令和2年9月定例会

意見書・決議

●定例会を終わって  ●主な質問・質疑  ●会期日程  ●本会議一般質問  ●予算総括質疑  ●意見書・決議  ●議員提案条例

新型コロナウイルス感染症感染者等に対する人権配慮等に関する決議

 新型コロナウイルス感染症は全国的に急速な感染拡大が進んでおり、本県においても、7月から感染者が急増し、日常生活の中に感染リスクが存在している状況となっている。
 こうした状況の下、感染された方や医療従事者及びその家族が、SNS等の様々な媒体による誹謗中傷を受けたり、接触を避けられたり、出勤や子どもの登校・登園を止められるなどの憂慮すべき事例が発生しているが、これらの行為は、不当な差別や偏見というべきものであり、人権擁護の観点からも看過できない。
 また、こうした誹謗中傷をおそれて有症者が検査を拒んだり、行動歴や濃厚接触者の情報を提供しなければ、さらなる感染拡大を招く結果となる。
 新型コロナウイルス感染症は、誰もが感染しうる感染症であり、また誰もが気づかないうちに他人に感染させてしまう可能性があることを、県民一人ひとりが受け止めて行動することが求められている。
 よって、本県議会は、県民とともに、新型コロナウイルス感染症に関連する方々の支援に全力を尽くし、差別や偏見等の根絶を目指して以下のとおり取り組む決意を強く表明する。
 



  1. 新型コロナウイルスへの感染を理由とした誹謗中傷や差別、偏見の防止に向けて、それを許さないという断固とした姿勢を示す必要がある。そのため、市町や民間団体と連携し、報道機関の協力も仰ぎながら感染に対する正しい知識を県民と共有するとともに、その被害に遭われた方に対しては、県と一体となって、専門家の力もお借りしながら寄り添った支援を実施できる体制整備を進める。
  2. 感染症の予防に関する知識を深め、改めて手洗いやマスクの着用など基本的な感染防止対策を励行するとともに、行政機関や医療機関等が実施する感染症に関する対策・調査に対しては、前述の感染拡大を防ぐ観点から、積極的に協力いただけるよう県民への呼びかけを行う。

 以上、決議する。


  令和2年 9月10日


長 崎 県 議 会

(提出先)

長崎県知事       中村 法道 様



地方自治体のデジタル化の着実な推進を求める意見書

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、これまで取り組んできたデジタル化の推進について様々な課題が浮き彫りになった。こうした事態を受け、7月17日に閣議決定された「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」において、我が国をデジタル技術により強靱化させ、我が国経済を再起動するとの考えの下、「国民の利便性を向上させる、デジタル化」「効率化の追求を目指した、デジタル化」「データの資源化と最大活用に繋がる、デジタル化」「安心・安全の追求を前提とした、デジタル化」「人にやさしい、デジタル化」実現のため、本格的・抜本的な社会全体のデジタル化を進めるとの姿勢を示した。
 また、政府の第32次地方制度調査会において、地方行政のデジタル化の推進などを盛り込んだ「地方行政体制のあり方等に関する答申」が提出され、社会全体で徹底したデジタル化が進むことで、東京一極集中による人口の過度の偏在の緩和や、これによる大規模な自然災害や感染症等のリスクの低減も期待できるとして、国の果たすべき役割について大きな期待を寄せている。
 よって、国におかれては、地方自治体のデジタル化の着実な推進を図るため、下記の事項を実施するよう強く要望する。
 



  1. 法令やガイドライン等により書面や対面・押印が義務付けられているものについて、可能な限り簡易にオンラインで実現できる仕組みを構築すること。特にマイナンバーカードの更新手続について、オンライン申請を実現すること。
  2. 情報システムの標準化・共通化、クラウド活用を促進すること。また、法定受託事務についても、業務プロセスの標準化を図り、自治体がクラウドサービスを利用できる仕組みを検討すること。
  3. 令和3年度から4年度に全国の自治体で更新が予定されている自治体情報セキュリティクラウドについて導入時と同様の財政措置を講ずること。
  4. 今後の制度改正に伴うシステム改修を行う際には、地方の事務処理の実態を正確に把握するとともに、地方公共団体の負担とならないよう十分な人的支援及び財政措置を講じること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  令和2年10月 5日


長 崎 県 議 会

(提出先)

衆議院議長        大島 理森 様
参議院議長        山東 昭子 様
内閣総理大臣       菅  義偉 様
財務大臣         麻生 太郎 様
総務大臣         武田 良太 様
厚生労働大臣       田村 憲久 様
経済産業大臣       梶山 弘志 様
内閣官房長官       加藤 勝信 様
行政改革担当大臣     河野 太郎 様
デジタル改革担当大臣   平井 卓也 様



私学助成の充実強化等に関する意見書

 私立学校は、建学の精神に基づき、時代や社会の要請に応じた特色ある教育を展開し、公教育の発展に大きな役割を果たしている。
 今般の新型コロナウイルス感染症の拡大により、デジタル技術の活用が進み、学校においてもICTを活用した同時双方向型のオンライン授業の取組が推進された一方で、教育のデジタル化の格差が鮮明となった。学校教育におけるICT環境の整備及び学校施設の耐震化と付帯設備の長寿命化は、公教育を担う学校に共通する教育基盤を整備促進する観点から、国の責務として更なる支援が必要である。
 加えて、大学から幼稚園に至る各学校種の公的支援制度が実施されている中で、5年間の実証事業である私立小中学校の生徒等への就学支援金制度の恒久化が望まれる。
 公教育の一翼を担う私立学校が、国の進める教育改革に的確に対応し、わが国の将来を担う子供たちに、時代の変化に対応できる知識や能力を身に付けさせるための教育環境を整備するためには多大な予算が必要となるが、学費負担における公私間格差や少子化による生徒数の大幅な減少等もあって、私立学校の経営は厳しい状況にある。
 とりわけ、長崎県の私立学校は小・中規模が多く財政基盤が脆弱であり、また、本県の人口減少は全国より進んでいることから、私立学校を取り巻く環境は一層厳しさを増すものと見込まれている。一方で、若者の県外流出など人口減少に歯止めをかけることは本県が抱える喫緊の課題であるが、県内就職割合が高い私立学校は、地域における若者の定着に大きな役割を果たしている。
 私立学校が、今後とも我が国の学校教育の先駆的実践と健全な発展に寄与し、将来を担う優れた人材を育成するためには、財政基盤の安定が必要不可欠である。
 よって、国におかれては、私立学校教育の重要性を認識し、教育基本法第8条の「私立学校教育の振興」を名実共に確立するため、現行の私学助成にかかる国庫補助制度を堅持し一層の充実を図るとともに、公教育の新たな基盤となるICT環境の整備充実や学校施設耐震化への補助拡充、私立学校の保護者の経済的負担の軽減のための就学支援制度の拡充強化を図るよう要望する。
 


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  令和2年10月 5日


長 崎 県 議 会

(提出先)

衆議院議長        大島 理森 様
参議院議長        山東 昭子 様
内閣総理大臣       菅  義偉 様
財務大臣         麻生 太郎 様
総務大臣         武田 良太 様
文部科学大臣       萩生田 光一様
内閣官房長官       加藤 勝信 様



「家庭教育支援法の制定」を求める意見書

 2011年3月11日に発災した東日本大震災では2万人近い人命が失われ、我々はその尊い犠牲と引き換えに、社会に於ける人と人との絆、とりわけ家族の絆が如何に大切かを再認識させられた。
 しかし、それ以降も、都市部を中心に、人と人との繋がりの希薄化は解消されず、昨今では、地域から独立しがちな子育て世帯の増加が懸念されている。子供との接し方やしつけ方など、子育ての不安や悩みを抱え込む保護者が増え、少子化による過保護や過干渉が指摘される一方で、しばしば育児放棄した保護者のニュースが世間を騒がすなど、保護者責任および家庭での子女教育のあり方が問われる事態になっている。事実、児童相談所への児童虐待相談対応件数も年々増加の一途を辿っているのが現状で、時として幼い命が危険にさらされている。
 家庭教育は、子女の心身の健康を育み、基本的な生活習慣、倫理観、自立心や自制心、社会的なマナー等を身につける上でも大切な役割を担っており、教育の原点に位置付けられる。また、家庭教育は、事柄の性格上、単に経済的課題に対処してのみ解決できる事案ではない。
 教育基本法、第10条では、「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努めるものとする」としている。また「国及び地方公共団体は、家庭教育の自主性を尊重しつつ、保護者に対する学習の機会及び情報の提供、その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよう努めなければならない」と規定している。
 よって、国におかれては、心身ともに健康な子女の養育および保護者支援を可能とする施策を総合的に推進するため、「家庭教育支援法」の早急な整備制定を強く要望する。
 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  令和2年10月 5日


長 崎 県 議 会

(提出先)

衆議院議長        大島 理森 様
参議院議長        山東 昭子 様
内閣総理大臣       菅  義偉 様
総務大臣         武田 良太 様
法務大臣         上川 陽子 様
文部科学大臣       萩生田 光一様
厚生労働大臣       田村 憲久 様
内閣官房長官       加藤 勝信 様
内閣府特命担当大臣    坂本 哲志 様




新型コロナウイルス感染症にかかる医療機関への経営支援に関する意見書

 本県における新型コロナウイルス感染症の発生状況については、4月17日に県内17例目を確認して以降、約2ヵ月半に渡り新規感染者は確認されていなかったものの、7月3日に18例目を確認してからは、9月15日までに236例目までを確認する事態に至っている。
 この間、感染症指定医療機関や県立の高等学校、特定の飲食店や事業所において相次いでクラスターが発生するとともに、感染経路が特定されない新規感染者も散発的に発生するなど、本県における新型コロナウイルス感染症の発生状況は未だ予断を許さない状況が続いている。
 そのような中、県民の安全・安心な生活を確保するためには、県民への正確で分かりやすい情報提供や、感染をいち早く探知するための検査体制の拡充・強化、感染者が安心して医療の提供を受けられる体制の整備などといった諸課題に対し、医療機関をはじめとする関係機関が一体となり、解決に向け全力で取組む必要がある。
 しかしながら、全国的な傾向と同様に、本県においても新型コロナウイルス感染症の影響による受診控えや、風評被害による医療機関離れなどが見受けられ、各医療機関は深刻な経営危機に直面している。
 これまで、国におかれては、補正予算を活用した医療機関への感染防止対策や、診療報酬の引き上げ、或いは診療継続のための資金繰り対策などに取組まれてきたことは十分承知しているものの、今もなお、多くの医療機関では減収の状態が続いており、このままでは経営の存続が危ぶまれる事態に陥ることも考えられる。
 よって、国におかれては、経営破綻による医療提供体制の崩壊を防止するために、昨年度と比較し減収の状況に直面している医療機関に対して、追加の財政支援を発動し、速やかに補てんしていただくよう強く要望する。
 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  令和2年10月 5日


長 崎 県 議 会

(提出先)

衆議院議長        大島 理森 様
参議院議長        山東 昭子 様
内閣総理大臣       菅  義偉 様
財務大臣         麻生 太郎 様
厚生労働大臣       田村 憲久 様
内閣官房長官       加藤 勝信 様




ドクターヘリの安定・持続的運用への支援強化を求める意見書

 ドクターヘリは、道路事情に関係なく医師や看護師を乗せて現場に急行し、患者を機内で治療しながら医療機関に搬送できる。2001年の本格運航以来、これまで全国43道府県に53機が配備されている。搬送件数も年々増加し、2018年度には2万9000件を超えた。7月に九州地方を襲った豪雨被害でも出動しており、“空飛ぶ治療室”の役割は着実に増している。
 一方、ドクターヘリの要請・出動件数の増加に伴い、運航経費と公的支援との間に乖離が生じている。出動件数の増加は、整備費や燃料代さらにはスタッフの人件費などの経費増に直結するため、事業者の財政的な負担は年々重くなっている。
 よって、国におかれては、全国におけるドクターヘリの運航状況を直視するとともに、ドクターヘリが、今後も救命救急の切り札として、安定的かつ持続的な運用の下、引き続き多くの人命救助に貢献できるよう、下記の事項について早急に取り組むことを強く求める。


  1. ドクターヘリ運航にかかる必要経費増加の実態をはじめ、地域ごとの年間飛行回数や時間の違いを的確に把握し、適正かつ効率的な運用に見合う補助金の基準額を設定すること。
  2. 消費税の増税に伴い運行事業者の財政的な負担が増大した現状を踏まえた適切な補助金基準額の改善および予算措置を図ること。
  3. ドクターヘリ運航の待機時間や飛行前後の点検時間を含めた操縦士などスタッフの勤務実態を的確に把握するとともに、適正な労働環境の確保を図ること。
  4. ドクターヘリ機体の突発的な不具合時における、代替機の提供や運航経費の減額など、実質的に運行事業者に負担が強いられている現状を是正するとともに、安全基準に基づいた代替機提供責務の適正化を図ること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  令和2年10月 5日


長 崎 県 議 会

(提出先)

衆議院議長        大島 理森 様
参議院議長        山東 昭子 様
内閣総理大臣       菅  義偉 様
厚生労働大臣       田村 憲久 様
内閣官房長官       加藤 勝信 様



大規模災害に対する備えの充実を求める意見書

 本県では、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」を活用することで、特に緊急に実施すべき強靱化対策が大幅に進捗し、被害の軽減・抑制が図られ、大きな整備効果が確認されるなど、事業に対する県民の期待は大きい。
 しかしながら、長崎県では、「令和2年7月豪雨」において、地すべりや斜面崩壊などにより各地の道路が通行止めになったほか、河川護岸が決壊して家屋浸水したり道路が冠水するなど、県内で数多くの被害が発生し、さらには、県内で3名の尊い命が失われている。
 毎年のように大雨特別警報が発令され、県内各地で災害が頻発するなど、県民の生命・財産を守るための対策はまだまだ不足しており、避難対策などソフト面はもちろんのこと、ハード整備と両面で十分な対策を図っていく必要がある。
 頻発・激甚化する風水害・土砂災害・地震災害から県民の生命・財産を守り、災害に強く安全・安心で強靱な県土づくりを進めるため、今後、各種計画を抜本的に見直すとともに、今年度限りとなっている「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」後も、継続して国土強靱化対策を強力に推進していかなければならない。
 よって、国におかれては、以上のような認識のもと、下記について実現されるよう強く要望する。
 



  1. 近年、激甚化・頻発する自然災害に備えるため、防災・減災、国土強靱化3か年緊急対策終了後も引き続き、経済活動の基盤であり災害にも強い高規格幹線道路のミッシングリンク解消及び4車線化、並びに地域高規格道路を始めとする幹線道路の整備や、インフラ老朽化対策などを含め、中長期的な見通しのもと、5か年計画などを策定し、これに係る予算を別枠で確保すること。
  2. 気候変動に伴い頻発化・激甚化する風水害・土砂災害から県民の生命財産を守り、災害に強く安全・安心な県土づくりを進めるため河川、砂防、海岸事業については「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」では十分と言えない。引き続き国土強靱化対策が計画的に実施できるよう、予算を安定的・持続的に確保できる措置を講じること。
  3. 雲仙普賢岳の溶岩ドーム崩壊や大規模土石流の発生に備え、令和3年度より国による直轄管理体制に移行する組織については、これまでと同様、機動的な流域の監視・巡視・点検及び適正な設備の補修や除石を実施するための体制の充実や人員を確保し、「防災・減災」機能の継続を図ること。
  4. 令和2年度が期限となる緊急・減災事業債、防災・減災、国土強靱化緊急対策事業債及び緊急自然災害防止対策事業債を延長するとともに、地域の実情を踏まえ、対象事業の拡大など地方財政措置の拡充を図ること。併せて、コロナ禍における地域経済の早期復興を図るため公共事業を含めた追加的な補正予算を編成すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  令和2年10月 5日


長 崎 県 議 会

(提出先)

衆議院議長        大島 理森 様
参議院議長        山東 昭子 様
内閣総理大臣       菅  義偉 様
財務大臣         麻生 太郎 様
総務大臣         武田 良太 様
国土交通大臣       赤羽 一嘉 様
内閣官房長官       加藤 勝信 様
国土強靱化担当大臣    小此木 八郎様




軽油引取税の課税免除の継続を求める意見書

 道路を使用しない機械等の燃料として使用する軽油に係る軽油引取税の課税免除措置については、平成21年度の地方税法改正により、軽油引取税が道路特定財源としての目的税から、普通税に変更された際に、平成24年3月31日までの延長措置が認められ、その後も、各界からの要望もあり、3年間の延長が3度実施され令和3年3月31日まで延長措置が認められたものである。
 この課税免除措置については、本県の農林水産業における作業用機械や漁船、採石場の重機、公共交通を支える鉄道や船舶等にも活用されるなど、特に離島を多く抱える本県にとって、幅広い産業の経営安定、収益向上に貢献したところである。
 燃料や資材価格の高騰が懸念される中、厳しい経営環境におかれている地方の生産者・事業者においては、軽油引取税の課税免除措置の継続は不可欠なものとなっており、免除措置が廃止されれば、農林水産業や採石業等において大きな負担増を強いられるなど、地域経済にも深刻な影響を及ぼすことが懸念される。
 よって、国におかれては、今年度末までとなっている下記特例措置について継続されるよう強く要望する。
 



  1. 軽油引取税の課税免除措置を継続または恒久化すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  令和2年10月 5日


長 崎 県 議 会

(提出先)

衆議院議長        大島 理森 様
参議院議長        山東 昭子 様
内閣総理大臣       菅  義偉 様
財務大臣         麻生 太郎 様
総務大臣         武田 良太 様
農林水産大臣       野上 浩太郎 様
経済産業大臣       梶山 弘志 様
国土交通大臣       赤羽 一嘉 様
内閣官房長官       加藤 勝信 様




小規模事業者に対する支援及び支援体制の拡充・強化を求める意見書

 小規模事業者は、地域の経済や雇用、生活を支える存在として、重要な役割を果たしており、その成長により、我が国経済の全体を発展させる重要な意義を有している。
 このような中、現下の新型コロナウイルス感染症の拡大とその影響の長期化から、小規模事業者の売上げは急減し、このままでは事業継続が危ぶまれる状況にある。
 また、新たな生活様式への対応、危機的状況下での事業継続、事業承認の推進、IT化の推進など、今後、小規模事業者の成長と持続的発展に向けて、取り組むべき課題も山積みしている。
 このような課題の解決を図るためには、小規模事業者自らの努力はもとより、小規模事業者にとって身近な経営相談機関である商工会の適切な助言と支援が極めて重要となるが、商工会の職員は不足しており、施策の迅速かつ円滑な対応に支障が生じている状況にある。
 よって、国におかれては、我が国経済を支えている小規模事業者を支援するため、下記項目の実現について、強く求める。
 


  1. 新型コロナウイルス感染症拡大の影響が長期化していることから、売上回復や雇用の維持をはじめとする小規模事業者を対象にした支援策の充実・延長を図ること。
  2. 商工会の職員を増員し、小規模事業者支援体制の抜本的強化を図ること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  令和2年10月 5日


長 崎 県 議 会

(提出先)

衆議院議長        大島 理森 様
参議院議長        山東 昭子 様
内閣総理大臣       菅  義偉 様
財務大臣         麻生 太郎 様
総務大臣         武田 良太 様
経済産業大臣       梶山 弘志 様
内閣官房長官       加藤 勝信 様