閉会中の活動 令和7年度分

総務委員会

現地調査

委員会名 総務委員会
目的 総務行政現地調査
日時 令和7年11月4日(火)~5日(水) (2日間)
調査先 佐賀県玄海町、壱岐市
出席委員  委員長 鵜瀬 和博
 副委員長 大久保 堅太
 委員 徳永 達也  委員 山田 朋子
 委員 川崎 祥司  委員 山本 由夫
 委員 宅島 寿一  委員  堤 典子
 委員 中村 俊介
概要
1.九州電力 玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)

 発電の仕組み、安全対策について調査を行った。

(1)玄海原子力発電所の概要、発電の仕組み

①発電設備(全4基)
 1、2号:55.9万kW×2基【廃止】
 3、4号:118kW×2基【通常出力運転中】

②発電の仕組み
 2種類に分類
 ・  加圧水型軽水炉【九州電力他採用】
  原子炉で発生した高温高圧の熱水を蒸気発生器へ送り、そこで別系統を流れている
  水が沸騰することで蒸気を発生させてタービンを回す発電方法
 ・  沸騰水型軽水炉【東京電力他採用】
  原子炉で蒸気で発生させて、タービンを回す発電方法

③核分裂の仕組み
 原子炉の燃料はウランを使用。「ウラン238」という核分裂反応しないウランが95~97%、「ウラン235」という核分裂するウランが3~5%含まれている。「ウラン235」に中性子が当たることによって核分裂し、熱エネルギーが発生。

(2)安全対策

①安全対策の3大要素
 ・  「止める」
  大きな地震が発生、または発電所に異常が発生した場合、自動で制御棒が原子炉に入り、原子炉を自動で停止
 ・  「冷やす」
  原子炉が停止した後の燃料から一定の熱を発生し続けるために燃料を冷やす必要がある。冷却用の水源やポンプで原子炉に水を送り、燃料を冷やす
 ・  「閉じ込める」
  5つの壁によって放射性物質の外部への放出を防ぐ

②緊急時対策棟の設置
 令和6年10月30日に緊急時対策棟を新たに設置し運用開始。
 地上2階、地下2階の建物であり、重大事故発生時に対策本部として使用。
 外部放射線から遮蔽をはかるため、建物の厚さが700mm以上となっている。

③使用済燃料の貯蔵対策
 ・  使用済み燃料プールの貯蔵能力変更(リラッキング)
  貯蔵を担保するために3期に分けて貯蔵能力増強工事を行い、令和6年11月に完了。
  令和6年12月から運用開始。
 ・  乾式貯蔵施設
  使用済燃料を乾式貯蔵容器に収納し、発電所敷地内の建屋で貯蔵する。
  令和8年度運用開始予定。



調査状況


玄海エネルギーパークから原子力発電所を見学

2.原島地区放射線防護対策施設及び壱岐市役所

 原島地区放射線防護対策施設においては、災害備蓄状況等について現地視察を行い、壱岐市役所においては原子力防災に関する取組について調査を行った。

(1)原子力災害対策重点区域対象区域

①PAZ
 原子力発電所から概ね半径5km圏内の地域。壱岐市は該当なし。
②UPZ
 原子力発電所から概ね半径5~30km圏内の地域。壱岐市南部に位置する地域が該当。

(2)原子力事故が起きたら

 ・  事故が発生した場合は必要な防護措置を行う。事故発生後は情報を入手し、壱岐市ではあらゆる方法で情報発信を行う。
 ・  屋内退避、屋外退避を実施。ドアや窓をしめて外出は原則控える。
  モニタリングポストを活用し、避難が必要な地域を特定し、県や市からの指示に基づき避難。
  事故が起きたらすぐに避難ではなく、基準値である20マイクロシーベルトを超えた場合、1週間以内に避難となる。

(3)避難計画

 玄海原子力発電所から半径30km圏内の住民が、最終的には30km圏外への避難が可能となるよう避難場所を確保し、収容する。

(4)壱岐市内避難所

 施設数は29箇所存在。UPZ圏内の人口は約13,100人に対し、収容可能人数は約16,600人であり、約3000人程の余裕はあるが、収容できない可能性があるので、避難所の新設が求められる。


原島地区放射線防護対策施設の視察状況


壱岐市役所調査状況


壱岐市役所調査状況

3.一般社団法人マリンハビタット壱岐

ドローンの利活用について調査を行った。

・  事業内容
①ドローンスクール
 廃校が活用されていない現状があり、活動拠点として廃校を選択。
 雇用機会拡充事業補助金を活用し、プールの更衣室を改修。
 ライセンス取得可能なドローンスクールを2023年に開校。
 長崎総合科学大学と連携し、夏休みに壱岐にドローン合宿を実施している。
 そのほか、私立高校においてもドローン合宿を行い、最終的にはライセンス取得まで行っている。
②ドローン空撮
③水中ドローン
④獣害対策
 対馬市におけるシカの獣害調査をドローンで実証。
⑤ドローンショー
 壱岐商業高校とプログラミング合宿の中で、ドローンショーを実施した。
⑥物流ドローン実証
⑦スマート農業 等
 ドローン事業以外には、海洋事業として、リーフボールによる棲み家づくりや藻場の再生プロジェクトを実施している。

・  今後、農業分野におけるドローン活用に注力予定。
 農業従事者が高齢化していく現状に対し、スマート農業を推進。
 水稲に関しては直まきの実証を行っている。
 そのほか、水田の自動化、土壌分析検査、トラクター自動操縦等も実施予定。



調査状況


農業用ドローンの視察

 以上のほか、壱岐島ファクトリー(有限会社アトリエフォルマーレ壱岐工場)において「雇用機会拡充事業補助金の活用状況」について調査を行った。

現地調査

委員会名 総務委員会
目的 総務行政現地調査
日時 令和7年5月19日(月)~21日(水) (3日間)
調査先 沖縄県那覇市、石垣市、西原町
出席委員  委員長 鵜瀬 和博
 副委員長 大久保 堅太
 委員 外間 雅広  委員 山田 朋子
 委員 川崎 祥司  委員 山本 由夫
 委員 宅島 寿一  委員  堤 典子
 委員 中村 俊介
概要
1.沖縄県庁(沖縄県那覇市)

 「沖縄県にかかるDX促進の取組」について調査

(1)おきなわSmart産業ビジョン

<目標>
 情報通信産業が変革を通じて「稼げる産業」へと成長し、産業DXを支えるパートナーとなり、沖縄の産業の持続的な発展に寄与する。

<基本施策>
 ①情報通信産業の構造改革:情報通信産業のビジネスの高度化と転換により、既存のビジネスモデルの限界や制約を克服するとともに産業競争力を高め、労働生産性向上を実現。

 ②産業DXの加速化:「リゾテックおきなわ」のコンセプトの下、企業DXを支援することにより、沖縄県の産業DXの流れを加速化し、各産業の労働生産性向上と経営の高度化を促進。
 ・「リゾテックおきなわ」:デジタル社会を実現する中で、社会・経済のDX推進に向けた取組の総称。
           全産業のDXの推進に向けて取組を促進。

 ③イノベーションの創出:革新的なアイデアや先進技術等をビジネスに取り入れる企業やスタートアップ企業など新しいプレイヤーを育成することにより、産業イノベーションの創出環境を構築。

(2)沖縄県内の情報通信基盤整備状況について

 島嶼地域である沖縄県は、デジタル社会の形成が重要となり、その基礎となる情報通信基盤の整備を民間事業者と連携して取り組んできたところである。沖縄本島と離島を結ぶ海底光ケーブルは、県において、これまで計1,680kmの整備に取り組んでおり、現在は南大東島~北大東島間を整備中である。

 以上の説明後、活発な意見交換が行われた。



2.石垣市役所(沖縄県石垣市)

 「自動運転による地域活性化」について調査

・令和6年度自動運転実証実験の概要
 公共交通の担い手の確保、観光客の二次交通の確保、市内各所へのアクセス手段の拡充などの課題解決のため、自動運転移動サービス導入に向けた事業を推進。
 石垣港離島ターミナル~石垣新港地区旅客ターミナルの往復6kmにおいて、1日往復12便運行、計5日間の実証実験を実施したところ、経営面、技術面、社会受容面の全ての項目で目標を達成した。
 令和7年度も、これまで以上の安全性を担保し、自動運転走行率を高める実証を行う方針としている。

 以上の説明後、活発な意見交換が行われた。



3.琉球大学島嶼防災研究センター(沖縄県中頭郡西原町)

 「島嶼地域における防災研究、地域防災にかかる行政との連携」について調査

(1)島嶼防災研究センターの概要

 沖縄県の島嶼地域を念頭に、自然災害による被害を減らし、社会的インフラや人々の安心・安全を守る統合的な防災研究を推進するために2008年に設立。
 専任教員はおらず、併任教員21名で研究を行っている。

(2)研究内容

 1.地震・津波、斜面、地盤災害に関する研究
 2.気象・水害関連の研究
 3.防災行動・教育の推進

(3)沖縄県の状況

 沖縄県は、今後30年間のうちに、強い揺れに見舞われる可能性が高い状況である。また、沖縄県の場合は、島嶼地域であるため、地震・災害が発生した際、他の県から遠く離れているため、他県からの支援の課題も挙げられる。

(4)センター併任教員による行政との連携内容

 沖縄県地震被害想定調査への参画、耐震診断技術者向けセミナー講師(コンクリートブロック塀)や沖縄の持続的な発展を支える防災対応推進会議等への参加 等




 以上の説明後、活発な意見交換が行われた。

4.オリックス・ビジネスセンター沖縄株式会社(沖縄県那覇市)

 「生産性向上の取組」について調査

(1)会社概要

 設  立:1999年11月24日
 事業内容:オリックスグループの事務センター・コンタクトセンターとしてグループ14社から業務を受託

(2)Ecoまるマネジメント

 すべての業務を可視化し、計測・分析を継続することで、業務改善のPDCAサイクルを確立。確立後も繰り返しPDCAサイクルを回し、生産性の向上を実現している。
  ①可視化:業務を全て可視化、体系化
  ②計測:リアルタイムで業務を計測
  ③分析:KPIを設定し、繁忙状況や処理時間、生産性のバラつきを分析
  ④改善:分析結果をもとに、リソース活用、デジタル活用等の改善を実行


 以上の説明後、活発な意見交換が行われた。





 以上のほか、陸上自衛隊石垣駐屯地において「石垣駐屯地の概況」について調査を行った。