概要 |
1.県央木材協同組合(諫早市)
県内有数の取り扱い能力を持つ製材工場で「県産材の活用」等について調査を行った。
(1)県央木材協同組合の事業概要について |
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製材工場 平成23年、島原・諫早地区の建築関係事業者等の4社で、製材施設を共同化しコストダウンすることにより競争力を確保し、地域森林(木材)資源を有効活用するために設立。林野庁から約2億円の補助を受け、総事業費約5億7500万円を投じて、年間2万m3の木材取り扱い能力を持つ製材工場を整備した。
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(2)県産材の活用について |
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これまで長崎県産の丸太の約6割は県外で製材されていたが、伐採から搬出、製材、乾燥、加工まで行う新工場の誕生により、運搬コストが削減され、それに伴う間伐材の有効活用等により、県産材の更なる活用を目指している。
[生産計画] |
丸太購入量(m3) |
製品生産量(m3) |
平成26年度(実績)
平成27年度
平成28年度
平成29年度
平成30年度 |
6,195
6,500
6,690
7,190
7,740 |
2,785
3,042
3,131
3,365
3,622 |
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2.松浦魚市場(松浦市)
松浦魚市場を訪問し「再整備実施計画」について調査を行った。
(1)松浦魚市場再整備実施計画 |
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現在の荷捌施設
荷さばき施設を高度衛生管理対応の閉鎖型に建て替えることで、平成15年に供用開始した高度衛生対応買荷保管積込施設「おさかなドーム」と一貫した閉鎖型の市場施設を完成させる計画。それに合わせて、管理棟等の周辺施設整備も図るようにしている。
現在、基本計画で挙がった下記10項目の課題に対応できるよう詳細な検討を加えながら基本設計を行っている。
① |
新造大型運搬船岸壁の確保 |
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⑥ |
高気温時における水揚容器の品質管理対策 |
② |
荷役作業面積を確保した温度管理、
高度衛生化閉鎖型荷捌施設への転換 |
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⑦ |
樹脂タンクによる計量販売による
無選別販売の拡大 |
③ |
おさかなドームまでの搬送経路の整備 |
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⑧ |
高付加価値化による質への転換 |
④ |
大缶等の積込場所の指定・確保 |
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⑨ |
冷蔵庫等の拡充・改良 |
⑤ |
清浄海水の潤沢な供給 |
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⑩ |
消費地への迅速な流通・交通網の整備 |
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3.松浦水産(株)(松浦市)
松浦水産㈱を訪問し「とらふぐの陸上養殖」について調査を行った。
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(1)とらふぐの陸上養殖について |
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「平成18年度強い水産業づくり交付金事業」で、国、長崎県、松浦市より施設整備費の約70%の補助を受け、陸上養殖施設を整備。
陸上養殖施設概要
・総敷地面積 10,718.54㎡
・施設総建築面積 7,304.61㎡
・養殖施設 木造平家建 6,778.03㎡
・養殖水槽構造 鉄筋コンクリート壁シート張 120t水槽×58基
・生産能力 年間出荷量:約7万尾・85,000kg
事業開始当初は陸上養殖のノウハウがなく、原因不明の病気により稚魚が大量死するなど、経営が困難な時期もあったが、海面養殖の経験を活かして徐々にノウハウを蓄積していき、また、関西方面の百貨店等への販売経路を確保することにより、順調に売上高を伸ばしている。
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4.平戸市役所(平戸市)
平戸市における「有害鳥獣対策」や「平戸牛の振興策」について調査を行った。
(1)有害鳥獣対策 |
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平戸市では「まちなか対策事業」というイノシシ対策を実施。その「被害防止対策重点地区モデル事業」では、市街地において地域ぐるみのイノシシ対策に取り組む行政区等に対して、防護柵設置にかかる経費などを助成したり、「特区捕獲隊育成事業」では、市街地において新たに捕獲隊を立ち上げる団体に対し運営経費等を助成することによって、有害鳥獣対策に取り組んでおり、下記のとおり成果をあげている。
項目
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単位
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年度
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H18
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H19
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H20
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H21
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H22
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H23
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H24
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H25
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H26
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イノシシ捕獲頭数 |
頭数
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786
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1,012
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1,924
|
1,814
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3,788
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3,033
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3,824
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2,609
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3,187
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農作物被害推計金額 |
千円
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36,785
|
22,377
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12,952
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17,060
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29,233
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34,371
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20,247
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11,134
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12,762
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捕獲隊従事者数 |
人数
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90
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180
|
180
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169
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173
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175
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196
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182
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209
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5.長崎県窯業技術センター(波佐見町)
長崎県窯業技術センターを訪問し、波佐見焼関係団体との意見交換と、「センターの最先端設備」等について調査を行った。
(1)波佐見焼関係団体との意見交換会 |
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波佐見焼振興会、波佐見陶磁器工業協同組合、長崎県陶磁器卸商業協同組合の3団体の関係者と波佐見焼の振興について意見交換を行った。
消費の低迷により、日用和食器出荷額も大きく減少するなか、「波佐見陶器まつり」の運営、「東京ドーム・テーブルウェアフェスティバル」や「はかたdeはさみ」等の県外展示会への出展や後継者育成に力を入れることにより、波佐見焼は生産額こそ減少傾向にあるものの、全国シェアを伸ばしている。 |
(2)長崎県窯業技術センターの施設見学 |
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5軸モデリングマシン、3Dプリンタ センターでは最新の3次元デジタル技術を駆使した共同研究、新商品開発を行っており、平成26年に導入した5軸モデリングマシンを用いることにより、より複雑な形状にも対応し、利用者の高度な要求に応えている。
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以上のほか、平戸瀬戸市場において「農水産物加工品等の流通・販売」について調査を行った。
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