閉会中の活動 令和7年度分

議会運営委員会

閉会中の委員会活動報告

委員会名 議会運営委員会
目  的 議会運営等について
日  時 令和7年10月27日(月)~10月29日(水)(3日間)
場  所 東京都、岩手県
出 席 者 委 員 長 山本 由夫
副委員長 饗󠄀庭 敦子
委  員 山田 朋子、 浅田ますみ、 前田 哲也、 中島 浩介、 
     宅島 寿一、 宮本 法広、 中村 一三、 石本 政弘、 
     中村 泰輔、 坂口 慎一、 山村 健志
 
概要
1.全国都道府県議会議長会(東京都千代田区)

 最近の地方議会をめぐる動きと地方議会における課題、主権者教育の推進、都道府県議会におけるデジタル化の推進などについて調査を行った。

(1)最近の地方議会をめぐる動きと地方議会における課題

 〇地方議会の課題
  ・地方議会議員選挙の投票率は低下傾向(R5都道府県議選:41.85%)
  ・議員のなり手不足が顕著(R5都道府県議選:25.0%(無投票当選者割合))
  ・議会を構成する議員の性別・年齢に多様性を欠く(R5都道府県議選14.6%(女性議員割合))
 〇全国都道県議会議長会として以下の取組において都道府県議会の活性化を図っていく。(創立100周年宣言)
  ・主権者教育の一層の促進など取組を強化。
  ・住民に開かれた議会のための取組を推進。
  ・女性や若者、勤労者など多様な人材が参画できるよう環境整備に取り組む。
  ・議会審議の活性化や政策立案機能の強化等を図る調査研究、先進的な事例と併せ情報の共有を図る。
  ・地域の持続性と魅力を高めるための政策の実現に向け、国に対しあらゆる機会を通じ要請を行う。
 〇厚生年金への地方議会議員の加入について    ・平成23年6月地方議会議員年金制度廃止、廃止後の新たな動きとして厚生年金の適用の拡大により、週所定労働時間が20時間以上であれば加入できるよう改正。    ・女性や若者など今後議員になりたい人が立候補しやすい環境をつくるため、地方議会議員の厚生年金への加入を実現することが重要。

(2)主権者教育の推進

 〇議長会の取組(学校と議会が連携する主権者教育の推進)
  ・学習指導要領への「議会と連携した主権者教育の推進」の明記を求める国への要請
  ・リーフレット活用事例の横展開(事例紹介動画の作成・発信)
  ・人気漫画「葬送のフリーレン」と連携したリーフレットによる周知など

(3)都道府県議会におけるデジタル化の推進

 〇委員会条例等の改正状況
  ・都道府県:39議会(83.0%)
  ・指定都市:13議会(65.0%)
  ・市区(指定都市除く):301議会(27.9%)
  ・町村: 148議会(16.0%)
 〇オンライン出席状況(R6.1.1)
  ・都道府県:12議会 (25.5%)
  ・指定都市: 7議会(35.0%)
  ・市区(指定都市除く):74議会(9.3%)
  ・町村: 36議会(3.9%)
 〇手続のオンライン化
  ・陳情:32議会(68.1%)
  ・請願:31議会(66.0%)
  ・意見書提出(国会宛):24議会(51.1%)※意見書の提出方法はメールのみ

(4)都道府県における生成AIの導入状況等

  ・生成AI導入済み議会:6議会(東京、大分、愛知、京都、石川、福岡)
  ・生成AI導入済み議会では定期または不定期に情報セキュリティ研修を実施。
   ・生成AIの利活用ルールを定め、利用者に研修を行うなど、適正な利活用の確保を図ることが必要。(行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用ガイドラインを参照)    ・生成AIを活用した会議録の作成については、増加傾向にあるものの、音声認識の精度の問題もあり、反訳の外部委託の継続を行っている議会が多い。

(5)都道府県議会における議員・委員会提出条例

   ・議員提出条例のうち政策条例の割合が平成20年以前は15%にも満たなかったが、平成25年以降は概ね25%超える割合で推移。    ・政策条例で件数が多いもの「子ども・子育て支援、虐待防止に関する条例」、「主要農作物等の種子に関する条例」、「歯・口腔の健康づくりに関する条例」など    ・近年の政策条例としては、県民の日常生活の安全・安心に深く関わるものや、デジタル化の進展に伴う人権問題に対するものなど、特徴的な条例が成立。

2.岩手県議会(岩手県盛岡市)

 議会運営、東日本大震災時の議会活動、県議会の広聴広報活動などについて調査を行った。

(1)議会運営の主な取組

 ① 議員定数(R7.10.1現在)
   条例定数48名、現員48名
 ② 会派構成
   自由民主党 17名、希望いわて 16名、いわて県民クラブ・無所属の会 5名、いわて新政会 5名、
   日本共産党 2名、社民党 1名、公明党 1名、無所属 1名
  ※会派順序は、所属議員数の多い順として、同数の場合は50音順。
 ③ 定例会会期
   定例会条例により年4回(2月、6月、9月、11月)
 ④ 一般質問
   質問の通告は、先例により、議会招集日の前日に開かれる議会運営委員会の前日の正午まで。
 ⑤ 質問の方式
   一括、分割又は一問一答方式
 ⑥ 質問時間
   一括質問方式の場合、1人30分以内(答弁時間は含まない)
   分割又は一問一答方式の場合、80分以内(答弁を含む)

(2)委員会 ※( )は現員

 ① 議会運営委員会(10人)
 ② 常任委員会数 5委員会 委員任期:2年
   総務(10人)、文教(10人)、環境福祉(9人)、商工建設(9人)、
   農林水産(10人)
 ③ 特別委員会 5委員会
   東日本大震災津波復興(47人)、人口減少・公共インフラ(12人)、防災・減災(12人)、
   グローバル化・多文化共生調査(12人)、こども政策(11人)、
   決算(47人)※予算・決算特別委員会(議長を除く全議員)

(3)常任委員会の開催状況

  ・定例会での開催状況、審査日1日間、予備日1日間
  ・発言時間の制限は、概ね1案件30分程度
  ・委員長報告は、口頭で審査の経過及び結果報告について概ね5分程度で報告

(4)特別委員会の開催状況(東日本大震災津波復興特別委員会を除く。)

  ・開催状況は、閉会中に開催。
  ・委員長報告は、常任委員の改選(任期:2年)に併せて、中間年に委員長報告を実施。

(5)オンライン委員会の開催状況

  ・調査時点まで開催実績なし(令和7年6月定例会から試行導入)

(6)東日本大震災津波を踏また議会運営

   ・会期や付託議案、請願の取り扱いのほか、追加提出予定議案(補正予算、発議案等)の取り扱いについてあらかじめルール化しておくことが必要。    ・被災直後の現地調査については、地元選出議員が調整や対応を行うことにより、執行部や被災市町村の負担を軽減につながる。    ・特別委員会の設置については、各派代表者会議及び議会運営委員会における意見調整を踏まえて判断する必要。    ・岩手県議会においては、平成23年の震災における活動内容の検証を踏まえ「岩手県議会における大規模災害時等業務継続計画」を策定。

(7)県議会の広聴広報活動

 ① 県議会傍聴案内ポスターデザインコンテストの開催    平成30年度から、県内生徒・学生からコンテスト形式でポスターデザインを募集、入賞作品を4定例会のポスターとして県内の中学校、高校、大学等に配布し傍聴を呼びかけている。  ② 議会広報紙(いわて県議会だより)
   発行時期:年4回(定例会終了後35日以内)
   発行部数:1回あたり517,800部
 ③県議会出前講座
   令和6年度から若い世代の県議会への理解と関心を高め県議を身近に感じてもらうため開催。
   対  象:県内の小学校、中学校、高等学校、大学等
   開催方法:議員が講師となり各学校に出向き説明。

 以上のほか、国立国会図書館においては、「国会図書館の運営や図書・資料の利用状況」について、岩手県立図書館においては、「震災・防災の学び合いスペース「Iルーム」の取り組み」について調査を行った。