閉会中の活動 令和8年度分

観光生活建設委員会

現地調査

委員会名 観光生活建設委員会
目的 観光生活建設行政現地調査
日時 令和8年5月20日(水)~22日(金) (3日間)
調査先 埼玉県、群馬県、東京都
出席委員 委員長  山村 健志、
副委員長 坂口 慎一、
  委員 田中 愛国、 委員 溝口 芙美雄、
  委員 徳永 達也、 委員 宮本 法広、
  委員 中村 一三、 委員 堤 典子、
  委員 鵜瀬 和博
概要
1 独立行政法人 男女共同参画機構

 令和8年4月1日に新たに設立された男女共同参画機構の概要について調査を行った。

(1)男女共同参画機構の事業内容

①地域支援事業
 ・男女共同参画センターを拠点とした連携・協働の促進
 ・知見・ノウハウの蓄積及び共有
 ・男女共同参画センター等に対する助言
 全国の男女共同参画センターは、市町村も含め約350施設あるため、全国の男女共同参画推進拠点をバックアップする。
 全国を7ブロックに分け、ブロックごとに各地域の課題、好事例・先進事例の共有や意見交換を行うブロック会議を開催する。

②情報収集・提供及び広報事業
 ・男女共同参画・女性活躍に資する情報の提供
 ・男女共同参画・女性活躍に関する歴史的資料の収集・保存の推進
 ・積極的な広報啓発活動の充実・強化
 前身の国立女性教育会館時代から様々な情報を収集しており、「女性情報ポータルWinet(ウィネット)では、一括で検索できるようにしている。
 また、男女共同参画機構内には、情報ライブラリーという図書館があり、男女共同参画に関する書籍を65万冊以上所蔵している。
 情報ライブラリーの活用として、今後、各地域に100冊単位で貸し出ししていくこととしている。
 そのほか、行政機関の広報誌や歴史的な資料については、デジタル化を行っていくこととしている。

③研修事業
 ・男女共同参画センター職員等の育成・専門性向上
 ・地域の男女共同参画社会の形成の促進を担う関係者の育成・専門性向上
 ・困難な問題を抱える女性や望まない孤独及び孤立などに直面する男性を支援するための人材の育成
 様々な研修をオンライン研修とリアル研修で実施していく予定。
 また、地域で男女共同参画を進めていただくために、各地域で研修を実施する講師を増やしていくこととしている。

④調査研究事業
 ・地域ごとの男女共同参画・女性活躍に関する現状や課題の可視化のための調査の充実
 ・男女共同参画センターの運営及び業務に関する現状の把握のための調査研究
 地域ごとの現状を調査していく。各地域のデータがあると、他地域、他県と比べて自分の地域の状況が把握でき、具体的な危機感が浮かび上がるため、男女共同参画機構がバックアップする意味でもデータを集めていく。

⑤国際連携事業
 ・国際的な情報収集と情報発信
 ・諸外国における人材育成
 国内の取組を発信していくとともに、国際動向や海外の先進事例も収集・整理し、諸外国における男女共同参画推進のための人材を育成し、グローバルな課題解決に貢献する。また、国際会議への参加も行う。

 以上の事業を通じて男女共同参画社会をしっかり実現していく。
 大企業を中心に意識が変わっていっているところはあるが、各地域や中小企業も含めて変わっていかないと真の意味での男女共同参画社会になれないという問題意識を持って活動していく。
 各地域の男女共同参画センターと連携しながら、地域でも意識を変えていくように取組を進めていく。それぞれのセンターが中心となって、各都道府県、市町村の地域の男女共同参画の意識が変わる方向に進めていき、また、地方公共団体やセンターだけではなく、地元企業、自治会等と連携しながら普及啓発を進めていくこととしている。

男女共同参画機構 調査状況

2 八ッ場ダム(群馬県)

 八ッ場ダムの概要について調査を行った。

(1)八ッ場ダム建設事業の概要

・場所:群馬県吾妻郡長野原町(利根川水系吾妻川)
・目的:
 ①洪水調節(利根川流域の洪水を防ぐ)
 ②水道用水(群馬県、埼玉県、東京都、千葉県、茨城県)
 ③工業用水(群馬県、千葉県)
 ④流水の正常な機能の維持(八ッ場ダム下流に位置する名勝「吾妻峡」の景観を保全するための流量を確保するなど、吾妻川の流況の改善を図る)
 ⑤発電(放流するときに、まずは発電機を回して水を放流するというところで発電も目的となっている。ダム下流に新設された八ッ場ダム発電所において、最大出力11,700kwの発電を行う)

・貯水容量:約1億トン
・ダムの高さ:116m
・ダムの長さ:290.6m
 ダムの大きさは全国で50~60番目とそこまで大きくはないが、流域面積が非常に大きく、八ッ場ダムの特徴でもある

・工期:1967(昭和42年)年度~2019(令和元年)年度
 計画着手から完成まで約68年を要しており、この間、地元の方と調整を行い、非常に長い期間を要して完成したダムである。
・総事業費:約5,320億円

(2)八ッ場ダムの役割

①防災操作
 7月1日から10月5日までの間は、ダム湖の水位を下げておき、台風など大雨が降ったときにはダム湖に水を貯めながら放流することで下流への流量を減らし、ダムから下流の洪水被害を防ぐ。
②新規都市用水の供給
 群馬県および下流都県の新規都市用水として、1秒あたり最大約22トンの供給を可能とする。
③流水の正常な機能の維持
④発電

(3)八ッ場ダムの放流ゲート設備

・クレストゲート4門(非常用洪水吐設備)
 計画規模を超えるような大きな出水があった場合には、クレストゲートから放流する。
・コンジットゲート3門(常用洪水吐設備、水位維持用放流設備)
 通常の放流を行う場合はコンジットゲートから放流する。
・ホロージェットバルブ(利水放流設備)
 川の水量が少ない際に放流する場合は、ホロージェットバルブから放流する。

(4)八ッ場ダム建設事業の経緯

昭和27年   利根川改修改訂計画の一環として調査着手
昭和42年   八ッ場ダムの実施計画調査着手
平成   4年   八ッ場ダム建設事業に係る基本協定書を締結
平成21年   八ッ場ダムの建設が一時中止
平成23年   八ッ場ダム事業を継続するとの対応方針を決定
平成26年   八ッ場ダム本体建設工事の契約を締結
平成27年   八ッ場ダム本体建設工事起工
令和   2年3月 八ッ場ダム完成
      4月 八ッ場ダムの管理を開始

(5)八ッ場ダムの効果

・洪水調節
 広い流域をもつ利根川においては、流域のどの地域に豪雨が発生しても洪水時の流量を低減できるよう各支川に洪水調節施設を配備するとともに、堤防強化対策を実施することが重要。
 利根川支川のうち、洪水調節施設が無かった吾妻川に八ッ場ダムを整備することにより、多様な洪水に対して首都圏の治水安全度を確保。
・利水
 利根川上流ダム群の利水容量について、昭和30年代は5,000万トンだったところが、八ッ場ダムが完成した令和2年においては、5億5,000万トンとなり、利水容量が約10倍増加した。

(6)八ッ場ダム建設事業における水没移転

・八ッ場ダム建設前は、川沿いに民家や国道、鉄道が存在しており、建設によってすべて水没してしまうため、移転を行った。
・八ッ場ダムにおける移転代替地地区整備では、「現地再建方式(ずり上がり方式)」を採用。
 地域住民が、従来の形と同じような生活を送ることができるように、山の斜面を切り開き、民家、国道、鉄道はほぼ同じような形で上にずり上げている。
 全国でも珍しい方式を採用。
 移転していただいた家屋数は約470世帯、約1,000名。
 道路、鉄道は10kmほど移設を行った。

八ッ場ダム調査状況

3 長野原町役場

 八ッ場ダムを活かした観光振興、インフラツーリズムについて調査を行った。

(1)八ッ場ダムについて

・八ッ場ダムは町の北部、吾妻川に沿って集落が立ち並ぶ標高約510~620mの山岳傾斜地帯に位置している。

(2)八ッ場ダム周辺地域振興施設

・ダム周辺には地域住民の生活再建と地域振興を目的に地域振興施設が5つ建設された。
 ①長野原・草津・六合ステーション
 ②湖の駅 丸岩
 ③道の駅八ッ場ふるさと館
 ④やんば茶屋
 ⑤川原湯温泉あそびの基地NOA

・利根川・荒川水源地域対策基金により、東京・千葉・埼玉・茨城・群馬の1都4県による基金事業として整備されている。
・地域振興施設は基本的に地元の住民が会社を設立し、町からの指定管理を受け運営しており、特に、道の駅八ッ場ふるさと館では、「株式会社八ッ場ふるさと館」を設立し、直売所や食堂、コンビニなどを運営している。
 その他にもイベントの開催や地域の魅力を伝える「八ッ場ふるさとエコツアー」や、八ッ場ダムガイドツアーも行っている。

(3)八ッ場ダムの活用について

①八ッ場ダム周辺の河川空間のオープン化(都市・地域再生等利用区域制度)
 河川敷地における営業活動が可能となっているため、様々な事業者によって、カヌー・カヤック、バンジージャンプ、オープンカフェなど、多くの活動が行われている。
②八ッ場ダム放流イベント
 八ッ場ダムの点検放流に合わせて、長野原町・東吾妻町の共同開催により放流イベントを開催している。入場券はふるさと納税の返礼品としている。
 令和8年度は5月23日(土)に開催している。
③やんばスカイラン
 八ッ場ダムに設置されている管理用のフーチング階段を活用した階段登りレースを実施。イベント当日は一般観光客もダム見学が可能。
④八ッ場ダム見学ツアー
 一般開放されていないダム堤体内見学ツアーやフーチング階段を使った特別な八ッ場ダム見学を行っている。
⑤周遊バス「八ッ場ぐるりん」
 八ッ場エリアの地域振興施設や観光スポットを巡る周遊バスを運行している。
 近隣の草津温泉も含めて八ッ場周辺の周遊強化を図っている。

(4)(3)④の八ッ場ダム見学ツアーについて

・「一般社団法人つなぐカンパニーながのはら」が主催している。
・法人設立は、ダムが完成した時期と同じ令和2年4月であり、当初の八ッ場ダム見学ツアーは町民対象で行っていたが、町外の方に向けてツアーを立ち上げた。
・ツアーの種類としては、
 ①ダム堤体内の見学:3,000円
 ②ダム堤体上の見学:1,000円
 ③フーチング階段を使ったダムの見学:1,500円 がある。
 学校関係の見学はすべて半額としている。
・個人向けの毎月1回(3~12月)のツアー開催に加えて、リピーターを増やすために様々なツアー企画を実施している。
 団体向けは随時申し込みにより、様々な行程に対応している。
・ガイドについては、現在活躍している方は10数名。
 町内のガイドより町外のガイドが多く、活躍しているガイドの半数以上は町外のガイドである。


長野原町役場 調査状況