1.津吉地区まちづくり運営協議会
(1)平戸市における集落維持を図る「新しいコミュニティの推進」
人口流出による集落機能の低下、地域コミュニティの希薄化に対し、新しいコミュニティを推進するため、小学校単位で「まちづくり運営協議会」を設置。
●範囲
小学校区を基本単位とし、市内16校区(14地区)に、まちづくり運営協議会(※)を設置
※自治会、婦人会、老人会、PTA、市民活動団体等で構成
●取り組み
まちづくり計画を策定し、地域課題解決のための事業を実施
●支援内容
ひと(集落支援員の配置、パート職員相当の人件費を交付)
もの(拠点施設整備支援、市施設の指定管理)
かね(まちづくり交付金(交付総額:約1億3,300万円))
(2)津吉地区まちづくり運営協議会の概要
●設立
平成29年1月1日
●組織体系
役員会(13名:会長、副会長、部会長、顧問、事務局長、会計監査)
事務局(事務局長1名、事務局職員2名)
●部会構成
産業創出部会、地域お宝部会、生活環境部会、健康福祉部会(各8名)
●事業概要
・産業創出部会
軽トラ朝市の開催、大豆栽培から豆腐製造・販売まで など
・地域お宝部会
津吉ジャンガラ等の伝統行事保存、まちづくり新聞の発行
まちづくり事業に協力した団体へのポイント付与 など
・生活環境部会
国道の草払い、地域商店や空き店舗でのひな飾り展示 など
・健康福祉部会
高齢者等の病院までの移動支援(現在は市補助事業として運行)
夏休みにおける寺子屋勉強会の実施、買物支援 など
2.有限会社花徳造花・生花
(1)当社の事業承継への取組み
●所在地
佐世保市島瀬町1番11号
●代表者
徳久邦夫
●事業概要
造花、生花切り花、観葉植物、胡蝶蘭類、プリザーブドアレンジメントの販売等
●沿革
昭和32年に創業、昭和35年に現在地で開業、昭和47年に現店舗を建設、平成3年に有限会社へ移行
●事業承継の経緯
当社は徳久邦夫氏(88歳)が代表者であるが、今後、孫である柴藤辰弥氏(31歳)を後継者として事業承継が行われる。事業承継への取組みの契機は、徳久氏が日本政策金融公庫を訪問した際に、今後の事業継続にかかる相談先として「長崎県事業承継ネットワーク」を紹介されたことによる。
※柴藤氏は東京の大学を卒業後、都内で就職していたが、平成26年に佐世保へ戻り当社に入社。
(2)長崎県事業承継ネットワークの概要
●事務局
事業承継コーディネーター1名、経営者保証コーディネーター1名、事務局長1名
経営者保証コーディネーター補助員1名、事務局員1名、ブロックコーディネーター2名
●支援内容
・事業承継に際して問題となる法務や税務に関する相談対応
・事業承継に必要な計画づくりをサポートする専門家の派遣
・経営者保証解除に向けた融資に関する支援
・後継者探しを後押しする国の支援機関の紹介 など
●沿革等
・長崎商工会議所が事務局となり、県を中心に関係機関等が緊密に連携し、平成30年度にネットワークを構築
・事業承継診断の目標を600件/年に設定していたが、全国での進捗状況等を鑑み、令和2年度に2,430件/年へ上方修正
・令和2年度から経営者保証コーディネーターを新たに配置し、経営者保証に依存しない融資の後押しによる円滑な事業承継を促進
3.西九州佐世保移住サポートプラザ
(1)西九州佐世保移住サポートプラザの概要
●所在地
佐世保市新港町8番1号(新みなとターミナル内)
●組織体系
プラザ長1名、移住コーディネーター1名、広域圏移住コーディネーター1名
プラザスタッフ1名、移住マネージャー2名
●移住相談件数
H28「360件」、H29「543件」、H30「930件」、R1「1,005件」
●移住実績
全国の中核市で2番目に多い移住者
H28「32世帯・60名」、H29「88世帯・171名」
H30「111世帯・231名」、R1「128世帯・237名」
●移住支援制度
引越し経費支援、住まいに関する支援、子育て世帯支援、離島地域への支援、奨学金返還サポート
●西九州させぼ広域都市圏事業
佐世保市内への移住だけではなく、広域都市圏での取組みも実施
<移住・定住連携窓口の広域圏活用>
広域圏での移住相談受付(365日体制)、広域圏にかかる広報活動
マンスリー企画(期間毎に構成市町をクローズアップしてPR)
<広域圏サポーターの創出>
広域都市圏特設移住サイトの設置、広域圏移住コーディネーターの情報発信
広域圏共同移住相談会の実施
●令和3年度に向けた検討事項
・テレワークお試し居住とワーケーションが実現できる環境整備
・若者のUターンを推進する仕組みづくり
・テレワーク移住者の支援制度
・西九州させぼ広域都市圏域事業
4.長崎県立大学
(1)県内就職にかかる取組概要
●県内企業「100社訪問」
現状、50社以上を訪問済。主な聞き取り概要は以下のとおり。
- 県立大学の卒業生は活躍していると評価されている。
- 次年度の採用方針は例年並みであるとの企業が多い。
- 新型コロナによる緊急事態宣言で2ヶ月間採用活動が止まったため、採用予定数に届いていない企業が多い。
- 新型コロナの影響により、観光・船舶関係の企業には厳しい環境にある。
- TOEIC730点以上など、卒業要件に外部の資格試験を課していることには驚き。
●長崎県派遣キャリアコーディネーターの活用
●長崎県と長崎新聞社による県内企業情報を学食トレーに掲載し学生に周知
●県内企業とのマッチングなど知る機会の提供
・未内定4年生と県内企業とのマッチング
・全学生(主に3年生)に対する県内企業情報提供
(インターンシップ交流会、学内合同業界セミナー、OB・OG座談会)
・県立大学職員と企業採用担当者との情報共有会
(2)情報セキュリティ学科について
平成28年4月に4年生大学では国内で初めてとなる情報セキュリティ学科を設置
●特徴と魅力
- CTF(Capture The Flag)をはじめとするセキュリティコンテストや企業インターンシップなどの参加を推進
- 企業や公的機関など多くの団体が資格取得を推奨している「ITパスポート試験や「情報セキュリティマネジメント試験」に合格するための講座を設置
- ネットワークを使った攻撃方法や防御方法をセキュリティ演習専用の設備を用いて、安全かつ実践的な演習を行い、より効果的な知識の習得が可能
●トピックス
・2021年入学者から定員を倍増(40名→80名)
・情報セキュリティ産学共同研究センター(仮称)の新館を建設予定
(併せて、セキュリティ演習室をバージョンアップも実施予定)
●2019年度就職実績(業種)
情報通信業、製造業、公務、学術研究、専門・技術サービス業 など
(3)佐世保校キャンパス整備の概要
●整備概要
・建設場所:佐世保市川下町123
・延床面積:約12,680㎡
・工事期間:2018年度~2024年度
●コンセプト
・高度化、多様化していく教育・研究に対応した柔軟性のある学びの場
・学生や教員の交流を促す中庭を囲んだ見通しの良い建物配置
・将来の内部改修に対応した内部構造壁を作らない可変性のある構造様式 など
5.東彼杵町役場
(1)空き家対策の概要
●東彼杵町の定住支援策
①持ち家奨励金:新築家屋や中古住宅の取得時に奨励金を交付
②空き家バンク事業(詳細は別途)
③新生児祝金支給事業
・出産祝金
第1子10万円、第2子15万円、第3子20万円、第4子30万円、第5子以降40万円
・育児報償金
(出生から1年後):第3子から10万年
④空き店舗活用事業賃:賃貸借事業補助、改修事業補助、初度経営開始補助
⑤新婚世帯家賃補助事業:限度額2万円/月
⑥古民家を改修し、お試し住宅を整備(貸付料1,000円/日、最大30日)
●空き家バンク事業
東日本大震災の際、関東圏のホットスポットに住む疎開希望者を受け入れた際、このまま移住したいとの声があがったことを契機としてスタート。これまでの移住実績は75件。
<制度の概要>
種類 |
対象者 |
交付金額等 |
空き家登録奨励金 |
空き家の所有者等 |
1物件につき15万円 |
空き家改修等奨励補助金 |
所有者または移住者等 |
機能向上の為に要した経費の1/2以内(上限100万円)、町外業者の場合は1/3以内(上限60万円) |
空き家提供奨励金 |
移住者等と賃貸借契約した所有者等 |
1物件につき10万円 |
移住等奨励金 |
移住者等 |
UIターン者に20万円(1人の場合10万円)それ以外の場合は10万円 |
●その他
<小さな拠点整備>
まちづくり団体「長咲プロジェクト協議会」と連携し、JAの旧米倉庫を改修。
カフェ・革細工・雑貨等の複合店舗「Sorriso riso」(イタリア語で米の微笑み)として、平成27年12月にオープン。人気スポットとして賑わっている。
<廃校利活用>
平成28年3月に廃校となった旧音琴小学校、旧大楠小学校の利活用
・旧音琴小学校…ながさき東そのぎ子どもの村小学校が平成31年4月に開校
・旧大楠小学校…外国人向けの日本語学校を計画
6.さいとう宿場
(1)さいとう宿場の概要
●所在地
東彼杵郡東彼杵町駄地郷1662-8
●経緯
都内からの移住者である齋藤ご夫妻が2019年8月に開業。
移住先を探していた際に、長崎県のキャンピングカーのレンタル事業も活用して移住先を東彼杵町に決定。町の地域おこし協力隊勤務を経て、東彼杵町の定住支援策を活用するなどして、千綿駅近く旧旅館を改修し、さいとう宿場として事業開始。
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