閉会中の活動 令和4年度分

離島・半島地域振興特別委員会

現地調査

委員会名 離島・半島地域振興特別委員会
目的 離島地域振興対策、有人国境離島法対策、離島航路・航空路対策 現地調査
日時 令和4年11月7日(月)~8日(火)(2日間)
調査先 五島市、大村市
出席委員 委員長  久保田 将誠
副委員長 清川 久義
委員   溝口 芙美雄、瀬川 光之、外間 雅広、堀江 ひとみ
委員   中島 浩介、堤 典子、山下 博史、赤木 幸仁
概要
1.そらいいな株式会社

 事業概要等について、親会社の豊田通商㈱から説明を受けるとともに、そらいいな㈱によるドローン発着の実演後、質疑応答を行った。

(1)設立    2021年4月
(2)所在地   五島市下大津町708-29
(3)株主    豊田通商株式会社(100%)
(4)業務内容 ドローン物流サービス事業 五島地域の医療・生活を支える物流ネットワーク構築
   米国Zipline社製の固定翼ドローンを活用し、医療用医薬品を自動配送
   機体の性能
   ・ 飛行速度:時速100km
   ・ 航続距離:拠点から半径80km(往復160km)
   ・ 可搬重量:約1.75kg
   ・ 風速14m/s、降雨50mm/hまで飛行可能
   配送方法
   ・ パラシュート付きの箱を使用
   ・ 自動で事前に定められた場所に投下し配送
     投下精度:半径10mの円
   ・ 配送後、ドローンは自動で拠点に帰還
   ・海外では医療用医薬品の他、血液製剤、ワクチン(コロナワクチン含む)、検体等を配送
(5)事業計画と実績
   開通済経路 ・五島市:奈留島、嵯峨島、三井楽、玉之浦  ・新上五島町:有川
   配送実績  ・奈留島(5/31~):30フライト 片道20kmを約10~15分で配送
         ・三井楽(8/17~):3フライト 片道35kmを約20分で配送
         ・(有川(実証中):22フライト)片道70kmを約50分で配送
10/19現在:250回超、11,000km以上を飛行(試験飛行含む)

《現地視察の様子》
2.五島南高等学校

学校概要及び離島留学制度「夢トライコース」について、五島南高等学校から説明を受けた後、質疑応答を行った。
【夢トライコース概要】

  1. キャッチフレーズ
    「新しい出会い・ふれあい・夢トライ!」
  2. 志願要件
    中学校のときに学校になじめなかったり、登校することが難しかったりした生徒のうち、「学びたい」という意欲を持ち、生活環境や学習環境を変えて、「しま」で高校生活を送りたいと考えている生徒
  3. コースの特色
    一人ひとりの生徒を大切にする
    1、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、離島留学専任職員を配置し、生徒の心のケアを実施。
    2、少人数授業によるきめ細かな学習指導(学び直しを含む)を実施。
    3、上級学校への進学や就職などの多様な進路のニーズに応えるために、多様な選択科目を設置

    温かい地域の方々とふれあい、「しま」の自然の中で学ぶ
    4、「しま」の大自然を活かした農業・漁業体験などの自然体験活動を実施。
    5、海水浴場の清掃や地域の祭りなどに積極的に参加し、地域の人々とふれあうことで、のびのびと活動しながら「生きる力や社 会性」を育む。
  4. 地域と連携した活動
    【地場産業体験活動】
    地域・保護者と協働し、地域の農水産業等の体験活動を継続的に取り組む。
    【環境保全活動】
    海浜清掃や定期的な地域清掃を積極的に取り組む。
    【伝統・文化活動】
    地域の各種祭り等に参加し、各種大会(トライアスロン、マラソン等)では、ボランティア活動を主体的に取り組む。
《現地視察の様子》
3.ごと株式会社

 事業概要等について、ごと株式会社から説明を受けた後、施設を視察するとともに質疑応答を行った。

  1. 会社
    ごと株式会社GOTOinc. 代表取締役社長 木下秀鷹
  2. 所在
    五島市吉久木町726-1
  3. 事業概要
    ・「五島の鯛で出汁を取ったなんにでもあうカレー」シリーズやOEM・PB商品など、レトルト食品の製造、販売
    ・「ごと芋」など、五島列島産サツマイモを活用した冷凍焼き芋やスイーツの製造・販売
    ・「ごとカフェ」などの実店舗運営
  4. その他
    令和3年10月 新工場「長崎五島ごとレトルト研究所」竣工
    令和3年12月より本格稼働
  5. ごと芋(安納べに)が日本さつまいもサミット2022において「さつまいも・オブ・ザ・イヤー」を獲得
《現地視察の様子》
4.五島市役所(洋上風力発電・ワーケーション)

 事業概要等について、五島市職員から説明を受け、質疑応答を行った。

洋上風力発電事業の取組について

(1)浮体式洋上風力発電の商用・実用化

2010年 環境省実証事業開始
2020年 国内発の再エネ海域利用法における「促進区域」に指定
2024年 五島市沖洋上風力発電事業運転開始予定

(2)視察対応

年度別視察人数 年平均 約791名(市外分のみ 692名)

(3)港湾を活用した浮体式洋上風力発電の取り組み

県港湾施設用地を浮体式洋上風力発電の建設ヤードとして造成工事を行い、地元企業を中心に整備。五島産コンクリートを使用して浮体式洋上風力発電のコンクリート部分を建造し鋼製部との組み立てを行っている。建造後はフロートイレーザーで設置海域まで運搬。

(4)浮体式洋上風力発電の施工方法

①福江港岸壁 浮体製作、浮体浜だし
②椛島北海域 仮係留、風車組立
③設置海域 本係留、海底ケーブル敷設 

(5)洋上WFによる経済波及効果

①建設工事等 ②工事関係者消費 ③観光

(6)建造ヤードの活用

県港湾施設用地の活用



 五島ワーケーション(移住・定住人口へ繋げる関係人口創出対策)について

①2019年5月-6月 五島列島リモートワーク実証実験

成果 6名創業、広告費換算2,000万円以上効果
・参加者が創業、市民とのコラボレーション、五島市に関する記事、参加者、協力企業がプライベートで来島

②2020年1月-2月五島ワーケーションチャレンジ

 成果 観光閑散期対策、リモートワークの環境整備
・経済波及効果、新たな施設、五島市に関する記事、関係人口創出
企画するうえで大切にする6つのこと
①QOLを上げる知的刺激 ②ソフト面の充実に注力 ③親はラクでこどもは楽しい
④巻き込みたくなる ⑤地域の事業者に発注 ⑥偶発性が生まれる余地
●心かようワーケーション
訪れる人と受け入れる人の双方にメリットがあり継続的に関わり合う仕組みをつくる。

ワーケーション施設 宿泊施設 コワーキングスペース コミュニティスペース

●五島ワーケーションの成果
・サテライトオフィスとして利用可能な滞在型施設のオープン
・市内のほぼ全域で光回線の利用が可能
・五島市が舞台の著書「どこでもオフィスの時代」、五島市の取組掲載著書「ワーケーション企画入門」

余白と戯れるワーケーション
2022 SUMMER(6月28日-7月11日)、AUTUMN(10月1日-10月30日)、WINTER(2023年1月21日-29日)開催
ビジネスパーソン一人一人のWell-beingと「仕事の生産性」のバランスをゼロベースで考える。

《現地視察の様子》
5.五島リトリートray

 施設概要等について、五島リトリートrayから説明を受けるとともに、質疑応答・施設視察を行った。

(1)概要
五島市の観光拠点でもある鐙瀬園地を有効活用し、宿泊施設を建設。雇用の創出や交流人口拡大事業の創出など地域活性化を図る。
(2)経過
  令和元年7月~10月  活性化プラン公募
  令和元年10月     募集提案審査
  令和元年11月     基本協定の締結
  令和3年3月      双日五島株式会社設立
  令和4年8月      五島リトリートray オープン
(3)コンセプト
  「祈りの島、光の宿」
(4)デザイン
  「The view」をテーマにした橋本夕紀夫氏のインテリア 瑠璃庵のガラスなど地域作家のクラフト
(5)部屋
  26部屋・オーシャンビュー・露天風呂付
(6)その他
  五島牛、魚介など地元食材を使用した料理、スパ、アクティビティ、観光

《現地視察の様子》
6.オリエンタル エアブリッジ株式会社

 会社概要・事業概要等について、オリエンタルエアブリッジ株式会社から説明を受けるとともに、質疑応答・施設視察を行った。

(1)所在地      大村市箕島町593番地の2
(2)設立       昭和36年6月12日
(3)事業免許/許可  航空運送事業・航空機使用事業
(4)株主数      80名
(5)従業員数     249名
(6)事業内容
  ・航空運送事業 国内定期航空運送 貸切飛行 遊覧飛行
  ・附帯事業 長崎県防災ヘリコプター受託運行・整備 その他
  ・航空機使用事業 報道取材飛行 視察調査飛行
  ・使用機 DHC-8-201型 ダッシュ8(客席数39席) 2機(予備機含)
       DHC-8-401型(客席数74席)3機※ANA共通事業機
(7)その他
  ・新型コロナウイルス感染症の旅客運送への影響として、離島路線でR1/R3年度比85.3%
  ・設計寿命を迎えるDHC8-201型の後継機ATR42の1号機を2023年7月から稼働予定

《現地視察の様子》