閉(休)会中の活動 令和6年度分

成長産業・県土強靱化対策特別委員会

現地調査

委員会名 成長産業・県土強靱化対策特別委員会
目  的 半導体・デジタル戦略対策、スタートアップの育成支援、防災対策現地調査
日  時 令和6年11月13日(水)~15日(金)(3日間)
調 査 先 東京都(江東区、渋谷区)、茨城県(つくば市)
出席委員 委員長  坂口 慎一
副委員長 白川 鮎美
委 員  浅田 ますみ、ごう まなみ、山村 健志、中村 俊介、
     大倉  聡、まきやま 大和、冨岡 孝介
概  要
1.水素情報館 東京スイソミル〔東京都江東区〕

 東京スイソミルを訪問し、施設概要、水素エネルギーの普及拡大に向けた東京都の取組状況、最新の動向などについて説明を受けた後、質疑応答を行うとともに、施設見学を行った。

(1)施設概要

  〇設  立:2016年7月26日
  〇所在地 :東京都江東区潮見1-3-2
  〇設立主体:公益財団法人 東京都環境公社
  〇規  模:延床面積 676㎡  展示面積 454㎡
  〇概  要:東京都では、環境に優しい水素社会の実現に向け、水素エネルギーの
        普及啓発に取り組んでいる。「東京スイソミル」は、目に見えない水素のことや
        誰も見たことのない水素社会の将来像を、見て触って体験しながら学べる
        総合的な学習施設。

(2)2050年の目指す姿と2030年に向けて

  ●2050年の脱炭素社会では、あらゆる分野でグリーン水素が本格活用され、運輸や
   様々な分野の脱炭素化に貢献
  ●2030年に向けては、グリーン水素の本格活用に向けた基盤づくりと、水素需要の拡大・
   社会実装化の加速が必要
           ▽
   「技術開発、コスト低減、サプライチェーン構築の好循環」を生み出していく
  実施事業として、運輸分野での水素利用促進、グリーン水素等の活用促進、機運醸成等の
  取組を進めている。

  《現地調査の様子》

2.産総研 臨海副都心センター〔東京都江東区〕

 産総研 臨海副都心センターで行っている各研究概要、半導体の世界市場の動向とミニマルファブのコンセプトなどについて説明を受けた後、質疑応答を行うとともに、施設見学を行った。

(1)センター概要(2024年4月現在)

  〇所 在 地:東京都江東区青梅2-3-26(別館・第二別館:青梅2-4-7)
  〇常勤職員:239名
  〇契約職員:287名
  〇外来研究者等:263名
  〇研究組織:人工知能研究センター、サイバーフィジカルセキュリティ研究センター、
        インダストリアルCPS研究センター、デジタルアーキテクチャ研究センター、
        細胞分子工学研究部門、ゼロエミッション国際共同研究センター

(2)ミニマルファブのコンセプト

  ミニマルファブとは
  ●半導体デバイスを
  ●直径1/2インチのウエハに
  ●クリーンルームレス、マスクレスで(コストの大幅削減)
  ●1個からのモノづくりを実現(開発試作から少量生産の垂直立上げ)
   することを目指す、世界初・産総研発の新しい開発・試作・少量生産システム。

  《現地調査の様子》

3.つくばスタートアップパーク〔茨城県つくば市〕

 つくばスタートアップパークを訪問し、スタートアップ戦略や、支援の内容について説明を受けた後、質疑応答を行った。

(1)施設概要

  〇開   設:2019年10月1日
  〇所 在 地:茨城県つくば市吾妻2-5-1 つくば市産業振興センター
  〇開設目的等:大学や研究機関が集積するつくば市の強みを活かし、テクノロジー系
         スタートアップ支援を核とした、つくば市が運営するインキュベーション
         施設です。起業家、大学、研究機関、投資家、金融機関等のスタート
         アップに関わる全ての人々のハブ拠点となり、スタートアップの創業と
         成長を徹底サポートしている。

(2)支援の内容等について

 施設は、交流スペース・カフェ、セミナールーム、コワーキングスペース、会議室 (ミーティングルーム)を備えている。つくば市では、起業、チャレンジ精神の醸成、 初期事業化の促進、社会実装支援、成長段階に応じた適正なインフラ環境の確保支援など 様々な支援を行っている。

  《現地調査の様子》

4.国土技術政策総合研究所〔茨城県つくば市〕

 国土交通省 国土技術政策総合研究所の概要について説明を受けたあと、各研究施設を回りながら説明を受け、質疑応答を行った。

(1)研究所概要

  〇発   足:平成13年4月1日
  〇所 在 地:茨城県つくば市旭1番地、立原1番地
  〇研 究 職:253名
   行 政 職: 99名 職員計352名(令和6年4月時点)

(2)根幹となる活動

  〇国土交通政策の企画・立案・普及を支える研究開発
  〇災害・事故対応への高度な技術的支援と対策技術の高度化
  〇地方整備局等の現場技術力の向上を支援
  〇政策形成の技術的基盤となるデータの収集・分析・管理、社会への還元

  《現地調査の様子》

5.国立研究開発法人 土木研究所 つくば中央研究所〔茨城県つくば市〕

 土木研究所つくば中央研究所を訪問し、施設概要、研究内容等の説明を受けたあと、災害対応におけるDXについて講演を受け、質疑応答を行った。

(1)研究所概要

  〇設   立:大正11年(内務省土木試験所として設立)
  〇所 在 地:茨城県つくば市南原1-6
  〇研 究 職:333名
   行 政 職:124名 職員計462名(令和6年4月1日時点)
  〇研究開発 :研究開発プログラムは、3つの研究開発テーマで15課題を設定している。
    研究開発テーマ1 自然災害からいのちと暮らしを守る国土づくりへの貢献
    研究開発テーマ2 スマートで持続可能な社会資本の管理への貢献
    研究開発テーマ3 活力ある魅力的な地域・生活への貢献

(2)講演内容

  〇演   題:災害対応におけるDX ~安全で負担の少ない働き方の改革~
  〇講 演 者:つくば中央研究所 技術推進本部 先端技術チーム
  〇主な内容 :・激甚な災害が多発する現状 => DX(改革)が必要
         ・九州各県・政令市へのDX推進の取組(県内の自治体、業界団体でも実施)
         ・災害対応の働き方を改革する新たな技術として、VR(バーチャルツアー)
          点群(ドローン、スマホ、地上レーザ測量、簡易ソナー等による計測)、
          3Dモデル、クラウド、人工知能活用等について
         ・災害査定におけるDXの活用について        等

  《現地視察の様子》

6.SHIBUYA QWS〔東京都渋谷区〕

 SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)を訪問し、施設概要や取り組みについて説明を受け、質疑応答を行うとともに、施設見学を行った。

(1)概要

  〇 営業開始 :2019年11月
  〇 所 在 地:東京都渋谷区渋谷二丁目24番12号
            渋谷スクランブルスクエア(東棟)15階
○ SHIBUYA QWSの5つの特徴:
   1.「企業と自治体」、「QWSコモンズ(経営者、投資家等多様な分野の有識者)」、
     「プロジェクト」などの多様な分野・属性の人が交流するコミュニティ
   2.大学との連携等による多彩なプログラム
   3.会員間の交流を促すフルオープンな空間
   4.会員間の交流を促すコミュニケーターの配置
   5.独自のプログラムにより循環を促進することで、新鮮なコミュニティを実現

(2)長崎県の活用事例

スタートアップ交流拠点 CO-DEJIMA会員の活用事例
  ・長崎の起業家が、東京のスタートアップ企業等との交流のために活用など
   イベントスペース活用事例
  ・県(新産業推進課)が、出身者など本県ゆかりの起業家等との人脈形成を目的とした
   イベント「リトルナガサキ」で利用
  ・五島市が、移住及びワ―ケーションイベントで利用 など

  《現地視察の様子》

現地調査

委員会名 成長産業・県土強靱化対策特別委員会
目  的 半導体・デジタル戦略対策、スタートアップの育成支援、防災対策現地調査
日  時 令和6年5月28日(火)~29日(水)(2日間)
調 査 先 長崎市、大村市、佐世保市、平戸市
出席委員 委員長  坂口 慎一
副委員長 白川 鮎美
委 員  浅田 ますみ、中島 浩介、山村 健志、中村 俊介、
     大倉  聡、まきやま 大和、冨岡 孝介
概  要
1.長崎大学総合生産科学域マイクロデバイス総合研究センター〔長崎市〕

 長崎大学総合生産科学域マイクロデバイス総合研究センター(Center for Advanced Microdevice Research in the Interests of Society 略称CAMRIS キャムリス)の概要や特色、取り組み等について説明を受けた後、質疑応答を行うとともに、施設見学を行った。

(1)施設概要

〇設立日 :2023年11月16日
〇所在地 :長崎市文教町1-14
〇事業内容:社会貢献、社会実装を意識し、マイクロデバイス(半導体/センサ/バッテリ
         コンデンサ・磁気部品・アンテナ等の受動部品)の「設計」、「製造」、
         「活用」に関する研究を通し、学内外との共同研究の仲介、研究開発志向
         人財育成の企画運営や拠点形成を行う。

(2)センターの特色と今後の予定

 [研究連携]、[人財育成]、[拠点形成]を3本の柱として下記の取組を予定
 [研究連携] ●共同研究の推進
        ●研究開発推進機構 産学官連携推進室との連携
 [人財育成] ●共修科目3科目の実施
        ●共同研究先企業様へのFPGA新人研修
        ●高大連携による半導体教育の推進
        ●佐世保高専との半導体教育・研究連携
 [研究連携] ●ネーミングライツ
        ●共同ラボ(研究連携、教育連携)

  《現地調査の様子》

2.CO-DEJIMA〔長崎市〕

 県のスタートアップ交流拠点「CO-DEJIMA」を訪問し、スタートアップの育成支援の取組について、運営を行っている㈱サイノウから説明を受けた後、質疑応答を行った。

(1)施設概要

  〇開   設:2019年3月26日
  〇所 在 地:長崎市出島町2-11 出島交流会館2F
  〇開 設 目 的 :セミナーや交流会等のイベントを通じて、県内外のスタートアップや学生、
          社会人といった様々な人材の交流を促すことで新たなサービスを創出する。
  〇ホームページ:https://co-dejima.jp/

(2)主な取組

  〇交流会、セミナー等の開催
  〇コミュニティマネージャ―による創業相談会
  〇スタートアップ支援の経験が豊富な有識者(メンター)による資金調達やマーケティング等
   スタートアップが直面する課題への相談支援
  〇首都圏産業交流施設(SHIBUYA QWS等)と連携した施設利用支援
  〇コミュニティコーディネーターによる県内コミュニティ間のマッチング
  〇固定ブースの提供(5席、有料)

  《現地調査の様子》

3.LD+〔長崎市〕

 ながさき地域政策研究所が2024年2月に開設したスマートラボ「LD+」を訪問し、施設の概要や展示物について説明を受けた後、質疑応答を行った。

(1)施設概要

  〇開   設:2024年2月
  〇所 在 地:長崎市元船町17番1号 長崎県大波止ビル1F
  〇開設目的等:県内のIT企業や金融機関等との協力により生まれた⾧崎の新しい
         知的創造拠点。最先端のテクノロジーやマーケティングノウハウに気軽に
         楽しく触れることができます。利用は無料。見て・触れて・考える。
         子どもから大人まで楽しく参加できる多彩なイベントも開催。知的好奇心を
         くすぐるワクワクする空間づくりを目指している。
  〇ホームページ:https://think-nagasaki.studio.site/labo

(2)施設の特徴

 ソリューション展示、相談・マッチング、イベントの3つの機能を備えており、交流を通じて様々な効果を生み出すことを目指ている。

  《現地調査の様子》

4.SUMCO TECHXIV 長崎工場〔大村市〕

 県内有数の半導体工場であるSUMCO TECHXIV(サムコテクシブ) 長崎工場を訪問し、半導体産業の成長についてや、事業の内容、製造している半導体基板材料、製造工程等の説明を受けた後、質疑応答を行った。

(1)工場概要(2024年4月1日現在)

  〇設   立:1960年4月18日
  〇事 業 所:SUMCO TECHXIV株式会社 本社・長崎第一工場・第二工場
  〇所 在 地:大村市雄ケ原町1324番地2
  〇資 本 金:1億円
  〇従業員数 :1,738名(2024年3月末現在)
  〇開設目的等:半導体基板材料「シリコンウェーハ」の製造

(2)「シリコンウェーハ」とは?

  シリコンウェーハは表面を鏡面に磨き上げた超平坦・超清浄な円板で半導体の基板材料です。
  シリコンウェーハの表面に回路を書き込んで作られる半導体は、液晶テレビやエアコンなどの
  家電製品からスマートフォン・パソコンなどのデジタル情報端末など、あらゆる電子機器や
  自動車に搭載され、小型化・高性能化や省電力化、自動車の燃費向上や安全性の進化に
  貢献しています。また、銀行のATMや電車の安全運行システム、インターネットなどの
  複雑で高度な社会基盤のシステムを支えています。最先端の半導体には超高品質シリコン
  ウェーハが必須の材料となっています。

  《現地調査の様子》

5.平戸市役所〔平戸市〕

 平戸市役所にて、平戸防災ネットワークの活動についてと、災害に強いまちづくりに向けた平戸市の取組について説明を受けた後、質疑応答を行った。

(1)平戸防災ネットワーク概要

  〇設立の経緯:平戸市が平成26年度末に、『自主防災組織』率を100%
         (163個組織)にした際、各自主防災組織の訓練を支援する組織が
         必要との要請により、平成27年5月20日、市内在住の防災士
         約40名により編成・設立した。
  〇活動目的 :行政、自主防災組織、防災関係機関と連携し、防災・減災に関する取り組みを
         行い、災害に強いまちづくりに寄与する。
  〇主要活動 :
   ①自主防災組織育成に関する取組み
    ・地区独自の基礎研修(防災講話、ハザードマップ演習)
    ・各種訓練(避難訓練、初期消火訓練、応急救護法)など
   ② 防災士取得の推進活動
    ・県主催の自主防災リーダー養成講座受講による取得
    ・消防団・職員への特例による取得
   ③ 会員の知識・技能の錬磨
    ・会員対象の研修会(全体研修会、防災学習会):3~5回/年
    ・市・県主催の訓練への参加(市総合防災訓練、県原子力防災訓練、県防災推進委員
     フォローアップ研修)

(2)平戸市の取組について

 平戸市では、様々な働きかけや補助等により平成27年1月15日に自主防災組織率100%を達成しており、自主防災組織の充実と強化のため、平戸防災ネットワークを設立。 防災資機材の購入や一時避難所開設に対する補助制度を令和4年度から開始した。

  《現地視察の様子》

6.佐世保工業高等専門学校〔佐世保市〕

 半導体教育の取り組みとして、学科横断の半導体カリキュラムとミニマルファブの活用について説明を受けた後、質疑応答を行うとともに、施設視察を行った。

(1)佐世保高専の概要(2024年5月1日現在)

  〇所在地:佐世保市沖新町1-1
  〇生徒数:893名(うち女子学生228名)
  〇教職員数:103名(うち女性教職員26名)

(2)佐世保高専における半導体教育の特徴

  1.産学連携実践的な半導体講義の新設(ボリュームゾーン人材向け)
  2.ワンフレーズ集(暫定版)の完成と展開
  3.官学連携による中学生を対象とした半導体出前授業
  4.ミニマルファブを用いた半導体実習・研究環境の構築
   ミニマルファブ:ミニマルファブ(Minimal Fab)は、半導体の製造プロセスを
   極力簡素化し、効率的かつ柔軟な生産を可能にする、産業技術総合研究所で発案し、
   これまで国プロなどで実証を行ってきた概念です。従来の大規模なクリーンルーム内に
   設置する半導体製造設備に比べ、ハーフインチ(0.5インチ)のウェハを用い、
   各プロセス装置内を局所クリーン化し、装置間もミニマルシャトルにより
   クリーン環境を維持したまま搬送することで、通常の室内環境に置かれた小規模な
   システムで、迅速に生産することを目指しています(産総研ホームページより)。

  《現地視察の様子》

7.早岐川 河道掘削現場〔佐世保市〕

 県が実施している大規模特定河川事業〈氾濫危険区域河道掘削〉【早岐川水系早岐川】について、現場で事業の説明を受けた後、質疑応答を行った。

(1)事業目的

  早岐川は、河道が狭小なため、昭和42年7月の豪雨では浸水面積70ha、
  床下浸水535戸、平成2年7月の豪雨では、浸水面積10ha、床上浸水82戸・
  床下浸水117戸の甚大な被害が生じた。このため、補助事業により橋梁架替等を
  集中的に実施し、早期に地域の安全性の向上を図る。

(2)事業概要

  ・総事業費:C=90億円
  ・事業期間:H26~R15
  ・計画規模:1/100
  ・計画延長:L=1.8km
  ・整備方針:H15.7策定
  ・整備計画:H22.3策定

  《現地視察の様子》

8.オーシャンソリューションテクノロジー〔佐世保市〕

 包括的なイノベーションで水産DXを推進するサービスを提供しているオーシャンソリューションテクノロジーを訪問し、事業の内容等の説明を受けた後、質疑応答を行った。

(1)会社概要

  〇会 社 名:オーシャンソリューションテクノロジー株式会社
  〇代 表 者:代表取締役 水上陽介
  〇所 在 地:佐世保市有福町203-1
  〇設   立:2017年12月21日
  〇従業員数 :34名(2024年4月時点)
  〇主要事業 :ソフトウェアの企画・開発・運営および関連するサービスの提供

(2)衛星データと水産DXについて

  漁業者支援サービス「トリトンの矛」は、衛星からの測位情報を活用し、水産資源の
  評価と管理に資する操業情報のAI推定による操業日誌の自動作成と、衛星データを
  活用した海況情報の提供等で、水産資源の持続的利用と水産業の成長産業化に向けた
  水産DX推進に取り組んでいる。さらに、乗員の転落を検知する機能を有し、漁業者へ
  の安心・安全も提供している。

  《現地視察の様子》