新聞報道

    

ツバキ油の収量安定化

2016年(平成28年)10月16日

ツバキ油生産において、種子が成熟する前に実を収穫してしまうと充実していない種子が交じり、ツバキ油の収量低下につながる。このため、最適なツバキ実の収穫時期を判定することが重要である。

種子の成熟は気候の影響を受けるため、県農林技術開発センターでは、ツバキの収穫と同時期に顕著な特徴を示す指標植物の利用が有効であると考えた。ツバキ油の含有量の変化と、収穫時期や立地条件、気象因子などとの関連性について五島のツバキ実を調査し、県内のツバキ林に対応した「収穫適期判定マニュアル」を作成したので紹介する。

適期判定のため、福江島の5カ所の調査地で種子中の油の含有率と指標植物の変化を調べた。調査した66種の植物のうち、3カ所以上で変化が確認された8種の植物を指標植物として選定した。

その結果、ツバキ実の収穫適期は、ヤブガラシとノブドウは花が見られなくなった時期、カラスウリとセンニンソウ、ヤマノイモなどは花が少なくなり始めた時期、アカソは花が目立ち始めた時期、となった=図=

ただ、判定指標は地域により1週間程度差がある。収穫日を確定する前に、複数個の実を割り、種子が茶褐色に色づいていることを確認する必要がある。




    
開花そろい : 周辺同種の開花状況が目立つ状況
開花おわり : 周辺同種の開花状況が目立たない状況



(森林研究部門 専門研究員 古村善則)