1.五島コンカナ王国(五島市)
五島コンカナ王国において、五島市およびコンカナ王国での観光施策「観光客及び宿泊客 受け入れの現状、観光事業の取組等」について調査を行った。
○五島市の概況 |
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・五島市の位置
五島市は、九州の最西端、長崎県の西方海上約100Kmに位置しており、大小152の島々からなる五島列島の南西部にあって、総面積は420.04平方Km、11の有人島と 52の無人島で構成されている。
・地勢
福江島の西側の海岸は、東シナ海の荒波を受け海蝕崖がつらなり、特に大瀬崎の断崖、嵯峨島の火山海蝕崖が有名。また、福江島、嵯峨島には、小型のホマーテ(臼状火山) 及びアスピーテ(楯状火山)の火山群があり、その特異な火山形は我が国でも珍しい存在となっている。島全体の景観は非常に美しく、その大部分が西海国立公園に指定されている。 ・気候
五島地方は対馬暖流の影響が大きく、冬は暖かく夏は比較的涼しいといった海洋性の気候(西海型気候区)に属し、年間平均気温は17度で対馬暖流の影響を受け比較的温暖で、年間降水量は2794.5mm。
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○五島列島各市町・観光協会、五島振興局との連携事業
【世界遺産の島の個人型観光受入推進プロジェクト H27~H29】 |
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・目的
①観光客の五島列島周遊促進、3市町の連携促進
②個人観光客をターゲットとした世界遺産登録に向けた受け入れ環境整備
③観光関係事業者の意識向上、人材育成
・実施主体 五島列島おもてなし協議会
・構成団体 五島市、新上五島町、小値賀町、五島市観光協会、新上五島町観光物産協会、
おぢかアイランドツーリズム協会
・事業内容
①3島合同月間着地型情報誌「ゆたっと」発行
②観光客受入環境整備やマップづくり・ガイド養成等
③職員間交流や観光客満足度調査の実施 など

五島コンカナ王国にて
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○五島市の主なイベント |
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・五島列島夕やけマラソン ・バラモンキング(トライアスロン)
・国指定・重要無形民族文化財ヘトマト ・長崎県指定・無形民族文化財チャンココ
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○その他、感動しま旅!五島プロジェクト |
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・体験型観光推進事業 ・巡礼ツアー推進事業 ・誘客プロモーション事業など実施。
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○五島コンカナ王国における観光客の状況と取組事項 |
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- 宿泊者数は、平成25年 13334人 平成26年 16574人 平成27年 17637人と増加傾向。
- 客室のハイクラスルームリニューアル、観光ワイナリー開業、スポーツ合宿やインバウンド受入強化等を図っている。
- しまとく通貨利用者や、WEBでの予約増加が要因とみている。
- 今後は、ハイクラス宿泊施設計画、レストランの充実、ワイナリー生産性向上など新たな計画を進めていく予定。
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2.五島列島酒造(五島市)
地産地消で原材料はすべて五島産による酒蔵である「五島列島酒造」を視察した。まさしく「五島」そのものを封じ込めた会社であり、観光振興を図っている。福岡国税局管内酒類鑑評会においては、2011年11月に『五島麦』が金賞を受賞。五島産二条大麦の原料特性がよく現れている点や、芳醇な香りとふくらみのある味を評価して頂き、金賞の評価を受けている。全国各地から観光客が訪れ、「五島」をアピールしている。

五島列島酒造にて
3.三井楽町(五島市)
遣唐使ゆかりのある三井楽町(日本遺産)にある「辞本涯」や、明星院(日本遺産)、県と市連携による環境整備等行っている「高浜」など、現地を視察した。現地へ直接赴くことにより、道路整備等の必要性や日本遺産登録後のさらなる維持すべきための問題点など、改善すべき事業のみならず、地域住民の協力等、現状把握を行った。
日本遺産 現地視察
4.波佐見町
波佐見町(中尾山・鬼木地区)において、観光客誘致状況及びARによる情報発信等の 取り組みについて調査を行った。
○波佐見町の概況 |
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- 虚空蔵山系を南に、東北を神六山系に、西を弘法岳山系の100~500mの山々が起伏し、町の中央を東北から南南西にのびる川棚川は、川棚町を経て大村湾に注いでいる。これに沿って、折敷瀬、宿、田の頭、岳辺田、平野地区が平坦部を形成し、やや密集した集落が連なり、水田が耕されている。 山林は,傾斜地に拓かれた畑地帯から山頂に達して、町全体を囲み森林資源地帯を形成しており、地質は、第三期層丘陵と石英粗面岩類の山地がいたるところに散在起伏し、沖積層平坦部がその間に入りこみ複雑な地形をなしている。
- 長崎県のほぼ中央、東彼杵郡の北部に位置し、西は佐世保市、南は川棚町、東は佐賀県武雄市、嬉野市に、北は佐賀県有田町に接している。東西10.5km、南北7km、周囲33kmで総面積56km2。また、長崎県内でも海に面していない唯一の町でもある。
- 人口は、15324人、戸数は5017戸(平成23年7月末現在)だが、400年の伝統をもつ全国屈指の「やきものの町」として栄えている。全国の一般家庭で使われている日用食器の約13%は波佐見町で生産されている。町内には陶磁器に関する約400の事業所があり、町内の約2000人が窯業関係の仕事にたずさわっている。また、農業の近代化にも力をいれ、県営圃場整備、農村総合整備モデル事業なども県下で第1号として実施。水田面積650haのうち約83%の区画整理が完了。大型農機による作業とライスセンターを結んだ米麦一貫作業体制が確立されている。これによって生じる農家の余剰労働力は、地場産業である陶磁器関連産業への就労と結びつき、農工一体となって発展を続けている。今後は、波佐見テクノパークに立地した長崎キヤノン㈱と400年の歴史を有する陶磁器産業、農業や温泉などとの共生を図り、「活力と潤いにみちた陶磁と緑のまち 波佐見」を目指したまちづくりを展開していく。
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○陶郷 中尾山うつわ散策マップ・中尾山なび事業概要 |
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- 中尾山地区には、17の窯元が伝統を受け継いでおり、170mを超える世界最大の登り窯跡を有し、陶器祭りの時期には、約1万人もの観光客が訪れる。しかし、道幅は狭く入り組んでいるため、初めて訪れた人には道順や周遊ポイントが分かりづらいという問題があっていた。このような課題に最新のIT技術(拡張現実AR)を利用して魅力を伝える「おもてなし」を実現した事業である。
- Wi-Fi整備、アシスト付き電動レンタサイクルの利用等も実施しており、今後は、アプリ利用者の増加を期待する。
波佐見町 中尾山・鬼木地区にて
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