閉会中の活動 令和3年度分

離島・半島地域振興特別委員会

現地調査

委員会名 離島・半島地域振興特別委員会
目的 離島・半島地域振興対策、再生可能エネルギー振興対策 現地調査
日時 令和3年11月17日(水)~18日(木)(2日間)
調査先 長崎市、雲仙市、島原市
出席委員 委員長 下条 博文、副委員長 山本 由夫、委員 田中 愛国、堀江 ひとみ、宅島 寿一、
麻生 隆、山口 経正、近藤 智昭、宮島 大典、中村 泰輔
概要
1.長崎市恐竜博物館

 概要等について、長崎市学芸員から説明を受けるとともに、施設視察を行った。

(1)設立    令和3年10月
(2)所在地   長崎市野母町568番地1
(3)事業
  ・博物館資料の収集、保管及び展示に関すること
  ・博物館資料に関する専門的及び技術的な調査研究に関すること
  ・教育活動その他の活動の機会の提供に関すること
  ・他の博物館等との緊密な連絡及び協力並びに情報の交換、博物館資料の相互賃借等
   に関すること
  ・その他教育委員会が必要と認める事業
(4)観覧者数  年間約12万人(目標)
(5)構造     鉄筋コンクリート造(一部2階建)
(6)延床面積  2,594㎡(1階2,401㎡、2階193㎡)
(7)総事業費  約21億円(予算ベース)
(8)施設概要  常設・企画展示室、収蔵庫、ミュージアムショップ、事務室 等

《現地視察の様子》
2.長崎市野母崎文化センター

長崎のもざき恐竜パークの概要及び地域振興の課題等について、長崎市職員、指定管理者から、説明を受けた後、質疑応答を行った。
【地域振興の課題】

  • 恐竜パーク利用者を脇岬や樺島地区、長崎半島全体に回遊していただき、地域活性化へ繋げる。
  • アフターコロナ後の国内の観光客や海外からのインバウンドの受け入れのタイミングを見極め、準備を進めていく。
  • 平日の入館者増の対策として、市内の小中学校や幼稚園、保育所などからの利用者を増やすための取り組みと修学旅行の誘致。
  • 土日祝祭日、水仙まつり開催時の南部地域の渋滞対策
    ※国道499号(蚊焼地区及び黒田地区)の道路拡幅工事完了をもって緩和見込み
  • 長崎南環状線が早期に整備されることで、長崎市南部の交通渋滞の緩和により、南部地域と中心部の連絡時間が短縮される。また、長崎自動車道と繋がることで、県外からの観光客の増も期待される。
《現地視察の様子》
3.小浜温泉バイナリー発電所

 事業概要等について、雲仙市職員から説明を受けた後、施設を視察するとともに質疑応答を行った。

(1)概要等

 温泉水の熱エネルギーを利用し、沸点の低い媒体を蒸発させて発電を行っている。これまで、未利用だった100℃前後の温度域からのエネルギー回収および有効利用による「省エネ」と、再生可能エネルギーから発電することによる『創エネ』での地域貢献が期待されている。

○地熱発電

   【発電所名】  小浜温泉バイナリー発電所
   【発電事業者】 ㈱シン・エナジー
   【出  力】  135kw
   【設置場所】  雲仙市
   【基  数】  1 基

(2)プロジェクトの経緯

 2011.3   小浜温泉エネルギー活用推進協議会の設立
 2011.5   一般社団法人小浜温泉エネルギー設立
 2013     温泉バイナリー発電実証試験、チャレンジ25地域づくり事業,72kw×3
 2015     温泉バイナリー発電事業化、温泉スケール対策実験の実施

(3)新たな展開に向けて

 2009年、「火山との共生」をテーマとして、小浜温泉を含む島原半島が日本初の世界ジオパークに認定された。小浜温泉では、プロジェクトの新たな展開として、小浜温泉の成因調査、ジオパークを活用した着地型ツーリズムプログラムの開発など、地熱(温泉エネルギー)への理解と利用の促進にむけた取り組みを進めている。
※温泉資源の活用(地熱利用の推進、地熱理解の促進)→ レジリエントな地域社会の実現

《現地視察の様子》
4.八万地獄

 観光地の災害状況等について、雲仙市職員から説明を受け質疑応答を行った後、現地視察を行った。

(1)被害状況
  • 令和3年8月13日、雲仙温泉八万地獄において斜面崩壊が発生し、土砂が国道まで流出したことにより、本県所管の公衆トイレ、環境省所管の遊歩道や泉源、民間の土産物店等が被災。
  • 上記土砂崩れにより、源泉及び燗付け配管等が被災し一部の旅館・ホテルが休館等となった。
(2)対応

 直ちに現地調査を行い、観測機器や土嚢の設置、堆積土砂の除去、泉源の確保など応急的な対策を実施。

(3)再生への取組
  • 八万地獄グランドデザイン及びキーデザイン、八万地獄グランドデザイン策定委員会を設置。
  • 今回の豪雨災害を乗り越えて地域と行政が一体となり、創造的復興を展開し、世界に誇れる「雲仙地獄」に生まれ変わらせる。
《現地視察の様子》
5.コワーキングスペースHUB雲仙

 事業概要等について、コワーキングスペースHUB雲仙から説明を受け質疑応答を行った後、施設視察を行った。

(1)設立     平成30年4月2日
(2)事業者名  一般社団法人アールイー
(3)当法人の目的
  島原半島地域を活性化する事を目的とするとともに、その目的に資するため、次の事業を行っている。
  ・地域社会の活性化を目的とした産業振興などの事業
  ・地域コミュニティーの永続的な運営を支援する事業
  ・地域資源を活用した幅広い交流を支援する事業
  ・その他、当法人の目的を達成するために必要な事業

《現地視察の様子》
6.島原市三会原地区

 事業概要等について、長崎県及び島原振興局三会原土地改良区から説明を受けた後、質疑応答を行った。

(1)事業主体       長崎県
(2)事業名
  ①畑地帯総合整備事業(担い手育成型)三会原第1地区
  ②農地整備事業(畑地帯担い手育成型)三会原第2地区
(3)工 期       ①平成14年~平成19年   ②平成20年~平成25年
(4)受益面積      ①35.5ha  ②34.4ha
(5)標準区画規模    事業実施前 10a → 完了後 30a
(6)1ha以上の区画合計面積 :-
(7)主要工事      ①区画整理、畑地かんがい
             ②区画整理、畑地かんがい、休憩施設(トイレ)
(8)関係土地改良区   三会原土地改良区
(9)関係市町村     島原市

《現地視察の様子》
7.島原漁業協同組合(ジオアワビ陸上養殖施設)

 事業概要等について、島原漁業協同組合から説明を受け施設を視察するとともに、質疑応答を行った。

(1)所在地    島原市洗切町丙1433番地2及び8
(2)主な漁業  刺網漁業、小型底びき網漁業、ワカメ養殖
(3)養殖開始年度  平成30年度(アワビのみ)
(4)施設の規模
  水槽(アワビ用0.5トン水槽28基)、その他(ICT機器、ナノバブル発生装置、ポンプ等)
(5)取組等

  • 平成30年度からアワビの陸上養殖を開始
  • 平成30年7月豪雨によりアワビへい死(海水の淡水化)
  • 平成30年度に島原漁協が単独で閉鎖循環システム(濾過槽等)を整備
  • 平成30年度に国の情報通信技術利活用事業によりICT機器を整備(1時間毎に飼育海水の塩分濃度、水温、溶存酸素量を自動測定しスマートファンで確認可)

(6)ICT技術で拓く島原漁協 陸上ジオアワビ養殖業の未来
 新設した養殖施設にてICT機器の導入により省人化しながら職員が常駐する既設養殖施設と同程度の高い養殖アワビ生残率(80%)を実現し、損失リスクを回避。アワビの養殖技術体系を確立し、島原市内において普及展開可能な状況を目指す。

《現地視察の様子》

 このほか、青雲荘(雲仙市)において「観光地の大雨被害」の調査も行った。