令和元年11月定例会

意見書・決議

定例会を終わって主な質問・質疑会期日程  ●本会議一般質問  ●予算総括質疑  ●意見書・決議  ●議員提案条例

国土強靭化対策の継続・拡充を求める意見書

 近年、我が国では、平成23年に発生した東日本大震災や、平成28年の熊本地震、平成29年の九州北部豪雨、平成30年の7月豪雨、北海道胆振東部地震、本年も台風19号を始め大規模災害が相次いで発生しており、豪雨、高潮、暴風・波浪、地震、豪雪など、気候変動の影響等による気象の急激な変化や自然災害の頻発化・激甚化にさらされている。
 このような自然災害に対しては、事前から備え、国民の生命・財産を守る防災・減災、国土強靭化は、一層、重要性が増しており、喫緊の課題となっている。
 こうした状況を受け、国においては、従来の取組に加えて、災害時に人命・経済・暮らしを守り支える重要なインフラの機能を維持するための対策として、昨年12月に「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」を策定し、予算を大幅に増額し、令和2年度まで集中的に取り組むこととしている。
 本県においても、「長崎県国土強靭化地域計画」に基づき、想定される大規模自然災害の被害の最小化を図る取組みを進めているところであるが、これまで、3度の「大雨特別警報」が発表されるなど、災害の頻発化・激甚化が顕著であり、防災・減災に資する社会資本の整備を早急かつ継続的に進めていく必要がある。
 よって、国におかれては、あらゆる災害の未然防止と発生後の迅速な対応に向け、国土強靭化対策の一層の推進が図られるよう、下記の措置を講じられることを、強く要望する。


  1. 「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」を推進するための、国や地方自治体が行なう対策に必要な予算の総額確保を図ること。
  2. 3か年緊急対策後も、継続して国土強靭化対策を強力に推進すること。また、災害復旧・災害関連予算の確保や補助対象の拡大を図るとともに、国土強靭化のための安定的な財源確保のための措置を講じること。さらに、その配分に当たっては、社会資本整備の遅れている地方に十分配慮すること。
  3. 地方が国土強靭化に資する対策を円滑に進められるよう、緊急自然災害防止対策事業債や緊急防災・減災事業債の継続など地方財政措置制度の拡充を図ること。

 
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 



  令和元年12月20日


長 崎 県 議 会

(提出先)

衆議院議長        大島 理森 様
参議院議長        山東 昭子 様
内閣総理大臣       安倍 晋三 様
財務大臣         麻生 太郎 様
総務大臣         高市 早苗 様
国土交通大臣       赤羽 一嘉 様
内閣官房長官       菅  義偉 様
国土強靭化担当大臣
内閣府特命担当大臣(防災)武田 良太 様



国民が将来にわたり必要な医療・介護を安心して受けられるための
適切な財源の確保に関する意見書

 人生100年時代を迎えるなか、国民一人ひとりが生涯を通じて健やかに過ごしていくためには、住み慣れた地域で、安心して医療や介護を受けることが出来るよう、持続可能な社会保障制度の確立が必要となる。
 しかし、超高齢化社会の影響等により社会保障費の伸びが続き、政府が設置した全世代型社会保障検討会議では、財務省が提案した後期高齢者の窓口負担の引き上げや、外来の受診時定額負担の導入など医療費削減に向けた議論がなされている。
 一律に患者負担増を行えば、軽症時に受診を控えたために結果として重症化に繋がり、国民の健康に悪影響を与えるとともに、却って医療費の増大を招くことにもなりかねない。
 また、国民が安心して地域で生活していくためには、地域の医療機関、介護事業所の安定的な運営が必要だが、その原資は実質的には診療報酬、介護報酬しかないため、個々に十分な手当をしなければ、医療機関等の存続や従事者の安定的確保が出来なくなるなど国民に必要な医療・介護を提供する体制の構築・維持は出来ない。
 更に、加えれば、医療機関の従事者数は平成29年のデータでは312万人と多くの方が従事されており、医療・介護に財源を投入することは、国民の健康だけでなく、地域経済の活性化や医療等従事者の働き方改革に繋がることにもなる。
 よって、国おかれては、国民が将来にわたり必要な医療・介護を安心して受けられるため、国民皆保険制度を堅持するとともに、持続可能な社会保障制度の確立に向けて、適切な財源の確保を強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。



  令和元年12月20日


長 崎 県 議 会

(提出先)

衆議院議長       大島 理森 様
参議院議長       山東 昭子 様
内閣総理大臣      安倍 晋三 様
総務大臣        高市 早苗 様
財務大臣        麻生 太郎 様
厚生労働大臣      加藤 勝信 様
内閣官房長官      菅  義偉 様



HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンに関する意見書

 子宮頸がんは性交渉で感染するHPV(ヒトパピローマウイルス)が原因で、子宮の入口にがんができる症状であり、我が国では年間約1万人が発症し、約3千人がお亡くなりになっている。
 この子宮頸がんの一次予防として、HPVワクチンの予防接種は、平成25年4月に予防接種法で定期接種に定められた。
 しかしながら、当時、HPVワクチンとの因果関係が明確ではないものの、重い副反応が疑われる症状の報告が相次ぎ、同年6月に、厚生労働省から積極的な接種勧奨の中止が勧告され、以後6年以上にわたり、その状態が継続している。
 同勧告においては、「速やかに専門家による評価を行い、積極的な勧奨の再開の是非を改めて判断する」とされていたものが、未だにその後の方針が示されていない状態である。
 HPVワクチンの接種率は、定期接種にもかかわらず、今や1%未満に低迷するとともに、ワクチンの存在すら知らない人も増えている状況にあり、本県においても、子宮頸がんにかかる若い女性が増加している。
 HPVワクチンの接種は、その有効性をWHO(世界保健機関)が認め、強く推奨し、多くの国々で導入されているが、我が国では積極的な接種勧奨の中止勧告の影響により、定期接種としては著しく低い接種率となっている。
 よって、国におかれては、HPVワクチンについて、積極的な勧奨の再開の是非を早急に判断されるよう、併せて、希望者が十分な情報に基づいて接種の判断が行えるよう HPVワクチンの有効性と安全性等についての正しい知識の普及を、これまで以上に積極的に取り組まれるよう強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。



  令和元年12月20日


長 崎 県 議 会

(提出先)

衆議院議長        大島 理森 様
参議院議長        山東 昭子 様
内閣総理大臣       安倍 晋三 様
厚生労働大臣       加藤 勝信 様
内閣官房長官       菅  義偉 様




スマート農業の実現による競争力強化の加速を求める意見書

 農業の現場では、担い手の減少・高齢化の進行等により労働力不足が深刻となっている。また、依然として人手に頼る作業や熟練者でなければできない作業、重労働を伴う作業が多く、省力化、人手の確保、負担の軽減が重要な課題となっている。加えて、農業者が減少する中で、平均経営耕地面積が拡大しており、一人当たりの作業面積の限界を打破することが求められている。
 こうした状況を打破するため、国は2022年度までに、様々な現場で導入可能なスマート農業技術が開発され、農業者のスマート農業に関する相談体制が整うなど、スマート農業の本格的な社会実装を着実に進める環境を整えるため、「農業新技術の現場実装推進プログラム」に即した取組を進めようとしている。これにより農業現場が抱える農業従事者の減少や農業の生産性の向上といった課題の解決が期待されているが、そのためにも各々の施策が着実に現場において推進されなければならない。
 よって、国におかれては、農業者、企業、研究機関、行政機関など関係者が連携し、「農業新技術の現場実装推進プログラム」を着実に推進できるよう、下記の事項に取り組むことを求める。


  1. 離島・中山間地など地域の生産条件や営農類型をよく把握した上で先進的な農業経営の将来像を提示すること。
  2. 技術ごとのロードマップを示し、現場の意見を把握しながら農業者の求める技術やサービスとして実証・市販化・普及を推進するとともに、必要な予算を確保すること。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。



  令和元年12月20日


長 崎 県 議 会

(提出先)

衆議院議長       大島 理森 様
参議院議長       山東 昭子 様
内閣総理大臣      安倍 晋三 様
農林水産大臣      江藤  拓 様
内閣官房長官      菅  義偉 様