新聞報道

    

「新製茶ハイブリッドライン」を用いたてん茶製造の効果

2017年(平成29年)6月18日

2016年の本県の茶栽培面積は約750㌶で全国10位の規模を誇るが、近年は緑茶の消費量が減少し、市場価格も低迷。農家所得は減少している。その一方、簡便化志向の高まりや菓子原料としての加工用利用は増加。ティーバッグ用の緑茶、抹茶の需要は高まっている。そうした需要の多様化に対応しようと、県農林技術開発センターは、お茶の新たな製造技術を検証。茶葉に熱を加えて酸化酵素の働きを止める緑茶の製法と、茶葉を切り裂いて丸めて粒状にするティーバッグ用紅茶の製法とを組み合わせた「新製茶ハイブリッドライン」の研究を続けている。

今回紹介する研究では、食品加工原料としての利用が期待される「てん茶」(抹茶にひく前の茶葉の状態)の製造に関し、従来のてん茶製法と新製茶ハイブリッドラインを使った製法とを比較した。

一番茶(5月上旬収穫葉)と二番茶(6月下旬収穫葉)を使用。新製茶ハイブリッドラインを用いた場合、一番茶は製茶時間が33%短縮し、荒茶1㌔当たりの動力光熱費も24%削減。品質は他産地のてん茶と比較して同等以上だった。

県は今後、多様なニーズに対応し高品質かつ低コストを実現する製茶技術を確立させ、生産農家などへの技術導入を図って所得向上に結びつけていきたい。


    





(果樹・茶研究部門 茶業研究室 主任研究員 寺井清宗)