干拓事業について
諫干(諫早湾干拓事業)についてなんですけれども、今月末に、以前から言われているように、これまで行ってきましたアセスメントの中間報告が予定どおり5月中にあるのではないかと言われておりますが、加えてその中で長崎県の理解を得ることが重要だということで、その中間報告の中に一定の具体策を何か示すのではないかと、「示す」というふうに農水省側もこれまで発言していたこともあるようなんですが。
ただ一方で、先日、農業公社も原告に加わって開門差し止め訴訟を起こしました。今後、国が協議のテーブルに着くよう求めてきた場合、訴訟との兼ね合いも含めてどのように対応していかれるんでしょうか。
環境アセスの中身がどういう内容であるのか、まだ承知しておりませんが、地域住民の方々、農業者、漁業者の方々がさまざまな分野について非常に心配をされているというのはご承知のとおりであります。
アセスを踏まえて、国では対応策をご検討いただいているものと思いますが、先の上訴断念に当たって基本的な考え方をお尋ねしたのですが、ほとんどご回答をいただけなかった。そうであれば環境アセスが行われたことを踏まえて、どれだけ具体的なご検討をいただいてお話を頂戴できるのか、まずは、やはり地域にお住まいの皆さん方が、これだったら大丈夫だというような内容であるのかどうかという点が一番大切なことだろうと思っております。
訴訟との兼ね合いでいうと、また仮の答えになってしまいますけれども、国が一定の対応を示すと言っているんですね。内容は吟味する必要があるとは思いますけれども、その内容によっては、ついこの間起こした開門差し止め訴訟、一方で協議のテーブルに着いて一方で訴訟を継続するというと、ちょっと何かねじれというか、そういったこともあるかと思うんですが、訴訟は訴訟でずっと継続していくというお考えですか。
それは協議のテーブルというのがどういうテーブルなのかよくわかりませんが、例えば「こういう前提で開門をやりますよ、さあ、同じテーブルに着いて相談しましょう」ということには、軽々には話に乗れないと思っております。
12月に高裁判決があった時に、知事が会見の中で「納得がいかない」と、それは十分わかるんですが、ただ一方で、「余りに協議のテーブルの場から離れて県民に不利益が生じてはいけない」とも以前おっしゃっておられましたが、そこも含めてお聞きしたんですけれども。
まずは、どこまで住民の方々の不安を解消していただける具体策が盛り込まれていて、住民の方々が納得できる内容なのかということだろうと思います。
既に懸念事項等については訴訟の中でも明らかにさせていただいておりますが、例えば潮風害であるとか、塩害、こういったものを具体的にどういう手法で回避されようとしているのか。あるいは、常時開門した時に一番影響を被るのは湾内漁業者でありますので、そういった影響被害を回避するためのどんな具体的な方策をお考えになっておられるのか。そこら辺を確認する必要があると思います。
アセスの中にそういう具体的な方法が示されている場合は、それをもって議論につくというふうに考えていいんですか。
いいえ、それはアセスの中身もまだ見ていませんので。お聞きするところによると一つの方法だけじゃないのでしょう。段階的な開門であるとか、一度に全開する案であるとか、いろんな選択肢をベースに検討されているのではないかと思います。これでどうだという話にはならないのではないでしょうか。
8.上海航路の復活について
上海航路なんですけれども、大型連休明けにもハウステンボスが正式に表明と見られているんですけれども、県の方で何か情報は入っているんでしょうか。
これまで澤田社長とも直接情報交換等の場も設けてきております。新聞報道等でご心配をいただいていると思いますが、やはり運航の船会社も立ち上げられたところであって、具体的な検討を進めていただいております。こういった時期に東日本大震災が発生して、特に海外からの観光客が激減したという現状があるわけでありまして、ここら辺をどう評価されて、そして、回復に向けた道筋がどうとられて、スケジュールを立てていかれるのかということが一番重要な点ではなかろうかと思います。
この連休期間中も、ハウステンボスを含めて、海外からの旅行客が激減しております。
実は、私も九州知事会で発言をいたしまして、海外の皆様方にもう一度きちんとした情報提供をしてプロモーション活動等も一緒に行うべきじゃないかという提案を申し上げ、近いうちに韓国、中国等については、九州観光推進機構と一緒になってそうした活動を展開していかなければいけないと思っております。
ただ、もう7月は目前の話でありますので、近いうちにスケジュールはお示しいただくのではなかろうかと思っております。
9.県庁舎整備について
ちょっと戻ってしまいますけれども、県庁舎の件なんですが、確認を1点。「白紙から再考する」というのがどういう意味なのかちょっとわからないんですけれども、知事としては、移転時期だったり、移転先であったり、そういった基本構想の内容について、もう見直すというお考えはないということでよろしいですか。
これから地域防災計画自体も見直し作業を進めていかなければならないと思っております。そうした中で、我々は防災アセスメントをベースにさまざまな議論を重ねてきました。先ほど申し上げたように液状化の話であるとか、あびき、津波の影響等についてどう評価するのか、そういった議論も重ねてきて今があるわけでありますが、防災計画の中でどんなご議論があるのかというのは、まだ予断を持ってお話しできるような状況ではありません。そうした状況の中で、その後も専門家の方々のお話をお聞きしております。
例えば建設場所を魚市跡地という前提で考えておりますが、設計上の配慮で十分対応できることであれば、当初のスケジュールに沿って粛々と進めていけるのではなかろうかと思っております。
対応できるのであればということですが、対応できるんですね、安全性については。
今のところ、先の県庁舎整備特別委員会でも回答させていただきましたが、専門家の方々からは、プレート境界がないという状況の中で、大規模津波が発生する可能性はないというお話を頂戴しておりますので、そうした考え方で問題はないのではなろうかと思っております。
ただ、議会の議論で何か出てきた場合には、それについて見直すところが出てくるかもしれないと。
そうですね。どのようなご議論をなさっておられるのか、私の方でも把握しておりません。例えば東日本大震災の影響で財政的にも相当影響を受けるのではないかというご議論があったように聞いておりますが、そういったご懸念の点等がどの辺にあるのか、議論をさせていただく必要があると思います。
10.石木ダムについて
石木ダムについてです。今週、再検討会議で石木ダムは建設する方がいいという話が出ていますけれども、それに対するご感想と、また、住民の方々は、「これは、もともと進めるための議論だったんだ」というような感想等も述べられていますけれども、そのことについてのお考えをお聞きしたいと思います。
この手順というのは、ダムによらない別の手法も含めて、改めて建設のあり方を検討しなさいという要請に基づいて検討作業を進めてきました。
実は、私自身、反対地権者の方々からさまざまなご提案もいただいてまいりましたし、反対の声もお聞きしてまいりました。
そういった中で、こんな方法があるのではないかというご提案もあったわけです。そういったものも含めて、この見直し、検討作業の中で意見交換の場も設けさせていただいたところでありますし、その中には専門家の方々も参加されていたということであります。さらに、地元説明会等も開催し、そうした様々なご意見やパブリックコメントの結果等も踏まえた上で、検討会議を開催していただいたということでありますので、そういう意味では、これまでいただいたお話等も含めて、すべてまな板の上に載せてご議論、ご検討をいただいてきたのではないかと思っています。
住民の方は、もともと進めるための話だったんじゃないかというふうな感想を持たれているみたいですけれども、それについてはいかがですか。
進めるためのという、そんなことはないと思います。費用対効果等の面から、見直しの前提条件として、具体的に代替案等について検討し、別の手法がないのか必ず検討しなさいということでありますので、いただいたご提案等も含めて検討をさせていただいたということであります。
今回、そういう結果が出たわけで、付け替え道路の工事を今、止めていらっしゃいますが、こういう判断が出たということで再開するとか、そういう判断というのは、今のところどうですか、考えていらっしゃいますか。
これから公共事業評価監視委員会の皆さん方のご意見等もお伺いした上で、県としての方針を決めなければいけないと思っております。したがって、しかるべき時期にはそうしたことも検討の上、決断しないといけないと思っております。
いつごろかとかというのは、まだ。
それは手続きがどのように進んでいくかということにも関連してくると思います。
最後の質問をお願いします。
11.県庁舎整備について
県庁舎でもう一度確認なんですが、連立会派は「白紙再考」なんですが、これで、要は議論によっては見直す話も出てくると思うんですが、計上されている予算は、執行するのは予定どおり執行していくんでしょうか。
それは、次の議会でどのような観点からご議論をいただくのかわかりませんが、予定どおりの準備作業を進めていかなければいけないと思います。
12.上海航路の復活について
そして、もう一つ、上海航路なんですが、就航の延期が確実ということもあるんですけれども、県としては予算を計上していたと思うんですが、その予算を減額したり、見直したり、そういったことが必要になってくると思うんですけれども、そこら辺は県庁舎で計上した予算を執行できるかどうかも含めて、震災後、いろいろ組み替えていかないといけない場面も出てくると思うんですが、そこら辺の対応はどんなふうに考えているのでしょうか。
まず、上海航路に関連した予算というのは、就航の時期によって少し執行できない分があるとすれば減額の余地等は考えられるかもしれません。ただ、私どもは、もともと今年は長崎と上海の友好関係締結15周年、そしてまた、「孫文と梅屋庄吉展」といった大きな節目の年でもありますので、そうした時に長崎〜上海航路の復活ができれば、それにこしたことはないという考え方は冒頭から持ってご提案もさせていただいてきたところであります。(HTBが)これからどういうスケジュールをもとに動いていかれるのかわかりませんが、そうした段階で検討をする必要があるのではないかと思います。
県庁舎整備については、これは契約ベースですので、期間によっては繰り越しの可能性はあるかもしれませんが、減額まで必要かどうかというのはよくわかりません。
13.議会への情報提供について
(県議会に対する)根回しについてですが、今後、知事は一括して説明する方法を検討したいということですが、今回改選されて、会派もこれだけばらばらになって、一括で説明することを具体的に何か進めていらっしゃいますか。
それは議会の方が落ち着かれてから、皆さんと相談しなければいけないと思っています。これは前回もその旨お答えしたと思うんですが、さまざまなご疑問を生じかねないような根回しの仕方というのは好ましくない面もあろうかと思いますので、これは議会の皆さん方とも相談をした上で決めていかなければいけないと思います。
それでは、時間もまいりましたので、以上で知事の定例記者会見を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。
【定例記者会見】
会見内容
平成23年4月13日 定例記者会見
会見内容
1.県議会議員選挙に係る公職選挙法違反について
それでは、ただいまより知事の定例記者会見を始めさせていただきます。よろしくお願いします。
皆さん、おはようございます。
まず、昨夜、長崎県職員連合労働組合の執行委員長を務める県職員を含めて、公職選挙法違反の嫌疑を受けて逮捕されたという情報を新聞報道で知りました。
今後、早急な事実確認を行い、適切に対応してまいりたいと考えておりますが、法令を遵守すべき立場である県職員が、このような疑惑を招いたことは、大変残念であり、遺憾に思っているところであります。事実を確認次第、改めてご報告をさせていただきたいと考えております。
2.東日本大震災の長崎県の支援について
<配布資料> 東日本大震災における長崎県内の支援状況(概要)【PDF】
それから、先の東日本大震災から1カ月が経過したところでありまして、これまでの支援の状況等の経過についてご報告を申し上げ、そしてまた、県民の皆様方にも改めてご協力のお願いを申し上げたいと思います。
まず、人的な支援の分野でありますが、これまでに県並びに市町からの協力をいただきまして、285名の職員を派遣し、現地でのさまざまな支援活動に従事しているところであります。
それからまた、物的な支援については、その下に記載させていただいておりますように、「長崎丸」の派遣を含めて、多くの県民の皆様方のご協力をいただき、救援物資をお届けすることができました。おかげをもちまして被災地の方もほぼ物資が充足してきているというご報告をいただいたところでありまして、これまでいただきました県民の皆様方のご協力に心から感謝を申し上げる次第でございます。
なお、被災地の情報等をお聞きしますと、例えば、生鮮食料品が不足しがちであるといったような声もお聞きしますので、その都度、そうしたご要請については的確に対応してまいりたいと考えているところであります。
一方また、避難された方々の受け入れの状況でございますが、2枚目をご覧いただきたいと思います。これまで親類、知人等を頼って個人的に県内に避難されている方々が4月10日現在、72名いらっしゃいます。こうした方々は公営住宅で受け入れをし、必要な場合には食事、日用品の提供等を行っているところであります。
あわせて、これからの課題でもありますが、就労支援の必要性が出てきておりまして、住居の提供だけではなくて、仕事に就いていただけないかということで、現時点で活用できるさまざまな就労支援メニューについて取りまとめを行っているところであります。
県内に避難されている方々はもとより、被災地への情報発信にも今後努めていかなければいけないと考えているところでございます。
なお、今回の被害は、復興までになお相当の時間が必要になってくるものと考えておりまして、現地のご要請に応じて適時適切に対応していかなければならないと考えているところであり、県民の皆様方の引き続きのご理解とご支援をお願い申し上げる次第であります。
それからもう1点、実は県民の皆様方にお願いしたいことがございます。これは先般、関係団体の皆様方とともに、緊急経済雇用対策連携会議というものを開催いたしました。さまざまな分野におけるこの度の災害の影響等について意見交換を行ってきたところでありましたが、その中でいわゆる自粛ムードが行き過ぎている面がないのかというお声がございました。旅行を取りやめられた方々、あるいは会合、催事、いろいろなパーティーなどを自粛されている方々が数多くいらっしゃるということであります。
県内の経済に悪い影響を及ぼすのではないかという危惧の念が強く表明されたところでありまして、やはり先般、被災地の知事さんもおっしゃっておられましたが、「日本全体がやはり元気にならなければならない。おいしいお酒を飲んでください」というようなお声もございました。
したがいまして、私どもとしては、幸いにして被災を免れた西日本、九州各県、こうした地域が主体となって被災地の支援に力を注いでいかなければならないと思っているところであり、まずはそういった意味で足元の経済をしっかりと支えていくことが大切であると思っております。
どうか、過度な自粛は控えていただき、県内経済を元気づけるようなお取り組みをいただきますようお願いを申し上げる次第でございます。
以上、私からは2点お話をさせていただきました。あとは皆様のご質問等にお答えをさせていただきたいと思います。
3.県議会議員選挙に係る公職選挙法違反について
幹事社の長崎新聞です。
昨夜、公職選挙法違反で組合の執行委員長が逮捕された件なんですけれども、今朝、関係先として県庁に捜査員が入って捜索を受けているんですが、県庁が捜索を受けているという現状に対して知事はどのように受け止められていますでしょうか。
冒頭申し上げましたように、県職員は、今、専従という立場で組合の活動に専念しているということでありますが、地方公務員法の規定をそのまま適用を受ける立場であります。そういった中、こうした疑惑に基づいて逮捕され、そしてまた、捜索が行われるということは、大変残念であり、遺憾に思っております。
今回の件は、知事は新聞報道でご存じになったということなんですか。
昨夜遅く、関係者から電話はいただきましたが、具体的には今朝の新聞で詳細がわかったところです。
関係者というと、どなたになるんですか。
それは伏せさせていただきます。
4.県庁舎整備について
今回、県議選が行われましたが、その中で県庁舎移転に関してかなりさまざまな論点があったかと思いますが、その中で特に新人議員の方とか、議論が必要だという方は何人もおられまして、今後の県庁舎移転の進め方につきまして議会との関係でどういうふうに進めていくという何か現段階でお考えはありますか。
この県庁舎の新築移転問題については、皆様方は既にご承知のことと思いますが、長年にわたってさまざまな観点から議論が進められてきたところであります。そうした議論の中で、当然、現在の高台にある位置から埋立地に移転・新築をしようということで、私もそうした方針を表明させていただいたところであります。改めて今回の地震、津波災害が発生したということで、いわゆる埋立地に移転するということは、非常に危険なことではないのかといった危惧の念をお持ちの方々が少なくないのではないかと思っております。
そうした中、県議会の県庁舎整備特別委員会でも、そうした点に着目をされ、先般、緊急に委員会が開催されたところであります。確かにこの間、液状化の可能性がないのか、あるいは津波の危険性等についてどう考えるのかといった議論は、専門家の方々もお招きをし、ご意見をお聞きしながら熱心な検討が重ねられてきたところであり、それぞれ必要な対策を講じることになれば問題ないだろうということで、県議会からも移転新築についての意見書をいただいたところであります。
例えば新聞報道等で「声」の欄に投稿されている県民の方々も数多くいらっしゃって、私もそうした声についてはずっと耳を傾けなければならないと、こう考えてきたところでありますが、「いわゆる専門家の方々がおっしゃっていても、結局、今回のような大きな被害に結びついたのではないかと。したがって、魚市跡地に移転をするということは、万々が一のことを考えると非常に危ないのではないか」というようなご意見が一番多かったという気がいたしております。
そういう意味でもう一度振り返ってみますと、例えば今回の東北地方の三陸沖地震で発生した津波、これについては専門家の方々は、やはりそうした危険性はあるということを認識され、指摘をしてこられたという事実があります。例えば800年代に起こった貞観地震と津波災害、これが今回の被害の規模に匹敵するような広がりと深刻さをもたらしていたのではないかというようなご議論があったようでありますが、まさにそうした危険性を取りまとめて報告しようとしていた矢先であったというような新聞報道もございました。
そういう中で、では、具体的にまちづくりをどう進めていくのかといった時に、例えば500年に一度、1000年に一度の津波に対応した万全のまちづくりを進めることができるのかどうか、これは、まさに費用対効果の問題もあり、現実的にそうした対応ができるのかといった課題もあるのではないかと思っております。
そういうことで、発生頻度が高いような津波等については参考にされてきたところであり、それを超えるような地震等については、その危険性は指摘されつつも、それを具体的なまちづくりの中に反映するということは見送られてきた経過があるのではなかろうかと思っております。
一方、そういった中で長崎港、いわゆる西側の日本海側については、さきの特別委員会でも申し上げましたとおり、改めて専門家の方々のご意見をお聞きしますと、「プレート境界というのが存在しないということは、あのような大規模な津波が発生する危険性はないのではないか。今、一番危惧される津波は、東海、東南海、南海の地域が連動してプレートのずれが生じて地震が発生した、その時の津波が迂回して長崎港に影響をもたらす。そういった時に、ほぼ1メートルぐらいの津波になるのではないか」とシミュレーションされているところであります。
一方、また、地震についてですが、この地震も、いわゆるプレート境界型の地震の発生はあり得ないということでありますし、そうした時に一番重大な影響をもたらす地震がどういった地震かというと、いわゆる島原半島にある活断層が連動して動いたという時に一番大きな地震が懸念されるということでありまして、その時の地震は震度6強程度は考えられるが、津波の高さは39センチぐらいであろうと、こう指摘をされております。
しかも、これまでの長い歴史の中でそうした津波が発生したというような事例がこちらのほうにはありません。したがって、今、移転先の庁舎建設予定地については、地盤もそれなりの標高を確保しながら新庁舎を建設すれば大丈夫だろうというような専門家のご意見もいただいているところであります。
そういった基本的に少し事情が違う区域内にあるということについては、専門家の方々がご指摘をされているところであり、県民の皆様方にもご説明をしていかなければならないと思っております。
そうした中で、東北地方では、現に10メートルを超える津波が発生したということでもあります。こうした規模の津波が仮に長崎港周辺に押し寄せてくるということになると、これは、皆様ご承知のとおり、今の市街地はほぼ大きな被害を受けることが想定される区域にあるわけでありまして、今の市街地が形成される以前の地形がそのまま残るというような形になります。
具体的に申しますと、例えば諏訪神社の下周辺まで、長崎市公会堂でありますとか、市民会館の地域まで、被害をこうむるということになりますし、また、北部方面では松山以遠、例えば大橋の県営野球場付近まで被害が及ぶということが想定されるわけでありまして、そうなると、今、形成されている長崎の市街地全体がすっぽり10メートルの区域内に入ってくるということになるわけであります。そういったことを前提にまちづくりを進めるべきであるのかどうかというのは、やはりもう一度しっかり考えていかなければいけないのではなかろうかと思っております。
ただ、今回また、県議会の議員の皆様方も新しくかわった中で、この庁舎建設の問題についてもご議論をいただくということになろうかと思いますので、そうした点等について、これまでの経過を含めてご説明を申し上げながら、ご議論、ご協議をいただく必要があるのではなかろうかと思っております。
今、新しいメンバーでの議論ということを言われたので、どういうふうな議論が想定されるということでしょうか。
先ほど申し上げましたように、いわゆる魚市跡地に県庁舎を建てるということになると、今の高台から埋立地に移転するわけであります。津波であるとか、液状化の問題とか、そういった点について危惧の念をお持ちになっておられると思いますので、そうした点についてしっかりこれまでの議論の経過等も説明しながらご議論をいただく必要があると思っております。
今の件について関連してなんですけど、確かに議会の中では議論というのはいろいろまたあるかもしれないですが、基本的に知事が表明され、移転するという形で予算もついている状態なんですが、安全性について知事の基本的な認識というのは、はっきり言うとどういうことなんでしょうか、現時点で。
安全性については、繰り返し申し上げましたように、専門家の皆さん方のお話もお聞きいたしました。そういった中で、実は(東北地方のように)大きな津波が、あるいは地震が発生する可能性があるんだけれども、魚市跡地でいいのではないかという議論ではないんです。最大このぐらいの地震が発生する可能性があって、そしてまた、その際の津波がどのくらいになるのかと、いわゆる最大規模を想定したご議論のもとに新庁舎の建設構想を取りまとめているわけでありますので、今回の(東日本で発生した)地震・津波災害の状況とは少し違うのではなかろうかと思っております。
東北の地震が想定内だったということですか。
いえいえ、東北地震が想定内だったとかいうことは、全く私が評価する立場にありません。ただ、専門家の皆様方のお話を聞くと、幾つかの想定地震が連動して起きる可能性はあるが、非常に頻度が低いということで参考にされなかった部分があるのではなかろうかと思っております。
県民の不安は、想定外について県はどのように対応していくのかというところだと思うんですが、知事が幾ら安全宣言しても不安というのはおさまってないと思うんですね。その想定外の対応をするには魚市跡地では無理だというのが県民の意見ではないんでしょうか。
先ほど申し上げたように、では、想定外の部分に対してどこまで対応するのか、これが非常に大きな課題だろうと思っております。
例えば新幹線駅であったり、あるいはさまざまな病院であるとか、そういうのも今回の規模の津波を想定すれば今の位置にあってはならないわけであります。
そうすると、この津波を想定するのか、しないのかということですが、長崎のまち自体が、今の市街地を形成している区域がすっぽり入ってしまうわけであります。では、すべての機能を別のところに移すんですかと、そういう議論をするか否かということだろうと思っております。
今、県庁を建てようとしているのは、防災拠点として県庁を建てたいということですよね。それについてはどうなんでしょうか。
現庁舎も今回の津波が来ると甚大な被害を被るだろうと思います。一番高いところで10.5メートル、今の魚市跡地の標高が大体5メートル近くを考えているところでありまして。したがって、防災拠点施設としての庁舎が備えるべき役割はどうしたものか。これはこれからの検討の中で対応できる分はあるのではないかと思っております。
例えば、太平洋に面した地域の庁舎がどんな形で整備されているかというと、当然ながら相当規模の津波は想定に入れておくと。ただし、その庁舎内のさまざまなライフラインの部分、そういった部分は相当規模の津波を想定した上で高い部分に置き直す。そういった津波の発生が予測される場合には上の階に避難をして業務を続けるといったような考え方で新庁舎が整備されている市役所等もあるわけでありまして、したがって、どういった形で防災拠点施設としての機能を確保していくかというのは、いろいろな対応の方法があるのではないかと思っております。
県庁舎は県警本部も一緒に移りますよね。そこは見直す必要はないんでしょうか。
そこは同じような考え方で整理していくことになると思います。
高層階にもっていくということですか。
いわゆるライフラインの部分はですね。
車両の移動とか、全く高層階へもっていくことはできないんじゃないでしょうか。警察車両はですね。
車両は上の階にとめておくということは難しい面があるかもしれません。
そこら辺で見直しというのは考えないんですか。
それは警察にしろ、県庁にしろ同じだろうと思います。ですから、例えば、安全な高台に移すということになると、これはまさに別の危険性もまた出てくるわけですね。「7.23長崎大水害」があった時に大規模な地滑りがあったとか、地盤の状況等も当然考慮しながらいろんな要素を折り込んで検討していく必要があるんだろうと思っております。
全部ひっくるめて、見直しを知事はするんですか、しないんですか。
それはこれからのご議論次第だろうと思います。私どもはこれまでの経過を考えた時に、その点についても十分議論をいただいてきたと思っております。今回、(東日本大震災では)想定外とされておりますが、(大津波の可能性はあるものの)まちづくりを進める際の、あるいは安全確保をする際の想定限度というのはあるわけでありまして、それを超える地震・津波が発生したということだろうと思っております。
片や、今回、魚市跡地については、専門家の方々のご意見をお聞きしましたら、「大規模な地震が起こる可能性はあるが、その対策のためには相当の経費がかかるので現実的には不可能だから、このくらいの規模を想定しましょう」という(東北地方の対応のような)話ではないわけでありますので、そこら辺の状況は、東北地方と違うというのは冷静にご判断いただく必要があるのではないかと思っています。
お話を伺っていると、知事はちょっと問題をはき違えていらっしゃるのではないかと思うんですが、今も毎日新聞の方がおっしゃいましたけれども、県民が心配しているのは防災拠点としてどうかというところであって、防災拠点、県庁と街が一遍になくなるか、全部助かるかという話じゃないと思うんですね。
今、知事のお話のまちづくり、じゃ、10メートルの範囲は全部移すのか。それだと費用対効果がというお話がありましたけど、そうじゃなくて、東北で何が起きているかというと、まちが流された中で、本来、防災拠点となるべき庁舎も一緒に流されたから、さらに情報収集ができない、いろんな支援の手が伸ばせないという問題が起きているのであって、長崎でも同じことを起こさせないためにどうすればいいかという点を県民は心配されているわけですよ。
だから、まちごと動かすどうこうじゃなくて、防災拠点を確保する上で、なぜあえて海沿いに行くのかという点を今議論されようとされているわけです。そこに対する明確な答えをください。
ですから、それは防災拠点施設としての機能は確保できるという議論の結果で今の移転候補地が選択されたわけですね。
したがって、何回も申し上げますが、想定外ということをどこまで対応していくのかというのが、一番これからの大切な議論になってくるのではないかと思います。
県議会の議論の行方によっては、知事自身、見直すこともあり得るんでしょうか。
それは関係予算議決をいただいてご承認をいただいたところでありますが、議員の皆様方がもう一度振り出しに戻って検討すべきだという議論になれば、当然ながらそういった方向性で私どもも議論を重ねていく必要があるだろうと思っております。
ただ、冒頭申し上げたように、これまで相当の期間をかけて専門家のご意見等もお伺いしながら一つの方向性を出していただいたし、私もそうした方向性に基づいて整備を進めていこうという方針を明らかにさせていただいたところでありまして、改めて今回の地震・津波被害を受けた後も専門家の方々のご意見をお伺いしました。その結果、問題ないというお話をいただいて、先般の特別委員会にもご報告を申し上げ、特別委員会の方でもそれでよかろうということで今があるわけであります。
もう1点、県庁舎なんですが、今回の地震で、特に東北復興になるということでかなり国の予算がこっちに来ずに東北の方に回ると。そうすると、かなり県の予算も国からの補助金を当てにできないという状況に陥る可能性もありますが、そうした中で、県庁舎は基金があるからということで進めることは可能かもしれませんが、そういう中で全体の予算が縮小する懸念がある中での県庁舎移転についてはどういうふうにお考えですか。
それは予算がないからどうかすべきだという場合に、やはり政策の優先順位をどう考えるかということではなかろうかと思います。
今、東北地方を中心に余震が頻発して、被災地域の方々は相当心配をなさっておられるわけでありますが、そうした状況にどう対応していくのか。例えばこれまでの議論でもありましたが、現庁舎では震度6強の地震には耐えられない可能性が高いと、こう言われているわけでありますので、そうした課題をどう受け止めるのかという話だろうと思っております。
私はさきの特別委員会の際にもお話をさせていただきましたが、改めてこの地震の発生の可能性というのは指摘されているわけでありまして、この防災拠点施設としての機能整備というのは、県政の課題の中でもおざなりにすることはできない課題ではなかろうかと思っております。
県庁舎に関連してなんですけれども、東北での地震の発生の後に県庁舎の安全性についての検討をする会合が開かれて、そこで知事が安全宣言をされて、その後の新年度の訓話とかでも知事は「安全だ」というふうにおっしゃられたと思うんですが、その点の認識というのは基本的に変わってないんでしょうか。
その辺については基本的な考え方は変わっておりません。安全宣言をしたというお話なのかもしれませんが、私自身は、これまでの経過を踏まえて再度専門家の方々の意見をお聞きしたところ、これまでの考え方でよかろうというご意見をいただいたので、これまでの方針で取り組むべきではないかという考え方を表明させていただいたところであります。
その点、確認なんですけど、専門家の意見を聞いた上で、出されたデータとか、専門家の方が言われた意見に基づいて、知事は最終的に安全だというふうに判断されたという受け取りでいいんですか。
そうです。
5.諫早湾干拓事業について
諫干なんですが、知事が理事長を務める県農業振興公社が、19日にも開門を差し止める訴訟を提訴するということなんですが、提訴に至る理由というか、そのあたりをお聞かせいただけないかと思います。
私どもはこれまでも、仮に開門が行われると、特に常時開門が行われるということになると、地域の防災上のさまざまな問題が懸念される。農業、水産業、あるいは環境に対する計り知れない影響被害が生ずる可能性があるということで、こういったことがあってはならないと、国の方にも要請活動を続け、さきの福岡高裁の控訴審判決に対しても上訴をしていただきたいというお願いをしてまいりました。
結果としては、菅総理がこの上訴をなさらなかったわけでありまして、そうなると常時開門の判決を国の方が受け入れたという形になります。
仮にそういうことになりますと、これまでもいろんな機会をとらえて申し上げてきましたように、例えば農業振興公社はどういった業務があるかというと、国からこの干拓農地の配分を受けて、配分というのはこの土地を負担金を払って所有権を取得して、営農者の方々に農業を営んでいただいている。当然ながらその前提としては、農業用水がふんだんに確保できる、そういう立派な農地として譲り受けて、それをリースして営農を行っていただいている。例えば常時開門されることによって、農業用水をどう確保されるのか。農業用水の確保ができないということになると、当初の配分を受けた前提が変わります。そしてまた、具体的に農業者の方々に営農を展開していただいている、そのリースの条件も変わります。そういう大きな、これまでの経過と違う新たな課題を抱えるということになるわけでありますので、そういった点について、農地の所有者としてしっかりと考え方を申し上げていかなければいけないと思っております。
ほかにご質問はございませんか。
6.東日本大震災の長崎県の支援について
東日本大震災の県の支援の関係なんですけれども、先月、ハウステンボスとか、雲仙、長崎のホテルとかを使って1,700人規模で受け入れをしますというお話だったんですが、発生から2カ月までの5月11日までの期限だったかと思います。それの受け入れが今のところあっていないということなんですが、このことに関して知事の認識は、どのように受け止められていますか。
被災地の状況等をお聞きしてみますと、やはりまだ行方不明になられた方々が多数にのぼっておりますし、そうした関係者の方々の捜索もまだ続いている。そうした中でふるさとを離れるわけにはいかない。あるいはまた、どうしてもふるさとのほうで復興に向けて取り組みをしたいといったような地域の方々のお気持ちがあるのではなかろうかと思っております。
ただ、一定状況が落ち着いてきますと、可能性はあるのではなかろうかという思いもありまして、この点については、私も直接(三県の)知事さんと電話で話をさせていただきましたし、また、県の職員を派遣して、どうぞこうした形でお迎えできますのでおいでくださいという説明も行ってきたところでありますが、今のところまだ、具体的なご要請がないということであります。
7.諫早湾干拓事業について
先ほどの諫干の件で、干拓事業は国と一緒に推進してきたもので、それが今度は、国に対してそういった法的な手段をとらなければならなくなったと、そういった現状に対して知事はどのように考えますか。
これは、これまでの経過はまさに県と国の共同事業ということで、長年にわたる課題として取り組んできた経過があるわけです。ようやく事業が完成した。そして、地域の方々も、農業者も漁業者も安心して新たな農業、漁業に取り組んでいこうとしていただいている矢先であったわけです。
これまでもいろいろな方々と議論をし、平成14年には開門調査も受け入れてきた経過があるわけであります。そういった中で、中・長期開門調査は、これを行っても具体的な成果が得られるかどうかわからない。したがって、これはもうやらないという方針のもと、先ほど申し上げたように、農地の配分を受けて、営農者の方々に具体的な営農を展開していただいている、こういう現状に至っているわけです。もちろん平成12年のノリ不作の話を受けて、こうした開門調査等がなされたという経過があるんですが、実は、今回の判決の内容を見ても、ノリ不作等については因果関係が認められていない。そういった中で、片方はノリ不作の状況もありとか、そういう議論がなぜ進んでいるのか、地元としては到底承服しかねる議論が相変わらず重ねられている。先般の菅総理に要請をした時も、このノリ不作の話が出ましたので、本当に今回の判決の内容を具体的に理解していただいているんだろうかという疑問の念を持っております。大変残念で悲しいことでありますが、地元は地元として、仮に開門が行われるということになると、被害を受けるのは長崎県民でありますので、そこは申し上げるべきはしっかり申し上げていかなければいけないと思っております。
8.東アジア戦略と上海航路復活について
東日本大震災に関連してですが、福島の原発の方で放射能漏れがまだ続いていて、事態の収束が長期化するのではないかという懸念が出ています。知事は、東アジアとのつながりで経済活性化をしていこうという戦略をお持ちだと思うんですが、それへの影響と、上海航路が7月に開設を目指していたと思いますが、その計画の見直しなどを今、考えているのかお聞かせください。
上海航路については、計画の見直しは今のところ考えておりません。
(ハウステンボスの)澤田社長は引き続き、「相手のある話であるので、一定乗り越えないといけない課題はあるけれども、7月を目標に全力で取り組んでいく」というご方針のもと、ご努力をいただいているものと思っておりまして、しかるべき段階では具体的な形でお話しをいただけるのではないかと思っております。
東アジア戦略は、確かに現時点で、例えばハウステンボスの宿泊予約が多数キャンセルをされた、あるいはまた、クルージング客船の入港が11隻について長崎への入港が実現しなかった、あるいは、韓国の釜山と対馬を結ぶ航路が休航になったというようなさまざまな影響が出ているのは事実であります。したがって、どうしても福島と九州地域の距離感が海外の方々にはなかなかご理解いただけない面もあるのではないかと思っておりますが、やはり農業、水産業に対する影響も懸念されるところがあるわけでありますので、国として、しっかりした情報発信等に努めていただく必要があるのではないかと思っております。
私自身は、この東アジア戦略というのは短期間で目的が達成できるといったものではなく、長崎の置かれた地理性、優位性をいかに生かしながら、将来にわたって地域の活性化にどう結びつけていくのかといった視点で取り組んでいきたいと思いますので、方向性については、いささかも変わりないところであります。
9.議会への情報提供について
県議選が終わりまして、新しい議員が選ばれたわけですけど、前回の会見で議会への根回しの問題が出ましたけれども、その時に、今後、まとまって説明するようなことも考えたいというようなことをおっしゃっていましたが、もう新しいメンバーが決まったわけですけど、今の時点で、今後その点についてどういうふうに変えていこうという考えはもう既に固まっているんでしょうか。
それは、県議会の皆様とも十分相談してみる必要があると思っております。どういう形でやった方がいいのかですね。
私どもは、これまで個別に、お一人お一人それぞれ事前説明等をさせていただいてきたところでありますが、個別にお話をさせていただくことによって、説明の内容が少し違う面が出てくるのではないかとかいう懸念もあるわけであります。
したがって、私どもの方で特定の期日を定めて、全体の日程を調整させていただくことができれば、そういう形で進めていきたいとも思いますし、あるいは、会派別にやった方がいいというお考えなのか、さまざまなお考えをお持ちだろうと思いますので、そうした点についても十分協議をして進めていきたいと思っています。
仮に、そういうまとまった場で説明するような機会ができた場合については、公開するつもりはありますか。
公開というのは?
一般に。一般にというか、非公開の場で説明するのか、それとも報道も含めてオープンにするのかということなんですが。
それは、県議会の皆様方のお考えにもよりけりだろうと思います。
10.東日本大震災の長崎県の支援について
東北地方の支援物資の話ですが、現地はもうある程度足りていて、全国知事会を通じて、受け入れを一旦停止するという通知があっています。それとはまた違って県内では支援物資の準備を進めていて、そのタイムラグで今でもまだ募集を続けている自治体があります。
今、少なくとも6,000箱分余っている状態で、現地はもう受け入れられない状況。この県民の善意の余った物資は、どのように対処されるご予定ですか。
担当課どうですか。
今現在、先方から、今後のことについてはまだお話はあっておりません。現在の通知は、県のレベルでの話です。各地で本当に需要がないかどうかというのは、もう一度調べさせていただきたいと思っております。
それから、今後、再開もあり得ると思います。皆様からの支援の物資ですので、なるべく活用をさせていただくようなことで検討をさせていただきたいと思っております。
ただ、使用期限があるものもあると思うのですが。
はい。そういうものは優先して探していきたいと考えております。
被災県全体としては物資は足りているので、これ以上受け入れるという形になると、かえって地元の方がお困りになるというようなお話があるかと思います。現在、県職員等を避難所の運営に派遣しておりますが、例えば避難所ならではのいろんな不足物資とか、こういったことを協力いただくとありがたいと、そういう個別の要請はまだまだあると思います。
したがって、そういった部分については可能な限り対応していく必要が今後残っていくのではないかと思っています。
11.県議会議員選挙について
県議選の中で、五島の選挙区の柿森さんは落選しましたけど、あの方の応援演説に入っていた谷川さんの発言の中で、ちょっと一つ、気になる点があるのですが。
「中村法道さんは、金子と私でつくった。私が知事に『柿森を頼む』と言ったら、その瞬間から柿森さんは10年、20年選手の仕事ができる」と、こういうふうに演説の中でおっしゃっていたんですけれども。
実際に、谷川さんを含め、いろんな国会議員の方から直接、政策とか議員とかに関して指導のようなことはあるのでしょうか。
それは、直接はいただいておりませんし、もともと私は、さきの知事選挙でも、いわば県民党の立場で戦わせていただき、また、行政もそういう立場で進めていきたいと繰り返し申し上げてきたところですし、特定の党派に偏らないといった考え方も表明をさせていただいたところであります。
じゃあ、ああいうふうに谷川さんがおっしゃっているのは、谷川さんが独りよがりで勘違いしておっしゃっていると、そういうふうに考えていいのですか。
それは、私も、どういったご発言をなさったのか承知しておりません。
今言ったような発言なんですけど、それを聞いて、今、実際にどういうふうに思われますか。
いろんな方々が県政に積極的に参画いただくということは、これは歓迎すべきことでありますので、いろいろなご提言をいただいて、そして多くの皆さんと力を合わせて県政の推進ができるということは、望むところであります。
「私と金子で中村法道知事をつくった」とおっしゃっているというのが前段にあるので、平たく言うと、自分の言うことならば中村さんは聞くだろうと、要するに傀儡(かいらい)だと言っているようなものだと思うのですが、そう言われていることに関して、どういうふうに思われますか。
私はそのようなことは考えておりません。私は私の立場で判断をし、県政を推進したいと思っているだけであります。
例えば別の方々も、あるいは「中村をつくったのはおれたちだ」とおっしゃっている方々は少なくないと思います。
表現があまりにも直接的なもので、そう思ったのですが、その時の発言は、県政運営に影響を与えるというようなことはないと考えていいですか。
はい。
それでは、以上で知事の定例記者会見を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
どうもありがとうございました。
・午後2時から午後2時55分(55分間)
・特別会議室
【臨時記者会見】
会見内容
平成23年3月22日 臨時記者会見
会見内容
東北地方太平洋沖地震被災住民の受入支援について
ただいまから、東北地方太平洋沖地震、被災住民の受入対策について、知事からご報告をさせていただきます。
よろしくお願いします。
今日は、ここにおいでいただいておりますように、長崎市、佐世保市、島原市、雲仙市、そしてまた、ハウステンボスの澤田社長さん、そして、長崎県の旅館ホテル生活衛生同業組合の村木理事長さんともどもお話しをさせていただきます。
東北地方太平洋沖地震の被災地の状況については、既に皆様ご承知のとおり、災害発生から10日余りが経過いたしましたが、被災地域においては、大変不自由な避難生活を送っておられるということでありまして、何とかこうした生活を送っておられる皆様方を暖かい九州でお迎えして、安心して健康、元気を取り戻していただけるような環境を提供できないかということで、各市町、そして民間の皆さん方と相談をさせていただいてまいりました。
今般、お手元の配布資料のとおりでありますが、当面、第1次の受入態勢として538世帯、おおむね1,700名の方々を迎え入れる体制の整備ができたところでありまして、こうした情報を被災地に提供し、受け入れてまいりたいと考えているところであります。
既に、東北3県の知事さんには、私の方から午前中に電話をさせていただいて、概略についてお話をさせていただきましたが、大変ありがたいというお話でありました。
ただ、被災地の状況は、それぞれにいろんな事情がおありだろうと思っております。例えば岩手県の知事さんからは、今、被災地の方々に、直接、意向調査を行っている段階であるというお話がありました。具体的な希望等があれば検討したいというお話でありました。そしてまた、宮城県の知事さんともお話しをいたしましたが、これから事務的な面を含めて検討したい。そしてまた、福島県の知事さんは、今のところ原子力発電所の関係等もあって、安定しつつある状況にあるけれども、今後、事態がどう動くかわからないといったこともあって、そういった体制を整備していただくのは本当にありがたいというようなお話でありました。
今回の受入態勢の概要についてお話をさせていただきます。
まず、受け入れの特徴といたしましては、ここに記載しておりますように、今の避難生活はなかなかプライバシーが保たれない。そして、食事をするにも温かいものをなかなか安定的に召し上がることができないというようなお話もありましたので、十分プライバシーが確保できるような、そして、世帯単位に個室が確保できるような宿泊施設を確保し、提供しようとするものであります。
当然のことながら、本県においでいただくためには移動手段の確保が不可欠でありますので、こうした移動手段については、避難所から長崎のそれぞれの受け入れ先まで、本県の方で提供をさせていただこうと考えております。
そしてまた、これに関連して、当面、第1次の受入態勢としてご協力をいただき、参画をいただいたのは、記載のとおり、長崎市、佐世保市、島原市、雲仙市、そしてホテル・旅館も長崎、佐世保、雲仙、島原の方では避難施設の活用を前提に支援態勢を整備していただいております。当然のことながら、今後も、さらに受入範囲を拡大し、準備を進めてまいりたいと考えております。
2番目に記載している移動手段でありますが、まず、被災地から(羽田)空港まで貸し切りバスで、羽田〜長崎の空港間については定期便で移動していただくような手法を前提に構築していきたいと思っております。それから長崎空港まではバスで迎えにまいりまして、それぞれの受け入れ施設までご移動いただくということになります。
受け入れの開始日は、来週月曜日、3月28日からお受けしたいと思っております。
受け入れ期間は、災害救助法の支援期間が、大体災害発生から2カ月とされております。そうした期間を念頭に、当面の受け入れ態勢を構築していきたいと思っております。
受け入れ施設については、ここに概要を記載しておりますが、詳細は後ほどご説明いたします。
提供するサービスの内容でありますが、当然ながら、宿泊については冷暖房、トイレ、入浴施設が備わったもの、そして、プライバシーが確保できるような居住環境を提供したいと、食事も3食提供いたします。日用品、電気、ガス、水道、そういったものも負担なくご利用いただけるようにしたいと思っております。
そのほかの支援態勢でありますが、学校の転入学、あるいは健康面で心配される事項、例えば透析患者の方々もしっかり受け入れられるような態勢を整備しているところであります。
そしてまた、当座の生活資金にご苦労なさっておられる方々もおありだろうと思いますので、1世帯当たり30万円の貸付金制度も創設をしたいと考えているところです。
そのほか、こうした旅館・ホテル等で当面の生活を送っていただく中で、例えば安定的な居住環境を整備したいということであれば、公営住宅、あるいは民間のアパート等のあっせん、福祉施設等への入所の調整等も引き続き担っていきたいと思っております。当然のことながら、就労支援等についてもできる限りの支援態勢を構築して、サービスの提供をさせていただこうと思っております。
4ページをご覧いただきたいと思いますが、今回の第1次の受け入れ施設の一覧でございます。ハウステンボスの方で190世帯分を提供いただくことにしております。そして、長崎市内のホテル・旅館で45世帯、雲仙のホテル・旅館で66世帯、それが民間のホテル・旅館の皆様方にご協力をいただける分であります。
そして、そのほかにも公的な宿泊施設等ということで、県が所有しておりました独身寮でありますとか、小浜の白雲荘、そしてまた、長崎市の立山荘、老人憩いの家、式見ハイツと、そういった施設の活用もできるということで提供したいと思っております。
そしてまた、島原市には集合避難施設がございますので、ここに記載の世帯数分の居住環境が提供できるということで、当面、こうした施設を活用していただいて、十分健康を取り戻していただけるような居住環境を提供したいと思っております。
第2次以降の取り組みでありますが、5ページに別紙2ということで資料を調整しておりますが、引き続き、順次受け入れ態勢の拡大、整備を図っていきたいと考えております。今のところ、移動手段の問題もありまして、離島地域等からも申し入れがあっておりますが、これは1次の形で提供はしておりませんが、環境の整備を進め、これからも拡大の一つの場として活用していきたいと思っております。
それから、一方、公民館等はなぜ1次受け入れの中に組み込まなかったかといいますと、例えば公民館でありますとか、体育館でありますとか、そういった施設を提供はできるんですが、プライバシーの確保がなかなか難しいということもありましたので、やはり現地の方々の一番のご要請でありますお風呂、そして食事、プライバシーと、こういったものを大切にした形で今回の受け入れ態勢を整備したところでありまして、当然ながらこうした施設の活用も可能であります。
そしてまた、公営住宅等についても現在300世帯分準備をいたしておりますので、ご希望の方々についてはこうした施設の利用もご検討いただけるということで、一こういう態勢を整備いたしましたので、個々具体的な周辺の生活関連情報を含めて、被災地の方に提供をしてまいりたいと考えているところであります。
例えば被災地の知事さんからご要望があれば、こういう形でお受けをしていきたいということであります。
とりあえず、私の方からは以上、発表をさせていただきます。
澤田社長さん、何かございましたらどうぞ。
我々としては、できる限り早くきちっと受け入れる態勢を整えました。ハウステンボスにはデンハーグといって、今閉まっているホテルがございます。ここをすぐ開放できるように今準備しておりますので、ここの設備を全面的に開放しようということで動いております。当面190、約200世帯がお泊まりいただけると思っております。
その他、ほかにも予備がございますから、我々としてはできる限りもう少し多く、1,000人でも来れる態勢を徐々に整えていきたいと思っています。
我々としては、できる限りいろんな方のケアをして、少しでも心和んでいただいて、我々の施設も少し開放していきたいと思いますので、本当に困っておられる方はたくさんおられると思います。少ししかできませんが、ハウステンボスとしては、本当に全力を挙げて取り組みたいと思っていますので、よろしくお願いします。
県からご要請がある前に、我々はもう既にどれくらいの施設にご協力いただけるか、調べをしておりました。
第1陣としては、先ほど知事さんからご報告があったとおりでございますが、長崎市内では、旅館、ホテル、1日最大400名を超える方々にご宿泊いただけるだけの準備をいたしました。もちろんその他、心を痛めておられる経営者の方もたくさんおられますので、多数の施設の方々がご協力をするという意思表示をしていただいておりますので、第2次、第3次、必要であればこれを増やすことは可能であります。
また、私自身は県の理事長をしておりますので、離島の方にもお声をかけておりますが、これも2次、あるいは3次の準備をする段階になれば、離島の方々にもご協力をいただける態勢を整えているところでございます。
ぜひお困りの方、暖かい長崎に来ていただいて、しばらくの間、心を癒していただいて、元気を取り戻していただきたいと思っておりまして、業界挙げてご支援を申し上げたいというふうに思っております。
以上であります。
長崎市ですけれども、長崎市の場合は29年前、昭和57年に長崎大水害を経験して、全国の皆さんからたくさん援助をいただいて復興してきたという経験を持っています。その意味で、今回の東北地方を中心とする被災者の皆さんに対しましても、できるだけのことをしたいというふうに考えております。
今回、県につくっていただいたスキームに沿って、多くの皆さんが長崎を避難地として使っていただけると、長崎にとっても少しお返しができるのではないかなというふうに思っております。
特に、今回、基本的にコミュニティといいますか、地域の皆さんが少しまとまって長崎にお越しいただきたいというようなことを基本に据えた考え方になっているというふうに思います。ハウステンボスであったり、あるいは雲仙であったりといったところに、まとまって地域の皆さんにお出でいただくということがいかに大事かということは、神戸の経験、あるいは新潟での経験をベースにして、山古志村の皆さんがまとまって避難をしていたということが非常によかったといったことの経験を踏まえた形のスキームになっていると思います。
その意味で、長崎市の場合、市内とはいえ、少人数、小世帯ごとに分散する形になりますので、それを補うような、例えば集まる時間をつくったりとか、あるいはバスで一緒にどこかに移動して少し休んでいただいたりとか、あるいは逆に周辺の地域の皆さんにご参画いただいていろんなお世話をいただくとか、そういった工夫をしながら、長崎市にお越しいただけるとしたら、その皆さんがゆっくり安心して穏やかに時間を過ごせるような、そういう工夫をしていきたいというふうに考えております。
以上です。
島原市長でございますが、私どもは20年前に、(雲仙岳普賢岳噴火災害で)まさに今の東北地方のような、同じような環境下にございました。
それで、私どもとしては、20年目は感謝の年にしたいと思っておりましたが、折しもこういうことになりましたので、集団的にも、また、個別にも受け入れることが可能な、まずは市の集合避難住宅を表面に出させていただいております。600名収容が可能でございますが、地域別の世帯数はここに挙げているようなところでございます。なお、学校単位でも可能でございますし、世帯単位でも可能だと思っております。
なお、別途旅館組合からは518名、135世帯を受け入れ可能だという申し出を受けておりますが、今回は入っておりません。これは断続的に入っている部分もあるということで、そこは少し確認をしたいと思います。
なお、既に相馬市から3世帯、10名の方を一昨日受け入れをいたしました。原発避難ということでございますので、来られた方には、あわせて就農支援、就労支援もしたいということで考えておりましたら、折しも農業法人の方から、農業をしたければ受け入れ可能であるという具体的なお申し出も伺っておりますので、私どもは集合避難住宅、あるいは公営住宅に受け入れる中で、島原に住んで生活をしたいという申し出があれば、具体的なそういう面も全面的にフォローアップしていきたいと思っております。
それとあわせ、県人会名簿等からもPRをしていきたいというふうに思っております。やはり長崎市長がおっしゃいましたが、地縁、血縁、つながり、こういう単位で受け入れることが一番安心・安全につながるんじゃないかと思っておりますので、そういう面でも全面的に市役所を挙げて、地域を挙げて取り組もうということを申し合わせをいたしております。
以上でございます。
20年前のこともありますので、何かお手伝いできることがないかなと思っていたところに、県が窓口となってこういう機会をいただきましたことに心から感謝を申し上げたいと思います。
当時、20年前でございますが私どものところも被災者の方々を受け入れて、そういった長期間のお疲れを癒していただいたという宿泊施設の体験がございます。
ですから、今回、来ていただいて温泉も利用していただきながら、これまでの避難生活の厳しさ、苦しさというものを癒していただければと思っております。また、今、雲仙の方が自主的に手を挙げていただいて、今回66世帯分を用意しておりますが、小浜温泉もございますし、これからまた第2、第3といろいろと協力をいただける宿泊施設というのは多数あるわけでございまして、これらで我々は温泉と、それからまた長期滞在、それから、先ほど島原市長もおっしゃいましたが、今後、例えば職の確保でございますとか、あるいはこちらに移転したいという方々に対しましては、さまざまな相談に乗っていきたいと思っております。
今、学校転入学の手続でございますとか、あるいはまた、長期の療養を必要とされる方々に対しましては、医療機関との連携ということも視野に入れながら、今回どういった形で医師会が協力できるのかということを模索されているところでございます。
ですから、これから先、来ていただく方々が島原半島をご覧になっていただいて、20年前の災害からわずか20年でこういった形で復興できたんだなということをご覧になっていただけると、それはまた勇気が湧くのではないかというふうに思っております。
そういう意味で、この島原半島全体に来ていただき、そしてまた、本当に災害の恐怖と疲れを癒していただく、その施設整備は十分用意しているつもりでございますので、ぜひこれからこちらに来ていただき、また、我々としても十分に皆さん方のケアをできるというふうに思っていますので、一生懸命協力していきたいというふうに思っています。
佐世保市でございますが、佐世保市としましても、被災者の受け入れに対しまして全力で当たろうということで、いろいろと検討しているわけでございます。今回の第1次受け入れにつきましては、先ほど澤田社長さんからございましたが、ハウステンボスが佐世保市にございますので、まずはハウステンボスの190世帯分につきましてタイアップをさせていただきまして、学校の転入学とか、おいでになった方々のいろんな生活面のサポート、転校サポート、その辺について遺漏がないように、きっちりとご満足いただけるような対応をとっていこうということで申し合わせているところでございます。
そのほか、今後、第2次としましても、当然民間のホテル業界、あるいはいろんな公的施設等々準備いたしまして、おいでをいただくように全力を挙げてまいりたいと思っております。また、佐世保市におきましても、個人的に、今現在、5世帯で11名ほど、もう既においでになっております。それで、4戸ほど公営住宅を既に提供させていただいております。そのほかいろんな生活面のご相談にも乗るようにしておりますし、今後もずっとあるかと思いますので、県の対応と合わせまして、市としても個別の対応をしっかりととっていきたいと、このように考えております。
以上でございます。
当面、私どもの方からの説明は以上でございます。
非常にいいことだと思うんですが、やっぱりお金のかかる話だと思うんですが、負担の分担というのはどんなふうになっているんでしょうか。
今、説明させていただきましたように、大体1,700名程度の受け入れということになってまいりますが、移動のための経費、その他光熱水費、あるいは食費の加算額等を考えますと、大体総経費6億円程度かかるであろうと考えておりますが、いわゆる災害救助法の適用分で国費が措置されますので、大体地方の純粋の負担分としては2億円程度になろうかと考えております。
災害救助法が適用された被災地域における被災住民というのを具体的に教えていただけますか。どこまでが対象になるのか。
対象範囲は、明らかになっていますか。
現在、災害救助法の適用は市町村単位で行いますが、8県が3月11日付で受けております、その被災者ということになります。
被災者の範囲というのは、例えば家をなくされた方ですとか、その原発の20km以内の方とか、そういうのは具体的には。
基本的には、家を流出した方を中心になるというふうに聞いております。
福島の方で今、20km以内の方が避難するようにと、勧告、政府の方でされていますけれども、この方たちに対しての支援というのは。
災害救助法の対象にはならない方々も多数いらっしゃるだろうと思います。これは原子力発電所の20km範囲内にお住まいの方で避難生活を送っておられる方々、これは今のところ災害救助法の対象にはなっておりません。ただ、同様に非常に不自由な生活を強いられているという状況には変わりないと思いますので、そういった方々のお申し入れがあれば、これもお受けしていく必要があるのではないかと思っております。
そうなると、当然ながら経費の負担内容は大きく変わってまいります。
(※確認の結果、福島県は災害救助法の適用を受けているため、原子力発電所の20km範囲内の避難生活を送っておられる方々も支援の対象となります。)
では、今の段階では、申し入れがあれば検討するというようなことですか。
申し入れがあれば受け入れるということです。
20km以上の30kmですとかという方でも、放射能の量が非常に測定値が高いということで、長崎の方にも現にいらっしゃった方がいらっしゃると思いますけれども、その方たちは自費を使って、民間のホテルだとかにお金を使って入っていらっしゃる方も現にいらっしゃいます。その方たちの対しての支援というのはどうでしょうか。
確かに個別に本県にいる身寄りの方々を頼っておいでになっておられる方々が既にいらっしゃるわけでありますが、生活を送っていただく上でいろいろな支援が必要になっている状況は、さほど変わりないのではないかと思っております。そういった意味では、日常生活用品等を含めて、いろいろなサポート、サービスの提供を行っていく必要があると思います。
ただ、今回のことに対してはちょっと対象にならないと・・・。
もう既に生活の拠点も手配いただいて、先ほど島原市長さん、佐世保の副市長さんからお話がありましたように、仕事の面を含めて、いろんな支援、サービスを提供していただいていると思いますので、改めてその旅館に行きたいというお話はないのではないかと思います。
島原市ですけれども、今お見えになっている方は、南相馬と相馬市にお住まいの一族なんですが、状況をいうと家は半壊しているという家庭が1軒、あとの2軒は家のことについては承知しておりません。こちらに来た理由は、避難地域なので、避難勧告が出たので来たということと、家庭の事情としては身重の娘がいるので、安心して産ませたいということもあって、出身地である島原に身を寄せたということでございます。そういうことで公営住宅に入居することにしていただきました。
それと、そういう就労支援については具体的に相談に応じたいと思っております。生活関係については、親族の方が取り急ぎ寝具等日用品、炊事道具は持ち込んでくれていました。今朝、私も見舞いを申し上げに行きました。それと、取り急ぎそうめん、ノリ等手みやげで持って参りました。そういうことで、私の友人の親戚でもありましたので、友人を通じて何かあれば相談してくださいということを申し上げましたし、市役所の窓口の担当も連れて参りました。今後、何か具体的にあれば市役所に相談してくださいと言っております。
これは提供させていただく施設の数に限度がありますので、仮に多くのお申し入れをいただいたときに、さあどうするかということになると、やはり着の身着のままで避難をされた方々、生活の拠点もないといった方々が、やはり優先されるべきであるという状況かなと思います。
長崎市の場合も、来られて、親類であったり、友人宅に身を寄せられている方がいらっしゃるんですが、今後、そういう着の身着のままでという方がいらっしゃった場合は、まず市内のホテルなどに入っていただいて、そしてその上で支援チームがいろんな状況を何日かかけてお伺いしながら、その後、市営住宅に移るのか、あるいはどこか民間を借りるのか、あるいはしばらくいたら戻りますということになるのか、そういった状況を見ていくというような対応をしたいと思っております。
今回の大きな特徴は、既に避難所あたりで地域のつながりがあって、コミュニティが形成されていると思うんです。いわばその避難所ごと迎え入れることができるような態勢をまず整備しようということで、こういったまとまりのあるような受け入れ態勢を講じたところでありまして、そして、おいでいただいた方々には、健康相談、さまざまな手続の支援等ソフト面を含めて、生活再建に向けて応援をしていける態勢をしっかり整備していきたいと考えたところであります。
先ほど言われた費用の問題ですけれども、地方負担の約2億円分と先ほどおっしゃった部分なんですが、これはどういう形で捻出されるんでしょうか。
当面は、今、財源手当等について国の方に制度がありません。これについては、単独経費で負担をする前提で仕組みをつくっておりますが、今後の課題としては、移動経費等を含めて、国の方で措置していただけないか、当然ながらそういった調整は必要になってくるものと思っております。
その経費なんですけれども、先ほど災害救助法で国の措置があるということですけれども、例えばこの分野は国が措置するけれども、この分野はないとか、あるいは国が何割までだったらこの分野で負担するとか、そういったところというのはあるんですか。
例えば災害救助法では宿泊費が1日5,000円でしょう。
今回、弾力運用ということで、国の方から民間の旅館・ホテル等を借り上げることにより避難所として活用する場合には、相当の経費として一人1日5,000円(食事込み)を基準としていますという連絡を受けております。
食事は500円ですか。
基準は1日当たり(3食で)1,010円ですが、県では1500円を想定しており、基準をオーバーする490円が県の負担ということになります。
それで、かなり県として費用がかかるわけですが、それだけの費用をかけてでも、今回受け入れるというその理由について改めてお聞かせください。
それは先ほど申し上げたような非常に厳しい避難所生活を送っておられる現実があるわけでありまして、今回の単独の経費で一番大きなものは移動経費です。
確かにバスでご移動いただくという方法もあるんですが、二十数時間バスに揺られておいでいただく、これも大変だろうということで、避難所から空港まで貸切バスで動いていただき、あとは飛行機を使っておいでいただくということで、そういった経費の部分が出てまいります。
近くであれば、こうした旅館・ホテル等の宿泊機能等を提供しながら、安心して生活を送っていただけるような場の提供ができるんですが、なかなか遠いということもあります。あえてそこは交通費等も負担させていただき、お迎えしていくのが、これまで全国の皆さん方に大変温かいご支援、励ましをいただいた本県の果たすべき役割だろうと考えたところが最大の理由であります。
経費の部分でもう少し詳しく伺いたいんですけれども、まず、総経費が大体6億円ぐらいかかるということで、地方負担が2億円、その2億円の部分にはハウステンボスさんとか、その他長崎市内、雲仙の旅館・ホテルといったところの経費も含まれているんでしょうか。その宿泊費用とかですね。
若干ですけれども、要は災害救助法の適用以上の部分については、県の方で単独で負担させていただくという部分もございます。
先ほど知事が申し上げたように、約2億円のうち1億5,000万円程度が移動経費にかかる部分で、それが県単独で措置する分の大部分を占めているという状況です。
内訳を後で出していただけませんか。
はい。
あと、支援期間なんですが、先ほど発生から2カ月を想定しているということで、大体5月の連休後ぐらいまでと考えてよろしいんでしょうか。
災害救助法の適用が、今のところ、災害発生から2カ月となっております。そうなると、5月11日が一応災害救助法の期限になるんですが、これがどうなるのかですね。再度延長されるのかどうか、そこは国の方の今後の検討を待たないといけないと思います。こうした期限を待たれる方もおありだろうと思いますが、片や、具体的に仕事をしたいとか、あるいは個別の住宅に移りたいとか、いろんなご要請があるんだろうと思っております。随時、そうした個々のニーズに応じて、生活の場を提供できるように、相談態勢を十分整備して当たりたいと思っております。
申し込みなんですが、これは先着順か何かで、どこに申し込めば。
これは例えば災害救助法の適用対象となるには、やはり都道府県知事の要請が必要になってまいります。したがって、被災地の方でどんなふうにお考えになられるのか、そのご判断をお待ちする必要があると思っております。
向こうから要請があって、初めてこちら受け入れると。個別で長崎県と交渉するというのではないんですね。
個別の対応で、行政を飛ばしてということになると、先ほど申し上げた災害救助法の適用対象から外れてくるということになります。
それで言うと、この間みたいに単独で来られたりした家族・親類ですね、ああいった方たちについて受け入れるのは、今の時点では難しいということになるんでしょうか。
そういったご希望がおありかどうかですね。先ほど申し上げたような、被災されて家屋もないような状況でお見えになっておられるということであれば、そうした方々についても、各行政機関が受け入れについて要請をされるということになれば、当然、受け入れることは可能だろうと思います。
それと宿泊施設なんですけど、ハウステンボスさんとか、長崎のホテル・旅館の部分なんですけれども、合計301世帯というのは、現地の復興状況というのは、つまり2カ月でもとに戻るような状況では今の時点だと思えないんですけど、仮に戻れない場合に、301世帯丸々残るといったときに、今、公営住宅の分で301世帯の空きがあって、そのあたりと調整しての数になるんですか。
当然、仮設住宅等は整備が進んでいくと思います。ただ、生活の根拠地になっていけるかどうかという問題もありますので、例えば長崎で残って仕事をしたいということであれば、当然ながら居住環境、仕事の面を含めてできるだけのお世話をさせていただいて、こちらでまた生活再建を目指していかれる方には十分支援させていただく必要があると思います。
実際に被災者の方は、知事の要請が必要ということなんですけれども、流れをもう一度確認したいんですけれども、どこに申し出て、要請を受けて、こちらとしてはどのように割り振りというか、どちらの方に、あちらの避難所を一個持ってくるのであれば、どのように割り振っていくのか教えていただけますか。
ここでは、これだけの受け入れ態勢を整備しました。そしてまた、お迎えに行って、また、お帰りになるときもきちんと移動手段も当方で確保しますと。この周辺にはどんな医療機関、どんな教育施設、福祉施設があって、どういった環境の中で生活をしていただけるという情報を、まず、被災地の行政機関に届けます。そうすると、それぞれの避難場所で避難生活を送っておられる方々がいらっしゃるわけで、岩手県知事さんは個別に意向調査を始めているというお話でありますので、そうした個々の方々に対して長崎県に受け入れてほしいというご要請がある。あるいは、避難所単位で皆さん一緒にお動きになられるかということで合意が得られれば、その単位で要請をいただいて、うちの方で受け入れていくということになると思います。
割り振りは、それぞれの市町あると思うんですけれども、ハウステンボスも含めてどのように割り振っていくんですか。
それは各県知事さんから、どういった単位で、どのような要請があるかということによるんだろうと思います。例えばハウステンボスさんは190世帯分を準備しておられます。相当規模のまとまった受け入れも可能になってきますし、あるいは、個別には10世帯未満の受け入れ施設もありますので、それぞれの状況に応じて判断、調整をしないといけないと思います。
実際にもう要請というか、ある程度の規模で要請を受けていらっしゃるんですか。
いいえ、まだありません。岩手県で避難生活を送っておられる方の意向調査を進めているというお話はお聞きしましたが、そのほかの県の方では、冒頭申し上げたように、福島県では、一応、今は落ち着いていると。ただ、これからまた、どう事態が動くかわからない。そしてまた、宮城県も、まだそこまで整理するには至ってないというようなお話でした。全体としては、やはり家族の方の安否の確認が終わってないというようなこともあって、しばらくふるさとに残りたいとおっしゃる方々も相当数いらっしゃるようだというような状況のお話はお聞きしておりますので、こうした情報を差し上げることによって、どの程度の方々が、実際本県に来たいとおっしゃっていただけるのか、それはまだこれからの整理が必要だろうと思います。
ちなみに、28日、1週間後くらい以降に受け入れ始めるということなんですが、どの区切りで出していくものなんですか。それとも、この期間まで受け入れ要請を受けたものを、今回はこちらに来ていただいて、それぞれの場所に行くと。何か期間を区切るものなのか、それとも人数で区切ってめどを立てていくのかというのは。
今、我々の方では、それぞれのお申し出があれば、3月28日以降は受け入れ態勢が整備できておりますので、それは具体的に移動手段等の確保調整が必要でしょうから、具体的にいつおいでいただけるかわかりませんが、これだけのパイの分についてはすぐにでもご要請があれば提供できると、提供したいと思っております。そのほかに、またご要請があれば、先ほど申し上げたように、2次、3次を含めて、もっと広範な範囲でこうした受け入れ態勢を整備していきたいと思います。
時期の問題ですけれども、澤田さんにお聞きしたいんですが、デンハーグの今の調整の進捗状況はいかがですか。
泊まったり、ふろを使ったりするのは、もう極端な言い方、明日からでもできます。
我々としては、できる限り早く受け入れて、とりあえずここ1週間だろうが1カ月だろうがお泊まりいただいて、県の方にもいろいろ住宅がありますので、ご希望の方はどんどんそっちに行っていただく。もちろん仮設住宅が地元でできたら、それはいつでも臨機応変に帰っていただくということで、ハウステンボスは臨機応変に使っていただければいいかなと思います。
デンハーグは、我々今使っておりませんので、これを有効に使っていただくことが非常にいいかなと。極端な言い方、小さなファミリーから大きなご家族までできるということで、それで足らなければ我々はまだまだ施設を持っていますから、我々としてはできる限り、今一番大切なことは、本当に困っておられる方がたくさんおられると思うんですね。そういうお金の問題というんじゃなしに、とりあえず少しでも早く、安心して、少しの期間ですけど、ご提供できればいいかなと。もちろん長くなる場合は、県とか市にお話しまして、そちらの住宅に徐々に移っていただくということもいいんじゃないかと僕は思っています。
だから、今言っているのは、この190か200世帯ですけど、我々としては、もう少し多くなればなったで、できる限り、先ほども申し上げたとおり受け入れていきたいと思っています。それが1週間なのか、1カ月なのか、2カ月なのか、いろんな希望は多分、来られてから出ると思いますから、その都度、県と市と相談しながら、では、住宅の方に移っていただこうという形を今、考えております。
では、一次的にハウステンボスの方で受け入れて、それぞれの希望に合わせて柔軟に対応していくと。
そうですね。やっぱり1カ月、2カ月は住めても、本来の住宅じゃないですので、やっぱり住宅に徐々に移っていただく。こちらで将来仕事をされたり、住まわれる方は県の住宅とかに移っていただくのが僕はいいと思います。
そのうち1カ月ぐらいたてば、東北の方の仮設住宅が続々と完成してきますので、戻られる方も結構おられるんじゃないかと僕は思っています。臨機応変にやればいいかなと思っています。
ただ、今非常に困っておられますから、希望の方がどれだけおられるかというのはまだ未知数ですね。できる限り、その体制をつくることが大切かなと僕は思っています。
ちなみに、デンハーグだと、園内にありますよね。
デンハーグは、フリーゾーンなんです、今。だから自由なんです。
ほかのゾーンとかを開放するとか、そういった考えはありますか。
たくさんの方が希望されて、困っておられる方がたくさんおられるんでしたら、ほかのホテルも開放していこうと僕は思っています。許す限りですね。
澤田社長と村木会長にお伺いしたいんですけれども、今回はこういうふうに受け入れられるということですけど、ちょっと失礼な言い方かもしれませんが、今、観光客がどっと来ている状況だと、なかなか受け入れも難しかったと思うんですけど、その背景に、震災でかなり観光客が激減しているという状況があるというふうなイメージがあるんですが、その辺はいかがですか。
確かに今、特に海外からの観光客は、ここ数日前からほとんどゼロに近づいています。ただ、今回の問題は、そういう問題じゃなしに、とりあえず困っておられる方をお助けするということが僕は一番じゃないかと。それとともに、デンハーグは我々使っていないわけですから、使っていない施設を有効利用していただくということは、非常に僕はいいんじゃないかと思っています。
実際に30、40%と今、成績は下がっています。その問題とこの問題は全然違う問題で、困っておられる方を一刻も早く、少しでもお手伝いできればいいかなというのが本当の気持ちです。
詳しい説明につきましては、事務局の方でこれから説明させていただきますので。
先ほど、第2次、第3次という話も出ましたけれども、ホテル・旅館とか、ハウステンボスさんにしろ1回受け入れると、2カ月で支援期間を過ぎたからといって、長崎まで来て、また帰ることも難しいと思うんですけど、このホテル・旅館なりにこれから滞在される被災者の方たちが、その2カ月、支援期間を過ぎた後に、県内公営住宅などをあっせんするというふうに書いてあるんですけど、これは今301世帯分、305あって、4世帯埋まったんですか、という状況だと思うんですけど、これからさらに公営住宅の確保が拡充できるという見通しはあるんでしょうか。
公営住宅に限らないと思います。民間の賃貸住宅も4,000戸以上あいているという状況でありますので、そうした部分の活用も当然ながら可能でありますので、そういった形でそれぞれの家庭に応じた生活再建に向けた取り組みの支援、ここに記載しておりますように、経済的に非常に困難な状況であれば生活保護でありますとか、そういった制度の活用もできるわけでありますので、しっかりした相談態勢を構築していけば、それぞれ生活の方針を定めて今後の設計ができるのではないかと思います。
それと一時貸付金のところですけれども、これは金融機関の協力を得て新たに創設するものなのか、それとも県単独のものなのか、どちらでしょうか。
制度の詳細な設計は済ませておりませんが、制度としては県の単独で個々に検討しております。
県の単独ということになると、先ほどの2億円とはまた別の費用になってくるということですか。
これ、2億円には入っていますか。
中に入っております。
中に入っている。1億5,000万円が移動手段で・・・。
要は、返済もございますので、それが財源となっていますから、一般財源としては要らないという意味です。
知事にお伺いしますけれども、そうすると、被災者の方は何も持ってこない、着の身着のままで来て、大体もうこれで何も必要なく、暮らせるものは大体そろっていると考えてよろしいんですか。
はい。当面の生活は確保できるものと思っております。生活雑貨等含めて支援態勢を構築していきたいと思っております。
では、貸付金を使わなくても、そういった衣類とか、子どもの遊び道具とか、そういうものも極力支援していくということですか。
そうですね。
もうお金は要らないということですね。
はい。基本的には、おいでになられる方々の経済的な負担はなくて済むような受け入れ態勢を整備したいと思います。
以上で、記者会見を終わらせていただきます。あと細かい説明につきましては事務局の方でご説明をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。
・午後3時45分から午後4時15分(30分間)
・特別会議室
【臨時記者会見】
会見内容
平成23年3月18日 臨時記者会見
会見内容
平成23年4月1日付人事異動について
それでは、ただいまより、平成23年度人事異動についての発表及び定例記者会見を始めさせていただきます。よろしくお願いします。
4月1日付の人事異動について、まず、発表をさせていただきたいと思います。
ご承知のとおり平成23年度は、新たに策定いたしました県の総合計画の初年度に当たります。
この総合計画は、人や産業、地域が輝く長崎県づくりにつながるような具体的な成果目標の達成に向けて、県民の皆様方と力を合わせて一緒にこぎ出していく年になるものと考えております。
現在の社会経済情勢を見てみますときに、相変わらず厳しい経済・雇用情勢の中にあります。そうした中で、やはり経済・雇用対策というのは、県政の最優先課題になってくるものと考えております。
そういった意味では、県内経済の活性化につながる産業振興対策、あるいは雇用や医療、福祉、介護、子育てなどの県民の皆さん方の暮らしを守るようなセーフティネットの充実、そして経済の下支えをする公共事業等の確保、県内経済に活力を取り戻すためのアジア・国際戦略、ナガサキグリーンニューディール、「しまは日本の宝」戦略など、本県の未来を切り拓いていくための新たなプロジェクト等についても全力で取り組んでいきたいと考えております。
また、県政が抱えるこうしたさまざまな課題の解決と目標達成のために、組織と職員の総合力を活かしながら、具体的な施策を推進していく体制の整備が求められているところでありますが、そうしたことから、所要の組織の改正、そして今般の人事異動を行うことにいたしました。
組織改正については、既にご承知のとおりでありますが、特に、関連施策の連携を強化して、より総合的な形で施策を推進していきたいということで所要の改正を行うことにしたところです。
そしてまた、人事の異動方針につきましても、行政の継続性、専門性を活かしながら、一つひとつの政策目標の達成に向けて体制を構築する必要があると考えまして、一定期間その職務になれていただくために在職期間等にも配意しながら、個々の職員の意向や適性、経歴などを見極めながら、適材適所に努めてまいりました。
特に、その中でも女性職員の登用については、いろいろな場でご議論をいただいてきたところでありますが、新たに部長級職員への登用を図ってまいりますとともに、意欲と能力のある女性職員がこれまで以上に活躍をしていただけるような、そういう役職への思い切った登用に意を用いてきたところであります。それが一つ。
そしてまた、県と市町との人材の交流、育成に力を注いでいこうと考えてまいりました。市町との連携をより一層深め、地域の課題を県、市町が一体となって解決していくために、人事交流の拡大に積極的に取り組んでいくことといたしました。
人事異動の主なものは、お手元に差し上げておりますとおりであります。
そしてまた、各部局の、今までは理事という形で配置しておりました部長級の職責でありますが、この理事職については、部の中で特定の政策課題を担当していただくということをより明確にするために、「政策監」という形で配置することにいたしました。
異動の規模でありますが、組織改正を相当大幅に行ったことから、その影響で例年よりも規模が大きくなっておりますが、そうした影響を除きますと、ほぼ例年並みの異動数となっているところであります。
とりあえず、私の方からは以上でございます。
続けて教育庁関係で、教育委員長の談話を私の方から読み上げさせていただきます
4月1日付の組織改正及び人事異動について発表をいたします。
平成23年度は、小学校で学習指導要領が完全実施されます。平成24年度の中学校での完全実施、平成25年度からの高等学校での学年進行による実施を含め、順次進められてきた我が国の教育改革が、各学校で成果として求められる段階となります。
県教育委員会も新学習指導要領の趣旨を踏まえ、一人ひとりの子どもに確かな学力、豊かな心、健やかな体を身につけ、さまざまな課題に柔軟に対応する生きる力を育むため、全力を傾けてまいります。
子どもたちの健やかな成長のためには、学校が信頼され、教職員が尊敬される教育風土をつくることが極めて重要であります。また、社会教育の充実も大切であると考えています。
ところで、平成25年には、全国高等学校総合文化祭と北部九州ブロックインターハイが、平成26年には「長崎がんばらんば国体」が開催予定です。その成功に向けた体制強化を図る必要があります。
このような基本認識に立ち、組織改正と人事異動を行いました。
人事異動の主なものといたしまして、部長級職員として、県教育委員会が直面する緊急重点課題であるコンプライアンス対策、市町との緊密な調整や連携が必要な県立図書館再整備や県立学校閉校跡地の利活用問題等を担当する政策監を新設し、その職に相川光正防災危機管理監を起用いたしました。
その他、次長級、課長級職員については、お配りしている談話に記載のとおりでございます。
なお、平成23年4月1日付の事務局職員の異動総数は、昇任者を含めて159名となります。
以上です。
人事異動に関して、何かございますでしょうか。
幹事社から質問をします。まず、副知事の人事からお願いしたいんですけれども、今回、藤井さんを続投させて田中さんを昇格させる人事であったんですが、このねらいというか、どういうお考えで配置したかというのをまず、お聞かせください。
ご承知のとおり、知事に就任して1年が経つんですが、この間、もっぱら庁内の管理的な分野を含めて私も経験がありましたことから、副知事1人ということで1年間業務を推進してきたのでありますが、やはりいろんな場面で、相当の事務量があるなというのをしみじみ実感いたしました。
そういったことで、やはり県のプロパー職員の中から副知事として田中君を選任し、議会の同意をいただいたところでありますが、特に、新しい総合計画のスタートの年でありますし、この総合計画をまとめてきた当事者でもありますので、これからの県の発展のために力を合わせて取り組んでいきたいと。
そして、藤井副知事は、平成19年4月に副知事に就任されて、私が就任した時に3年目を迎えておられたんですが、そういったことから、ぜひしばらく力を貸してほしいということで、昨年3月の時点でお願いをいたしておりました。
もちろん国土交通省から来ておられますので、そう長くというのは難しい面があるのかもしれませんが、今、新しいプロジェクトに取り組んでいる矢先でありますので、いま少し上海航路等の絡みもありますので、力をお借りしたいという思いで藤井さんと田中さんを副知事にお願いしたところです。
教育委員に渡辺地域振興部長なんですが、これはどんな手腕を期待しているんでしょうか。
渡辺部長は、これまでの経歴はご承知だろうと思います。住宅供給公社の特定調停等、非常に困難な課題があったわけですが、そうした問題の解決に向けて、相当苦労しながら、着実に実績を残してくれた職員であります。
今、教育委員会の方でも不祥事がなかなか後を絶たず、これから具体的にどういう形で進めていくのか、寺田教育長もそういった面で一番ご苦労なさってこられた経過もあるわけでありますので、改めて知事部局の方から教育委員会の方に出て、そうした幅広い教職員の皆さん方の理解を得ながら、しっかりとした教育県長崎としての目標を達成していければと考えて登用をさせていただきました。
女性職員の登用なんですが、こども政策局長に大串さんということですが、初めての部長級職員になるんでしょうか。
いいえ、過去も女性の部長級職員の方がいらっしゃいました。2年ぶりの登用です。
ちょっと細かいんですけれども、女性職員の登用について意を用いたということなので、役職別に何人、何人、何人というのをいただけませんか。
係長以上の役職者全体に占める女性職員の割合が平成22年が12.7%だったんですが、平成23年4月1日現在で13.6%になっております。
役職別に申し上げますと、部長級が1名、次長級が1名、課長級が8名、補佐級が64名、係長級が233名で、トータル307名となります。
平成22年度と比較しまして、全体で21名の増加ということになります。
あと、市町職員と県の交流人事なんですけれども、それは数字は。
平成22年4月1日現在で、それぞれ8市1町と相互交流を15名やっておりましたところ、23年4月1日現在では11市3町との間で26名の交流を行うということであります。
26人というのは、相手方とこっちを合わせた数字ですか。
26人県からいって、26人向こうから来るということです。
22年度も同じですね。
そうです。ほかに市町から研修で県の方に来られている方もいらっしゃるので、それは除いております。あくまでも相互交流ということで。
すみません、今の市町交流のところで、新しく長崎市ともされているというのは初めてじゃないですか。
長崎市との交流は初めてです。
ちなみに、長崎市へ派遣する職員は県の課長級の職員で女性でありますので、そういった面では女性の登用と、初めての長崎市との交流という形で、今年の特徴ではないかというふうに思います。
何課長ですか。
市側の発令になるのでまだ申し上げられません。課長級ということで。
1名ですか。
1名です。
知事、ご確認なんですけれども、渡辺部長は、寺田教育長が辞任され次第、すぐに教育長にそのまま就任される予定というか、その内定ということで理解してよろしいんでしょうか。
そうですね。教育委員として選任同意をいただいたわけでありますので、これから教育委員会の方で、また教育長として選任をいただくという話になると思います。
その上でお伺いしたいんですけれども、新しい教育長を、寺田さんの後任に教員出身の方を登用するお考えはなかったんでしょうか。
確かにこれまでは、いわゆる行政職、教育現場の方々、いろいろなお話がありましたが、やはりこうした状況を受けた時に、知事部局でも幅広い視野を持って、職員の意識改革を含めて、しっかりした体制で不祥事の根絶、そしてまた、教育の振興にリーダーシップを発揮してくれるように期待をして、行政事務職の立場で就任をしていただくということにいたしました。
不祥事撲滅に向けて、やはり行政職としての立場が何らか必要だろうとお考えになったわけですか。
そうですね。幅広い立場からそういった意識改革を含めて取り組んでいく必要があるのではないかと考えました。
女性の幹部登用についてなんですけれども、これはやっぱり雇用機会の均等というのを念頭に置いてなんでしょうか。あと、プラス女性ならではの視点なり手腕、どんなところに期待しての今回の人事なんでしょうか。
大きく言えば、私は、男女共同参画社会の実現のために行政自らいろんな取組をやっているわけでありまして、県の中でもやはりそういうことを実現していくべき課題であると思っておりました。
まさに、行政にもいろんな課題があって、女性ならではの視点、感性が求められるところもあると思っておりますが、これまでもやはり女性の職員の方々の割合と、ポストに就任してもらっている割合を比べると、まだ相当開きがありましたので、積極的に登用を進めていきたいと思っておりました。
ただ、一朝一夕に幹部職員に就任してもらうといっても、なかなかやはりそこはそれまでの経験というんですか、キャリアも必要になってくるものと思っておりますので、先ほどお話をさせていただいたように、すそ野もまた広げていかないといけないと思っています。係長、課長補佐、課長、部長と、こうステップを踏んできますので、その根っこのところから大きくしないといけないという思いで、去年から女性の職員の活躍の場を大きく増やしていくという取り組みを進めている途中です。
ちなみにですが、男性職員の幹部の数、部長、次長、課長とお示しいただきたいと思います。後で結構です。
ほかに人事の関係でご質問ありませんか。
一番最初に戻りますが、副知事人事の件でお伺いしたいんですけれども、先ほど、田中さんを選ばれたねらいとして、総合計画策定のスタッフでもあり、当事者であるということをお伺いしたんですが、もう一つ踏み込んで、県庁の皆さん、いろんな人材がいる中で田中さんをどう評価されて、何を期待したいか。知事自身はこういうふうにやりたいけど、副知事の田中さんにはこういうふうにしてもらいたいということをもう少しお願いいたします。
田中さんは、財政課の経験があったり、あるいは企画分野での仕事の経験もあります。私は、できれば、繰り返し申し上げているように、県の職員の総合力、企画力をもっともっと発揮してもらいたいという思いを強く持っております。目の前に課題があるのは、職員自ら十分わかっているわけでありまして、そうした課題に行政としてどう取り組んでいくのかというのは、それぞれのセクションの中で的確にとらえて、それを解決するためにどういう手法を講じていけばいいのか。政策論議を大いに高めてもらう必要があると思っております。そういった意味で、そうした経験もありますし、もっともっと職員自ら積極的な提案をしてもらうような雰囲気づくりに努めていく必要があると思っておりますので、ぜひリーダーシップを発揮してもらいたいと思っておりますし、そういう役割を果たしてくれると期待をいたしました。
そのほかにも副知事として、いろんな面での総合的な各業務の調整、部局間のさまざまな課題の調整等も出てきます。これまでは藤井副知事に相当負担をかけてそういった課題についてお願いをした面があります。今度、副知事さんのそれぞれの担当分野を明確に整理していきたいと思いますが、そういった意味で藤井さんの負担も一定軽くなるだろうし、職員の顔がよくわかる副知事ができたということで柔軟な調整を進めていただけるのではないかと期待をしております。
副知事が2人になることは、知事も大分負担が減るというふうに思われるんですが、2年目は自分としてはこういうふうにやっていきたいということがあるんですか。
もっとつくり込んでいく部分を各部局としっかり議論しながら、一つ一つの課題に戦略性を持って取り組んでいきたいなと、そういう議論をもっと深めて、私自身、直接、各部局の職員と意見交換をしながら政策立案まで結びつけていけるような時間が欲しいなと思いました。
例えば、よく言われますが、人口1人当たりの県民所得が全国最下位レベルであると長年言われ続けてなかなか出口が見えないような状況ですが、では、具体的にどうすればいいのかという議論、これは行政だけではもちろん難しい面がありますが、課題をしっかりと分析をして、経済界を中心に民間といろいろな課題を共有しながら歩調を揃えて取り組んでいくところがあれば、そういう取組にも力を入れていかなければいけない。
20年間の現状を見ますと、いつの間にか、他県においてけぼりになっているというような状況もあろうかと思いますので、何とか重たい課題を含めて議論をしながら推進していけるような時間が欲しいなと思っています。
こども政策局の大串さんを女性として抜擢したというのは、女性の登用ということについて大串さんに託されたというのは何か理由がありますか。
子育て家庭の支援施策の担当でありますので、やはり子どもを身近に持つ女性の心情が一番わかるのは、これはまた女性の方だろうと思いました。これまで子ども政策分野で相当長い経験もしていただいておりますので、もっと身近な立場できめの細やかな政策の推進に力を発揮してもらえるのではないかと思っております。
総務部長の池松さんですが、部長になったばかりの総務部長ですが、何かねらいがあったんでしょうか。
部長になったばっかりといっても、一つの部長を経験していますので。特に総務部長だからということではなく、やはり適材適所かなと思いました。
適材適所と判断された理由をお聞きしたいと思います。
秘書課長も経験しておりますし、さまざまな行政課題にも精通をしておりますし、そしてまた、多くの方々の顔もわかるという立場でありますし、部内的にも財政課の経験もしております。そうした経験を有効に活かして県庁内の活性化に力を入れてくれるのではないかと思っております。
議会対策をやることになるんですけれども、そこら辺は。
そうですね。もちろん、財政課が議会の窓口でありますので、所管する総務部長の役割は多方面にわたると思います。さまざまな行財政改革の際の組合との交渉窓口であったり、議会の調整窓口であったりという役割がありますが、そうした面で頑張ってもらいたいと思っております。
今回の人事は実は特徴的なところがありまして、人事委員会の事務局長と労働委員会の事務局長が兼務になっております。これは多分、よその県を調べても、ほとんど例がないと思います。
以上で人事異動の関係については、終了させていただきます。
・午後4時15分から午後4時55分(40分間)
・特別会議室
【定例記者会見】
会見内容
平成23年3月18日 定例記者会見
会見内容
1.東北地方太平洋沖地震について
定例会見に移らせていただきます。
まず、私の方から2点、ご報告を申し上げます。
1点目は、先ほどの県議会の閉会あいさつでも触れさせていただきましたが、東北地方太平洋沖地震に対する本県の対応状況についてお話をさせていただきます。
去る3月11日の東北地方太平洋沖地震が発生をして1週間が経過いたしましたが、今なお多くの方々の安否が確認できないという本当に心が痛む状況が続いております。
避難生活を余儀なくされておられる多くの方々には、なかなか先の見通しが立たず、物資の不足、厳しい寒さが続く中での避難生活ということで、疲労度が一層増しておられるのではなかろうかと大変心配をしております。
これまでの本県の経過についても既にお話をさせていただきましたが、まず、緊急を要する人的支援では、災害派遣医療チーム(DMAT)を派遣いたしましたし、警察、消防、自衛隊、海上保安庁など、本県から約1,800名の方々が現地に派遣され、活動をしていただいております。また、昨日は保健師、あるいは診療放射線技師を派遣いたしました。今日は続いて心のケアを支援するチームを派遣したところであります。
一方、救援物資についてですが、毛布、下着類などを積み込んだ(長崎大学の水産練習船)「長崎丸」が、今日7時前、福島県のいわき市小名浜港に到着いたしました。福島県に物資を引き渡したところでありますが、小名浜港での物資搬入は本県が初めてであったということでございます。なお、明日は岩手県の宮古市宮古港に寄港をして、岩手県に対して救援物資をお渡しするという予定になっております。
それからまた、昨日、自衛隊の輸送部隊にこの救援物資の搬送を担っていただくというようなことで、態勢が整いましたので、県や市町等から県消防学校に集められた救援物資毛布約2,000枚を県を福岡県の板付空港を経由して、宮城県に搬送いたしました。
ちなみに、さきの市町との緊急スクラムミーティングの中で、「支援する担当県を決めてもらった方が支援しやすいのではないか」という話がありました。(全国知事会に)そういう申し入れをしておりましたが、長崎県は宮城県を重点的に応援してくれという話がまいっておりますので、県内の市町の皆様方にもそうしたことをお伝えして、支援態勢の充実に努めていただくようお願いをしたいと思っております。
それから、被災地から本県に避難される方について、既に佐世保市では5世帯11人の方々を受け入れております。
それから、県民の方々からの支援物資の提供、これは既に多くの県民の皆様方から「ぜひ協力をしたいんだけれども」というお声をいただいております。現在、求められている物資の内容、集積場所等について、関係団体と調整を進めております。早急に、より具体的な形で県民の皆様方にご協力のお願いができるように、現在準備を進めているところです。
それから、ボランティアのお申し入れも数多くいただいております。実はこのボランティアを受け入れていただくためには現地の態勢が整っていなければならないというところでありますが、まだそうした態勢が整うまでには至っていないという状況のようでございます。ボランティアが必要だという現地の声は聞こえてくるんですが、まだ具体的な形で要請等がなされておりません。
また、ボランティアにお力添えをいただくということであれば、被災地等だけではなくて、これからいろいろな救援物資の整理、その他、県内でもご協力をいただく機会が出てくると思いますので、さまざまな形でご協力をいただけるものと思っております。そういうことで、このボランティアの方も今、検討中でありますので、しばらくお待ちいただきたいと思います。
今後とも、県内各市町との連携を図りながら、そしてまた、必要であれば関係団体、業界の皆様方のご協力もお願いしながら、万全の支援態勢の整備に取り組んでいきたいと考えております。
県民の皆様方も、それぞれのお立場でご理解、ご協力を賜れれば大変ありがたいと考えております。
2.「こぎだせ!長崎」について
そして、もう一点お話をさせていただきますが、お手元に「長崎県総合計画」をお配りしております。新しい総合計画のスタートとなります予算、組織体制も本日議決をいただいたところであります。
知事選挙の時に、私は「こぎ出せ!長崎」という旗印で選挙運動を展開してきましたが、その思いは、これからいろんな課題を抱える中で県政の船出をしなければいけないわけでありますが、なかなか行政だけの力では不足する面がある。これはやはり幅広く県民の皆様方と一緒になって力を合わせて、一つひとつの課題の解決に力を注ぎ、また、県勢の発展を目指す必要があると、こう考えて、県民の皆様方に同じ船に乗り込んでいただいて、力を合わせてこぎ出していきましょうという思いを込めて、「こぎ出せ!長崎」という旗印を掲げて取り組んできたところでありました。県議会でもそういった旗印を掲げて取り組んでいく必要があるのではないかというようなご指摘をいただいておりました。
今、改めてこの総合計画を認めていただき、関係予算もご承認をいただき、推進体制も整備したところでありますので、今の時点で「こぎ出せ!長崎」を旗印として、県民の総力を結集して県勢の活性化を目指していきたいと考えているところでありますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
私の方からは、以上2点申し上げてご報告とさせていただきます。
何かございますでしょうか。
3. 東北地方太平洋沖地震について
今回の地震では、福島の第一原発が大きな被害を受けまして、半径30キロ以内で避難というか、屋内待避の措置がとられました。長崎県の場合は、県内には原発は立地していませんけれども、隣の佐賀県に玄海原発があって、10キロ圏内に鷹島が入っていると。その中で、今の県の防災計画では、その10キロ圏内を重点地域として計画を立てられていますけれども、今回、それを上回る30キロ圏内ということでありまして、今後、県の原子力災害に対する防災計画というのは見直される考えはおありになるでしょうか。
今、原子力災害をベースにした防災対策というのは一応取りまとめておりますが、こうした事例を踏まえて、総合的な計画の内容を精査してみる必要があると思っております。
ただ、玄海原発は、立地条件等、あるいはまた発電型式も福島の原子力発電所と異なる面があるというようなこともありますので、そうした状況を踏まえながら、どう対応していけばいいのか、今回のさまざまな原因等の分析がなされると思いますので、そうした経緯等も十分見極めながら、適正に対応していく必要があると考えております。
タウンミーティングでは、周辺の自治体の方から見直しを求める声も上がっていましたけれども。
必要な見直しについては、早急に行っていく必要があると思いますし、また、九電の方にも実情等、そしてまた、安全対策等についても住民の皆様方から不安を感じているというお声も上がっているやに聞いておりますので、そうした意味でしっかりとご説明いただくような機会を設けてほしいということはお話をしております。
震災に関連してなんですけれども、先ほど佐世保市に避難している方がいらっしゃるとおっしゃいましたけれども、それ以外にも例えば被曝とかを懸念して避難されて来る方とかもいらっしゃると思うんですが、そうした方たちへの支援をどういうふうに考えていらっしゃいますか。
身寄りが県内にいらっしゃる方を含め、いろんな形で避難生活をこちらで送りたいといった方々も少なくないと思います。これについては、例えば公営住宅の空き室が二百数十戸ありますよという情報は既に提供させていただいております。そのほかにも被災地は非常に寒い状況でありますし、(ボランティア団体などでは)あったかい九州で避難生活を送っていただくようなことができないかというような検討もなされているようであります。
したがって、いろんな形があると思います。県内の各市長、町長さん方からも、「避難されている方々を受け入れることができるんだが、どうなんでしょうか」というようなお話もいただいております。
そういった受け入れ態勢をこちらの方から取りまとめの上、(被災県に)そういった情報をお伝えして、ご希望いただく方々がいらっしゃれば、積極的にお迎えしたいと思っております。
公営住宅に関して、ちょっと聞いた話なんですけれども、り災証明書がないと入れないと聞いたんですが、実際にその被災者の方たちはり災証明書を受け取る余裕がないまま避難してこられる方が多いかと思うんですが、その辺については柔軟に対応されたいとか、お考えですか。
り災証明は必要なのですか。
(入居時には必ずしも)必要ありません。
(※り災証明書がとれない場合などは、り災証明書がなくても入居可能であるが、後日落ち着いた後に提出が必要)
そこは、幅広く柔軟に対応したいと思います。
体育館とか、板張りの床ですし、非常に寒い。毛布も初めて届いたというような映像等も流れていました。そういう意味では、(長崎県は)今まさにストーブももう要らないかなというような季節を迎えようとしております。そしてまた、畳の上で生活していただけるような場も提供できるのではないかと思っていますので、現在、各市町の方にも照会をして、そうした空き住宅はもちろんでありますが、場合によっては公民館でありますとか、そういったところも活用いただくような方法も考えなければいけないと思っていまして、その状況把握と態勢整備について相談をしているところです。
先ほど「暖かい九州で避難生活を送ってもらうよう検討がなされていると聞いている」とおっしゃったんですが、この検討というのはどこがされておるということですか。
しかるべき時期に、しかるべき立場からご発表があると思います。
佐世保に来られた5世帯11人は、長崎県に何か縁がある方なんでしょうか。それとも全くなくて長崎に来られた方なんでしょうか。
私は個別には聞いていません。どういった方がおいでいただいたんでしょうか。
こちらでは、今現在確認しておりません。
長崎の担当が宮城県を支援することに決まったようでありますが、これは全国知事会からそのような回答があったという経緯ですか。
そうです。とりあえず、県と市の物資を大村から板付(福岡県)に運んで自衛隊機で空輸します。当面、我々が全国知事会に報告した毛布5,000枚、簡易トイレ5,000個については、宮城県という指示がきているんです。その後については、まだ来ておりませんが、我々とすると宮城県が主担当だろうなと認識しております。
まだはっきりしてないんですか。
消防は岩手に行ったり、我々の長崎丸は福島から強い要請を受けて寄港しましたし、今度は岩手に行ったりとか、基本的には物資によって異なってくる部分もあると思います。
今届きました。全国知事会災害対策本部事務局の方から連絡がありました。「今後、市町村等から提供されたものを含め、食料品、生活用品等すべての救援物資については、輸送手段が整い次第、本会の指示を待たず、別紙に割り振りした被災県に随時輸送していただきたい」ということで、九州では、鹿児島県と沖縄県が福島県の担当でそれ以外の県は本県を含めて宮城県の担当になっているようですね。本県は、宮城県をお手伝いするということになっているようであります。
ただ、先ほど総務部長からお話がありましたように、現地で求められているさまざまな分野があります。例えば原発で問題になっているところで、放射線関係の医療に詳しいスタッフをくれということであれば、福島県の方に支援をさせていただくということになろうと思いますので、そこは柔軟に対応していく必要があると思います。
4.県庁舎整備について
今回の地震では、津波警報が長崎県に出されました。警報が出されると、海岸べりには近づいてはいけないということもありますけれども、そこで県庁舎の問題なんですが、県庁舎をあそこにつくった場合に、同様の事案があって警報が出たと。その場合には建物は安全でも、あの辺に近づけないというふうな事態が想定されるんですが、その辺についてどういうふうにお考えですか。
警報が出た時の範囲というのは決まっていますか。何メートル以内に近づいたらだめだということは。
明確に何メートル以内といったような規定はございません。
そこは、まさに災害拠点施設となる、警報を受けて災害対策本部をつくる場所になりますので、警報が出て、県庁から全部待避しろなんていうことはあり得ないと思います。
あの辺の周辺も、海岸線に近づくなというのが原則ですから、なかなか人も集まりにくいと思うんですけどね。
一般の県民の皆さん方は、そうかもしれません。
県職員は、それを犠牲にしてでも行くということですか。
警報が出ると災害対策本部をつくるわけですから、災害対策本部の活動拠点は県庁舎になるわけであります。
それは事前にわかっているなら、そういうリスクを背負わずに海岸ではないところに建てるという選択肢もあると思うんですけど。
警報といってもいろんな条件で警報が出ます。(他の自治体でも)海の近くに庁舎がないかというと、決してそういう状況ではないと思います。
ただ、今回の被害の状況を見てみますと、相当大きな地震があって、庁舎自体がちょっと一時退避せざるを得ないということになったところもありますし、あるいはもっと、役場の機能自体が壊れてしまったというようなところもあります。そういった意味では、やはり防災拠点施設としての機能強化というのは今回の災害の教訓でもあると思います。
それと、津波が被害をもたらした後の話ではありますが、海側からのアクセスというのは非常に大切な要素だと思います。ですから、そこは一概に、なかなか判断が難しいところがあるのではないかと思います。移転先のことを考えれば、やはり岸壁がすぐ隣にあるということは、陸路が途絶えた時に非常に大切な輸送ルートにもなってくる可能性はあるのではないかと思ったりもしています。
ちょっと補足させていただきたいと思います。県庁舎の問題ですが、昨日も県庁舎整備特別委員会で議論になったように、今回の東北地震はプレート型地震なのです。例えば釜石に10メートルの津波岸壁がありますが、10メートル以上をもともと想定していたわけです。
ところが長崎県はプレート型から起きる津波についても津波警報は出ますが、1メートル程度という説明です。(長崎周辺にプレートがないので)それ以上の津波はあり得ないというのが、昨日の県庁舎整備特別委員会でも議論がなされたところです。強い津波でも1.1mでとどまるということです。
ですから、基本的に津波警報が出た時に、海に近づかないというのは基本原則ではありますが、1メートル程度にとどまるということですから、職員は県庁舎までしっかり詰めることができるという想定ですし、少なくとも県庁舎の岸壁はそれよりも70センチ嵩上げしていますから、それをかぶることはないということです。
いや、今の質問は、市民の方々に「海岸に近づくないでください」と言っていて、県の職員は近づいていいのかというようなことですから。
はい。県民の皆さんは近づかないでくださいということです。
県庁舎に関連してなんですけど、県庁舎が実際完成するのはまだかなり先のことなんですが、その間に今回みたいな震度6強の地震が起こってくる、何回も起きるという。長崎にも、その地震を誘発する要素が島原半島の下ぐらいにあるという話だったんですけど、そのあたりについてはどのようにお考えですか。
これまでも県庁舎の特別委員会等で繰り返し、繰り返し議論がされてきたところでありまして、従前から長崎は非常に地震の少ない地域で安心だと、こう多くの県民の方々も考えてこられたと思うんです。
ところが、全国で想定されなかったような地域で大きな地震が発生して甚大な被害をもたらしている。そういう状況を踏まえて、これも阪神・淡路大震災以降ですね、いざ災害が発生した時の防災拠点機能としては、今のままでは非常に大きな問題があるのではないかと。
折しも県庁舎の整備について、移転を前提として、(魚市跡地に)敷地の造成工事を進めてきて、それが完成したと。具体的にその県庁舎の整備・移転について、着手する時点になってきた時に、改めて議論を始めさせていただいたところであるわけです。
従前は老朽化、狭隘化、分散化という議論が主体だったかもしれませんが、そうした事態を踏まえ、地震災害が発生した時に非常に弱い(震度6強の地震に対して倒壊又は崩壊する危険性が高い)ということが指摘されたわけでありますので、そういった意味で整備をやはり急いでいく必要があると考えて、この間の議論になってきたところだと理解しております。
当然昨日もそういうふうな話をされたと思うんですが、その完成までの期間に県庁舎が地震によって崩落する危険性も当然あるわけで、それは今までも当然そうだったわけですけど、今回の災害で改めてそういうおそれがあるということに気付かされた部分もあったと思うんですが、その耐震補強のところも含めて、どういうふうに対応していくのかというところなんですけれども。
県庁舎の耐震補強は、これまでの特別委員会でもご議論いただいて、既に相当の年数経過があるわけでありまして、ここで相当規模の耐震補強工事を行ったとしても建物自体の耐用年数が延びることはないと、それよりもむしろ、この際建て替えた方が、より安全で効率的な庁舎の整備ができるのではないかと。
例えば、130億円かけて耐震補強をやって、建物の耐用年数が何年延びるか。ほとんど延びることはないと。こう考えた場合に、せっかく税金を使わせていただくことに関しては、もったいない使い方になると考えたところです。
ほかにございませんでしょうか。
5.議会への情報提供について
知事、今日、定例会見がこんな時間になっているのは、議会の定例会が3時間半遅れたことですよね。もとをたどっていくと、大ざっぱに言いますと、いわゆる根回しがうまくいかなかったということで、知事の耳にも入っていると思いますけれども。
知事にとって、根回しの必要性ということについて、どういうふうにお考えでしょうか。
根回しという言葉を使うかどうかなのですが、こういった例えば予算の説明などは、どこの県も多分、事前説明はなさっておられると思います。
それは、地方の二元代表制でそれぞれにしっかり役割を果たしていかなければならないという、もともとそういった重大な使命があると思っていますが、より議論を深めていただくためには、予算の内容であるとか基本的な考え方等について、事前に説明をさせていただくのは悪いことではないと思っております。
ただ、今回のご指摘をいただいている組織の改正、そしてまた人事の時もそうでありましたが、本県は、個別の県議会議員ごとに事前説明をやるということで取り組んできました。ところが、一部の県議会議員の方にご説明をさせていただく中で、説明内容が一部新聞で報道されると。まだ説明を聞いていない議員の皆様方は、「なんで、おれに説明する前に報道に発表したんだ」と、あるいは「報道に漏れてしまったのか」というようなお話になってくるわけです。
これは組織改正の時もそうでありましたが、まだご説明させていただく前に報道がされたため、早く発表すべきだということで急遽、発表させていただいた経過があるわけです。
実は今回の人事の件も、そういう形で個別に事前説明をさせていただく途中で、一部報道機関で掲載されました。やはり、それまで説明をさせていただいていない方々から、情報管理をどうやっているんだというようなご指摘もいただきました。
したがって、これからは県議会議員の皆様方に、特定の日時等をはっきりした形で時間をいただいて、一括して説明させていただくようなやり方ができないのか、そういった手法も含めてもう少し工夫、検討する必要があると思っております。個別に説明をすることによってそういう状況になっておりますので、事前説明のあり方を少し検討してみる必要があると感じました。
現段階では、事前説明は、少数会派の方には行っていない時もありますよね。
それは、一概に言えないと思います。例えば課題ごと、それぞれの委員会ごとでそれぞれが判断していると思います。一律にこうやるべきだ、とかいうのはありません。
今回の人事案件だけの話をすると、少数会派の方に何人か聞いたんですけれども、説明がなかったということですし、今回の根回しの順番とかもですね、順番が決まっているわけですよね。そうやって差をつけてきたわけですよね、説明に。
それはないと思います。今回の人事の話も皆さんに説明させていただいたと思っておりますが。
それは取材と食い違うのでここでは議論しないんですけれども、点検表をつくって順番立ててやっているわけですよね。
点検表は、それぞれの部局で、例えば所属委員会も違いますし、課題も、地元の議員の皆さん方に説明しておかなければいけない課題もありますし、それぞれごとの案件によって、多分、各部局で判断していると思います。
今後は、こういう順番だとか、やる人、やらない人とかをなしにして一括で委員を平等に事前説明をすると、そういうふうな方向で考えておいていいですか。
例えば、議会のたびに関係議案の説明をさせていただくことになっていまして、どういう形で時間をいただくのかわかりませんが、説明会の設定をし、そこにご出席をいただいて各部局一括で説明させていただくとか。個別の課題に個別に事前説明をさせていただくものだから、その内容について一部誤解を生じる向きも出てきかねない要素はあるんだろうと思います。多くの皆さん方にご出席いただいて説明をさせていただくという機会がとれれば、それが一番、お互いに誤解等がなくてご理解いただける方法としてはいいのではないかと思っております。
野口さんの問題にしても、一部の議員に説明してしまったがゆえに、そこに利害みたいなものが発生してああいう事件になってしまったという経緯もあると思うんですよね。そういう意味では、今後は根回しという習慣について長崎県としては、その習慣から脱していくというふうな方向で進んでいくと。
これは今回のご議論を改めてお聞きして、「議会軽視も甚だしい」というご指摘をいただいたわけであります。そういった誤解等の場が生じない、公平に対応させていただく、そういった意味では、そうしたあり方も含めてご了解をいただければ、そういう形でやった方が一番ベターな方法ではないかと思います。
関連してなんですけど、今まで議案ごとの個別説明というのは当然あり得ると思うんですが、重要案件について議員への説明が、一括じゃなくて個別にする必要性があったというのは、どういった理由があるんでしょうか。
今申し上げているのは、事前説明のやり方が、すべて、やる時には個別の先生ごとに説明をしてきたということです。特定の課題に個別にやるということではなくて。
先ほどの説明だと、時間の差というのが生まれたか、生まれてないかというのはさておき、個別に対応するとなると、当然、タイムラグというのが生まれると思うんですけど、そのあたりについて不平とか、人によっては不満があったりということもあったと思うんですけど、これまでなぜそういうやり方になっていたのかという点について伺いたいんですが。
なぜ個別にやってきたかというと、ご疑問点等があれば個別により正確に対応できるわけでありますので、説明させていただくには一番それが内容についてご理解いただける最良の方法だろうということで、そういう手法がとられてきたと思うんですが、反面、今回の議論等を見ている時には、そういったやり方が逆に誤解のもとになったり、議会軽視だとお叱りをいただくということにもなる要素があるわけでありますので、改めて事前説明のあり方等についても検討していく必要があるのだろうと思います。
今の問題でもう少し質問させてもらいたいんですけど、今日、閉会日のタイミングで人事案件が提出されたので、それに対しての動議が発令されて一時ストップしたわけですけど、今、当然、地震への対応とか、県庁内もかなりばたばたしていると思うんですが、そういう時にああいう動議が発令されたことについて、適切だったか、不適切だったか。実際、3時間半もストップして予定が狂ったわけなんですけど、そのあたりについて議会のあり方を含めてどういうふうな考えを持たれていますか。
それは議会の方でご議論いただいているわけでありまして、議会のそうしたお取組に対して私からいろいろと申し上げることは控えたいと思います。
県政の仕事の方にもかなり影響が出たんじゃないかと思うんですが、そのあたりについての考えはありませんか。
そこは予定していたスケジュールが少しずれてきたということはあるんだろうと思いますが、それは議会の議論としてなされてきているわけでありますので、議会運営委員会の中で議会運営については協議いただいて、実際、本会議等を開催してもらっているわけであります。
それでは、以上で定例の記者会見を終わらせていただき ます。どうもありがとうございました。
・午後4時00分から午後4時45分(45分間)
・特別会議室
【定例記者会見】
会見内容
平成23年2月17日 定例記者会見
会見内容
それでは、ただいまより、知事の記者会見を始めます。
1.鳥インフルエンザについて
よろしくお願いします。
まず、平成23年度の当初予算案については、本日から積極的な広報にご協力をいただいておりますことをお礼申し上げます。
私の方から、まず2件について報告をさせていただきます。
1点は、鳥インフルエンザの件でありますが、経過についてはご承知のとおり、高病原性鳥インフルエンザで、長崎市内でオシドリがこのH5N1亜型、強毒性タイプであるということが判明いたしました。
引き続きまして諫早市内で発見されましたハヤブサについても、A型インフルエンザのH5亜型の遺伝子が検出されるということで、予断を許さない状況が続いているところであります。こうした状況を受けまして、県の方では発見地の周辺10キロメートル圏内の野鳥の監視を強化しているとともに、死亡地から半径10キロメートル圏内にある家禽(かきん)飼養農家に立入検査を行い、異常がないことを確認しております。
また、あわせて県内の家禽を100羽以上飼養するすべての農場等に対しまして、消石灰149トンを配布いたしまして、飼養施設周辺の一斉消毒を実施するなど、被害が及ばないよう万全の対策に取り組んでいるところであります。
今後とも、県の組織を挙げて、そしてまた、各関係団体と連携を密にしながら万全の対策を講じてまいりたいと考えております。
なお、家禽の卵や肉等を召し上がっていただいても人に感染するという事例は世界的に報告されていないところでありますので、例えば鳥の排泄物等に触れた後には、必ず手洗い、うがい等をしていただければ、過度にご心配いただく必要はないものと考えておりますので、どうか各報道機関の皆様方にも冷静なご対応等をいただけるようお願いを申し上げます。
2.大島大橋の無料化について
それから、2点目でございますが、これも既に報道等をいただいておりますが、大島大橋の無料化についてでございます。
この大島大橋につきましては、去る1月31日に地元からご要望をいただき、無料化実現のために具体的な作業に取り組んでいきたいというお答えをしておりました。改めて今議会に関係議案並びに予算案を提案させていただくことにしたところであります。内容につきましては、38億円の未償還金がございまして、これをどういう形で負担していくかというのが大きな課題になっていたところでありますが、西海市の方で主体的な役割を果たしていただける、具体的には合併特例債を活用して積極的に地元負担を行う用意があるので、県の方でも協力を願いたいというご要請をいただいておりましたので、今回のご提案を踏まえまして、先ほど申し上げたように、具体的な関係予算等を提案させていただこうと考えたところであります。地域の皆さん方のそうした思いを一日も早く実現していけるよう県議会のご審議をいただき、ご理解をいただいてまいりたいと考えております。
なお、県議会でご了承をいただけるということになりますと、国への認可申請を行いまして、具体的には今年の4月1日から大島大橋が無料化実現できるように必要な手続を進めていきたいと考えているところであります。
とりあえず、私の方からのご報告は以上でございます。
3.平成23年度当初予算について
幹事社のNHKです。よろしくお願いします。
まず、幹事社から3点質問させていただきます。
1点目が、昨日、予算案が解禁になりましたけれども、知事の言葉で言うとどのような予算なのかというのを教えていただきたいというのが1点目です。
2点目が、新規事業が目白押しだと思うんですけれども、特に知事がこだわりを持たれているところと、そのこだわりを持って提案された理由を教えていただきたいというのが2点目です。
3点目なんですけれども、当初予算案の知事の会見は昨日開かれるはずだったと思うんですが、議会運営委員会が紛糾した関係で中止になりましたけれども、そのことをどのように受け止めていらっしゃるのか、この3点について、まずお伺いします。
今回提案をさせていただこうと考えております予算がどんな予算かということでありますが、ご承知のとおり、知事に就任しまして初めての本格的な当初予算編成ということになります。
昨年の6月の肉付け予算から、新たな考え方のもと、いくつか種をまいてきた事業もありますので、そうした事業については、これから株分けをし、大きく育てて、そして具体的な果実を県民の皆様方に収穫をしていただけるように、その目標達成に向けて組織を挙げて取り組んでいきたいと考えております。
特に、今置かれている環境については繰り返し申し上げておりますが、経済状況、雇用情勢も厳しい状況が続いておりますので、この地域経済の活性化、雇用の場の確保というのは、引き続き県政の最重要課題の一つであると考えているところであります。
国の方で準備がされております各種基金制度、さまざまな仕組み、あるいは公共事業関係予算、これも積極的に活用しながら、着実な成果に結びつけていくことができるように全力を挙げていきたいと思っております。
そしてまた、23年度は、総合計画のスタートの年になるわけでありまして、さまざまな思いを込めた計画であります。そのスタートの年ということで、これについても行政のみならず、幅広い県民の皆様方にご参画いただけないと目標達成は難しいと考えております。県議会でもご議論いただきましたように、「こぎだせ!長崎」宣言をやったらどうかというようなご提言もいただいておりました。幅広い県民の皆様方に、この総合計画についてご理解をいただき、お力添えをいただいてまいりたいと考えております。
そういった意味では、新規事業もいくつか盛り込んでいるところでありますので、そうした事業一つひとつに具体的な成果を上げられるように努力していきたいと思っております。
こだわりの部分はどんなところかということでありますが、やはり県内各地域の活力を高めていくためには、新しい取組として、成長著しい東アジア地域の活力をいかに県内経済に取り込んでいくかということが極めて大切であると考えており、「アジア・国際戦略」というのも昨年からプロジェクト化し、具体的な取組を進めてまいりました。今年度は更にそれを一歩前進させて、長崎〜上海航路の復活、そしてまた、観光客の誘致、県産品の輸出拡大、民間企業の方々の海外進出支援、国際的な人材の育成。活用対策、こういった取組に力を入れて、多様な分野での交流が更に大きく発展していくように力を注いでいこうと思っております。
そうした中で(辛亥革命から100年を迎えた今年、本県出身の実業家で孫文の革命を物心両面で支えた)梅屋庄吉と孫文の関係、これについても幅広い情報発信に努めて、交流基盤の拡大に結びつけていこうと思っております。
そのほかにも、一人ひとりの県民の痛みに敏感に対応できるような県政の実現を目指したいということで、きめ細やかな福祉、医療、子育て支援対策の充実に努めてきたところであります。国の方でさまざまな基金制度が準備されたところであり、(2月2日に実施した平成23年度当初予算の知事査定に)記者の皆様方にも一緒にご同席いただきましたが、長崎県版のDV対策でありますとか、子ども、若者の支援策等の拡充にも力を入れていきたいと思っております。
そしてまた、地域づくりの一環といたしまして、昨年から「がんばらんば長崎地域づくり支援事業」を立ち上げまして、各地域の皆様方から具体的に32件の提案をいただきました。今、その中から具体的な選定作業を進めているところであり、内容によっては集中・重点的な支援策を講じて地域の活性化に結びつけていきたいと考えております。
それから、昨日、議運(議会運営委員会)のご論議が長引いて、結果として当初予算の発表会見をさせていただくことができなかったわけでありますが、これについては、さきの政倫審(政治倫理審査委員会)の中のご議論等もあり、そうした一定の方向性が見出せなかったということであろうと思います。ただ、今日、改めて議運が開催されて、おそらくは今度の議会で大切な当初予算等をご審議いただくということになっておりますが、そうしたことを重大に受け止めていただいて、政治的なご判断をいただいたのではなかろうかということで推察をいたしております。
今回の議会も23日から開会されるということでありますので、県議会の皆様方のご議論をいただきながら、一つひとつの施策、予算等について具体的な成果の達成に努力していきたいと思っております。
では、各社から質問をどうぞ。
今回の当初予算の中で、県庁舎の移転の件について、関連して跡地の活用についての検討をしていくということで1,500万円計上されていますけれども、それに伴って専門家の懇話会を立ち上げて検討していくということも示されていますけれども、その点について知事はどのようにお考えになっていますか。
県庁舎の建設については、議会からの意見書等をいただいて、魚市跡地へ新築移転ということで方向性を示させていただいたところでありますが、その際に一番大きな課題になってまいりましたのが現庁舎の跡地の活用方策でありました。
具体的に建設に着手するまでまだ相当の期間がございますので、同時並行的に、この跡地の活用をどうするのか、できるだけ幅広い県民の皆様方のご意見もお聞きしながら検討を進めていかなければいけないと思っております。そうした論議の中で、例えば長崎の都市機能としてどういった機能が不足するのか、あるいは具体的な地域の方々が望んでおられる、にぎわいづくりに貢献できるような役割はどういった施設であれば果たすことができるのか、あるいは、先の懇話会等でご議論いただきました歴史的な、文化的な現庁舎の場所の特性を活かしながら、具体的な整備の方向性等についても検討をしなければいけないと思っておりますので、地元長崎市とも十分な連携を図りながら検討作業を進めていく必要があると思っております。
また、この点については、実は長崎市の方でも全く同じような思いで、同意をいただいているところであります。
先ほどの幹事社からの質問に関連してなんですけれども、今回は知事の実質的な初めての当初予算で、通常であれば資料の解禁とともに知事の思いを語っていただいて、我々はそれを伝えるという立場なんですけれども、その声を昨日聞けなかったということで、知事として、議会内でいろいろあっても、それに左右されて当日、自分の思いを言うことができなかったという点について、もう一度お願いします。
私の考え方は、前もって皆様方に予算の内容等についてご説明をさせていただいておりましたが、報道解禁は、議会運営委員会が終わって、私の方で発表させていただいた後、報道をお願いたいといった主旨でありましたので、本来であれば、まずは説明させていただいて報道していただけるような段取りになるというのが普通の状況ではないかと思っています。報道関係の皆様方が紙面をもう既に用意しておられるということもあって、そうであればやむを得ないということでこういったご判断をさせていただいたところであります。手順としては、議会に具体的にこういった議案を提案させていただくということの報告もまだ済んでいない状況でありましたので、できれば、(議会に報告した後に報道いただくといった)報道解禁の当初のお約束の中で機会をいただければありがたかったなと思っております。
先ほどの予算をどう表現するかというところで、種を昨年の6月補正でまいて、それを収穫するというふうにおっしゃったんですが、3月で丸1年を迎えられて、結構期間が短い中で、もう種をまいたものを収穫するというふうに表現されたんですが、具体的には。
申し訳ありません、収穫はまだまだ先の話であります。というのは、総合計画のスタートの年でもありますので、昨年から少し種をまいてきた事業、例えば「アジア・国際戦略」とか、「2011交流拡大プロジェクト」とか、そういう昨年の肉付け段階から取り組んできた分について、先ほど表現をさせていただいたのは、株分けをしながら、大きく育てと。上海航路の復活も盛り込んでまいりましたし、いよいよ梅屋庄吉と孫文の関係も情報発信に取り組もうと、あるいは国際チャーター便もますます誘致拡大し、そしてクルーズ船ももっと引っ張ってきて母港化しようと。少し事業の広がりのある状況の中で今年の予算に取り組んでいます。
上海航路の復活一つとっても、この7月からということになりますので、県民の皆様方に収穫していただけるのはもう少し先ということになります。今年の総合計画の中にも新しい事業をたくさん組み込んでおりますので、そういった部分についてはまさに来年度から種まきという事業も数多くございます。
ただ、私の気持ちとしては、昨年から取り組んできているものや、これからいろいろ新しく種まきするものもありますが、もっと株分けをして育て上げていくと、そういう年にしていきたいという思いをお話させていただきました。
予算の関係で関連なんですけれども、これは一言で言うとどういう予算なんでしょうか、知事のお気持ちとして。
総合計画のスタート予算ですよね。
名前をつけるとしたら。
活力のある、県民の皆様方が生きがいを持って暮らしていただけるような県を実現するためのスタートの予算、そして、あえて申し上げますと、県民の皆様方のお力添えがなければこうした総合計画の推進は難しいところがありますので、県民の皆様方と一緒に力を合わせてこぎ出していけるような、そういう思いを込めて編成した予算であります。
特に福祉分野では、痛みに敏感な姿勢が今回受けとれるんですけれども、厳しい財政状況の中で行財政改革を進めるに当たって、逆に痛みを伴う、見直ししなければならないところもあると思うんですが、それはどういうところでしょうか。
やはりこれまでずっと取り組んできました構造改革、あるいは前回の行財政改革プラン、そういった中でも、県議会でもご議論いただいたように、例えば県単独の補助金等について1割程度削減をお願いしたという経過もあるわけでありまして、そういった中で何とか復元してくれというようなお話も片方でございます。
そういった痛みを抱えながら、なお新しい事業に財源を投入していかなければいけないということでありますので、これからまた新たな「新行財政改革プラン」に基づいて、一定の財源の捻出も目標として掲げております。できるだけ幅広い皆様方のご理解をいただきながら、そしてまた、自ら痛みを伴うような覚悟をしながら、取り組んでいく必要があるのではないかと思っております。
具体的には県民にお願いしなければならない痛みというのはどういったものがあるか、今、挙げていただくことは可能でしょうか。
向こう5年間で135億円程度の収支改善目標を掲げております。その中には、使用料、手数料の見直し、これは時代の変遷に伴って適時見直しをお願いする、そういった負担の増える部分、あるいはまた、県の単独補助金等の見直し等も目標に掲げておりますが、今の段階で具体的にこれだというのはまだこの「新行財政改革プラン」の中で内容を詰めていませんので、その時、その時の状況に応じて財源の捻出、必要な経費の見直しに取り組んでいかなければいけないと思っています。
今回の予算の件で、初の本格予算の編成ということですけれども、前任の金子知事時代と比べて、最も予算編成で異なる点、違った点というのはどんなところがあるんでしょうか。
前知事と違ったところがどうかというと特にそんなに大きな違いはないのではないかと思いますが、政策の中に込めた思いについては異なる分が多分に入っていると思っております。
総合計画の基本理念が、まずは「人が輝く」、これも一人ひとりの痛みに対応して、一人ひとりの方々をきちんと支えていけるような政策を講じていきたいということで、非常に額は小ぶりなんですが、できるだけきめ細やかに対応していきたいという思いを込めた事業がいくつかございます。
そしてまた、前の知事さんの時代と少し環境が変わってきていますのは、先ほど申し上げたように、東アジア地域が大きく変わってきましたね。中国、韓国、香港、台湾、東南アジアを含めて、この10年間に目覚ましい経済発展を遂げてきておりますし、個人ビザの発給要件も大幅に緩和されるという環境変化が見られております。そういった環境変化をとらえて、新たな施策として国際戦略なども今がチャンスではないかと思って取り組みを始めたところでありますので、これまではなかなか考えにくかった政策も展開できるようになってきたということは多分にあるのではないかと思っております。
2件お聞きしたいんですけれども、諫早湾干拓事業なんですけれども、開門調査により懸念される影響被害に対応するための予算が盛り込まれていますが、こういった予算を盛り込まなければならなかったことについてどのように考えていらっしゃるのかというのと、2点目が、先ほどからも話が出ているんですけれども、昨日の議会運営委員会もそうですけれども、正直、見ていてどう考えても不毛な議論としか思えないような議論が延々と続いたりすることも多々あるかと思うんですけれども、そういった議会のあり方についてどのように知事としては考えていらっしゃるのかというのと、本来、議会というのはどうあるべきとお考えなのかというのを教えていただけますか。
まず、諫早湾干拓事業のお尋ねについては、仮に開門されるということになると、地元の方では大きな被害が生じる懸念がありますので、何としても開門は避けてもらいたいということを申し上げてきたところですが、結果として福岡高裁判決が確定しました。
ただ、現時点で具体的な国のお考え等もお聞きできない状況で、極めて不本意であり遺憾に思っておりますが、そういったことが具体的に進んでいくということになると、これは地元としてもしっかり考え方を整理し、必要な対策を講じていく必要があるわけであります。開門を避けることができればそれが一番よかったわけでありますが、そうなりませんでしたので、これについては繰り返し申し上げておりますように、地元の各関係機関の皆様方とも相談をしながら、必要な対策をしっかり講じていく必要があると思っております。大変残念であります。
それから、議会での議論の件についてでありますが、これは先の政治倫理審査委員会から含めて、相当ご議論を重ねてこられた結果でありまして、私は、さまざまな議論があっていいものと思っております。
確かに私どもも当初は、昨日、議会運営委員会が開催されて、通常であれば、その中で短時間のうちに一定の審議が行われると思っておりましたが、そうした議論が議会の中でなされた結果、相当の時間が必要になったということでありますので、それはそれでそれぞれの政治家としてのお考えがおありでしょうから、熱心な議論があるというのは、決して悪いことではないと思っております。議論の中身については、私も個別に承知しておりませんので、内容については差し控えさせていただこうと思います。
今回は公共事業の予算を確保されたということですけれども、昨今、公共事業に対するいろんな意見もある中で、今回、公共予算を増額されたという理由と背景を。
例えば県内の道路の状況等をご覧いただいてもおわかりいただけると思いますが、県北地域で一番必要だと、急がれると、こう考えております西九州自動車道、あるいは県南地域で非常に大きな課題となっております島原道路、こういった事業をご覧いただいてもおわかりのとおり、なかなか事業が進捗しないという状況があります。
大都市周辺のように、基盤整備が一定進んでいる地域は、そのほかの行政需要に財源を振り向けるということもあるのだろうと思いますが、まだまだ日本の西端に位置する本県にあっては、基盤整備が十分になされたという意識は持っておりません。
できるだけバランスのとれた国土を形成するためにも、(国には)基盤整備は引き続き積極的に取り組んでいただきたいと思いますし、地元としても取り組んでいきたいという思いがあります。
そういう中、(国の)公共事業関係予算は、昨年(平成22年度予算)でも2割近く、そしてまた、来年度(平成23年度予算)も5%を超える削減がされているわけでありますが、まだまだ不十分な社会資本としての基盤づくり、これはやはり欠かせないものであると思っております。また、そのことが副次的な効果として地域経済の活性化に結びついてくるという要素もあろうかと思っております。
4.県庁舎跡地活用について
先ほども一度話に出たんですが、県庁舎の跡地の活用の問題で、2月1日に魚市跡地に移転すると知事が表明されて、2〜3日前に長崎市が市役所を公会堂の方に移転したいということを初めて具体的に表明したんですが、その跡地活用で地元の長崎市と十分に連携を今、図っているということなんですが、県庁の跡地に市役所を移転するんじゃないかというような話をしたことがあるのかどうかというのをお聞かせください。
私自身が県庁跡地を活用して市役所をおつくりにならないかというようなお話をしたことはありません。ただ、この間、県議会等でも、例えば県庁舎を市役所と合築してはどうかとか、あるいは県議会でのご質疑はなかったかもしれませんが、跡地に市役所を移転させてはどうかというようなご提案をお聞きしたのも事実であります。そのことについて具体的な話題として市の方と協議をしたことはございません。
5.会計検査院の実地調査結果に関連する再調査について
2点あります。会計検査院から指摘されている不適正経理について、過去のものですけれども、昨年秋ごろ、会計検査院から指摘があり、結果の報告がありました。それから県では内部調査チームをつくって調査中だと思うんですけれども、先ほどの議会運営委員会の中になるんですけれども、一通り取りまとめ、資料との突き合わせを終わって担当者から事情聴取している段階だと。指摘を受けた分以外に、また新たにあるというような話があったんですが、資料と突き合わせが終わっているのであれば、どの程度また新たなものが見つかったのかということと、それについての見解をお聞きしたいのが一つ。
もう一つは、諫干の対応についてなんですけれども、菅首相から質問状が返ってきたと思うんですが、その後の対応ですね、何か具体的な考えがその後、地元の関係者の方とのお話の中で具体的な提案がまた生まれてきたのかどうかというところをお伺いします。
会計検査院からの指摘事項については、帳簿の整理の状況等がなかなか詳細にわたって確認できないような状況がありましたので、これは(会計検査院と直接調整するには)時間もないということで、県の方で責任を持って詳細に調査を行うということで、時間をかけて実態解明に努めてきました。
ただ、その中でも、やはり取引のあった業者の方々と一つずつ、これはどういうことなのか確認をしないとなかなか解明ができない部分も残されておりましたので、まだ実はその取りまとめの状況等について私が報告を受けている状況ではございません。そういう説明があったのであれば、恐らく近いうちに私の方に最新状況で報告されるものと思っておりますが、新たなものというのは、まだ私も報告を受けておりません。
今、最終調整中ということで、もちろん確定したのであれば皆さん方にすぐお示しするんですけれども、関係者の供述も含めて、現在、最終の調整中ということでありますので、ご理解いただきたいというふうに思います。
6.諫早湾干拓事業について
それから、諫早湾干拓事業のその後の状況ということでありますが、実はその後、国の方からは一切動きがございません。前回、あの回答状況についてご報告する記者会見をさせていただきましたが、回答の内容のほとんどが環境アセスメントの結果を待って、あるいは開門の時期、期間、方法等については関係者と相談の上ということで、何ら具体的な回答がいただけませんでした。そのため、再度質問をさせていただくということもあるのではないかと、そういった考え方を述べさせていただいておりました。
実は、この件については国会でも質問趣意書が提出されたり、あるいは質疑がなされたりということも予定されておりましたので、そうしたご論議等も踏まえながら、しかるべき時期に再質問という形でお尋ねする必要があるのではないかと、こう考えていたところであります。ただ、まだ予算質疑等がなされている状況でありまして、これからこの諫早湾干拓事業の開門についてどういうタイミングでご議論がなされるのか、それらを見極めながら、どういう時期にこうした再質問をさせていただくのか、そういった点もこれから検討をしていく必要があるのではないかと思っております。
ただ、前回の回答状況によると、国会でのご議論の様子なども拝見しておりますが、なかなか具体的なご回答はいただきにくい状況にあるんじゃないかと思っておりまして、環境アセスの結果を踏まえないと回答いただけないのであれば、なぜ上告されなかったのか、改めて疑問に感じているところです。
時間も大分過ぎておりますけれども、次の質問を最後の質問とさせていただきたいと思います。
7.平成23年度当初予算について
ちょっと確認なんですけど、先ほど議運が長引いて結局発表できなかったことに対してのコメントで、重大に受け止めて、この状況を、政治的判断をされたんだろうと推察されたと、これは野口議員がということですね。
お聞きしているところによると、当初はお辞めになられるお考えはなかったのではないかと思っておりますが、議会の開会直前の議会運営委員会でありますので、恐らくこれ以上また長引くということになると議会の開催そのものが大きく変わってくる、そういった点を含めてご判断されたのかなと思っております。
そこは評価されていらっしゃいますか。
先ほど申し上げたように、政治家としてご判断された結果であろうと思います。
お伺いしたいのは、昨日、その結果、会見自体が開けなかったことに対しては、知事はどう思われたんでしょうか。
先ほど申し上げましたように、会見は、議会に、議会の運営委員会に報告をさせていただいた後、こういう形で会見をさせていただいて解禁というお約束であったわけでありますので、選択肢としては、そのまま昨日も伏せたままにしていただく方法もあったかとは思いましたが、(記者の)皆様からの強いご要請もあり、解禁をとらせていただくという判断をさせていただいたということであります。議運の方の話とこの記者会見の場の話はまた別の判断でこういう状況になったと考えております。
思いの部分を聞きたかったんです。例えば残念で仕方がないとか。
もともとのお約束がそういうお約束であったので、やむを得ない面があったと思います。
今日、会見を開こうと思ったのは、議運に説明したので、やろうという知事のお考えがあってこの会見を開かれたんですか。
昨日は(新年度予算案の発表に併せて)定例会見も予定しておりましたが、開催できませんでしたので、日程調整の結果、今日こういう形で(定例会見を)開催させていただきました。
予算のことを伝えたいということもあってですか。
予算のことについてもご質疑いただくのかなと思っておりました。
県民に伝えたいという、生の声を伝えたいという思いというのは、あったのかなと思ったんですけど。
もちろんそれはそうだと思いますが、もう既に報道していただいている状況でありますので。
確かに、最初に思いの部分をしっかりとご説明させていただくような機会はいただきたかったと思っております。
8.副知事の人事案件について
先ほどの議運でも少しお話があったんですが、次の定例会に副知事の人事案件が出されるという話なんですが、その点について、2人体制、当初は2人体制でしたけれども、そこに戻すという考え、もう既に決まっている話だと思うんですけど、戻すという考えはあるのかということをお尋ねします。
実は、今ご就任いただいている藤井副知事は、4年間の任期がこの3月で満了するという状況でありますので、来るべき議会に副知事の人事案件についてご提案を申し上げ、ご了解を得る必要はございます。
ただ、まだ人事作業の途中で具体的な方針についてご説明させていただくような状況ではございませんので、ご了解をいただきたいと思います。
それでは、以上で知事の定例会見を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。
・午後1時から午後1時50分(50分間)
・特別会議室
【臨時記者会見】
会見内容
平成23年2月1日 臨時記者会見
会見内容
県庁舎の整備について
それでは、ただいまより知事の記者会見を始めさせていただきます。
今日は、本県の懸案事項でありました「県庁舎整備の今後の方針」について考え方を取りまとめたところであり、発表をさせていただきます。
県庁舎の整備については、現在の県庁舎並びに警察本部庁舎が老朽化、狭隘化、分散化といった課題に加えて、災害発生時の防災拠点施設としての耐震性の確保、そして、適切な機能整備が緊急の課題となっていたところであり、これまで長年にわたって様々な検討が行われてまいりました。
県におきましては、これまでのそうした経過、特に一昨年、平成21年5月に県議会において採択されました「県庁舎整備に関する意見書」の趣旨を踏まえまして、昨年2月に「県庁舎整備基本構想案」を策定し、公表をさせていだいたところであります。
その後の経過については、皆様もご承知のとおり、県議会において「県庁舎整備特別委員会」を設置していただき、県内8地域での「県庁舎整備について県民の声を聴く会」の開催とともに、11回の委員会審議により、この基本構想案の内容や建設の是非などについて熱心な審議が行われてまいりました。
この結果につきましては、去る1月12日の臨時県議会において委員長報告が行われますとともに、長崎魚市跡地において新たな県庁舎の建設に速やかに着手することを求める「新たな県庁舎の建設に関する意見書」が採択されたところであります。
私は、この県庁舎整備の問題については、先の知事選挙を含めて、一貫してこれまで建設ありきという姿勢ではなくて、県民の皆様方の意見を十分踏まえて検討をしていきたいということを申し上げてまいりました。
このため、県全体を対象にしたパブリックコメントを実施したほか、各種団体との意見交換会の開催、県議会主催の「県民の声を聴く会」への関係職員の出席、あるいは地元自治会、商店街の方々との意見交換などを含め、さまざまな機会をとらえて、できるだけ広い県民の皆様方の声をお聞かせいただけるよう努力をしてきたつもりでございます。
また、最終的な判断を行うに当たっても、さらに慎重を期してまいりたいと考え、県議会の意見書が採択された後においても、県・市町スクラムミーティングでの県内の各市町長さんのご意見を改めてお聞きし、そしてまた、各種団体のトップの方々のご意見も改めてお聞かせいただきました。
そして、昨日は、臨時の部長会議を開催し、各部局長の意見も聞いたところであります。
そうしたところの状況でありますが、確かに県庁舎周辺の住民の方々をはじめ、この移転に反対される意見はございますが、県民の皆様方の大方のご意見として、長崎魚市跡地での新たな県庁舎の建設に賛成する意見が大勢であったと考えております。
また、先の県議会の意見書においていくつかご指摘をいただいた点もございました。その点につきましても、次のような整理を行ってまいりました。
まず、1点目は、将来の行政ニーズの変化への対応についてであります。
道州制など将来の社会経済情勢に応じた行政ニーズの変化に的確に対応できる庁舎とするために、設計段階においても工夫をするように指示をしたところであります。
2点目は、工事等の発注方法についてであります。
県庁舎の建設に当たっては、本県の厳しい経済情勢にかんがみ、県内企業の受注機会の確保、あるいは県内産の資材の使用促進を図り、県内への経済波及効果を高めるということが極めて大切な視点であると考えております。
県庁舎建設においては、その規模が相当規模にのぼります。WTO政府調達協定によって、県内企業に限定して発注できない工事もあることから、県内企業の受注機会の確保等について最大限の工夫を行うこととし、その具体策を検討するため、庁内の関係部局による検討体制を速やかに整備するように指示をしました。
3点目は、現庁舎の跡地活用についてでございます。
この県庁舎建設予定地であります「長崎魚市跡地」は、長崎駅の新駅舎とまちなかをつなぐ場所にあります。一方、また、現庁舎の敷地も史跡「出島」に隣接をし、まちなかの重要な回遊ルートに当たることから、いずれも長崎市のまちづくりの観点から大変重要な土地柄にあると考えております。
こうしたことから、県庁舎建設に着手する場合には、長崎魚市跡地での県庁舎建設並びに現庁舎の跡地活用を新たなまちづくりの起爆剤とし、かつ、このことを長崎県全体の発展につなげていくような工夫をすることが重要であると考えております。
このため、県庁舎建設や現庁舎の跡地活用をまちづくり全体の中でとらえることとし、平成22年3月に県と長崎市が共同で策定をしました「長崎市中央部・臨海地域」の都市再生の基本計画に位置付けることとしました。そして、地元長崎市と一体となってまちなかの活性化につなげていきたいと考えております。
こうした方向性につきましては、先日、私と長崎市長との間で協議の上、そうした姿勢を確認したところであります。
なお、跡地の活用につきましては、長崎県全体にとってもっともよい活用方策となるよう、県庁舎建設と並行して、地元長崎市と一体となり、検討を進めていきたいと思います。
加えて、各部局におけるさまざまな事業の実施に当たっても、県土の均衡ある発展に十分意を用いて各種施策に取り組むよう指示をしました。
以上のとおり、県議会の意見書等において指摘された点につきましても、その対応の方向性を明らかにしながら取り組んでいくこととしました。
このようなことを踏まえまして、県庁舎の整備につきましては、次のような方針で取り組んでまいりたいと考えております。
まず、現庁舎が抱える課題、とりわけ災害発生時に県民の安全・安心を守るための防災拠点施設としての機能整備は喫緊の課題であり、県の責任者として、これをいたずらに放置することは許されないことであります。大方の県民の皆様方の意向を踏まえます時、これらの課題を早急に解決するため、長崎市魚市跡地において新たな県庁舎の建設に着手してまいりたいと考えております。
なお、整備に当たっての基本構想につきましては、県民の皆様からお寄せいただいたご意見や、県庁舎整備特別委員会での審議結果等を踏まえ、現在、最終の修正作業を行っておりますので、近日中に確定をし、改めてお知らせをしたいと考えております。
今後のスケジュールにつきましては、まず、平成23年度当初予算に、設計費等の関係予算を計上したいと考えております。予算の編成作業が最終段階にあることから、本日、このような形で発表をさせていただいたところであります。
なお、おおむね2年後には、建設工事費の予算も計上することとなってまいります。また、完成までには約5年3カ月を要することから、平成28年度の新庁舎の完成を目指して、近日中に確定する基本構想をもとに、県民の皆様、県議会の皆様のご意見等をお聞きしながら事業に取り組んでまいりたいと考えております。
新たな県庁舎は、県民生活の安全・安心を支える防災拠点施設としての整備はもとより、庁舎の整備によって円滑かつ効率的な行政運営が行われ、その成果が県民の皆様に還元されるよう努めてまいりますとともに、広く県民に開かれ、県民の皆様が気軽に訪れて利用していただけるような庁舎として整備を進め、将来の行政ニーズの変化に的確に対応できるような工夫も行いながら、「県民とともに新しい時代を切り拓く庁舎づくり」を実現してまいりたいと考えております。
以上で、私からの報告を終わらせていただきます。よろしくお願いします。
何かご質問がございましたら、挙手、社名とお名前をおっしゃった上でお願いします。
今月の7日に、反対派の方たちと県庁で、公開で意見交換をされましたけれども、その後、意見交換をされたことはあるんでしょうか。
一部代表者の方々と改めてお話をさせていただく機会をいただきました。
最近でしょうか。
そのすぐ後です。
先ほど、予算の編成作業が最終段階にあることから、今の時期でご決断をしたというようなお話があったんですけれども、今の時期でという、基金の程度とか、財源が厳しい中でなぜ今というような疑問もあると思うんですが、それも含めて、なぜ今この時期に決断なさったのかということを改めて聞かせていただけますか。
県庁舎は、これまでもたびたび申し上げてきましたように、いろんな役割があります。私ども県庁職員の仕事の場であるということもありますが、単に執務環境が不便であるということであれば、これは我慢すれば済む話なのでありますが、この間の検討の中でやはり一番大きな課題になりましたのは、一旦地震が発生した場合には、この県庁舎、あるいは警察本部庁舎自体が崩壊、または倒壊する危険性があるという耐震診断の結果でありました。
ということは、やはり一旦災害が発生した場合には、ここは防災拠点施設として大切な役割を担っていかなければいけない。これを放置するというのは、やはり行政の責任者として許されざる側面がある。
そしてまた、確かにいろいろご議論をいただいてきましたように、非常に厳しい経済・雇用情勢にある。あるいはまた、少子・高齢化を迎えて県民生活の充実のために県庁舎整備の財源を積極的に活用すべきではないかというご指摘があるのも事実であります。
しかしながら、財政状況が厳しいという意味では、この整備費相当分の基金の造成が既に済んでいるところでありまして、そうした様々な要素を比較、考慮をした場合にどう進んでいくべきか。この点については、私自身相当悩んできたところでありまして、そういった意味では、最後の最後まで一人でも多くの皆さん方のご意見をお伺いしたいと考えてきたところであります。やはりそうした県庁の防災拠点機能ということに重きを置く場合には、これをむしろこれ以上先延ばしすることなく早期に整備を図ることが、あわせて必要な考え方ではないかと思ったところであります。
ちょうど来年度の予算編成作業も最終段階にきておりまして、知事査定も終わろうとしているところでありますので、整備をするのであれば、これはできるだけ早く整備をするということが県民の皆様方のお役にも立つことではないかと判断をしたところであります。
耐震性の議論があったりした点も踏まえてということだと思うんですが、一方で、内容をあまりよくわからない県民の方には、魚市跡地は、埋立地に行くのはさらにちょっと危険なんじゃないかというような話もまだ根強く、そういう意見をお持ちの方もいらっしゃるんですが、それに対しては。
それは県議会の特別委員会でも大きな論点となって、相当の時間を割いて、専門家の方々の意見等もお聞きしながら審議をいただいてきたところでありまして、防災性等についても問題がないという結論が得られたところであります。
一般的に海岸に面する場所で高潮被害等が想定されるのではないかというようなご心配をいただく向きもありますが、先ほど申し上げたように専門家のご意見等もいただきながら、問題がないという方向性が示されたところであり、私どももそういった視点はこれからも大切にしながら、具体的な庁舎の整備段階で検討を重ね、そして、設計等に活かしていく必要があると思っております。
浜町に商店街があって、それから、港の方にも大きな商業施設があり、そして駅前にもどんどん進出していっている状況で、そこに県庁がいって、まちの中心が分散化してしまうのではという危惧の声が、反対派の方からも聞かれているかと思うんですけれども、そこに対してはどのようにご回答されるんでしょうか。
まちの中心を狭く考えると、いろんな表情を持った地域があるというのはご指摘のとおりだろうと思います。
ただ、先ほども申し上げましたように、これからのまちづくりについては、庁舎以外にもさまざまな要因、要素があります。そういった中で、まち全体としての機能整備を進める中で、これからのまちづくりをしっかりと進めないといけない。既に、例えばそういった商業施設で言うと、大波止周辺にも商業施設はありますし、また、浦上の方にも新たに大きな商業施設ができてきているわけでありまして、もう少し広い観点でとらえ直す必要もあるのではないかと考えております。
都市再生に向けた総合的なまちづくりの計画の中では、幅広い地域を視野に入れながら、それぞれのまちの魅力を高めるために、今後、どう取り組んでいくのか、計画の策定を進めているところであります。
では、この県庁舎の整備とあわせて、まちづくりについての具体的な方針とか、計画というものも、同時に何か発表なり、報道なりされるご予定があるんでしょうか。
もう既に「長崎市中央部・臨海地域」等については長崎市と一体となって、これからのまちづくりについて計画の策定に取り組んでいるわけでありまして、これからまた、それぞれの別の地域のまちづくりのあり方等についても、当然ながら議論を深めていく必要があると考えております。
先ほど多くの方の声をお聞きしたということですけれども、その議論は尽くされたとお考えでしょうか。つまり、一方の意見が知事の耳に入ってくる、一方の意見が知事の耳に入ってくるだけでなくて、議論が深まった結果、決断されたとお考えでしょうか。
実は、いろんな方々のお話をお聞きした時に、県庁舎の建設そのものが必要ないのではないかというような意見は非常に少なかったような気がいたします。
したがって、先ほど私は、災害拠点施設としての機能を大切にしないといけないということを申し上げましたが、そういった状況を踏まえて、県民の皆様方が、「いや、県庁舎を整備するよりも、もっと大切にすべき課題があるじゃないか、県庁は後回しにしなさいよ」というような意見が多ければそういう選択肢もあったのではないかと、そういう方向性で判断をする要素もあったのだろうと思っております。
ただ、大方の皆様方が、やはり県庁舎の現状、それから県庁舎に期待される点等を踏まえて、やはり場所の問題は別にしても、新庁舎を整備すべきであるといったご意見は、本当に数多くの方々のご意見ではなかったかと考えております。
地元の皆様方も、一部反対をいただいている方は、県庁舎そのものの建設に反対ということではなくて、現在地にぜひ建て直してくれというお声でありました。したがって、県庁舎に対する県民の皆様方の期待というのは、確かに強いものがあるなと感じたところでありまして、そういった状況を踏まえた上で決断をさせていただきました。
新しい県庁舎は、5年と3箇月後ということだったんですが、具体的に何年の何月に完成というふうにとらえているんでしょうか。
順調にまいりますと、平成23年度の当初予算に設計関係経費を盛り込んで約2年程度、次に整備費を予算計上するということで、だいたい平成27年度いっぱいか平成28年度前半くらいの時期になるのではないかと思います。
その頃建物は完成ということですか。引越とかもありますが。
そこのスケジュールまでは、まだ組んでおりません。引越のタイミング等も出てくると思います。
あと、地元の自治会、商店街の方なんですが、現在地建て替えを強く望んでいて、人の流れが変わるというふうに訴えていらっしゃっいました。その懸念に対する知事の対策というか、そういうのは全く今具体化はされていないんですけれども、そこら辺はどのように取り組んでいくおつもりですか。
先ほども申し上げましたように、現在の庁舎跡地をどう活用していくかというのが、これからの課題の中で非常に大きな課題であると思っております。
県庁舎は、確かにここに数千人規模の人が入る庁舎があるわけでありますが、ほとんど庁舎内にこもって仕事をするというような状況でありますので、例えば土曜、日曜というのはもう火が消えた庁舎になるわけであります。そういった意味では、ここの跡地を活用して、さらに人が集まってにぎわうような施設ができれば、現庁舎以上に地域への寄与、貢献が期待できるのではないかと考えております。
したがって、この県庁舎の建設と同時並行しながら、遅れることのないように、この跡地を今後のまちづくりにどう活かしていくのか、特に地元の皆様方が心配されているにぎわいづくりにいかに活用していくかというのは、極めて大切な課題になってくると思っております。
跡地活用にはお金もかかると思うんですが、そこら辺の財源をどのぐらいを想定、どこから持ってきてどのくらいになりそうなんでしょうか。
いろんな施設の内容、規模によって、事業費はもとより財源構成も変わってくると考えております。したがって、これから具体的にどういった施設をこの跡地に整備していくかということにかかわってくるだろうと考えておりますが、通常、その施設の性格によって財源構成が大幅に変わりますので、その点について、今、はっきりと申し上げるというのはなかなか難しい状況にございます。
その地元自治会や商店街の方々の不安というのの一つの要素として、跡地活用策をはっきり示してないから不安があるようなふうに感じるんですが、先に示すことはできなかったんでしょうか。
この間の検討の経過は、もうご存じのとおり、同時並行しながらいろいろ検討を進め、県庁舎跡地活用懇話会を設けていろいろご議論をいただいてきているところであります。
基本的な方向性についてのご提言等もいただいているわけでありますので、今後はそういった延長線上にどういう方向で具体化していくかという議論を深めていく必要があるのだろうと思っております。
したがって、跡地の絵姿がはっきりするまで前に進んではいけないというご意見もあるのかもしれませんが、先ほど申し上げましたように、現庁舎をどうして建て替えていく必要性があるのかといったことを考える時に、どうしてもいざという場合に備えて、しっかり機能整備を果たさなければいけないということが私は原点にあると思います。そういった意味では、片方をそういった要素で止めてしまうというのは好ましくないと判断をしております。
緊急性があるということですね。そのために移転を表明されたということですか。
新庁舎の整備というのは、これはやはり整備するのであれば、一刻も早く整備して、県民の皆様方に安心していただく必要があると。
片や、これまでも検討作業を進めてきましたが、これからも同時並行して、跡地の活用方策等については具体化していきたいと考えております。
知事には、もうそういう案があるんですか。それとも、また意見を聞いてこれから決めていく、まだ白紙の状態ということですか。
跡地の活用ですか。
はい。
跡地の活用については、懇話会からのご提言等もいただいております。ただ、具体的にこういった施設をこういった規模でというのは、もちろんまだ持ち合わせておりません。いろいろなご提言等もいただいておりますので、そういった中で長崎全体のまちづくりの中で足らざる機能、あるいはにぎわいを創出するのに効果のあるような事業、そういったものを幅広い県民の皆さん方のご意見を引き続き聞きながら検討を進めていく必要があると思います。
これは県が示すんですよね、跡地活用策は、当然。
それは皆さんと一緒に検討を進めてつくり上げていかなければいけないと思います。
主体は県ですね。
そうです。
いつ頃を目途にそういうのを出したいというふうに考えていらっしゃいますか。
まだ細かなスケジュールをそこまで決めている状況ではありません。
そうすると、2年も、3年も先とかそういうわけでもないのでしょうか。
これから設計作業に入ると、設計作業だけで2年かかるわけでありまして、さらに、跡地が空いてくるのは5年後でありますので、しっかりと安心していただくためにも、それ以前に構想は考えていかなければいけないと思っております。
跡地活用に関連して、財源の問題なんですが、新庁舎を建設する際にも、一度財源の問題が出てきて、基金を積み上げたという経緯があると思うんですけど、跡地活用について、少なくとも新しい庁舎が建つまでに5年間以上あるということですけど、跡地活用のための基金とか、財源を積み上げていくという考えはあるでしょうか。
なぜ県庁舎の基金を積み立ててきたのかというと、他県庁舎をご覧いただくとお分かりのとおり、500〜600億円、本県でも、今想定しているのが400億円近く、結局そういった大規模な建設事業になるから、単年度の予算の準備だけではやはり財源が不足するということで基金を造成して準備を進めてきたわけです。例えばこれまで美術館をつくったり、博物館をつくったり、数十億の事業規模のものを建設してきましたが、そうした規模であれば、財源を有効に活用すれば単年度の予算措置でも対応できる状況であります。
したがって、この跡地に県庁舎とかわらないぐらいの規模のものをつくるということであれば、改めて基金を積み立てるような作業も必要になってくるんだろうと思いますが、さほどの規模というのはなかなか想定しがたい。それだけ大きなものをつくるということは、検討次第によっては過大になってくるかもしれませんが、今のところ、十分に臨機応変に対応できる余地があるのではないかと思っております。
今、現庁舎の駐車場や掘れるところから発掘調査を進めてらっしゃいます。その中から、例えば江戸時代の遺構とか、前庁舎、厳密に言えば被爆遺構とも言えるものだと思いますけれども、それが出てきたんですよね。そういう歴史的な価値を活かしたもののイメージを持っていらっしゃるんでしょうか。
そこは、歴史・文化等を活かしたような施設という選択肢も一つあるだろうと思います。あるいは、民間の皆さん方のご提言によると、駐車場にしたらどうかとか、緑地で県民の方々、観光客の方々の憩いの場として活用できるような整備はどうかとか、さまざまな提言があっております。そういったあらゆる可能性を含めて検討をしていく必要があると考えておりますので、そうしたこれまでの歴史性に特化したような施設にするかどうかというのは、選択肢の一つではありますが、そういった方向性で考え方を固めているわけではありません。
まだ絞る時期ではないと。
はい。もっともっといろんなご提言をいただいて、県民、市民の皆様方と一緒になって検討を進めていく必要があると思っています。
長年の懸案であって、これからのまちづくりにものすごく大きな影響があるものだと思うんですけれども、先ほど知事が、「私自身すごく悩んできた」と、「最後の一人まで多くの意見を伺いたいと考えてきた」と言われました。悩んできたということについてもう少し、どのようなことに思いを巡らせて、どういったことを懸案と考えられて、どれぐらい悩んだのかという心情的なことをお聞かせ下さい。
正直申し上げて、防災拠点施設としての機能がなければ、私は県庁舎整備というのは優先順位はうんと後だろうと考えておりました。したがって、老朽化、狭隘化、分散化、これは職員の皆さん方、県民の皆さん方に少しずつ我慢していただければ克服できると思ってきました。今、非常に厳しい経済・雇用情勢にあるわけでありまして、本当にこうした財源を有効に活用しながら県内経済の活性化、雇用の場の創出、あるいは一人ひとりの県民の皆様方に対するきめ細やかな施策の推進、こういった財源として有効活用できれば、もっと県民の皆さん方が直接喜んでいただけるような施策が展開できるのではないかと、また、そうした声も既にいただいてきたところであります。
県民の皆さん方が「本当に県庁舎はいいじゃないか、今やらなくても、いざ地震災害等が発生しても、自分たちが我慢するよ」というようなお声をいただければ、今の基金はそういった施策の推進のために大変有意義に使わせていただくことができるのではないかと考えてきました。これは何年に一度発生するかわかりませんが、震度6強の地震が発生する確率がどのようなものか、これはなかなか判断が難しいのですが、そのために、この虎の子の財源を今活用すべきかどうかというのは非常に悩ましい判断でありました。
ただ、最終的には、やはり県民の皆様方の命に直結するような役割が求められておりますので、やはりそうした役割を先延ばしするということはできないと判断をさせていただいたところです。
知事になられてもうすぐ1年になりますけれども、これまでの政治活動の中での比重といいますか、この決断についてはどういうふうに考えられますか。
実は、選挙戦の時からずっと悩んできました。県庁舎を整備しないで済む選択肢があるとすれば、そういう方法があればいいなというのは常々考えてきたところでありますが、結果として、先ほど申し上げたような思いで決断をさせていただいたところです。
最後の質問にしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
第2のポイントとして、県内企業への発注、また県内産の資材を使われるということでしたけれども、これで400億円近くのお金がかかると思いますけど、それ以上の効果が県内経済に与えられるというふうに考えていらっしゃるのか。知事は雇用とか経済対策は一つの重点課題だというふうにおっしゃっていましたので、今後この基金を使って一過性のものとするのではなくて、県内にもっとつなげていくために、こういうことを考えていきたいというようなことが、もしあればお聞かせ願えないでしょうか。
この370億円の基金は県庁舎の整備に使う金でありますので、その県庁舎整備を通して、できるだけ県内に波及効果をもたらすような手法を考えなければいけない。
そういった一つの方法が、先ほど申し上げたように、できるだけ県内に受注機会を拡大していく方法。そしてまた、同じものをつくるにしても県内の資材等を重点的に使っていく、そのことによって波及効果を県内に高めていこうということでありますので、そういった枠組みを越えてこの財源が使えるということであれば、いろんな可能性が出てくるんだろうと思いますが、やはり工事の発注を通しての波及効果を期待せざるを得ないという限界はあろうと思います。
ただ通常、こうした建設事業については、波及効果は非常に高いと考えておりますので、そのうち地元の方で受注していただく機会、あるいは共同企業体として参加していただく中で、地元の方で活用していただけるような機会を増やしていかなければいけないと思います。
先ほど、就任して間もなく1年というような話がありましたが、就任以来、いろいろ決断することがあったと思うんですが、そういう意味では一番大きなものだったのでしょうか。
それから、それを決断されて発表された今の心境と、これからの心構えというか、意気込みというか、そういったところを伺いたいと思います。
大きな決断の一つだと思っております。
最大でしょうか。
最大であったかどうかといえば、最大のうちの一つです。これが群を抜いて一番大きかったかどうかというのは、まだ私の中で順位はついておりません。
これからの考え方でありますが、やはりどうしても県庁舎の整備というと一般の県民の皆様方は、我々地方公務員が仕事をする場であると、そしてまた、特に市役所庁舎等と比べると、県民の皆さん方が直接出入りされる機会というのはさほど多くないということであろうと思います。そういった意味では、やはり今なお、県庁舎整備をなぜ優先して取り組むのかといったお声は少なくないと思っております。
問題は、こうした取り組みを通して県民の皆様方に何がお返しできるかということだろうと思いますので、先ほども申し上げましたが、県民の皆様方に開かれた県庁舎、そういう中でやはり我々は、これだけ効率のいい庁舎をつくらせていただくわけでありますので、より組織の連携を深めて、その行政の成果を県民の皆さん方にお返しをして実感していただけるように、一層努力をしていかなければいけないと思っております。
中途半端な形で、県民の皆様方から、「庁舎をつくったのにちっとも変わっていない」というようなおしかりを受けることがないように、もっともっと効率のよい、そして具体的な成果の上がるような行政の実現を目指していかなければいけないと、これはもう県の職員全体で一緒になって取り組んでいくべき課題であろうと思っております。
基金の範囲で建設費は賄えますか。それとも少し超えることがあるのでしょうか。考え方としてはどうですか。
基本的には、これまでの考え方として、基金と国庫補助金の財源の範囲内でという考え方はあります。問題は、逆に今のように厳しい状況であるので、基金を使い切ってしまわなくても別の財源を活用して将来に残せばいいじゃないかという議論もあります。それはこれからの財政状況を十分見極めながら、具体的な対応を検討していく必要があると思っております。
それでは、以上で知事の県庁舎に関する記者会見を終わらせていただきます。
どうも、ありがとうございました。
・午後4時30分から午後5時30分(60分間)
・県政記者室
【臨時記者会見】
会見内容
平成23年1月31日 臨時記者会見
会見内容
諫早湾干拓事業に関する質問状の回答について
諫早湾干拓事業に関する質問状を、去る1月13日付けで内閣総理大臣あて提出しておりましたが、本日、文書をもって回答をいただきました。
お手元に配付させていただいているとおりであります。まず、この回答を見せていただいて、去る1月23日に農林水産大臣が(本県に)お見えになられて、意見交換の場が持たれ、ご説明等をいただいたわけでありますが、それ以上に踏み込んだ回答はほとんどいただけなかったという状況であります。
大変残念であり、失望の念を強くしております。
特に、表紙に書いてございますが、回答の中には、「私も何回か現地を訪れたことがあり、今般の高裁判決を重く受け止め、長年にわたる争いに終止符を打ち、解決の方向性を早急に提示することが内閣の責務である」と、こう考えられたということであります。高裁判決を重く受け止められて、そして争いに終止符を打つために、なぜ今回、地元の住民の方々、農業者、漁業者の方々の大きな不安、懸念を尊重していただくことなく、一方的に解決の方向性についてご決断がなされたのかということが、非常に疑問に感じているところであります。
後ほど、個々の質問の内容についてはご説明をさせていただきますが、その次の段落にありますように、防災、営農、漁業への影響も含めて、不利益を強いることのないようにと、また、不安や懸念に真摯にお答えさせていただきますという言葉は結んでありますが、まさに真摯にお応えしていただいたというような内容ではないのではないかと感じております。
ほとんどの質問項目について、「現在実施している環境アセスメントの結果を踏まえて判断をする、検討をする」という内容であり、そしてまた、「具体的な開門の方法、時期、期間等について、関係者と話し合いをするんだ」ということで説明がなされておりますが、もともと私どもの最大の懸念は、今回の福岡高裁判決が「3年間の猶予期間を設けて、5年間常時開門する」ということであったわけであります。この常時開門という判決結果をどう受け止めておられるのか。まさに、話し合いをすれば、その常時開門でなくなる可能性があるのかというようなご回答になっております。
以下、具体的な回答に沿ってご説明をします。
23項目でありましたので、簡単に一つずつ触れさせていただきたいと思います。
まず、潮受堤防の締切りと漁業被害との因果関係について、どう考えておられるのか。これまでは一貫して因果関係はないんだというお立場であったのが、今回、因果関係を認めるという立場に立たれたわけでありますが、その論拠はどんなものかという問いでありました。しかしながら、この回答には、「この漁獲量の減少要因としてはさまざまな要因があると指摘されているものの、いまだ科学的、客観的に十分な解明がなされていない」と、こうされております。
そういった中で、この潮受堤防の締切りと漁業被害との因果関係については、判決で指摘されているとおり、「潮受堤防締切りによる潮流の流速変化や、湾奥部の海域の消滅という事実がある。これが生育環境に影響を及ぼした複数の要因の一つである可能性は否定できない」と、こうされております。
これは少し説明足らずの部分があるかと思うんですが、実は、今回の福岡高裁判決でも、有明海全体の漁獲量の減少要因と、この諫早湾の潮受堤防の締切りとの因果関係、これは認められてないんです。認められているのは、ごく地域が限られた、諫早湾の湾口部並びにその周辺海域において、例えば流速の変化が一部認められる。これは最初からそういう考え方が示されており、それに基づいて漁業影響補償が行われてきた経過があります。したがって、ここの潮流の流速変化等は、これは地域が限定されておりまして、今回の判決でも、全域にわたってこうした影響が見られているというのは否定されているところであります。
そういうことを考えますと、いわゆる開門することによって生じてくる新たな被害、そして、開門することによって流速の変化が期待でき、漁業資源の回復に結びつく可能性、これは、本来は比較考慮して判断なされるべきだろうと思いますが、そうした比較考慮がなされていない。そのことをそのまま受け止めたご回答になっているわけでありまして、私どもの疑問に具体的な形でお答えいただいている内容ではないと考えております。
こうした部分については当初から想定済みの課題であって、既に漁業権の影響補償が行われているという事実をもう一度踏まえて、適正なる回答がいただきたかったというのが今の偽らざる心情であります。
なお、平成17年には最高裁までいって議論が交わされ、因果関係はないとの結論が得られているわけでありますが、なぜこういう部分的な現象を踏まえて、比較考慮されることもなく開門という結論が得られたのか理解できないところであります。
2点目の、防災機能が限定的と福岡高裁判決は評価をしておりますが、これをどう考えておられるのかという見解をお尋ねしたのでありますが、具体的な回答はいただけておりません。洪水や高潮などの防止に一定の役割を果たしているというのは認められていますが、防災上の悪影響が生じないよう開門の方法、時期、期間について話し合いを行うと、そしてまた、必要な対策を講じていくということで、まさに冒頭申し上げたように、開門の方法、時期、期間、これが選択の余地がある判決内容であるのかどうか、そこはやはり、はなはだ疑問であると言わざるを得ません。そういう前提の中で上訴が放棄されたということについては、いまだ理解できない状況であります。
当然ながら生命・財産の安全確保のためには、理論的にどうあるべきか、当然ながら想定をした上で具体的な検討を進めて判断されるべき課題であったのではないかと考えているところでありまして、地元としては到底、納得をいただけるような状況にはないと考えております。
それから、防災機能への支障でありますが、これは、「試算内容等については農林水産省にお尋ねいただきたい」という回答であります。「これから政府一体となって万全の事前対策を講じることにより、長崎県関係者の理解と協力が得られるよう誠意をもって取り組んでいく考えです」という考え方をお示しいただいております。
私どもは多くの分野にわたる内容について質問をさせていただきましたので、回答に当たっては、政府一体となってご検討された上でご回答をいただきたいという要請をしていましたが、具体的に何をどうやっていけば防災機能が確保されるのか、そういった具体的な検討の状況について、本当に政府一体となってご回答をいただいたとは思えない内容でありまして、大変残念であります。
それから、(5番目の)気象予報と調整池の水位管理、これについても全く回答もいただいていないところであります。人命、財産に被害が生じることがあってはならない、そのために開門の方法、時期、期間について関係者と話し合うと、必要となる対策を講じると、まさにこうした回答の繰り返しが、これ以降の質問にも続いてくるわけであります。
6番目、小潮時の防災機能確保についてですが、諫早湾は小潮時に最低潮位がゼロメートルであります。その背後地は600ヘクタールのゼロメートル以下の低平地が存在し、大雨が降ると排水ができない期間が相当長期間にわたります。その際に、どういう排水門の管理をやろうとしているのかという若干技術的な現場に即した質問もさせていただいておりますが、これについても全く回答をいただいていないということであります。
それから7番目、開門による堤防施設等への影響。これは、いわゆる構造設計が調整池水位をマイナス1.2メートルからプラス2.2メートルまでとして設計されており、常時開門されるということになりますとプラス2.5メートルからマイナス2.9メートルまで外潮位が変動しますので、これに連動して相当大幅な調整池内の水位変動があるわけであります。それにこの潮受堤防の構造自体が耐え得るのかどうかという問いを設けたところでありますが、これについても先ほどと全く同じような状況、回答であります。地元の危惧の念に対してお答えいただいていないということでありますが、まさにこの程度の検討で開門が選択されたという事実が示されているものと考えております。
次(8番目)もそのような問題でありますが、開門に対する排水門の構造上の問題。これは、いわゆる調整池側から海域に水を流すといった一方通行の前提で設計がなされており、これが反対に海側から調整池に潮水が入ってくるということになると、これもまた排水門の構造上、問題が生じるのではないかというお尋ねでありましたが、これはまさに「海水導入による施設の安定性、安全性への影響を評価した上で必要となる対策を講じていく」と、こうされております。このことは全く評価しないで開放を決められたという回答ではなかろうかと思っております。まさに重大な判断がなされる前に、こういった点については当然ながら精査されておくべきものであると考えているところであります。
9番目、農業用水の確保でありますが、これについても「代替方策を検討し、開門に伴う農業用水利用への影響に対して必要となる対策を講じていく」と、こう抽象的な回答はいただいておりますが、何ら具体的な回答はいただいておりません。
代替水源の確保については繰り返し、繰り返し、現実的には難しいということを訴えてきたにもかかわらず、いまだに具体的な検討がなされていないということに関しては大変残念であります。
次の10番目、塩害や潮風害。これについても、現在、科学的、客観的データに基づき検討を行っているということであります。必要となる対策等については、これからまた検討されるということのようでありますが、これも具体的な回答をいただいておりません。(11番目の)背後地の営農への影響についてのお尋ねについても同じであります。
農業用水利用、塩害等が発生する可能性があるということには触れられておりますが、先ほどの答えの繰り返しであります。
それから、12番目の「漁業被害を生ずる危険性」についてお尋ねをしております。これについても、「短期開門調査に伴う漁業被害に対して行った補償内容については、農林水産省にお尋ねいただきたい」と。「漁業生産への影響については、現在実施している環境アセスにおいて検討をしている」ということでありまして、まさに開門をすると確実に諫早湾内、並びに湾口部を含めて漁業被害が発生すると私どもは訴えてきて、これまでの短期開門調査の時もそういう状況にあったわけでありますが、こういった回答をいただいているということは、まさに被害が発生するのか、しないのか、未検討のまま開門を受け入れたということになるものと考えざるを得ないわけであります。
13番目、「水質変化と赤潮の発生の危険性」、これについても「水質に変化が生じること」というのは認めていますが、これも「現在実施中の環境アセスで検討をしている」という話であります。
それから、「開門による新たな生態系の破壊について」の質問、これは大変不思議なことに、これまでの裁判の中では、「ムツゴロウ裁判」といった生態系に対する影響が大きく取りざたされてきたわけでありますが、今回の訴訟に当たっては、一切そのことに触れられておりません。前回の短期開門調査の時にも、調整池内の淡水性の魚介類が10トンも大量へい死したというような事実があるわけでありまして、「これについての悪影響が生じないよう必要となる対策を講じていく」とされておりますが、一体どういった対策を講じると悪影響が生じないようになるのか、全く具体的な回答をいただいていないということであります。
それから、これは非常に大きな問題ではないかと考えておりますのが、15番目の「漁業影響補償が既に行われているということについてどう考えられるのか」。
これは控訴審判決では、国は漁協と影響補償契約を結んだと。したがって、その構成員である各漁業者には漁業行使権があるわけでありますが、その漁業行使権まで制約を与えるものではないと。なぜならば、各漁業者は契約の当事者として名前が連なってないということから、今回妨害排除ということでこの開門の請求を認めたところでありますが、これに対してどう考えておられるのか。そしてまた、具体的な損害賠償の請求があれば賠償の対象となり得ると考えておられるのかどうかという質問をいたしました。
そうしたところ、ご覧いただいておわかりのとおり、「各組合員は各漁協の組合長・理事に漁業補償契約締結等の委任行為を行った上で諫早湾干拓事業に同意し、以後、求償を行わない旨の契約を締結した事実があり、契約は有効であるものと考えています。このため漁業者からの損害賠償請求には応じるつもりはありません」という回答がなされております。
このことは大きな矛盾であると思っております。まさに個々の組合員が組合長・理事に対して委任をしたと。その委任に基づいて組合長は漁業補償契約を締結した。この漁業補償契約の中にはさまざまな漁業権、並びに漁業行使権も含まれておりますし、なお、今後求償を一切行わないという条文も入っております。仮にこういった立場に立つのであれば、今回の判決の根拠自体がなくなってくるものと私どもは考えざるを得ないと思っておりまして、漁業行使権も制約を受けるということであれば、妨害を排除する権利は認められないのではないかと。したがって、求償権もない。となれば、なぜ上告されなかったのか。これはよく勉強しないと隘路があるのかもしれませんが、理論的にその経緯が理解できません。仮にこういう状況を主張されるのであれば、最大の事実誤認に基づく判決であると指摘せざるを得ないのではないかと我々は考えているところであります。これについては、また専門家のご意見等もお尋ねしてみる必要があると思っております。
それから、16番目、「開門によって漁業被害が解消される可能性が本当にあるのか、これについてどう考えられるのか」という質問をいたしておりました。
これについては、「諫早湾、有明海の環境に対して負の影響を与える可能性がある一方、海水と調整池の水が混合することなどにより漁場環境が改善する、いわゆる正の評価ができる可能性がある」と両方の可能性に触れられております。しかしながら、その影響については現在環境アセスをやっているということでありますが、環境アセスをやっているといいながら、なぜ一方的なプラスの要素だけ評価して開門を受け入れることになったのか。これは冒頭に申し上げたように、正の影響と負の影響、これは必ずあるわけでありまして、そこを科学的に、定量的に比較考慮をして判断をすべきであると我々は申し上げてきたのでありますが、その結論も得ないまま一方的に上訴が放棄されたということの回答であります。
それから、17番目は、「有明海全体の環境異変との因果関係、これはノリの酸処理剤等が環境に大きく影響しているのではないか」というようなお尋ねをしております。「そのほかにも築後大堰、熊本新港、三池炭坑の海底陥没、さまざまな要因があるのではないか」と。これはまさに諫早湾干拓事業検討委員会でも、「そうした複合的な要因がある」と、こう指摘されていたところでありますが、これについての具体的な回答はございませんでした。「(酸処理剤の)適正使用について指導を行っている」というような回答でありまして、非常に残念であります。どこまでこれまでの経緯、我々の主張を含めて真摯に対応していただいているのか、はなはだ疑問であると言わざるを得ません。
そして、(18番目の)「対策費用」についてでありますが、これについても「現在実施している環境アセスメントにおいて検討をしている」ということでありますが、判決の内容はご承知のとおり、「常時開放することによって過大な費用を要することになるなどの事実は認められない」というような判決結果でありました。回答の内容はこの判決内容と矛盾することになると考えております。
それから、(19番目の)「裁判において国の具体的な主張、立証が足りなかったのではないかと、もっと地元の関係者の証言、証拠等を提供、提出する必要があったのではないか」ということもお尋ねをしておりましたが、これについては「因果関係、地域の防災や営農の実態などについて主張を尽くしてきた」と、こう回答をされております。主張を尽くしてこられたのであれば、なぜその主張を引き続き継続していかないのか、なぜ大幅な方針の転換をするに至ったのか、全くその経緯、根拠が明確ではありません。
それから、20番目の上訴放棄の理由と国の責務について、いわゆる安全・安心を守る重い責務があるのに、「地元に一遍の説明もなく上訴を放棄するに至った理由を示してください」と、こう書いていたところでありましたが、「真摯にお応えしていくことが重要である」と述べられてはいるものの、なぜそうした結論に至ったのかということは、具体的には何ら説明されておりません。「政府一体となって万全の事前対策を講じる」と、こう述べられておりますが、今回の回答内容は、決して政府一体となって真摯にお答えいただいた内容ではないと評価せざるを得ないと考えております。
それから、(21番目に)環境アセスメントとの関係について質問をしております。「環境アセスで常時開門が適当でないとなった場合には、明らかに矛盾することになりますが、その矛盾をどうやって解消しようとしているのか」というお尋ねをしましたが、「今、行っている環境アセスは、全面開放、段階的な開放、そして管理開門、この3つの方法を念頭に検討している」という回答であります。これは、まさに開門を前提とした環境アセスが行われているという疑念を抱かざるを得ないと考えております。
それから、(22番目の)地元の同意については、これまで地元の同意、理解を得ることを前提に進めていくんだというような表明がたびたび、いろいろな場で明らかにされてきたところでありますが、そこまでのはっきりとした回答ではなく、「理解と協力が得られるよう誠意を持って取り組んでいく」という回答であります。
最後、23番目(影響に対する具体的な対策について)でありますが、「現在、これも対策費用等を含めてアセスにおいて検討をしている」という回答にとどまっております。
以上、内容について簡単に触れさせていただきましたが、まさに23日の農林水産大臣のご発言内容から踏み込んだような回答はほとんどいただいてないという状況であり、本当に残念でなりません。これからどう対応していくかということについては、具体的な回答を求めているにもかかわらず、回答自体をいただいてない質問が多数にわたっております。そしてまた、回答も、既にご覧いただいたように、「環境アセスの結果を踏まえて、あるいは開門の方法、時期、期間等について関係者等の話し合いを行いながら」というような回答に終始しておりまして、何ら具体的な検討はなされてないという状況でありますので、再度、どう対応していくべきかということについては、また、地元市並びに関係団体の皆様方とも相談をしながら検討をしていく必要があると考えているところであります。
以上、私の方から報告をさせていただきます。
確認ですが、本日文書で回答を受けたというふうにおっしゃっていますが、文書は28日付、これは郵送日だと思うんですが、今日届いたんですか。
今日、9時半ぐらいに届いたそうです。
郵送で。
はい。
文書をその日にご覧になったということですか。
はい。
具体的な回答はないということですが、どこにもこの前(1月23日の農林水産大臣との意見交換会時)の回答と少しでも新たな事実とか、説明とかというのは全くないんですか。
先ほど申し上げたように、いわゆる漁業補償についての考え方について、これは前回、具体的なやりとりはなかったと思うんですが、国の姿勢が示されていると考えております。いわゆる損害賠償を改めて行う考え方があるのかという説明を求めていたのでありますが、それについては賠償の対象とは考えてないと、こう回答が得られておりますので、仮にこういうお考えであれば、なぜ、本当に上訴されなかったのかという根拠がわからないわけであります。
つまり、これは開門した場合に漁業者に被害が発生した場合は、被害の補償を払わないというふうに国が言っていると、そういう感じですか。
そうではないと思います。前回の説明、意見交換会の場では、仮に被害が生じるようなことがあれば、補償も検討しないといけないでしょうといったような大臣のご発言はあったと思いますので、この回答はまさに、お読みいただくとおわかりのとおり、先の、この諫早湾干拓事業を推進するに当たっての地元漁協との漁業補償契約、これに対する国の考え方が示されたと理解しております。
私どもはここの考え方が、漁業補償を行って、その契約の中で新たな補償を求めないというような明確な条文が盛り込まれているわけでありますので、そうであれば、こういった漁業行使権に基づく妨害排除請求権(開門の請求権)そのものが生じてこないと思っているのでありますが、片や補償契約は有効であって、組合員に効力が及ぶため損害賠償には応じないということであれば、そういう国のお立場を明確にされたのかなと思います。ただ、そうであればなぜ開門を受け入れられたのかという根拠がなくなるわけでありますので、全く自己矛盾を起こすということになるのではないかなと思います。
原告適格がないということですよね。
そこにつながってくる可能性が高いのではないかと思うんですね。
ちなみに、今、長崎地裁で行われている一次訴訟では、まさにこの損害賠償が求められておりますので、こういったスタンスであれば、当然ながら、一次訴訟は最後まで継続していかれるお立場なのかなと思っております。
回答を受け取っていかがですか。この前の農水大臣の意見交換会では具体的なものはなかったんですけれども、(今回も)想像以上にないということですか。
ないですね。前回の意見交換会の場では、農林水産省としては上告も選択肢として検討していたが、総理の政治判断でこういった結論が得られたんだという回答でありましたので、何らか、その辺の政治判断の考え方なり、具体的な根拠なり、対策なり考えていただいていることについてご回答がいただけるものと期待しておりましたが、前回の意見交換の場以上の具体的な回答が、得られていないということは非常に残念であり、失望をしたところであります。
項目の22のところで、県の方では、「地元の同意を得ることなしに行うことはないということについて明言をしてほしい」というふうに求めていたと思うんですが、今回は、それについての明言は一切なかったんですが、それについての受け止めは。
こういった点については、再度、きちんともう一度お尋ねするかどうかということも考えなければいけないと思っております。
ただ、理解と協力が得られるよう誠意を持って取り組んでいく考えであるという姿勢はお示しいただいておりますので。ただ、これが現実の形としてそういったご努力がいただけるのかどうか、現時点でこういった回答をいただいている状況を踏まえますと、甚だ疑問なしとしないところではなかろうかと思っております。
ただ、一方的に地元の意向等を無視する形で開門等が行われることがあっては絶対にならないと考えておりますので、そういった主張は繰り返ししていかなければいけないと思っております。
先ほど、具体的な回答があったのは補償の部分だけ、損害賠償の部分だけという話でしたけど、ほかの部分で少しでも回答が得られていると感じる部分はありますか。
ありますか。
いいえ、ありません。具体性がないというのは、大臣の時と全く変わらない。
国の方がこの回答を今回県に提出することと同時に、次回、また改めて何か話し合いの場を持ちましょうとか、そういう働きかけというのは向こうからあっているんでしょうか。
今のところ、あっておりません。
その回答を受けて、今後の協議に応じるお考えというのはいかがでしょうか。
どういった協議なのかという内容によりけりだろうと思います。
具体的には、どういう協議なら応じるお考えですか。
改めて私どもの質問に対して具体的にお答えいただくということであればお会いする意味はあるんだろうと思います。
あくまで同じような質問に答えるかどうかというところを軸に国と話をしたいということですか。
これは、いわゆる地元の住民の方々、農業者、漁業者の方々が一番不安に思って、これまでも懸念を持って繰り返し繰り返し訴えてきた内容ばかりなのであります。
こういった内容について具体的な回答をいただいて不安を解消していただく、心配な部分を一つずつつぶしていただく、そういうことがない限りにおいては、一切不安は消えないわけでありますので、協議の場に出ていくということはあり得ないと思っております。
そうなると、この回答書も5月の環境アセスの結果を受けて説明させていただきたいというふうに言っているんですが、5月の環境アセスの素案がまとまるまでは向こうとは応じられないということになるんですか。
それは向こうの動きでしょう。どうなさるのか。
逆に、「環境アセスで検討中」ということが何回も出てきますけれども、何でこういう回答になったんだと知事は考えられますか。
これまでもさまざまな課題があるということは指摘をし、お伝えをしてきたわけでありますが、そういった懸念について、個々具体的な方策を講じるためには、環境アセスを含めてもろもろの調査、研究が必要であると思っているのでありますが、それは相当時間がかかる。だから、私どもは開門について判断をされる場合には環境アセスを踏まえて、科学的、客観的な立場で慎重に検討をしてくださいと、こう申し上げてきたわけでありますが、全くそういう検討もされずに結論だけ先に出されたということでありまして、これは、まさに我々が一番懸念したことがそのまま今回の回答の中で浮き彫りになった点ではなかろうかと思っております。非常に遺憾であります。
ここに書いてあるような不安とか懸念に対する回答は、今後、どういう形で求められますか。再質問するとか、国と協議をするとか。
再質問をするというのも一つの方法だろうと思っております。全然触れられていない部分が相当数に上るのでありまして、これでもってよしとするわけにはいかない立場であります。諫早市長、雲仙市長と連名でお出ししましたので、そういった点も再度相談して、今後、どう対応すべきか協議して判断したいと思っております。
先日の意見交換の場では、鹿野大臣から事前に判断する前に地元説明がなかったことに対する謝罪の言葉がありました。今回は、菅首相の名前で回答が来て、菅首相直々の謝罪の言葉というのはないと見受けますけれども、そこに対してはどのように思っておられますか。
我々は、謝罪を求めるということが目的ではないのでありますが、一つの大きな判断をされる場合に、やはり謝罪よりもきちんとした地元に対する説明なり、そういった手順を踏んでいただくのが当然であると。謝っていただいたから済むという話ではないと思っておりまして、いずれの課題についても、我々としては上訴すべきか否か判断される場合には、当然、クリアしておくべき課題であると思っておりますので、まさに、なぜそういう手順が踏まれないで結論だけが先に得られたのかというのが当初からの大きな疑問であり、それはいまだに解消されないというよりも、むしろ、こういった回答をいただいて、強くそういうことを感じているところであります。
この回答がきた点について再確認したいんですが、9時半にこれは郵送で県に届いたという認識でよろしいでしょうか。
はい。3市長連名で質問書を出しておりましたので、一括して県庁に文書として送付されました。
直ちに、諫早市、雲仙市にはおいでいただいて、回答文をお手渡しいたしました。
常識的に考えて、これは国の方からどなたか来て手渡されるものかなというような気もしていたんですが、郵送で渡されたことに対して、そういう国の姿勢の部分に対しては、ご意見はありますでしょうか。
郵送でも、おいでいただいても、それは選択肢としてあり得る話だろうと思いますが、ただ、中身を見せていただいて、改めてご説明においでいただくような内容もないと判断されたのも一つあるのかなと、これは想像の域を越えませんが、大変残念ですね。
先ほど、これからの対応ですね、関係市とも話をしながらということをおっしゃっていましたけれども、具体的にこのあたりを目処に考えていきたいというのはありますか。
何を目処に、でしょうか。
今後の対応について、例えばもう来月の中旬までにもう一度対応を考えて、具体的に言うと、もう一度出し直すなり、協議を求めるなり、来てほしいなり訴えるというのを考えているのか。
回答の中身があれば、おいでいただくのはやぶさかではありませんが、いまだ質問に対する回答も十分いただいてないという状況でありますので、そういった部分については、再度ご質問をさせていただくということも考えなければいけないだろうと思います。それをできるだけ早急に再質問をさせていただくなり、ということは検討したいと思っております。さほど時間を置くような内容ではないと思います。
この間、長崎地裁の分の一次訴訟の裁判の弁論準備という手続があったんですけれども、その時に国側から上申書が提出されまして、その中身は期日の変更とか、判決の延期を求める内容だったんですけど、この理由が、何か訴訟外で長崎県側や原告側を含めて関係者と開門の方法、時期とかについて話し合いをしたいというような内容だったんですけど、その訴訟外の協議に応じる考えというか、その裁判の中になるんですけど、そういう意向は国の方にはあるようなんですけど。
県は訴訟当事者ではありませんので、どういった相談をされるおつもりであるのか、私どもはいわゆる地元として、訴訟は訴訟としてしっかり継続していただきたいというのは前回の23日にもお伝えをしました。私どもに対して何らかの協議、相談があるものとは、今のところ考えておりません。
その確認ですが、そうすると、さらに踏み込んだ回答がない限り、協議には応じないということでよろしいでしょうか。
まだ相談をしておりませんが、こういった回答では、十分地元の不安が解消されるという状況ではないというのは、明らかではなかろうかと思っております。
質問状から少しずれるかもしれませんが、原告側は段階的開門でもいいですよと、常時開門にこだわりませんよみたいなことを言っているんですが、県としてはその段階的開門についてはどういう見解を持っていらっしゃいますか。
段階的開門であれ、いわゆる管理開門であれ、既に平成14年に短期開門調査をやっているわけですね。この回答をご覧いただいてお分かりのとおり、可能性がある、あるいは多くの要因の一つであるかもしれない。そんなことで、明確な科学的な分析結果、開門するとこう変わっていくよというような説明も根拠も示されてないわけです。
その一方で開門がなされるということになると、確実に防災機能は支障を来しますし、被害が生じるというのは当然ながら予測されるわけでありますので、極めて曖昧な根拠をもって開門がなされるというのは、地元としては納得できません。
ということは、今の時点では、段階的開門であれ、管理開門であれ、受け入れられないと。
はい、そうです。
ついでによろしいでしょうか。
漁業被害は、短期開門調査の時にも被害は出ているんですね、たしか6,000万円とかだったですね。今回は、それ以上であればもっと被害が出るというふうに思われますか。
我々が一番懸念していますのは、判決の結果が常時開門ですので、常時開門がなされるということは、繰り返し申し上げますように、鳴門海峡の流速を超える速い潮の流れで、この排水門を出たり入ったりします。そうすると、漁場が洗掘される。これはもう体験をしてきているわけです。その時は開口部が1.2キロもあった。そういう状況の中で、具体的にアサリ漁場が洗掘されて被害を生じたということがあるわけです。
それと短期開門調査では、速い流速を生じさせてはならないということで、(潮位の)マイナス1.2メートル、プラス1.0メートル、非常に狭い水位の範囲で潮の出し入れをやったわけでありますが、その時にもやはりアサリ漁場に対して被害を与えている。現在は、250メートルの開門部分しかありませんので、そこが常時開門されると、ものすごい速い潮の流れが、出入りします。このため、私は常時開門をする際に、漁業被害がない開門の方法はあり得ないと思っています。
短期よりももっと膨大な。
もっと甚大な被害が出てきます。
現に、常時開門をやると濁りが生じて急速に広がっていきますので、他県の漁業者の方々からも「そういった開門をされると困るよ」というような話も上がっているというような声もお聞きしておりますので、なぜ本当に国はこういった判決を受け入れてしまったのかということに関しては、全く理解できません。
再質問も含めてという話があったんですけど、再質問するにしても同じ内容にやっぱりならざるを得ないと思うんですけど、それに対する回答というのは、またこのような形でくることはおそらく考えられると思うんですけど、そうなると、菅首相に直接説明を求めるということも考えられると思うんですが、そういう考えはありますか。
そのことも一つの方法ではあるんだろうと思いますが、それ以上の回答が得られるでしょうか。得られるならば、当然ながら、政府のトップでありますので、文書をもって回答をいただけるのではないのでしょうか。
文書をもって。ただ、政治判断、政治決断に至った理由というところも、地元に説明しなかったという部分も具体的に書いてないんですけれども、その辺はおそらく直接やりとりをすれば出てくる部分というのはあるのかなと思うんですけど。
そういった可能性はあるのかもしれません。よくご理解いただいてない状況が明確になる可能性はあるのかもしれませんが、総理の時間がいただけるのかどうか。そしてまた、本当に私どものそうした疑問に対してお答えいただけるのかどうか、そういったことをやはり検討しないといけないと思います。
すみません、そろそろ時間も押しておりますので・・・。
農水省にお尋ねいただきたいというふうに放り投げていますけれども、あくまで窓口、県が求めていくのは首相に対してということになるんでしょうか、再質問するのは。
「政府一体となって」と書いてある割には政府一体となってない。「真摯に対応します」と言っていただいている割には全然真摯じゃない。これはどういうことなんでしょうか。
知事、以前からおっしゃっている農業振興公社による訴訟の可能性という部分なんですが、以前から検討されているということで、今回の回答内容がどのように作用するかということなんですけれども。
前回の農水大臣との意見交換の場においでいただいた方々は、非常に不安の念を強くされたというようなお話も聞いております。
回答期限にいま少し時間がありましたので、もっと具体的な回答をいただけるのではないかと、我々は期待をいたしておりましたが、ご覧いただいたとおりの回答内容であるということについては、ますますその感を強くされたのではなかろうかと思っております。
農業振興公社も利害関係者の一人でありますが、今後、漁業者、農業者の皆様方と一緒になって、どう対応していくのか、できるだけ早く協議して方向性を見出していく必要があるのではないかと思っております。
それでは、よろしいでしょうか。
ぜひ皆さん中身に触れていただきますように、特にお願いを申し上げます。よろしくお願いします。
ありがとうございました。
・午前10時00分から午前10時45分(45分間)
・特別会議室
【定例記者会見】
会見内容
平成23年1月21日 定例記者会見
会見内容
それでは、ただいまより知事の定例記者会見を始めさせていただきます。
1.伊王島大橋の開通について
おはようございます。よろしくお願いします。
まず、私の方から2件、ご報告をさせていただきます。
その1点目は、伊王島大橋の開通についてでございます。
ご承知のとおり、伊王島大橋は、伊王島と香焼町を結ぶ離島架橋ということで、平成9年に事業に着手いたしまして、昨年秋には876メートルの橋げたがすべてつながったところでありました。その後、工事も順調に進んでいるところであります。
今回、3月27日、日曜日でありますが、この日に開通式を開催し、供用を開始したいと考えております。
伊王島の皆様方には、長年、離島ということでさまざまな課題を抱え、ご苦労をされてこられたと思いますが、ようやく県としても無事役目を果たすことができるのではないかと一安心をしているところであります。
また、伊王島大橋の通行料につきましては、一昨年に開通いたしました鷹島肥前大橋と同様、無料とすることにしておりますので、今後、地域活性化の起爆剤となって、交流人口の拡大に結びついてくることを強く期待しているところでございます。
なお、この橋の正式名称でありますが、「伊王島大橋」とすることに決定しました。これは「伊王島大橋」という仮称を長く使用しており、地元の皆様にも慣れ親しんでいただいている名称ではないかということで、地元長崎市とも協議の上、決定したところであります。
本事業の推進に当たり、さまざまな方々にご協力をいただいてまいりましたが、関係の皆様方にお礼を申し上げますとともに、無事、開通式を迎えることができるように願っているところでございます。
2.諫早湾干拓事業について
それから、2点目でございますが、諫早湾干拓事業について、昨日夕刻、農林水産省の方から、直接会いたいという申し入れがございました。
これは先般、記者会見をさせていただきましたが、1月13日に、県、諫早市、雲仙市の市長連名のもと、質問状をお出ししていたところ、この質問に対して考え方を説明したいというようなお話もありまして、地元関係者の皆様方と一緒にこのご説明を受けるということにいたしました。
回答がどういった形になるものか、まだわかりませんが、しっかりと聞いた上で、疑問点等についてはこちらの方からも質問等をさせていただき、内容を確認してまいりたいと考えております。
とりあえず私の方からは、以上2点を報告させていただきます。
3.県庁舎整備について
幹事社の長崎新聞です。県庁舎の整備計画についてのお伺いですが、着工するか、しないかの決断の時期は、もう決められたのでしょうか。
いえ、まだ少し時間があると思います。例えば着手するということになると、来年度の当初予算でどう取り扱っていくかということでありますが、具体的に時期等は今のところまだ決めておりません。
では、最短では新年度当初予算に何らかの経費を盛り込みたいというお考えでしょうか。
最短で動き出すということになれば、そういうことも選択肢の一つではないかと考えておりますが、いま少し慎重に考えてみたいと思っております。
先日、中央商店街の方々と意見交換をされて、まだ反対意見の方が強いのかなということもありましたし、スクラムミーティング(1月17日に行われた県と市町長との意見交換会)でも大村市長さんが慎重意見を述べられましたが、まだそういった意見を聞かないといけないというふうにお考えでしょうか。それとも、もうご自身の決断のみというふうにお考えでしょうか。
これまでいろいろな機会を設けていただき、県民の方々のご意見等をいただいてきたところでありましたが、例えば先日はスクラムミーティングの中で、各市町長さんの意見をお聞きいたしました。
そういった機会を数多くいただいてくる中で、私自身、この県庁舎の建設問題についてどう取り扱っていくべきか考えてきたところでありますが、そういった意味では、やはりもう判断をすべき時期に来ているかなという思いはしておりますが、いま少し考えてみたいと思っております。
4.諫早湾干拓事業について
幹事社の時事通信です。
先ほども諫干の話で、昨日夕刻、農水省の方から正式に打診というか、参りたいという話があったということですが、23日に会われるということが、この話の前進というふうに評価するのかどうか。あと、臨む時にどういった意気込みというか、菅総理が直接政治判断したことなのですが、ずっと反対を通してきた県の姿勢をどういうふうに伝えるのかということの意気込みがもしあればお聞かせください。
諫早湾干拓事業の開門問題について、前進というのがどういう方向性なのかというのは、よくわかりませんが、私どもは、繰り返し、開門があってはならないということを申し上げてきたところであります。
したがって、そうした面で理解をいただきたいと思っていたのですが、上告を断念されたということで判決が確定し、この判決は開門を命じる内容でありましたので、国におかれては、そういう決断をなされたんだろうと思っておりますが、地元としては、経過を含めてまだ納得できるような状況ではないと考えております。
地元の考え方としては、さきに13日にお示ししたような内容で質問状を出させていただいたわけでありますが、この質問状の内容は、いずれもそうした判決の今後の取り扱いについて、具体的には上告をするか否かという判断をされるに際しては、当然、その点まで判断をいただいた上で決断がなされるべき内容ではないかと思っておりました。
したがって、さほど時間を要することなく考え方についてはお聞かせいただけるのではないかと思っておりますが、確かに文書でもって回答をしていただくように申し入れをさせていただいておりますので、そうした時間等は一定必要なのかなということで、1月末までに回答をいただきたいという要請をしていたところであります。
確認ですが、農水大臣面会の正式な申し入れは昨日夕刻であって、県からの「会います」という正式な回答も昨日行ったのでしょうか。
そうです。
昨日、直接、農水省の職員が長崎県庁に来て面会を申し入れたという理解でいいんでしょうか。
九州農政局から後日正式な文書は届くと思いますが、とりあえずファクスで公印が押された文書が届けられたということであります。
当日同席される方についてなんですが、この間、上告を求める際に上京された時のメンバー以外にも同席される方はいらっしゃいますか。
県議会、あるいは国会議員の皆様方、あるいは主な関係者というのは、おっしゃったように、これまでもずっと繰り返し要請活動を行ってきた地元の関係団体の皆様方になると思いますが、そうした関係団体の皆様方、自治会の方々、あるいは地域住民の皆様など、ご参加になられる方々もいらっしゃると思います。
23日、知事は大臣にどういったことを直接お伝えしたいというふうに思っておられますか。
それはまだ回答をいただいておりませんので、その回答次第だと考えております。
今のことに関連してなんですけれども、回答をしたいと、考え方を伝えたいというような話があったようですが、それは質問状の回答を文書で、県の方から求めていた、文書で持ってくるということなのか、それとも文書はできていないけれども口頭で伝えたいとか、そういう話があったんでしょうか。
文書の取り扱いがどうなっているのかというのは確認しておりません。話の内容としては、これまで上告をしないと判断された経過、そしてまた、先般、差し上げた質問状に対する考え方について説明をしたいという趣旨でありました。
そうしますと、これまでの経過とか考え方について説明はあるけれども、今後の、例えば国がどういう、例えば防災対策とかですね、その辺の方向性の考え方みたいなことを示されるであろうというふうなお考えはお持ちですか。
それは質問状の中に書いておりますので、具体的に被害等が生じないようにどうしていこうと考えておられるのか、それはこちらの方からお尋ねすべき項目の一つとして項目を掲げて質問状を出しておりますので、当然、ご回答いただく内容の一部になってくると考えております。
知事は、この間、公開質問状を送った時に会見された際に、結論に至った経過や今後のことについてお伺いしたいという話がこれまでもあったけれども、そういうことについて話をするような状況ではないとこれまで判断してきたという話をされていました。質問について具体的な回答がなければ、この間、言われていたような状況だと思うんですが、これまでの経過や今後のことについて相談したいという、まさにそういう内容で来るんじゃないかということが考えられます。今のところ文書ができてなければ具体的な回答がない可能性もあるんじゃないかと思うんですが、そのあたりはいかがでしょうか。
それは、内容次第だと考えております。先ほども申し上げたように、今回、質問をさせていただいた項目は、すべて上告をするか否か判断される際には精査をしていただいておくべき課題であったと我々は考えておりますので、まずは現状を踏まえ、どういったお考えで判断なさったのか、そこをしっかりお尋ねする必要があると思っております。
抽象的なご説明では、地元の不安、疑念は解消されないわけでありますので、したがって、我々もそういった判断をされる際にはきちんとした出口が見える形で、解決策を傍らに置きながら当然判断をしていただくべきものであったと思っておりますので、そういった点について実情をお尋ねしていきたいと思っております。
昨日夜、農水省に23日の議題について電話で問い合わせたんですけれども、公開質問状に対する回答を持ってくるための協議というよりも、これまでの経過の説明と、今後の対応について地元の意見を聞くためというのが目的で、その中で地元の方から公開質問状と同じような趣旨の質問があるでしょうから、それに対する回答をすることになると、そういうような考え方をおっしゃっていました。回答を持ってくるというよりも、質問に対して回答をそこでするということになれば、あまり具体的な回答は期待できないのではないのかと思うんですが、そうなった場合はどうされるんですか。
それはもう具体的な回答がいただけないということは、文書にする時間が必要なのでまだだと、とりあえず口頭でというお話であれば、それはそれで地域で住民の方々もご納得いただける面があるかもしれませんが、検討自体が未だなされていない、あるいは時間が必要であるということであれば、先の判断がどういったものだったのかという意見は当然出てくるだろうと思います。
ただ、私どもが聞いておりますのは、先ほど申し上げたように、上告しないという判断に至った経過、そして、私どもが差し上げた質問状に対する考えについてご説明いただくということになっておりますので、その内容についてどの程度の内容になるのかというのは、先ほど申し上げたとおり。そして、それをお聞きした上でどう判断するかというのは、また説明をいただいた上での話であると思っています。
つまり、農水省側としては、上告断念の経過を説明して、どこまで踏み込むかわかりませんが、質問状の回答もそれなりに用意はあった上で、上告断念への理解を求めると思うんですが、それに対して県側は、あくまで断固突っぱねていくのかという、そういう対応についてはこれから決めるということなのでしょうか。
それは我々が質問状を送っているわけでありますので、そうした観点で地元としては危惧の念を抱いている、それを解消していただける経過なり、対策なり、基本的な考え方なりをお示しいただけるのかどうかというところが一番大きなポイントになってくるのではないかと思っております。
したがって、今回、こういった機会が設けられることによって、これから諫早湾干拓に対する地元の方向性がどうなるのかというのは、全く、今のところ、方向性は見えていないという状況であります。
当日は、質問状に対する明確な回答がない場合については、話し合いには応じないというか、しっかりと受け応えることはできないという姿勢で臨むということでよろしいでしょうか。
それは関係の皆様方も出席していただいておりますので、さまざまな不安等を抱えてご出席になられるわけでありますので、いろいろな疑問点等については、考え方をお聞きするような声も上がってくるのではないかと思っておりますが、仮に、今おっしゃったように具体的な回答等がいただけないということであれば、それは協議という場にはならない可能性が強いのではないでしょうか。これは全くわかりません。
この間のスクラムミーティングの時に、諫早湾干拓の話題が出たと思うんですが、その中で質問状のことを県の方から報告されて、それに対して出席された首長さんの中から、23項目という幅広い内容で、要点を絞った方がいいんじゃないかというような趣旨の発言があったと思うんですけど、知事は前回の会見の際に、「漁業被害と潮受け堤防の締め切りの因果関係について、特に納得できない」というような話をされていました。23項目の中で特に絞ってというか、強調、特に主張されたい点というのはどういった点になるんでしょうか。
基本的には23項目、多項目に上りましたので、地域の実情が十分理解できてない方々には、何を疑問に思い心配しているんだろうかというようなお話が出るかもしれません。そういったお立場でのご発言が、質問項目等絞って情報発信(説明)していった方がいいのではないかというようなご意見だったと思いますが、一つ一つの項目がそういった意味では地域の実情を踏まえた上で、こんな心配があるんですよということを資しているわけでありまして、どれが重点かというと、私の気持ちとしては23項目すべて重点なのであります。あえて申し上げるとすれば、今回の一番大きな問題というのは常時開門が判決で示されたということでありまして、常時開門となると、これまで私どもが繰り返し、繰り返し申し上げてきたように、地域の防災機能が非常に阻害されることが考えられます。そして、農業、漁業に対する影響、被害を及ぼすおそれがあります。また確実に淡水系の生態系がもう一度破壊されてしまいます。そういうことをあえてやろうという方針でありますので、それであれば開門することによって漁場環境が本当に改善されるんですかと、そこはしっかりお聞きする必要があるのではないかと思っております。
今回の判決でも、そういった点についてはほとんど触れられてないと理解しておりますので、そういった地域の方々の疑問にお答えいただき、そして、なぜ開門するのかといった道筋をきちんとご説明いただく必要があると思っております。
参加者についてお伺いしたいんですが、今も地域の方々というようなご発言がありました。昨日の農水省での筒井副大臣のお話の中で、現地視察を鹿野さんとするというお話がありまして、その中で営農者や漁業者などとも会うということも想定されているようなんですが、参加者は知事にお任せをする形というような発言があったんですが、中村知事としてはどのような人たちを想定されていますか。
だれとだれに出席してくださいと言うつもりはありません。関係住民の方々、関係団体の方々も相当ご心配いただいていると思いますので、できるだけ幅広い皆さん方にご参加いただく中でお話を一緒にお聞きするというのが一番いいんでしょうが、ただ、その場所の都合等もありますので、それは現実にはなかなか難しいと思っております。
先ほど申し上げたように、これまで要請活動等を繰り返し重ねてきた関係団体の皆様方が主体になると思いますが、また、現地視察の中で直接農業者の方々等からご意見等もお聞きいただく機会もあるのではないかと考えております。
意見交換会の前に、政務三役が現地を視察されるということですけど、知事はそれに同行されて、また発言するということはないんですか。
そこまでは今のところ考えておりませんが、ぜひ説明をしてくれというような話も今のところございません。詳細な行程等もまだいただいておりませんので、今のところの考え方では、ご説明をいただく会場の方で対応させていただくことになるのではないかと思っております。
鹿野さんは、知事もおっしゃったように(諫早湾干拓事業について)ご存じな方ということで、今さら見てもしようがないような気がするんですが。
着工時点の担当大臣をなさっておられたのですが、事業が完成して、営農が具体的にどういう形で展開されているのか、あるいは水産を含めた漁業がどういう状況で推移してきているのか等を含めて、まだその後の諫干現地にはおいでいただいておりませんので、状況も相当変わっているところをご視察いただくということになるのではないかと思っています。
農水省は、もちろん上告すべきだという考えだったわけですね、そういうことを踏まえてですね。決断したのは菅首相なわけですから、やはり菅さんの方に見ていただくなら、まだ意味があるでしょうけど、農水大臣がこっちに来て意見交換をしてもなかなか伝わらないんじゃないか、菅さんの方に伝わらないんじゃないか、そういう何かもどかしさとかはないんですか。
この干拓事業は国営事業でありますし、事業主体は国でありますので、一番地元の危惧の念等も理解していただいているべきお立場であると思っております。関係省庁と政府全体の結論がどうだということなのかもしれませんが、それはやはり一体として、方向性を示されたわけでありますので、内々の意向がどうであったかというのは、私ども公式な立場として対応を変えていくことは難しいと思っております。
例えば、いまだに農水省の方が開門反対だというお立場で取り組んでいただいているということであれば別ですが、いやそうではなくて、政府の方針としてこの判決を受け入れるということで動いてきている現実があるわけでありますので、やはり所管の大臣としてしっかりお取り組みをいただく必要があると思っております。
単なる国会前に、とりあえずああやってガス抜きしようという、そういう意図もちょっと感じるんですけれども、そうなんですか。
どうなのでしょうか。もう一つは、長崎地裁で係争中の一次訴訟、二次訴訟というのがあります。これはまだ訴訟が終わったわけではありませんので、そうした部分についてのお考えなり、また、お話があるのかもしれません。
知事は、かねてから開門前提の協議には応じられないというふうにおっしゃっていたんですけれども、それで県のスタンスについて再度確認いたします。農水省側からしたら、今回の23日の件で、もう開門前提の協議に応じてくれたというふうに受け止めると思うんですが、県からのスタンスとしては、今回はあくまでもその協議の以前の質問状に対する回答をもらうための会議だというふうに位置づけておられるでしょうか。
先ほど申し上げたように、開門をするための協議の場というのは、また別になるのではないかと。その前に、協議の場に応ずべきかどうかというのは、質問状の中身を十分納得いただけるような形でご回答をいただいて、それについて地域住民の皆様方も、「ああ、これだったら安心だ」と、「被害も出ないだろう」というような確証が得られるかどうかということにかかっているのではないかと思っております。
したがって、質問状の内容を23項目掲げさせていただいたのは、そうした地元の方々の、まず一番最初の疑問に思っておられること、心配しておられること、それをどうお考えなのかというのをお聞かせいただく場でありますので、そこで開門に向けたご相談はないだろうと我々は思っています。回答内容によっては応じることもあるかもしれませんが、今の段階で(開門に向けた)協議の場であるという考え方は私どもは一切持っておりません。
開門は反対だというスタンスは変わらずということですね。
今のような状況で得られた方向性については、あくまで反対の考え方は変わりありません。疑問点に答えていただいて、明確な道筋を示していただいて、それを納得させていただいた上でないと、協議には地元の方々も応じられる可能性はないのではないかと思っています。
23日は、そういう口頭での説明になるかと思うんですけれども、1月31日まで待つのは待つんでしょう、文書の回答をですね。
当然回答いただく必要がありますので、そういう要請をいたしておりますので、回答はいただけるものと思っております。
そこで納得、心配を払拭するような回答でなければ、今後の協議も全くなしということですか。
可能性があると思います。
関連してですが、今回の場合、質問状を出しているので、納得できる回答があるか、回答があっても納得できないかという、今は2つしかないと思うんですけど、納得できる回答がない場合というのも十分考えられると思います。納得できない回答だった場合の対応というのは、もう既に考えられているんでしょうか。
納得できない場合の対応というのは、納得できないままであります。
例えば、訴訟の方を一気に進められるとかですね、そういった対応については考えられていますか。
訴訟の問題は、また別途検討をしている段階でありますので、今回の回答に直接関係はなくて、関係団体の皆様方と並行しながら検討を進めているところであります。
ほかにご質問はありませんか。諫干以外も含めて。
5.大島大橋の無料化について
大島大橋の無料化について、知事の考え方はどうでしょうか。
考え方は、さきの県議会でお示ししたとおりでありまして、この大島大橋を無料化するということについては、相当の財源の捻出が必要になってきます。県だけでも無理な面がありますので、地元の方とそうした財源の捻出方策等について、十分協議を進めた上で、成算ありという段階でようやく無料化ができるものと考えておりますので、そうした実務面を含めて、地元西海市と協議を詰めていかなければいけないと思っております。
6.諫早湾干拓事業について
諫干と別々の課題について、一つずつお伺いしたいんですけれども、諫干についてなんですが、もともと今回の上告断念は菅首相がリーダーシップを発揮して判断、決断されたことだというふうにされていて、ご自身もそういう考えをこの間12月の際に言われたようですが、そうであれば、本来菅首相がどういう考えのもとに、どういう根拠で上告を断念して開門をするという方向性を示したのかという、菅首相から直接そういう話を聞かないと納得できる回答は得られない可能性が高いと思うんですけれども、農水省に相談したりしていたのであれば別ですが、今回はそうじゃないとされているわけですから、その点で菅首相に直接説明するように求めたりとか、そういうことを今後されていく考えというのはあるんでしょうか。
ご存じのとおり、今回、お尋ねしている項目は、農林水産省にご回答いただける分野だけではないと思っております。政府関係機関、それぞれ関連のあるような内容まで含んでおりますし、そういった意味で質問状は、菅直人首相あてにお出しをしておりますので、当然ながら菅首相のお立場で回答がいただけるものと思っております。
本人の口から直接説明がなくても、文書で菅首相の名前がついて返ってくれば、それが首相の考えだというふうに受け止めると。
政府全体としての仕事でありますので、個人的な菅首相と総理総裁としての菅首相、それは我々が相手にするのは公的なお立場の首相でありますので、そうしたお立場から回答を求めているところでありますので、当然ご回答いただけるものと思っております。
7.県庁舎整備について
県庁舎についてなんですが、先ほど、「判断をすべき時期に来ているのではないかと思うけれども、もう少し考えたい」というふうな話があったんですけど、「もう少し考えたい」という、考える余地というのはどういったところがあるんでしょうか。
先般も市町長の皆様方から、現時点でのお考え等をお尋ねいたしました。あるいは、まだそうした機会は設けておりませんが、庁内的にもしっかり関係部局長の意見等も聞いてみたいと思っておりますし、先般は地元の関係者の方々からもお話をお聞きしましたが、そうした機会もできるだけ、時間が許される限り設けていきたいと思っております。
大村市の松本市長は、「1年ぐらい様子を見て、もっと県民の声を聞いた方がいいんじゃないか」というようなお話をされていましたけど、もう少し県民の意見を聞く考えがあるということですか。
県民の皆様方のお声を幅広くお聞きする場を設けるかということについては、既に、繰り返し申し上げているようにいろんな場を活用させていただいてお尋ねをしてきたところであります。
先ほど、今の時点で各首長さんのご意見をお聞かせいただいたということもありますので、そうしたご意見等をお聞かせいただける場があれば、またそういった機会も活用しながら、最後の最後までできるだけ幅広い県民の皆様方のご意見をお聞きした上で判断しなければいけないと思っています。
その点で、この間、長崎市議会議員の方とか、大村市の松本市長からも提案がありましたけど、県民投票というか、投票で決めたらいいんじゃないかというような話がありましたけれども、それについてはどういうふうに考えられていますか。
県民投票というと、それも一つの方法なのかもしれませんが、県内8地域で聴く会というのも、これは県議会の方で開催していただいて、我々も同席をさせていただき、直接、県民の皆様方のお声をお聞きした、パブリックコメント等もさせていただいた。そうした中で一定のご理解がいただけているのではないかと思っておりますので、そこまでは考えておりません。
先日の大村市長さんのご発言にもありましたように、やはり地域の皆さん方はそれぞれ県庁移転の場所を含めていろいろな思いがおありなのです。県北・島原地域の方々は、せめて県央地域まで持ってきてくれないかというようなお話があるわけでありまして、県民の皆さん方のご意見を聞いて、その中心となる点が移転先だという選択肢があれば別ですけれども、なかなかそういった時点のご意見で判断するという時期にはもう既にないのではないかという気もいたしております。
8.大島大橋の無料化について
先ほどの大島大橋の話で、財源の捻出が必要ということについて、採算性ありと判断した上でということなんですが、今、その採算性を見た上で往復600円という金額で、将来の返還できるお金から換算して600円という金額が出ていると思うんですが、この採算性ありということは、どういった形で、どういう形の負担なら県民とか市民の方に理解できるか、これから説明が必要になってくるというような認識でよろしいんですか。
採算性という問題ではなくて、今、未償還金が37億円残っています。これは今後の有料期間で解消していくべき金が残っているわけでありますが、無料化するということは、それを解消しなければいけない。その財源をどう捻出するかというのが一番大きな課題なのです。
そういった中で、県は確かに前回の料金低廉化に伴って出資金の一部を崩して、料金を700円から300円まで低減してきた。今、300円の通行料金をいただいてそれを償還しようとしているんですが、その300円もいただかないということになると、県の方がどういった形で財源を捻出するか。出資金等をすべてつぎ込んでも足りない分がありますので、そうしたところを含めて地元市の方とどういった協力体制が構築できるか。要は、37億円の財源を県市一緒になって捻出して、その借金を解消しなければいけないということでありますので、その調整に今取り組んでいるところです。
9.上海航路の復活について
上海航路復活の件ですが、ハウステンボスさんがもともとは佐世保での就航を考えていらっしゃって、浦頭での調整がつかないので、時間がかかるということで長崎で県と一緒にということになったわけですけれども、行く行くはハウステンボスさんが佐世保に就航を戻す、全部じゃないとしても、一部かもしれないんですけれども、そういう話になった時に県としてどういうふうに対応していくかまで、今の段階で考えていらっしゃるんでしょうか。
ハウステンボスさんは、できるだけ早く、今のチャンスを活かして航路を開設したいというお気持ちがおありだったと思います。そういう中でできるだけ近い港というと浦頭港でありまして、そこを拠点に活用できないかという検討をされてきたと思っておりますが、前回も申し上げたかもしれません、まずはCIQ体制をどう確保するか。これは人的な配置を含めて大きな課題になっておりますので、これについては国の体制をつくっていただかないといけませんのでやはり相当時間がかかる。そしてまた、ご承知のとおり、国際テロ事件以来、港湾としての安全性の確保ということでソーラス体制をどう確保していくのか。
そういった時間的な調整との中で、既にそういった機能が一定集約・整備されている長崎港、ここはすぐ使える可能性がありますので、私どももそうした状況を踏まえて長崎港を活用していただいてはどうかということで、今回、一定の合意を得て前に進もうと考えているのですが、確かに将来的にはハウステンボスさんは、より近い方がいいというお考えもおありになるかもしれません。
その時にはやはりまた同じような港の調整が必要になってきます。佐世保市さんも、現状を踏まえるとなかなかすぐに対応できるという状況ではないというお考えのようでありましたので、将来、佐世保港の港湾機能の整備が進められて、そういった機能が集約されるというようなこともあり得る話であります。そういった場合にはその選択肢の一つとして佐世保港を活用するという方法もあり得る選択肢だろうとは思っておりますが、今の段階でそういった話が具体的に進んでいるという状況ではありません。
それでは、以上で知事の定例記者会見を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。
・午後5時30分から午後6時20分(50分間)
・県政記者室
【臨時記者会見】
会見内容
平成23年1月13日 臨時記者会見
会見内容
諫早湾干拓事業に関する質問状の提出について
それでは、私の方から、まず最初にご報告をさせていただきます。先ほど、県議会の閉会あいさつの中でもお話をさせていただきましたが、さきの福岡高裁での諫早湾干拓事業に係る控訴審判決につきましては、潮受堤防の締切りと漁業被害について、合理的な根拠があると私どもは考えられないわけでありますが、因果関係が、さきの最高裁決定(平成17年に、工事差止仮処分事件において、因果関係が認められないとの最高裁決定が確定している)と異なる方向性で認められたということ。
そして、潮受堤防が防災上、あるいは営農上果たしている役割が評価されていない。これは、防災機能は限定的なものにとどまる、営農上必要不可欠とは言えないというような考え方が示されておりました。
さらには、開門に伴う漁業、自然環境への影響が一切評価されていないということなど、地元にとっては到底納得できないような重大な問題を含んだ判決内容であると考えております。
仮に開門が行われるということになれば、これまでも繰り返し申し上げてきたところでありますが、まず第一に、地域の防災機能に重大な支障を生じかねない。
第二に、干拓地の営農、あるいはその背後地の営農に重大な影響を及ぼす。これは、まずは農業用水の確保ができなくなる。潮風害、塩害の危険性があると考えており、そうした問題があると思っています。
そしてまた、最もこの諫早湾干拓事業の影響を被る地域である諫早湾内の漁業に対して非常に大きな被害をもたらす可能性があるということ。
そして4点目に、絶滅危惧種を含む淡水系の生態系に壊滅的な打撃を与えると。
そういうさまざまな問題を引き起こしてくるということをこれまで説明してきたところでありますが、ご承知のとおり国においては、本来これは国営事業でありますので、この間一貫して諫早湾干拓事業の有効性を直近まで主張して、裁判で争ってこられたところでありましたが、地元に対して一切説明がないままに、今回、上訴を断念し、その機会を放棄されたということであります。国の主張や考え方が変わらないのであれば、当然ながら上訴されるべきものであったと考えておりますが、そうした経過について、大変残念であり遺憾に思っております。
仮に、私どもは、開門がなされるということであれば、まず第一に、開門することによって漁場環境が再生をし、漁業被害を解消することができるということが明確な根拠をもって判断されてしかるべきであると思っておりました。開門するとどういう効果がもたらされ、周辺漁場環境の改善につながっていくのかといった筋道が一切明らかになっていない、そういう中で判断されたということが1点。
それからもう一つは、開門すると必ず、水産業、農業、防災、環境に対する重大な影響被害が懸念されるところでありますが、そうした一つひとつの課題に対して、どういう影響が生じ、それを回避するために具体的にどういう対策を講じていくのかという明確な方針が得られた中で判断をされてしかるべきであると思っていました。
そうした論議、説明等がなされないまま、今回、上訴を放棄され、開門の方向性が示されたわけでありまして、私どもにとりましては極めて重大な信頼関係を壊す行為ではないかと考えております。
開門については、地元関係者の理解を得ることが前提とされてきたわけでありますが、そうした、先ほど申し上げた課題について、事前の説明、報告もないままに判断されたわけでありますので、まさに違背行為ではないかと考えているところであります。
したがって、今回、国が上訴を放棄されるに当たり、今回の判決内容並びにその理由や根拠等についてどんな評価をされ、そして、常時開門を行う場合の影響・被害、防災対策等についてどういう具体的な対応策をもって判決の受入れを判断されたのか、その点について、今日、ご同席をいただいております諫早市長さん、雲仙市長さんと一緒に検討させていただき、今回、菅総理に対して質問状を提出することとしたところであります。
質問状の内容については、お手元にお配りしておりますとおり23の項目についてお尋ねをしております。
なお、この質問状は、本日、官邸に配達証明付き郵便にて送付いたしました。
回答は、文書によって1月末までにいただきたいと考えているところであります。
とりあえず、私の方からは以上、報告、説明とさせていただきます。
まず、知事や市長が、首相に対して質問状という形でそういったものを送られるというのはかなり異例なことだと思いますけれども、どうしてこういった手段をとられたのでしょうか。
これは、先ほども申し上げましたように、仮に開門されるとなると、具体的な影響・被害を生ずる可能性があって、そのことについては繰り返し説明をして、慎重に判断をしていただき、地元の同意を前提に検討していただくということを要請してきたわけでありますが、そうした要請が省みられることなく一方的に方向性が示されたわけであります。(上告を放棄すると)判断された後、この間の結論に至った経過等について会って説明したいというお話がありましたが、私どもは、経過についてご報告をいただくということは重大ではなくて、むしろどういう考え方でそういう結論に至られたのか、また、繰り返し主張をさせていただいたにもかかわらず、まだ十分ご理解いただいていないのではないかと思っています。こう考えまして、やはりそのことを判断いただく前にご検討いただくべき内容等も含んだ形で、改めてご質問をさせていただき、ご回答をいただく中で、多くの国民、県民の皆様方にも、この実情を正確に理解していただきたいと考えたところであります。
この質問状の回答は、農水大臣が直接こちらに伺って回答したいというふうなことになるのか。それとも向こうからは紙で受け取るつもりでいるのか。どういった考えでいるんでしょうか。
今回、紙でお出ししましたので、紙でご回答いただきたいというお願いをしておりますが、今日お出ししたばかりでありますので、国の方でご検討された上で、どういうご対応をいただけるのかというのはまだわかっていません。
回答について大臣、副大臣がこちらに持ってこられた場合はお会いするという形になるのでしょうか。
それはこちらからお尋ねした質問についてご回答いただけるということであれば、当然お会いをしてご回答をいただくということになると思います。
こういった質問を出すということは、やはりかなり地元の事情について全国に理解されてないという危機感、そういったものがあるということなんでしょうか。
これまで、繰り返し、繰り返し申し上げてきたにもかかわらず、いわゆる無駄な公共事業の代表であるといった議論があったり、あるいは今回の菅総理の判断についても、新聞報道でありますが、65%の方々がこれを指示しておられるというような報道にも接しました。
ということは、諫早湾干拓事業に係るこれまでの経緯、地元ならではの問題点、懸念される事項等がご理解いただけてないのではないかという思いを強くいたしました。
したがって、これまでほぼ申し上げてきた内容でありますが、より判決の中に触れられている内容として、私どもの考え方と全く違う考え方でもって判決が出されている部分があります。そういったものを明らかにすることによって、そしてまた、それに対する国の考え方をお示しいただく中で、この諫早湾干拓事業が抱えている地域ならではの課題、問題点について、できるだけ幅広い方々にもご理解をいただく機会になればという思いであります。
質問状に「政府全体として責任ある回答を」というふうに書いてあるんですが、これは農水省だけではなく、もっと幅広いところの関係省庁で考えてもらいたいというふうなことですか。
諫早湾干拓事業は、農林水産省の事業として展開されましたが、内包する課題は、先ほど申し上げたように、農林水産業だけではなくて防災上の問題、環境に及ぼす影響の問題、さまざまな課題があるわけであります。
また、法律上の解釈の問題であるとか、特にこの中にも入っておりますが、(国は、事業着手前に予測される損失について、本県だけでなく佐賀、福岡、熊本の関係漁協・漁連に対し、)一たん漁業の影響補償を行った。そのことについて一定の法令判断が示されて因果関係を認めた上で、影響補償と個別の漁業者の漁業行使権とはまた異なるんだというような判断がなされております。これは非常に大きな課題を含んでいるのではないだろうかと思っております。
県もいろんな公共事業をやってきましたが、例えば、港湾事業などでも漁業影響補償等は行ってきているわけです。その補償契約を締結するのは漁協でありますが、漁協と締結した漁業補償が個々の漁業者にとっての漁業行使権を制約するまでには至らないんだという判断になると、これは全く別の問題もまた生じてきかねない要素をはらんでいる内容でありますので、そういったさまざまな内容について、どういったご判断をなされて今回の結論に至られたのかということをお尋ねしたいと思っているところです。
今回、農水省は上告する方向で、最終的に首相判断で見送られたということですが、そういった中で経過というのは首相が判断されたものなので、それを説明してくださいと言ってもなかなか難しい状況なのではないかと思いますが。
私どもは、当然ながら、地元に対して重大な影響、被害を生ずる内容を含んだ判断でありますので、当然、事前にご説明なり、ご報告があってしかるべき課題であったと思っておりますが、そういうことでなくて判断されたわけでありますので、一切うかがい知るところがないわけです。
したがって、どういう考え方に基づいてそういう結論に至られたのか、そのことをまず十分お聞きする必要があると考えて、ここにそのご質問をさせていただいているということです。
その質問状の回答があった場合なんですが、それは今後どういう形で活かされるとか、例えば、農水大臣と面会するかどうかということの判断材料になるんでしょうか。。
それは農林水産大臣からどういった内容で話したいということになるのかだろうと思います。これまでもこうした結論に至った経過なり、今後のことについて相談したいというお話がありましたが、結論を得られた経過、あるいは今後のことについてお話をするような状況ではないと判断をいたしております。
したがって、こういう形でご質問をし、それについてご回答をいただくということであれば、当然お会いをする必要があると思っております。
この質問に対する回答があって、それが納得できるような内容であれば、農水大臣から面会の申し出があった場合に会うということでしょうか。
まずはご回答をいただくということであれば、当然、お会いしなければいけないだろうと思っております。その後のことについては、回答の内容次第であります。
質問状を出すというのは、知事のご発案なんでしょうか。それともどなたかのアドバイスとか要望があったのでしょうか。
皆さんと一緒にいろいろこの間、相談をさせていただきました。訴訟を検討しようというお話があったり、どういう形でこれから対応をしていけばいいのか、そういった中で公開した形でこうした質問状を出させていただくというのも一つの方法ではなかろうかということで検討をさせていただいてこういうことになったわけです。
訴訟に向かう上で一つのステップになるんでしょうか。
必ずしも訴訟のためのということは考えておりません。正直申し上げて、これまで申し上げてきたこと、地域の実態というのをどの程度ご理解いただいた上でご判断いただいたのかということをまずお知らせいただきたいというのが、こうした質問の主な内容と趣旨になっております。
同時に訴訟をする上でも必要なものであるわけですか。
訴訟に対してどういう影響をもたらすかというのは、今のところ、全く想定しておりません。
1月末に回答の期限を切られたのはどうしてでしょうか。
既に一定のお考えのもと、結論を出された話であります。その状況をお示しいただきたいという質問でありますので、さほど時間がかかるようなことではないと思っておりまして、そういう形にさせていただきました。
環境アセスがまだ中間報告も出ていないことなどを理由に答えられないとか、もしくは県や諫早市、雲仙市が納得できないような回答が返ってくるような気がするんですが、そういうふうにはお考えではありませんか。
それはご回答をいただかないとわかならい話です。確かに、現在、環境アセスメントが実施されている最中に一定の方向性をお示しになられたということが私どもにとっては一番疑問に思うところでありますし、これからの環境アセスメント自体、どういった方向性で進めていこうとしていらっしゃるのか。これまでは環境アセスメントの結果を科学的、客観的に検証しながら慎重に検討するというお話であったにもかかわらず、その最中にこうした決定をされたということでありますので、今後進めようとされる環境アセスメントは、本来の環境アセス手続きに基づいて本当に客観的にやっていただけるのかということ自体も疑問が生じます。
上告を断念したことに対する気持ちとかは、これまでも伺っているんですが、この質問状を出さざるを得なくなったことについては、どのようにお考えでしょうか。
私どもが、さまざまな点について危惧をし、また、こうした問題点があるからということを説明してまいりました。それについて説明があり、回答があった上で、一定、方向性が示されたのであれば、それはそれとして評価すべきところもあるのだろうと思いますが、全くそうしたことについての方針なり考え方についての話はありませんでした。
したがって、改めてそれをお聞きすることが、まずはすべてのスタートになるのではないかと思っています。
したがって、改めて私どもが問題点であり、大きな課題だと思っている点について、文書をもってお示しをし、それについての回答をいただく必要があると考えております。
文書での回答ということですが、上告を求める知事が2度にわたって上京された経緯がありましたが、直接、総理と面会して、この理由について、上告を断念した理由について聞くというようなことを検討されたんでしょうか。
その点については、これまで、こうした理由をもって開門を避けていただくようにという要請をしてきたわけであります。最後の最後まで要請をいたしましたが、結果としてそれに応じず結論が出されたわけであります。こういう考え方で開門するんだというご説明もありませんでした。結論が確定した後で、こうした判断に至った経過、今後の取り扱いについてご相談したいというお話がありましたが、それは少しお話が違うのではないか。まだ我々のこうした疑問点についてお答えいただく、あるいは一つのそうした結論に至った状況について、個々の諸課題についてどうお考えになっているのかということはお話をいただいておりませんので、改めて、我々が訴えてきた疑問点、問題点についてお考えをお示しいただくのが先ではないかと考えております。
国の方から、要するに、理由を一方的に説明を受けるのではなくて、こちらから、県として疑問点をまず質問して、それについて答えてもらうという違いがあるわけですね。
そうです。
この質問状と別にして、これまで首相が上告断念を表明した日と、あと、12月に知事が定例会見をされた日と、2回、農水大臣から面会のアプローチがあったやに知事からお聞きしていますが、その後、農水省からはあったのでしょうか。
年明けにも事務的なお話はありました。
それは農水大臣が長崎に来られてお会いしたいというようなアプローチがあったと。それについても知事は開門ありきの話では会うことはできないと。
先ほども繰り返し申し上げたように、今回、こういう結論に至った経過について報告をし、そしてまた、今後の取り扱いについて相談をしたいというような趣旨のお話でありましたので、昨年末から申し上げておりますように、いまだ、地元としてはそうしたお話をお受けできるような状況ではないということでお断りをさせていただいてきておりました。
あと、先日、知事が上京された次の日に会見された時に、農業公社による訴訟も一つの手段だ、選択肢であるというふうなお話をされましたが、それについては今もそのお考えにお変わりはないという理解でよろしいんでしょうか。
まだ明確に意思決定をしたわけではありませんが、地元の関係団体の皆様方と今後の対応方針等について協議をする場がありました。それぞれ農業者の方々、漁業者の方々、あるいは地域住民の方々も、いろいろな課題について懸念をされており、また、心配をされており、何としても開門がなされてはならないという強い意見ばかりでありました。
そうであれば、今後、どう対処すべきであるのかといった中で、やはり訴訟をもって結論が出された話でありますので、それについては訴訟をもって取り組んでいく必要があるのではないかという話がなされたのは事実であります。
したがいまして、漁業者の皆様方、農業者の皆様方を含めて、具体的にこれからまた訴訟可能性について検討した上で取組を進めていくということになろうかと思いますが、今の時点で明確にこういう枠組みで訴訟をするというところまで決まった状況ではありません。一つの方法だろうと考えております。
この質問状を国と県との間の関係じゃなくて、公開質問状という形にした理由については。
それは冒頭申し上げたように、この間の国とのやりとり、あるいは諫早湾干拓事業に対する幅広い方々の受け止め方、やはりどうしてもこの諫早湾干拓事業に係る地元の事情というのが十分ご理解いただけていない。これは非常に専門的な分野もありますし、地域ならではの課題もありますし、そういったところが十分ご理解いただけてない中で、例えば先ほど申し上げた「無駄な公共事業の典型である」とか、あるいは判決の中にも触れられておりますように、「天気、気象予報によって閉めてしまえば災害を防げるではないか」とか、もう非常に実態を理解していただいてないような議論のもとに話が進んできている状況にあるわけですね。
いま一度課題を整理し、仮に開門されるとすればこんな問題点がある、それについてどう評価されたのか、そこを国からご回答いただき、そのことをまた幅広い国民の皆様方にも理解をしていただくきっかけになればという考えによるものです。
県側の考えているような懸念だとかというのは、いまいち世の中に広がっていないというような認識でいらっしゃるんですか。
やはり諫早湾干拓事業のこれまでの経緯、現状、開門されることによって生じるさまざまな課題と、それともう一つは開門について漁場環境の改善に結びつくのではないかという期待感があるのも事実でありましょう。しかしながら、そうした部分について十分科学的な分析がなされて、間違いなく環境改善に役立つんだといったような議論の経過もないわけですね、判決を見ますと。
したがって、我々にとっては、仮に開門されるということになると、相当の対策経費が必要になってくる。なおかつ、相当の対策経費を投入して、また被害を懸念しながら開門して、その効果が得られるのかどうか。これはさきの農林水産省の中長期開門調査の時も莫大な経費をかけて調査を行っても、この具体的な因果関係を証明するということは難しいんではないかということで調査が見送られた経過があるわけでありますので、そうした経過等についてもほとんどご存じないんではないかと思うんです。一番ご存じなのは農水省の方々なのであります。改めて、そうした点についてどうお考えになられて今回の判決を評価されたのか、その辺について、やはりしっかりとしたお考えをお聞かせいただきたいと思います。
それによって長崎の懸念がすごく重大であることだとか、首相の判断の根拠とか裏付けが不十分であるというようなことを世論に喚起するというような意味も込められているんでしょうか。
それは、漁業者の方々が漁業不振にあえいでいて、長崎だけだだをこねるんじゃなくて、一度ぐらい開門してもいいんじゃないかというような、非常に第三者的にはそういう議論もあると思うんです。私自身もそういった声も聞くことがありました。そこはやはり開門した時にどういう問題が出てくるのかというのをご理解いただいてないからそういう話になるんだろうと思うんです。単純に高潮被害を防止するための堤防であるとか、そういったものであればいろんな選択肢があると思うんですが、今回の諫早湾干拓事業の潮受け堤防というのは、まさにいろんな複合的な役割を担った堤防であります。そしてまた、地域ならではの特別な状況、大潮・小潮があって、潮汐の移動が大幅な形で変動していく、そういった特別な要因を抱える地域であるとか、周辺の漁業がどういう形で展開されているのか、これまでの調査の中で具体的にどういった被害が実際に生じた経過があるのか、そういった部分について、やはり幅広い方々にご理解いただいて、それで今回の問題をお一人おひとり十分実態を踏まえていただいた上でご評価をいただきたいという思いがあります。
今回、質問状を上げましたけれども、この質問状を出されて回答が来るまで、そのほかの形で国に対して何らかのアプローチを図るということは、今考えていらっしゃらないんですか。
考えておりません。
先ほど公社の方が訴訟としてやるかもしれないというような話についてお考えは変わっていないかという質問に対して、知事は「まだ明確に決まったわけではない、一つの方法である」と少しトーンダウンしたような感じにも受けとれたのですが、そうではないのでしょうか。
いえ、決してそういうことではありません。これは農業振興公社だけではなくて、実際干拓農地において営農を展開されている方々もいらっしゃるわけでして、非常にやはり風評被害の面を含めて心配されております。数多くの取引業者の方々と安定的な取引が実現できるよう努力されてきたんですが、「本当に農業用水がなくなったらどうなるんですか」というような話がもう既に出ているような状況でもありますので、先ほど選択肢の一つであると申し上げたのは、やはり関係団体の皆様方と協議をさせていただきながら進んでいこうとしておりますので、今の方向性は従前と全然変わっておりません。トーンダウンしたわけではありません。
進んでいる、こちらはこちらの方で準備をしているわけですね。
はい。
すみません、関連してなんですが、その訴訟の準備という点では、例えば営農者一人ひとりですね、漁業者一人ひとりが原告になる資格というか、原告となれるかどうかという、そういったところの検討も必要かと思います、それはまだ現時点で被害が発生してないからですね。そういったところの検討というのはされているんでしょうか。
それは開門されることによって具体的な影響を被る、被害を被る立場である人たちはたくさんいらっしゃるわけでありますね。諫早湾内で漁業を営んでおられる方々、これは開門されると漁場環境が相当荒廃する可能性があります。
農業を営んでおられる方々、これは今回の新干拓地にとどまらず、後背地を含めて排水条件が整備されているので、従前の水稲中心の栽培から畑作、施設園芸に大きく転換して積極的に取り組みを進めておられる方々が数多くいらっしゃるわけです。農業用水が確保できないということになると、もう致命的な課題を抱えるということになりますので、そうした方々は少なくないと思っております。そうした方々は、やはり開門されることによって、目の前に被害が想定されるような状況に直面しているわけでありますので、原告としての適格性を審査するというような難しい判断は必要ないのではないかと思います。
訴訟はまとまって起こされるような形になっていくのか、それとも複数の訴訟が提起されることになっていくのか、どちらなんですか。
そこまではまだ具体的には組み立てておりません。
すみません。知事は次の時間がありますので退席をさせていただきますけれども、今日、両市長もお見えになっておりますので、一言ずつお願いをしたいと思います。まず、諫早市長から。
諫早市長です。知事がおっしゃったとおりなのですが、今度の判決の中身でも、今、知事も触れられましたけれども、背後地、干拓地でございますから、基本的には海抜ゼロメートル以下にこの背後地というものはございまして、そこには既に多くの人が住んでいるわけです。その点について、判決は何も触れられておりませんし、防災効果も限定的なものと。今、地元ではそういうもんじゃないよという憤りが非常に強いです。そういうことで背後地の問題、それから今度の高裁の裁判の中で、私ども背後地に住んでいる人、それから行政、漁民、諫早湾内の漁民が証人として申請をしていただけなかった。その実情を訴える場さえ奪われてしまったというようなことで、非常に不満もあり、不安もありというようなところでございます。
一つは3月には環境アセスが終了をし、5月には中間報告があるというふうにお伺いしておりましたので、もし判決が一審と同じような判決が出れば、上告、上訴は当然のことという理解をこれまでもしてきたところでございます。そういったところで、今回、リーダーシップと言われていますけれども、そういうことでこういう結論になったと、裁判の結論ですけれども、そういうことで確定をしたということは非常に不満でもあり、不安でもあるというようなことでございます。
これは県も一緒ですけれども、政権もかわりましたし、私どもは首相のリーダーシップで、第三者の中立的な委員会を、有明海の疲弊の原因を探す第三者の中立的な委員会ができるんじゃないかと、ずっと訴えてまいりましたけれども、そういうことで受け入れをしていただけなかった。
いろんな政府・与党の検討チームというのは、昨年3月から約2カ月ですか、活動されましたけれども、その中でも筑後川大堰とか、ノリの酸処理の問題とか、三池炭鉱の問題とか、熊本新港の問題とか、雲仙普賢岳が影響しているんじゃないかとか、いろんなことが言われていますけれども、そういった疲弊の原因、諫早湾干拓だけじゃないだろうというようなことを言われていまして、そういったものが、やはり一つの省庁だけでは難しいんではないかということで、私どもとしては内閣直属の、または環境省が主体になった中立的な委員会をつくって、そこで検証をしていただけないかというような思いで訴えを続けてまいりましたけれども、これも聞き入れていただけなかったということで、非常に残念な思いをしているということでございます。
その質問状について、中身については、もう知事がおっしゃったとおりでございます。地元の特別な理由というのは、低平地に人が住んでいるということです。干拓というのは埋め立てと違いますから、海底が陸地になりますから、そこに住んでいる人が800世帯以上いるというような事実をどう考えておられるのか。開門をすると、その人たちにつきましては、非常に身体、財産の危険性が迫ってくるのではないかというふうに思っておりますから、そういう意味では非常に残念な確定であったというふうに思います。
これは国がやった事業でありまして、県や市がやった事業ではない。それが完了したわけですから、うちからも13経営体という経営者が意欲を持って入植していったわけでございますし、また、うちには背後地に1,200戸、450ヘクタールの住居や農地がございます。こういった方々は、少なくとももう完了したということで、安心・安全は守られたと思って、非常にしっかりした新しい生活を始めよう、あるいはまた農地の展開を始めようと思っていたわけでありますから、ここに対しまして、少なくとも地元に対する説明もなく、リーダーシップといいますか、首相の決断でやられた。
ですから、12月20日に知事ともども我々は、上告を断念しないでくださいということをお願いに行ったわけでありますけれども、その時にも明確な答えもなく、説明もなかったわけであります。
ですから、少なくともフロントでやっております地方自治体の我々、一番住民と身近に接している我々にすれば、その説明をきちっと皆さん方に理解していただかなければならないということでありまして、その説明をまずするためには国から、回答を引き出すということが必要でありますので、今回、この行為に走ったわけであります。
最後に、ぜひ報道機関の皆様方にお願いがあります。
確かに今回の福岡高裁判決について、県の動きとして、こうした形で質問状を出したということも一つのニュースかもしれませんが、どういった点について地元が心配をし、どういったことを懸念しているのか、ぜひ、この質問状の内容についてもできるだけ報道をしていただきますようにお願いをしたいと思っております。
地元がどういう状況にあって、何を一番心配しているのか、仮に開門した場合にどういう状況になるのかということを含めて、やはり多くの皆さん方に実情をご理解いただくということも非常に大切なことだと思っておりますので、ぜひ報道方よろしくお願いを申し上げたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
どうもありがとうございました。
・午前10時00分から午前10時40分(40分間)
・特別会議室
【定例記者会見】
会見内容
平成22年12月17日 定例記者会見
会見内容
それでは、ただいまから、知事の定例の記者会見を始めます。
1.諫早湾干拓事業について
おはようございます。よろしくお願いします。
まず、諫早湾干拓事業の福岡高裁判決に対するその後の状況であります。
一昨日、記者会見をさせていただきましたけれども、その後、この福岡高裁判決にどう対応していくかということで、15日の夕方、緊急に対策会議を開きまして、諫早市長、雲仙市長、そしてまた地元の関係者の皆様方と、国の開門方針にどう対応していくかという打ち合わせを行いました。
その中では、地元の方からは、「もし、開門が本当に行われるということになれば国に対する訴訟も辞さない」という意見もありまして、県としても、こうした法的な問題等についても検討を進め、また、相談、支援も行っていく必要があるのではないかと考えております。
また、昨日の県議会において、国の上告放棄に対する抗議を決議されまして、末吉議長が首相官邸を訪問され、決議文をお渡しになったとお聞きいたしております。
こうした状況を踏まえながら、今後、引き続き県議会、あるいは地元関係者の方々と相談をしながら、適切に対応してまいりたいと考えているところであります。
なお、本日もまた、農林水産省から、「何とか農林水産大臣と話す機会を設けることができないか」というお問い合わせがあったようですが、これについては、前も申し上げましたように、結論が既に出されて、その内容に検討の余地がないということであれば、まだお会いできる状況にはないものと考え、これをお断りしたところであります。
私の方からは以上でございます。
幹事社の共同通信です。
今、お話に出ました、農林水産省からそういう打診があったということですが、これは今日のいつごろ、どういう形で、どちらの方に打診があったということでしょうか。
今日、始業開始前の時間に、農林水産省の課長さんから、諫早湾干拓の担当室の方に電話があったということをお聞きしました。
それに対して、先ほどおっしゃったように、下された結論に検討の余地がないなら、まだお会いできる状況ではないという返答をされたということでしょうか。
この開門の問題については、何度も皆さん方にもお話をさせていただいておりますように、現在、環境アセスメントが行われておりまして、このアセスメントの結果を科学的、客観的に検証していただいて、開門については慎重に判断をしてくれと、そしてまた、地元の合意を得た上で開門調査が行われるようにという要請を繰り返し行ってきたところでありますが、今回の結論が出されるに至った経過を考えましても、こうした手順から大きく外れておりますし、我々が最も懸念しておりますさまざまな事項、防災上の懸念、農業用水が確保できなくなるという現実の問題、そして、特に常時開門されるということになると周辺の漁業被害というのが、これは間違いなく想定されるわけでありまして、これらにどう対応し、回避し、また、損害が出た場合にどう対応しようとされているのか、検討をされた様子も見えません。また、そういうお話も今の段階では一切いただけないと思っておりまして、そういう状況の中では、お会いしても意味がないと思っております。
長崎県側の方から、首相官邸などに何か接触を試みたりということはされてはいないのでしょうか。
そういうことも含めて検討はいたしました。本県選出の国会議員の皆様方にも、いま一度、官邸に行って話ができないだろうかという相談もさせていただきましたが、このような一旦結論が公にされた状況では、いかがだろうかというようなお話もあり、これまでも何度も官邸の方にも参って、地元の状況等については説明をさせていただき、何としても上告をしていただくようにという要請を重ねてきた経過がありましたので、断念をいたしました。
今回の上告断念は、菅首相がトップダウンで決めたとも言われておりますが、そうした中で、決めた本人が長崎に来て説明するべきだという声も一部で出始めていると聞いています。
そうした中で、菅首相がこちらに来られる、または東京で会えるということであれば、農林水産大臣とは面会は現在できないけれども、菅首相となら、お会いするという気持ちはおありでしょうか。
ご意向があられるかどうかだろうと思いますけれども、仮定の話にはまだお答えしかねます。
先ほど、県としても訴訟に対する相談、支援ということもということですけれども、県としてどういった相談、支援が可能かということはいかがですか。
今回の訴訟の結果をご覧いただいてもおわかりのとおり、漁業被害と諫早湾干拓事業の閉め切りとの因果関係が認められているというのは、諫早の湾口部及びその周辺地域だというふうに理解をいたしております。
したがいまして、これまでもずっとその考え方は踏襲されてきたんだろうと思いますが、有明海全域にわたってこの諫早湾干拓事業の影響が及んでいるということではないと思っております。ただ、そういったことはこれまでも言われていたところでありますが、諫早湾内、その周辺の漁業者の方々が一番被害をこうむる可能性があるわけでありまして、今の環境を踏まえて熱心に水産振興に取り組み、新たな分野でその活路を見出そうとされている矢先であります。そうした漁業経営に対する影響が生じる可能性があるわけでありますので、そういった方々のお立場。
そしてまた、この間、いろいろな議論を経て干拓農地が完成をし、そしてそれを土地改良事業負担金という形で対価をお支払いした上で農地として取得した県の農業振興公社の立場もあります。そして、それをリースを受けながら、干拓営農に熱心に取り組んで、ようやく経営安定化のめどが立ちつつあるという営農者の方々がおられるわけでありまして、仮に国の方で開門されるということになると、その手法はいろいろあるでしょうが、そういった面での具体的な損害、被害が生ずる可能性があるわけであります。そういう立場からの訴訟というのは、まず、一番因果関係の強い形で出てくるのではなかろうかと思っております。
鹿野大臣との面会を拒まれたことで、今、実際、現実的には協議の土俵がない状態になっていると思うんですが、今回の諫早湾干拓の問題以外に、今後の予算要求の関係とかにも支障が出てくるんじゃないかという声も一部あがっているんですが、そのあたり、国との関係についてはいかがでしょうか。
それは諫早湾干拓事業に関しての話を申し上げているわけでありまして、農林水産省には一切会わないと、すべての件について会わないというような考え方は毛頭ございません。
当然ながら、これまでも来年度の予算の確保等については、それぞれ農林水産省に限らず、お願い等もさせていただいておりますので、そういったお話は当然させていただきたいと思っております。
現在までに鹿野大臣が来県したいという要請は正式に何回ぐらいあったんですか。
文書が1回届きました。一昨日、ファクスで申し入れが1回ございました。
今日で2回目ですか。
連絡は何回かありましたか。
今日の電話が2回目です。
昨日、農水副大臣とかは、先に地元への説明をするべきだったと、対応のまずさというのを認めた形にもとれる発言をされていらっしゃいましたけれども、その発言について知事はどのようにお考えになりますか。
それはやはりこの間も申し上げましたが、この諫早湾干拓事業というのは国営事業なんです。事業主体は国であります。我々が県営事業を行う場合に、いろいろな方針転換等をする際には、まずは地元の皆様方に十分相談をし、報告をしてやってきております。そういう中で、本来ならばこの事業は国の事業でありますので、県の方がいろいろな事情を説明する以上に、国にはご理解いただいているべき事業なのであります。地元としてもそうした声をしっかりお届けしないといけないということで、要請、説明活動を行ってきたところでありますが、これまでの経過を見まして、そうした声を前提にいろいろな検討がなされたというのは感じられないわけでありまして、先に開門を決めて、これからどうしましょうかというご相談をいただいても、我々はそれにそうですかと応じるわけにはいかないというのはご理解いただきたいと思います。我々はそれを繰り返し申し上げてきたところです。
確かに政治決断だったのかもしれませんが、そうした声を踏まえた上で結論を出され、そういった部分について具体的な考え方なり、説明があるということであれば別でしょうが、それにしてもまだまだ環境アセスメントは途中でありますので、したがって、なぜ今、こういった形で結論が下されるのかということに関しては、理解しがたい点であると思っております。
先ほど、官邸に行くことも検討されたが、今はなかなか難しいということをおっしゃっていました。その上告断念当日の地元の緊急集会でも行動で示すべきだと、官邸の方に乗り込んでいってですね、そういう声も出ていたと思うんですが、全国の人になかなか訴えが届かないという部分もあると思うんです、今のままだとですね。そこら辺を今後模索していくということはお考えなんでしょうか。
確かに今回の皆さん方の新聞報道等を拝見していましても、この諫早湾干拓事業そのものが無駄な公共事業の代表例であるとか、あるいはいかにも汚染された調整池の水が有明海に流れ出すとか、よくご理解いただいてないという考え方、表現が至るところにあります。そういった意味ではこれまでも説明に努めてきたところなんですが、なかなか難しい課題だなと思っております。
そういった意味では、これからもこうした事業の内容について、決して無駄な公共事業ではない、地元としてはこの事業が完成したことによって、地域の住民の方々を中心に非常に高く評価をされて、喜んでおられるわけです。しかも、その一方で、先ほど申し上げたように因果関係が認められないような方々を含めて、この諫早湾干拓事業が失敗であった、無駄な公共事業の象徴であるかのような論議がいまだになされるということに関しては、これは我々も努力をすべきでありますけれども、事業主体である国の方でももっと理解していただきたい。そのトップである総理は、さらに理解をしていただき、そうした説明責任を果たしていただくべきではないかと思っております。その点については、極めて残念でなりません。
そこの思いはすごくわかるんですが、それを総理に伝え、もしくは全国の人に伝えるという行動はお考えではないですか。
これまでも繰り返し官邸に対して要請をさせていただきました。
そういった中で、直接お会いすることはできませんでしたが、官邸の方々にもきちんとお話はお伝えしてきたわけでありますので、決して直接会わないから話が伝わらないということではないと理解しております。
ただ、最終的に判断をなされたのが総理であるということであれば、総理とお話できる機会があるかどうかというのは、これからのお話だろうと思います。
諫干でもう一点だけ。県として国との争いの中で、例えば佐賀県がこの前、自治紛争処理みたいなことを申請されましたけれども、県としてはそういった国との争いの中で、何か今後の対策みたいなものは考えておられますか。
地方自治体として国との関係で特別な関係と考えられますのは、この諫早湾干拓事業、これは農地造成事業、潮受堤防の事業を含めて、事業主体の国に対して地元負担金を支払ってきた立場であります。
したがって、そういった事業の効果そのものが所期の目的を達成できないような状況にある中で、どういった対応が可能であるのか。
それともう一つは現在の状況ですが、この干拓調整池のほぼ半分ぐらいの、これは管理委託を受けている、管理を委託されているという立場、そして、排水門の管理等を含めて国から委託を受けてこの業務を行っているという立場。
大体こういった立場に集約されるのではなかろうかと考えております。
したがって、こうした面について、今後どう対応していく余地があるのか、それは検討をしているところであります。
それともう一つは、先ほど申し上げましたように、事業が完成をし、農地の配分を受ける。土地改良事業負担金を負担して、この農地を取得したのが、ご承知のとおり、長崎県農業振興公社であります。この立場から言いますと、当然ながら、農地として安定した農業用水の確保もでき、防災効果が十分に発現される中での営農が営める前提で配分を受け、リース事業を展開している事業主体でありますので、これが所期の効用を果たさないということになると、どういう対応が可能であるのか。主に県の関係で申し上げますと、そういった点に集約されるのではなかろうかと思っております。
先ほど、総理はさらに理解して説明責任を果たすべきじゃないかという話があったんですけれども、官邸とか、菅総理周辺の話では、菅総理は事業に最も詳しいと、誰よりも詳しいという話が繰り返されているんですが、そのあたりの見解について知事はどのように考えられていますか。
たびたびお越しになられて諫早湾干拓事業を視察されたというのは、私も存じ上げておりますが、我々は地元に住んでいるわけでありまして、日々の生活を通してこの事業の効果等も実感してきております。なおかつ、開門をするということになると、さまざまな具体的な場面が想定され、それについて強い危惧の念を持っているわけであります。したがって、そうした疑問に一つ一つお答えいただけるのかどうか、そこまでお詳しいのかどうか、それはまだ私も存じ上げませんが。
繰り返しになりますけれども、少なくとも、この間、事業主体が国として展開されてきた事業であるわけですので、国のお立場としては変わらないと思うのです。より内容を掌握しておられるということであれば、そうした状況を踏まえて適切にご対応いただけないかと思っております。
今のことに関連して、総理の説明責任に関して、中村知事は、先ほどもお話がありましたけれども、どういった形での、そういった説明というのを一番求められますか。
私は、農林水産省と官邸と総理との関連でありましょうけれども、農林水産省とは一緒になってこの事業を推進してきた立場であるわけです。
したがって、この事業の本来の性格、どういった思いで推進されてきたのか、そのことについて地域の住民の方々がどう受けとめているのかということも含めて十分ご承知いただいていると思うのです。そういうお立場が国のお立場だと思っております。そういった内容について私どもが改めて説明する必要は一切ないと、本来はですね。そういう立場、関係であるべきだと思っております。
先ほどの訴訟の話でもうちょっと聞きたいんですが、訴訟するとなると損害賠償という形になるんでしょうか、それとも別の形が考えられるんでしょうか。
これからどう組み立てていくのか、全くまだ決めておりません。法律的な関係等も精査しながら、どういう形なのか検討していかなければいけないと思います。
具体的に開門されるということになると、これまで申し上げたように、判決が常時開門ですから、常時開門をすると、間違いなく漁業被害は出てくるものと思っております。そういう当然ながら想定される被害に対してどう対応していくのかという観点からの訴訟になってくるのではなかろうかと思っております。
これは当然ながら、県は訴訟主体になり得ない立場でしょうから、私が前もって事細かに申し上げるのはいかがかと思いますが、恐らく訴訟を検討するというようなご発言をお聞きしまして、そういうお立場からの訴訟提起を検討されておられるのではなかろうかと思っております。
鹿野大臣がお会いになられるという要請の中に、今回の説明の話と別に、もう一つ今後のことについて相談したいという内容が含まれていたと思うんですが、今後の話という中には、当然、補償の話という部分も含まれてくると思うんですが、県としては、あくまで開門するという判断を変えない限りは話し合いに応じないのか、それとも今後の補償の話が出た場合には、補償なり開門の仕方とか、そういう今後の話については応じる準備というのがあるのか、そのあたりはいかがでしょうか。
開門しますよ、損害が出たら補償しますよと、それだけでは不足でしょう。具体的に何か検討された経過があって、議論があって、その結果をお持ちいただくということであれば別でしょうけれども、今、環境アセスメントをやっておられて、どんな影響、被害が想定されるのか、まだ結果は出ていないわけですから。言葉だけで「開門します」「損害が出たら補償します」というだけでは、地元としては不安でいっぱいであります。そうした話には地元の方々も応じられることはないのではないかと思います。
アセスの結果を踏まえるという前提でなければ応じる考えがないということなんでしょうか。
いいえ、アセスの結果が出されないと応じないとか、そういう話ではないんです。実態として、現状どこまでお考えになっておられるのかということを考えた時に、そういった議論というのは一切聞こえてきておりませんし、現地の状況等を踏まえて何らかの照会なり考え方なりのお尋ねがあったかというと、そういうことも一切ありません。そういう中で損害賠償の話があるだろうとおっしゃられても、恐らく具体的な話にはならないだろうと思います。
今後も農水省の方から大臣に会ってほしいという要請が引き続きあるかと思うんですけれども、現段階でお会いされる、それに応じる条件というのはどういったものなんでしょうか。
条件は、特に今の段階では考えておりません。まだ上告期限が12月20日まであるわけでありますので。
もしも上告期限までに、上告も考えにくいですけれども、取り下げる、上告しますというような話であれば応じる可能性は…。
それはもちろん、直ちにお話をさせていただきたいと思います。
逆にそうでなければ応じるのは難しいと。
そういった状況の中で地元に対していろいろと説明をし、要請をしてきた内容について、一切ご連絡もなかったわけです。しかも、私が知ったのはテレビ報道でそれを知ったわけなんです。少しですね、我々が思っていた思いの一端でも斟酌(しんしゃく)していただけたかというところは、ほとんどないのではないかと思っております。それを説明に行くから聞いてくれということは、この間も申し上げたとおり、手順が少し違うんではないかなと思っております。
関連してなんですが、上告期限の20日までに、県だけではなくて地元関係者も含めて具体的な行動をとる予定というか、スケジュールというのは、どうなっているんでしょうか。
まだ具体的なスケジュールというのは承知しておりません。ただ、18日ですか、関係者の方々がお集まりになられて、また相談される機会があるようです。
今、閣議が行われています。多分、この話も出ていると思うんですよ。この閣議でそういう話にならないようにということで、昨日、議長も行かれて、何とかしてくれという話を官房副長官にお話しされたと思うんですけれども、この閣議でもし決定されたとなると、かなりまた厳しい状況に置かれるわけですけれども、そのあたりは何らかの手を打たないといけないんじゃないかと思うんですけど、その点は何も考えていらっしゃらないんですか。
閣議決定事項ではないと聞いております。
政府が、農林水産省、総務省、法務省あたりの関係省庁で、具体的な開門に必要な改修、工事費用とか、そういったことについて検討を始めるようなチームをつくるというような話があるんですけれども、その情報がまず入っているかということと、そういったことを始めることについてお考えを伺いたいと思います。
それは開門を前提にした検討でしょうから、今の段階では、そのことについて申し上げる立場ではないと思っております。
その情報が入っていますか。
それは新聞報道で知りました。
それから、仙谷官房長官が何か、地元の方では協議をした経過があるんじゃないかというようなコメントをされたというように新聞報道で聞いたんですが、正直申し上げて、一切そういった開門等についての相談等がありませんでしたので、どういうことをおっしゃっているのかなと私はちょっと不思議に思っています。
それから、ぜひ皆さん方に私の方からあと1点だけお話をさせていただきたいと思うんですが、漁業者と農業者の対立構図みたいな形で報道されております。
これは、もう少し実態を踏まえた上で、報道のあり方についてもご検討いただければありがたいと思います。農業者と漁業者が対立していると、簡単にいって一番わかりやすい表現なのかもしれませんが、決してそういう状況ではありません。先ほど申し上げたように、漁業者の方々もまた、これから開門によって被害を受けるのではないかということで、何としてもこれは避けていかなければいけないと思っておられるわけでありまして、そういった状況等についても、ぜひ実態を踏まえてご対応いただければと思っているところです。
2.統一地方選挙について
統一地方選挙が来年の春にあるんですけれども、知事は、知事選を通じて不偏不党を掲げて、そして県政を運営していきたいということについて、参院選挙でも、特定の党派、候補を応援することはないと言っていたんですが、統一地方選挙ではどういう対応を、何かスタンスは変わるんでしょうか。
全く同じです。
3.九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)について
今日、JR九州が九州新幹線のダイヤを発表するんですけれども、長崎県としても長崎ルートの関係もありますし、どこに止まるかというのが今日発表になります。そういった面で改めてどのような期待をされておりますでしょうか。
これまでも、佐賀県と一緒になって、この西九州ルートの整備促進に努めてきたわけでありますが、佐賀県の方としても、久留米駅と新鳥栖駅の停車本数、至近の距離にある駅でありますので、新鳥栖駅への停車本数を増やしてくれというようなお話がありまして、私どもの立場からも、JR九州、そしてまた国の方にも要請を行ってまいりました。
実はまだ、久留米に何本、新鳥栖に何本というのは、具体的な数字は確認していないんですが、やっぱり人口規模からいって久留米の方が少し多いんじゃないかというような報道もありました。これからも、当座はダイヤはそういう形で組まれるにしても、これからいよいよ新鳥栖駅が起点になってきますので、佐賀県と一緒になって必要な事については取り組んでいきたいと思っております。
4.県庁舎整備について
県庁舎建設の問題ですけれども、今回、いろいろと動きがあって、スケジュール的なことがいろいろ出てくるかと思うんですけれども、今お考えになっていることだけで構いませんので、スケジュールを含めてお話をしていただきたいと思います。
今考えているところは、これまでと全く同様でありまして、特別委員会でご審議をいただいている状況であります。そしてまた、この間いろんな形で県民の皆様方のお声もお聞かせいただくような機会の確保に努めてまいりました。
これからどういうスケジュールで審議がなされて、そして結論が得られるのか、それを踏まえた上で検討したいと思っております。
それでは、以上で知事の定例の記者会見を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。
・午後4時20分から午後5時(40分間)
・県政記者室
【臨時記者会見】
会見内容
平成22年12月15日 臨時記者会見
会見内容
諫早湾干拓事業の福岡高裁判決に対する国の上告見送りについて
よろしいでしょうか。しばらくお時間をいただきたいと思います。
一連の諫早湾干拓事業にかかわる裁判の状況については、既にご承知のところでありますが、鹿野農林水産大臣が来県されるというようなお話も事務的な照会等が流されているようであります。再度、私の方から、おいでになるとすると、それはどういった趣旨でおいでになるのかという話を確認いたしましたところ、まず、今回、上告はしないという結論に至った経過の説明、そして、今後のことについて、お話をしたいという趣旨の話でありましたので、結論が変わるということはないのか、その結論に基づいたお話なのかという確認をいたしましたら、そうでしょうということでした。したがって、今回は、私どもとしてはお会いできませんというお話をお伝えしたところであります。
もともとこの諫早湾干拓は国営干拓事業であり、事業主体が国であるわけでありまして、そうした事業について重大な変更等があるとすれば、まずは地元に事前に十分な説明があってしかるべきだと考えているところでありますが、これまで繰り返し申し上げたように、一切相談、報告もありませんでした。私どももテレビ報道で初めてその方針をお聞きしたところであって、大変遺憾であります。したがいまして、そうした趣旨をお伝えしたということをご報告させていただきます。
とりあえず、私の方からは以上です。
今、お話になられた、結論が変わることはないのかというのをお話になられたのは、直接農水大臣とお話になったのか、それとも事務方ですか。
事務方ですね。
明日お会いにならないということで、農水大臣も来られないということでしょうか。
いや、わかりません。
何かそういう話が向こうでされたみたいなんですけれども、農水大臣が会見されて。
今後、どういう手段で開門反対というのを伝えていかれるお考えでしょうか。
それはもう開門するという結論が国の方で出されたわけでありますので、地元としては被害を防止するためにどういった手法があるのか、これは関係者の方々がいらっしゃるわけで、営農をされている方、漁業を営んでおられる方があられるわけで、そうした方々に具体的な影響、被害が想定されるわけでありますので、そうした方々と相談しながら、今後どのように対処していくのか決めていく必要があるんだろうと思っております。
行政は、確かにこれまで国営諫早湾干拓事業の地元県として、事業の達成までは相当の地元負担をしながら事業の完成を目指して取り組んできた事業でありまして、上告をしないということは、即ち開門されるということになると、そういった面で具体的な危機的な状況に直面することが当然想定されるわけでありますので、どういった方法があるのか、行政としても相談はしないといけませんし、また、営農者、漁業者、住民の方々ともその意向を酌んで対応しなければいけないと思っています。
今回は、抗議の意味を込めて会わないというふうにとらえていいんでしょうか。
結局、手順が違うのではないかということを申し上げているのです。一方的に結論を先に出されて、その結論に応じた説明をしたいというお話は、なぜそれを今聞いて、それに基づいて地元として考え方を整理し直す必要があるのかということに、違和感を持っております。
仙谷官房長官は、政権交代の成果であるという言い方をしていますが、この支持率が低迷する内閣の政権浮揚策として諫干が使われたんじゃないかというふうな見方をする人もいますが、知事はどう受け止めていらっしゃいますか。
それは中央の方で政治判断とこの裁判に対する対応というのは、2つの大きな選択肢があったんだろうと思うんですね。前回、鹿野農林水産大臣にお話をした時も、上告の期限は20日。したがって、この裁判に対してどう対応するのかといった課題。そしてまた、政治判断をどう行っていくのかというその2つの課題については、これから十分に検討をしていくというお話であったわけですね。
その政治判断の部分については、これは政権交代後、大臣も何人もおかわりになられて、その都度微妙にお話も変わってきたところがあるんですが、そういった部分については一貫して我々は地元としてお願いするべきことをしっかりやってきたつもりなんです。それはどういうことかというと、今、環境アセスメントをやっている最中であるわけです。さきの開門に係る検討委員会の報告がなされたのですが、この時には今の有明海の漁業資源の減少にはさまざまな要因が複合的に関連しており、環境アセスメントをしっかりとやった上で、なおかつ地元の同意を得てやるんだというようなお話だったわけですね。
したがって、我々は政治判断についても、そうした環境アセスメントの結果を踏まえて、科学的、客観的な事実に基づいて慎重に判断をしてもらいたい。そしてまた、地元の同意なくして、一方的に開門調査がなされるようなことがないようにというのは、繰り返しお話をしてきたわけであります。
当然ながら、大臣の会見等の場でも、地元の同意が必要だというようなご発言もたびたびあっておりました。したがって、そういった面では、ご理解いただけたのではないかと、こう思っておりましたが、今回は、その高裁判決が出たということで、国が訴訟上の対応を判断されたわけです。この分については先ほど申し上げたように、国営干拓事業でありますので、本来であれば国の方で地元のことを考えた上でご判断をいただくべきところでありますが、これについても地元の方々に対する説明が一切ないままに、結論が出されたということについては、繰り返し申し上げるように大変遺憾であります。
その地元への合意を得た上でという部分と、科学的・客観的な事実に基づいて判断したという部分なんですけど、今回、ことごとくそれを受け入れずに政治決断したという形になったわけですけど、何でそういうことになったんだというふうに考えられていますか。
それはこれまでも大臣がおかわりになる都度、微妙に、よって立つところが変わってきていたと思うんですね。赤松農林水産大臣は、開門を前提に検討するというような話もたびたび聞こえてきましたが、赤松大臣にも一貫して申し上げました。そしてまた、山田農林水産大臣は、やはりこの環境アセスメントを踏まえた上で判断しないといけないだろうというようなお話もお聞きしておりました。鹿野農林水産大臣も、諫干の着工の時の担当の大臣もなさっておられたということで、経過については一番お詳しい方でありましたし、そういった姿勢で臨んでいただけるものと思ってきたところですが、これが全くそうした議論とまた異なるような判断がなされたわけでありまして、それをどういった趣旨で判断されたのかというのは、私からは理解しかねると申し上げる以外にないです。
これで、面会しないことで、県側の強い抗議の姿勢というのは伝えられると思うんですが、それを裏返して、営農者の方々の思いだとか、そういったのを相手に伝える機会がなくなるというリスクも裏返してございますよね。
いや、それは、これまで何度も営農者の代表の方、漁業者の代表の方、住民の代表の方と何度も何度もお伝えしてきています。
ですから、最終的に判断をされる前に、現地の状況を踏まえた上で判断したいというように最初は聞いておりました。そうであれば、改めてやっぱり現地を踏まえていただいて説明も申し上げなければならないと、こう思ってきておりましたけれども、先に結論ありきで、この間の経過について説明する、あるいは今後の事項について相談をしたいということであれば、一定の結論を前提にしたお話は応じがたいと思っております。
今後、交渉なり協議のテーブルに着くための条件みたいなものは、今、想定しているものはございますか。
今の段階では個別、具体的な条件なんていうのは考えておりません。
ということは、今後も会うめどというのは全くないと、今の段階では。
これは先ほども申し上げたように国営干拓事業で、県の関与というのは、これは地元負担金を負担したと。しかも事業は終わっている。そういう中で、何らかの特別の立場として関与していける分というのは非常に難しいと思っております。
そこはやはりこれまでも要請の中で、農業者、漁業者の方々が、そういう判断が出るようであれば訴訟も検討せざるを得ないというところまでお話をなさった経過もありますので、それも私の方から予断を持って申し上げることはできませんが、そういった手法も含めて、これから地元の方々がどう判断されるのか、それに対して行政がどう対応していくのかということになってくるものと思っております。
今後、国の方が農業用水の確保であったり、防災面でこういう対策をしますというのを出してくると思うんです。その説明は聞かれるんですね、県としても、当然。
それは、開門を前提に手順が進められる、それは先ほど申し上げたように、県は権限がない立場でありますので、お話があるとすればお聞きすることもあるだろうと思います。
そこで、これだけの事業費や対策費がかかりますという時に、県の出費を求められても、それは一切応じないんですね。
県の出費は考えられないと思います。国の方でも当然そういうことはお考えになっておられないものと思っております。
国の方からは、そういった具体的な話はもう来ているんですか。
一切ありません。
こういうことをする、費用がこれぐらいかかるというのは、ないんですか。
一切ありません。
これまでの諫早湾干拓事業の長年の経過の中で、この開門調査の問題についても大きな課題として検討されてきた経過があるわけです。これはもう、事業主体の農林水産省で、開門調査を行うべきか否か、非常に難しい議論があって一定判断がなされて、関係地域の方々を含めて、これもご承知のとおり、平成14年の短期開門調査の時には、佐賀県知事、そして福岡県、熊本県の代表の方も立ち会いとして参加される中で、事業は従前どおり平成18年度の完成を目指すことを前提として短期開門調査を行うという合意のもとに、そういう手順が踏まれてきたわけであります。
これはもう菅政権だからこそ、こういう判断になったというふうにお考えですか。
さあ、それは菅政権だから、あるいは別の政権だったらどうなのかというのは、全くわかりません、私の立場では。
この間、上京されて要請に行かれた際に、同行されていた方の中からは、反応が良くないと、要は冷たい雰囲気があると、そういう話が出ていたんですけれども、知事自身は、この間、要請をした、鹿野大臣と話された時を含めて、どういうふうな手応えとか、印象を持たれていたんですか。
受けた印象でもって結論を推定するというのは避けなければいけないと思っております。ご発言の内容に応じて判断すべきだと思っておりますので。前回、例えば農林水産大臣のところにおじゃました折には、先ほど申し上げたように、司法への対応の判断と政治判断、ともにこれから検討していくところであって、関係省庁とも相談をしなければならないというお話でありました。にわかに表情が明るかった、暗かったということでその結論を推測するというのは、これは控えなければいけないと思っております。
上告を待たずに、政治決断で裁判の判決が確定してしまうんですけれども、その確定した判決に対しては、知事は従わざるを得ないということになるんでしょうか。
それは裁判の結果ですからね。裁判の結果には当然従わざるを得ないことになるんだろうと思います。
その中で長崎県としては、どのようなことが地域住民のためにできるとお考えなんでしょうか。
先ほどから申し上げているように、事業に対する関与の中で積極的な立場として関与できる分というのは、行政的には実はほとんどないんだろうと思っています。
したがって、これからは仮に開門されるとなればどういうことが想定されるのか、そのことが地元の住民の方々、農業者、漁業者の方々にどういう影響が予想され、それに対してどう対応していくのかということだろうと思います。
行政の立場からは、もう、地元の国会議員の皆様、県議会、住民代表の方々を含めて繰り返し、繰り返し、地域の事情を説明してきたわけでありますが、それが具体的な成果に結びつかなかったということでありますので、次の段階では、どういう立場でとり得る方法があるのか、そういったことを検討しながら対応していく以外にないのではないかと思います。
開門まで猶予が3年あるということなんですけれども、そうすると、環境アセスの結果が出るのではないかと思うんですが、アセスの結果はもうちゃんと踏まえてほしいというのが思いとしてはあるんでしょうか。
我々は、アセスの結果を踏まえて判断してもらいたいと申し上げてきたんです。なぜアセスも済んでいないのにそういう結論が出されるのかということが、地元にとっては、これまで主張してきたことが一切考慮されていないと受け止めざるを得ないのではないかと思っています。
知事ご自身は、農林水産省から上告するというようなことをにおわせるような、そういったものを聞いてはいらっしゃらなかったんですか、昨日までにですね。
いろんなお話はありましたよ。上告されるのではないかというお話とかですね。なかなかに厳しいのではないかと、いろんな推定判断のお話あたりは聞こえてきていましたが、私たちは直接お話をして、直接お聞きした言葉で動かなければいけないと思っておりましたので、上告されるだろうとまでは考えておりませんでした。
民主党の本県選出国会議員とは、何かやりとりとか、もうされましたか。
一緒にこの間ずっと要請活動等にも支援をしていただきましたので、今回の方向性を踏まえた上で、今回、地元としてもどう対応するかという点を含めて、考え方はこれからお伝えしなければいけないと思いっています。
今日はやりとりされていらっしゃらないんですか。
一部、相談をさせていただきつつあるところはあります。
(文部科学大臣の)郄木義明さんは、内閣の一員ですけれども、そういう上告断念に、閣議で何かするというような話はありますか。
閣議の決定事項になっているんでしょうか。必ずしも閣議決定事項じゃないんじゃないかという話もちょっと聞こえてきたんですけど。そこは精査しておりません。
閣議決定事項ではないという話のようです。
判決が確定して国も現地に説明も来ないとなれば、今後、繰り返しになりますけど、県はとしては、この決定に対してどういう活動なり行動というのがあり得るんでしょうか。
今、この諫早湾干拓事業に関与しているのは、潮受堤防の開門管理等について国から委託を受けて県がこれを行っております。私どもとしては、開門があってはならないという立場でありますので、そういった部分を国の方でどうご判断なさるのかといったことは一つあるんだろうと思います。
あとは、諫早湾干拓事業が完了して、この土地改良事業の農地を適正な機能が期待できる前提で配分を受けておりますが、これについてはご承知のとおり、50億円という地元負担もした上で農地の配分を受けて営農をやっている。この営農が難しくなるという現状に対してどういう手法が考えられるのか、そこら辺も検討しなければいけないだろうと思います。
50億円、そういった金銭面の地元の負担があるんですね、農地配分を受けた時に。この事業自体ができなくなるのであれば、そういったことについても考えないといけないと。
余地があるのか、ないのかというところを含めてですね。というのは、具体的に配分を受けてきちんとした農業用水が確保できて営農が展開できるという前提で配分を受けてきているわけです。ところが、実際、どういう形で営農ができるような環境整備が行われるのか、一切、今の段階ではわからない状況であります。
地元、諫早の方も相当落胆していると思うんですが、知事ご自身で説明に行く予定は。
今日、関係者の方々がお集まりになられて一連の諸課題等について協議をする場が設けられると聞いておりますので、私も出席をさせていただこうかと思っております。
大臣にはお会いにならないということをそこで説明されるのでしょうか。
先ほど申し上げたように、経過の説明だけであればお聞きする意味がないのではないかと思います。
本来は、やはり一番大切にしてもらいたいのは、地元の人たちなのです。農業者であり、漁業者であり、一番影響を受ける人たちでありますので。そうした方々に事業主体が説明なしに結論だけ、しかも、前もって電話なり政府関係機関から話があるのではなく、報道で一方的になされたということに関しては、何としもやっぱり理解しがたいところです。
さっき話があった管理の委託だとか、提訴だとか、そういった措置が何か視野に入っているものがございますか。
既に要請活動を行ってきた中で、例えば、漁業者の方々、これは平成14年に短期開門調査を行ってきた実績があるわけですね。しかも、今回、判決をそのまま受け入れるということになると、常時開門調査ですから、常時開門というのはどういうことかというと、排水門を常時開けておくという話。そうであれば、前回の平成14年の時には非常に慎重に、徐々に、徐々に海水を導入していったんですが、わずか250メートルの開口部で干満を受け止めるわけですから、そうなると相当激しい潮の流れが生じてきます。平成14年の時も具体的に漁業被害が生じて補償がなされたわけでありますので、そういうことを想定すると周辺の漁民に対する影響は計り知れないものがあると思っているわけですね。
それと、農業にしてもしかり、ふんだんに農業用水が確保されているという前提で今、恐らく農地利用率も200%になりつつあると思うんですが、積極的な営農が展開されてきている現状にあるわけです。この農業用水を判決によると、23万トン、これは原告が言うように、河川水、ため池、下水道処理水で確保できる可能性があるみたいな形で判断をされるということは極めて実態を無視した前提の中で結論が導き出されているのではないかと考えざるを得ない。
そうすると、やはり立ち行かなくなって、これまで投資した分を含めて営農をどう維持していくのか、ようやく今の環境に合った漁業を組み立て直して取り組もうとしている中で、また被害を被るということになります。そうした部分をどう回避できるのかというのは、やはり関係者の皆様方も真剣に検討してこられたし、これからも検討していかれると思います。
具体的に提訴だということは、まだ視野には入ってないですか。
ですから、要請活動の中では、漁業者の方々も、営農者の方々も、提訴を含めて検討するというお話はなさっておられました。
営農者、漁業者の提訴の話があったところに対して、どういうふうな対応をするか、県としての、知事としての考えというのは、まだまとまりきれてないんでしょうか。
それはまだ地元の方々が意思決定をされている段階ではありませんからね、その前に県がどうだこうだと言うべきではないと思っております。
気持ちとしては、何らかの支援をしたいという気持ちがあるんですか。
支援するにしても、どういった形の支援ができるのか、なかなか難しいところがありますよね。
ただ、一つ問題は、農地の所有者である農業振興公社、これが県の関係団体なんですね。一番利害関係の真っ只中にあるのはここだろうと思います。
何年もかかってきた話ですけど、なかなか難しいですね。地元の事情を繰り返し申し上げておりますけれども、議論を聞いていると、有明海をきれいにするんだというような話があるんです。本当にきれいになるのか、開門されたことによって漁業資源が復活するのか、そのために600億円を超える関係事業費を投入するということになるわけですが、さきの裁判の中では、そんなに費用はかからない、あるいは漁業被害も生じないというような論理の中であの結論が得られているのであって、非常に今の事業の現状を説明するのは難しいなと思います。
ぜひ、諫早湾干拓事業の現状をご理解いただいて、これから一番苦労するし、また、被害者になるのは地元の方々であると思いますので、お力添えをいただければと思いますので、よろしくお願いします。
