閉会中の活動 令和元年度(平成31年度)分

環境生活委員会

現地調査

委員会名 環境生活委員会
目的 環境生活行政現地調査
日時 令和元年11月19日(火)~22日(金)  (4日間)
調査先 沖縄県 南城市、宮古島市、石垣市
出席委員 委員長 坂本 浩、副委員長 石本 政弘、委員 中山 功、委員 坂本 智徳、
委員 外間 雅広、委員 中村 和弥、委員 西川 克己、委員 山口 初實、
委員 宅島 寿一、委員 饗庭 敦子
概要
1.沖縄県動物愛護管理センター(沖縄県 南城市)

 「動物愛護管理」について調査を行った。

(1)施設概要・予算について

①敷地面積:6,675㎡
②構造及び規模
 ア 鉄筋コンクリート3階建(地上2階、地下1階)
 イ 建築面積:  622.5㎡
 ウ 延床面積:1,668.7㎡
③センターの執行予算額:107,993千円(平成31年度事業費ベース)
( 内 訳 )
 ア 動物愛護管理センター運営費:42,764千円
 イ 動物適正飼養推進事業費:12,104千円
 ウ 動物救護事業費:18,690千円
 エ 狂犬病予防対策指導費:172千円
 オ 犬捕獲抑留事業費:34,263千円

(2)動物の愛護管理の取組み ~殺処分ゼロへの取組み~
 ◎玉城沖縄県知事の公約
 ・主要施策「犬猫の殺処分をなくします」
 ・「ゼロ」から「廃止」へ。
  すべてのいのちを大切にする沖縄県をめざし、啓蒙活動の取り組みを強化します!


「犬・猫観察室」調査状況

( 具体的な施策と事業内容 )
 ア 収容数の削減
  ・犬猫引き取り時の指導・助言、引き取り拒否の強化
  ・普及啓発
    ホームページによる啓発
    捨て犬・捨て猫キャンペーン
    動物愛護週間行事
    一生うちの子プロジェクト
    夏休み親子で学ぶセンター見学会
    視察研修、体験学習の受入
  ・飼い主のいない猫対策
※地域住民が主体となって餌やりや糞の始末などの管理を行い、野良猫に不妊去勢手術を施し、一代限りの寿命を全うさせ野良猫を減らしていく「地域猫活動」を提案。モデル地区を選定し、不妊去勢手術を県が支援。
(令和元年10月末現在:モデル地区1地域を選定中、ほか2市(3地域)から要望あり)
 イ 新たな飼い主への譲渡数の向上
   (センターが譲渡する犬猫は、全頭不妊去勢手術を実施。)
   平成30年度実績:犬103匹・猫82匹
 ウ 返還数の向上(飼い主明示(迷子札・マイクロチップ)の普及啓発等)
◎上記各種取組みの結果、犬猫の殺処分数は平成25年度の4,824匹から平成30年度は898匹(速報値)と大幅に減少した。

(3)今後の対策と課題等
  • 今後は、令和元年7月に仮供用を開始した「譲渡推進棟」の利活用を図り、ボランティア譲渡にかかる犬猫の収容期間を延長して、譲渡数を増加させたいとのこと。
  • 現知事の公約達成のためとはいえ、引き取り拒否の強化が野良猫を増加させたり、ボランティア団体の活用が多飼育等の動物虐待に繋がらないか懸念されるとの意見に対し、そのような結果にならないよう各種施策に一層取り組んでいきたいとの回答があった。
  • 長崎県でも「地域猫活動」については、多様な主体との連携による普及を図っているとの補足説明があった。
2.宮古土木事務所(沖縄県 宮古島市)

 「伊良部大橋の整備と効果」について調査を行った。

(1)事業概要

路 線 名:一般県道平良下地島空港線
事業年度:平成13年度~平成26年度
総事業費:約400億円(取付道路も含む)
延  長:6,500m
 (本橋部3,540m、海中道路部600m、取付橋梁170m、取付道路2,190m)
幅  員:橋梁部8.5m、取付道路部 W=14.5m(2車線)
開通年月日:平成27年1月31日

(2)事業の背景と経緯
  • 伊良部大橋は、宮古島と伊良部島を結ぶ離島架橋。
  • 宮古島と海峡により隔絶されていた伊良部島は、離島であるがゆえに医療・教育・福祉等の面において、多大な不利・不便を余儀なくされ、過疎化の進行や産業の衰退等、離島特有の諸問題を抱えていたが、このような離島苦の解消を図るため、当時の伊良部村は昭和49年に架橋要請活動を始めて以来、継続的な要請活動を展開した。
【県の対応】


「宮古土木事務所」調査状況

  • 平成 4 年度:基礎調査等に着
  • 平成12年度:県道認定(一般県道平良下地島空港線)
  • 平成13年度:着工準備調査開始・伊良部架橋技術検討委員会の設置
  • 平成16年度:伊良部大橋橋梁整備事業に係る環境影響評価書の広告縦覧
  • 平成17年度:漁業補償契約の締結
  • 平成18年3月:伊良部大橋起工式
  • 平成26年度:上部工連結式
  • 平成27年1月:開通式
(3)伊良部大橋の整備効果

①移動のしやすさの向上
 天候や時間帯に左右されず、宮古島と伊良部島間の移動が可能となり、移動時間が約18分短縮された。
②生活環境・文化水準の向上
 救急搬送や島外病院への通院など医療サービスが向上し、島民の不安が解消されるとともに、島外の学校への通学が容易になった。
③交流・物流の拡大支援
 架橋により宮古圏域が一体化され、経済及び人の交流が 盛んになるとともに、時間短縮や輸送コストの低減等により、効率的な移動や輸送が可能となった。
④地域の活性化
 架橋と同時に水道や電気等の社会資本が整備されたことにより、安定的なライフラインが確保された。
 また、架橋に伴う輸送コストの低減等により、基幹産業である農業と漁業の発展が期待されるとともに、観光産業が発展することによる新たな雇用機会が創出され、人口減少に歯止めがかかり、島全体の活性化が図られた。
⑤観光資源の活用
 架橋後、観光客数の飛躍的増加がみられており、レンタカー(宮古島で現在1200台)利用による交通量の増大が想定される。

(4)伊良部大橋供用の効果と課題等
  • 平成27年度に宮古島市を訪れた入域観光客数は、前年度に比べ 19%増加し、過去最高の51万人超となり、以降も増え続けている。
  • 平成28年度に宮古島市の平良港に寄港したクルーズ船は、前年度の13回に対し、8.4倍の109回となり、過去最多を記録した。
  • 平成31年3月に「みやこ下地島空港」が竣工し、国内や香港からの路線が就航している。今後、宮古諸島の魅力を伝えるゲートウェイとなり、交流人口の拡大や地域活性化に寄与することが期待されている。
  • 上記、数々の効果を踏まえながらも、貴重な観光資源である豊かで美しい自然や未開発の観光資源を守っていくため、「観光振興基本計画」を策定しハードとソフトの両面から各種施策に取り組んでおり、今後も継続していくとの説明があった。
3.国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター(沖縄県 石垣市)

 「サンゴ礁のモニタリング調査の現状」について調査を行った。

(1)センターの概要
  • 開館:2000年5月(来年20周年)
  • 目的:東アジア海域におけるサンゴ礁の保全や研究・モニタリング活動を推進する、地球規模モニタリングネットワークの東アジア海域における中心的な役割を果たす。
  • 施設の利活用:サンゴ礁等の調査研究の拠点としての利用、自然環境に関わる会議・イベントの開催、地元小学校等の施設見学
  • パラオ国際サンゴ礁センターとの協力覚書
     平成29年7月25日 署名 、 平成30年3月 人材交流としてパラオを訪問
(2)(同センターが所管する) 石西礁湖 の概要
  • 石垣島と西表島の間に広がる日本最大のサンゴ礁(東西約20Km、南北約15Km)
  • 昭和47年に西表国立公園(当時)に指定
  • 350種を超える多様なサンゴが確認されている


「多目的レクチャー室」調査状況

(3)石西礁湖の現状と今後の取組み
  • 多様なサンゴが生息することにより、多くの生物が集まり、その生物多様性は観光産業の振興のほか、全ての恵みの源となっている。
  • オニヒトデの大量発生や赤土流出等の海水汚濁、海水温の上昇、シュノーケリングなどでの接触により、サンゴの大規模な白化現象が進行している。
  • サンゴ礁生態系は様々な影響を受けており、その保全に資するためには、継続的な生態系の状況把握が必要なため、モニタリング調査を継続し、自然再生を図っていきたいとの説明があった。

 以上のほか、宮古島市エコアイランドPR館(宮古島市)において「エコアイランド宮古島の概要」、みやこ下地島空港(宮古島市)において「ネット・ゼロ・エネルギービルの取組」、石垣市役所(石垣市)において「離島のインフラ整備」、川平公園(石垣市)において「指定管理公園の管理等」について調査を行った。

現地調査

委員会名 環境生活委員会
目的 環境生活行政現地調査
日時 令和元年7月30日(火)~31日(水)  (2日間)
調査先 長崎市、時津町、佐世保市、諫早市
出席委員 委員長 坂本 浩、副委員長 石本 政弘、委員 八江 利春、委員 中山 功、
委員 坂本 智徳、委員 外間 雅広、委員 中村 和弥、委員 西川 克己、
委員 山口 初實、委員 宅島 寿一、委員 饗庭 敦子
概要
1.西彼杵道路建設工事現場(時津町)

 「地域高規格道路の工事進捗」について調査を行った。

(1)地域高規格道路について

①地域高規格道路とは

  • 全国的な高規格幹線道路網と一体となって、通勤圏域の拡大や地域間連携の強化、物資の流通促進、及び人々の交流の活性化などの役割を担う道路。
  • 沿道や交通の状況に応じて、60km/h以上の速度を提供する自動車専用道路。

②長崎県の取り組み方針


西彼杵道路建設工事調査状況

 県政運営方針である「長崎県総合計画」の基本理念を実現するための交通部門の計画として、道づくりにおいて「長崎県総合交通計画(H23~H32)」と長崎県の道づくり基本方針を策定し、「産業、地域が輝く活力に満ちあふれた、たくましい長崎県」の実現に向け、観光振興や地域振興を支援するため、規格の高い道路である地域高規格道路の整備を重点的に進めている。

③地域高規格道路の指定状況

指定路線:6路線
○計画路線(4路線)と工事進捗状況
・長崎南環状線(完成)
・島原道路(約3割供用)
・西彼杵道路(約3割供用)
・長崎南北幹線道路(約5割供用)
○候補路線(2路線)
・東彼杵道路
・島原天草長島連絡道路

(2)西彼杵道路について

①整備目標と目的
目標:長崎市と佐世保市を1時間以内で結ぶ。
目的:

産業・経済の発展や、生活基盤の強化による人口定着などの地域活性化に貢献するとともに、大規模災害時の避難・緊急輸送ルートとしての役割も担う。

②進捗状況と開通時期

○全体約50kmのうち、約14km(約3割)が完成。 現在は時津工区を整備中。
〔完成状況〕
・西海パールライン:平成10年11月(2.2km)、平成18年3月(2.5km)
・指方バイパス:平成23年6月(3.4km)
・小迎バイパス:平成25年3月(6.1km)

③時津工区の事業概要等と整備効果

・交通混雑が著しい国道206号(時津町中心部)の渋滞緩和を目的とする。
・全体延長は約3.4kmで、片道2車線の自動車専用道路。
・平成26年度から事業を開始し、事業費ベースで約6割、用地取得進捗率は約9割を超えている。
・(仮称)久留里トンネル(1.7km)は、平成29年3月から掘削工事に着手し、令和元年6月26日に貫通式を行った。
・時津工区の整備により、交通量が分散され、交通渋滞の緩和及び交通事故の減少が期待されるとともに、時間が約4分短縮される。

2.大村湾南部浄化センター(諫早市)

 「流域下水道事業」について調査を行った。

(1)流域下水道とは

 二つ以上の市町村にまたがって下水道を整備する際に、都道府県が設置管理するもので、その構造は市町村が整備管理する下水道管渠が流域下水道の幹線管渠に接続し、下水が排除されて終末処理場に到達する流れとなっている。

(2)大村湾南部流域下水道の概要

 県内で唯一の流域下水道で、諫早市と大村市の2市にまたがる大村湾の最奥部流域の1,644haを対象としている。
 大村湾は閉鎖性水域であることから、生活排水などによる水質汚濁に対応する必要があり、長崎県では流域住民の生活環境の改善及び大村湾をはじめとする公共用水域の水質保全を図るため、諫早市及び大村市と協力して平成5年度に事業に着手した。
 大村湾南部流域下水道は2つの幹線管渠(多良見幹線、大村幹線)と終末処理場(大村湾南部浄化センター)で構成されており、平成12年3月31日に一部供用を開始し、その後も順次処理区域を拡大している。
※ 全体計画(平成5年度~令和12年度)

・計画人口:41,700人(下水道処理人口:39,414人(平成29年度末))
・計画汚水量:28,100m3/日最大
・流域幹線延長:約5.3km(多良見幹線約4.7km、大村幹線約0.6km)
・処理方法:ステップ流入式多段硝化脱窒法(標準活性汚泥法から順次改修予定)
・処理場面積:約49,100m3

(3)大村湾南部浄化センターでの汚水処理について


大村湾南部浄化センター調査状況

 汚水処理方式は標準活性汚泥法を採用し、薬品での処理ではなく、自然界に存在するいろいろな微生物の働きによって浄化を行っている。
 具体的には汚水の中の大きなごみや土砂を取り除いた後、小さなごみや泥などを沈殿させ、その後汚水に活性汚泥を加えて空気を送り込み長時間攪拌することにより、活性汚泥中の微生物が汚れを取り込み、固まりになった活性汚泥を沈殿させて上澄み水と分離し、分離した上澄み水は消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム)で消毒後、河川へ放流している。
 分離された活性汚泥については、一部再利用されるとともに、余剰分については肥料などに作りかえられ、全てが有効に利用されている。
 また、一連の工程の中で発生したメタンガスは、施設内で利用する電力の燃料として利用されている。

(4)今後の取り組み(高度処理事業)

 平成26年度末に策定された「大村湾流域別下水道整備総合計画」において、赤潮の原因である窒素及びリンの処理(高度処理)を速やかに実施すべきとされたため、平成27年度に事業計画を変更し、処理場を高度処理化するための改修を進めるとともに、処理水の計画放流水質について、従来のBODに加え、新たに全窒素、全リンの値を定めた。
(平成31年度実施内容)
①中央監視更新工事、②余剰汚泥貯留槽電気設備工事、③6系列最終沈殿池機械設備工事、④6系列最終沈殿池電気設備工事、⑤管理棟耐震工事、⑥水処理施設改築詳細設計

 以上のほか、アミュプラザ長崎(長崎市)において「長崎駅周辺の現状と今後の計画」、浦上駅(長崎市)において「JR長崎本線連続立体交差事業」、ウーマンズジョブほっとステーション(長崎市)において「女性の就労支援」、西海橋公園(佐世保市)において「指定管理者制度導入公園の現状」、西海国立公園九十九島動植物園(佐世保市)において「ツシマヤマネコの飼育下繁殖の取組」、諫早駅周辺再開発事業予定地(諫早市)において「諫早駅周辺再開発事業」及び「県営バス諫早ターミナルの再整備」について調査を行った。