県議会条例・規則

長崎県議会基本条例

(平成24年3月30日長崎県条例第34号)
(最終改正 平成25年3月1日長崎県条例第2号)

 目次
 前文
 第1章 総則(第1条・第2条)
 第2章 議会及び議員の役割と活動(第3条―第6条)
 第3章 県民と議会との関係(第7条―第10条)
 第4章 議会と知事等との関係(第11条―第14条)
 第5章 議会の機能強化(第15条―第21条)
 第6章 議会改革の推進(第22条・第23条)
 第7章 議員の倫理(第24条)
 第8章 最高規範性(第25条)
 第9章 補則(第26条)
 附則


 我が郷土長崎県は、江戸時代においては日本唯一の対外貿易港として機能し、明治維新においては我が国の近代的な国づくりを推進してきた改革の士の学びの拠点として位置付けられていた。
 明治維新までは幕府天領地として、天領並びに佐賀、大村、島原、平戸、福江及び厳原の諸藩に分かれていたが、明治4年の廃藩置県により県が置かれ、その後合併・分離の歴史を経て、明治16年に旧佐賀県が分離し現在の長崎県となった。
 国と地方との関係においては、平成12年の地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律の施行により対等・協力の関係へと移行し、地方分権に向けた取組が一歩前進するものとなり、さらには平成18年の地方分権改革推進法により地方分権改革が本格化している。
 このように戦後の我が国を支えてきた中央集権型の行政システムが変革を遂げようとしている中、住民自らの判断及び責任において、地域の諸課題に取り組むことのできる真の地方自治の実現が求められている。
 また、地方分権改革による地方自治体の自己決定権の拡大に伴い、二元代表制の一翼を担う地方議会の果たすべき役割及び責務はますます増大している。このような時代の要請に対応するため、長崎県議会は、議員提案条例の制定、知事等への政策提言等議会改革及び県政改革に向け新たな視点で取組を進めているところである。
 しかしながら、議会に対する期待が高まる状況を踏まえ、県民を代表する議事機関として、なお一層県民に開かれたものとするとともに、公正・公平な議論を通じて県民の意思が県政に反映されるよう、更なる改革を加速・推進しなければならない。
 さらに、議会は、知事等との関係において、双方の役割を尊重しつつ、対等かつ緊張ある関係を保ちながら、共通の目標である真の豊かさを実感できる県民生活の実現のため全力を尽くしていかなければならない。
 なお、議会が期待される機能を十分に発揮するためには、その構成員である議員の責務及び活動を明らかにすることにより、日々の議員の活動において県民の理解及び信頼を得られるよう努めていく必要がある。
 ここに、議会の基本理念、議員の役割及び活動等を県民に明らかにするとともに、県民と議会との関係、議会と知事等との関係を定めること等により、身近で信頼できる議会として県民の負託にこたえていくことを決意し、この条例を制定する。



第1章 総則


(目的)
第1条 この条例は、長崎県議会(以下「議会」という。)における最高規範として、議会及び長崎県議会議員(以下「議員」という。)の役割等を明らかにするとともに、県民と議会との関係、議会と知事その他の執行機関(以下「知事等」という。)との関係その他の議会に関する基本的事項を定めることにより、県民の負託にこたえ、身近で信頼できる議会を確立し、もって県民の幸福へ寄与することを目的とする。


(基本理念)
第2条 議会は、二元代表制の一翼を担うものであり、県政における議事機関として、県民の意思を県政に反映させることにより県民の負託にこたえ、公平かつ公正な議論を通じ、真の地方自治の実現に取り組むものとする。



第2章 議会及び議員の役割と活動


(議会の役割と活動)
第3条 議会は、前条の基本理念にのっとり、次に掲げる役割を担い、活動するものとする。
(1) 議事機関として県の意思決定を行うこと並びに知事等の事務の執行について監視及び評価を行うこと。
(2) 議案等の審議又は審査及び調査を行うほか、独自の政策立案及び政策提言に取り組むこと。
(3) 議会活動の透明性を確保するとともに、本会議、委員会及び議案の審査又は議会の運営に関し協議又は調整を行うための場において、活発な議員間の討議を行うこと。
(4) 県民が参画しやすい開かれた議会運営を行うこと。
(5) 県民に対する議会活動の説明責任を有することにかんがみ、積極的かつわかりやすい情報の公開を行うこと。


(議員の役割と活動)
第4条 議員は、次に掲げる役割を担い、活動するものとする。
(1) 議員は、合議制の機関である議会を構成する一員として、県民の声を聴き、議会活動を通じて県政に反映させ、県民の負託にこたえること。
(2) 議員は、個別的な事案の解決に努めるのみならず、県民全体の幸福を目指して活動すること。
(3) 議員は、議会活動について、県民に対する説明責任を果たすこと。
(4) 議員は、政策能力の向上のため常に研鑽に励むこと。


(会派)
第5条 議員は、議会活動を円滑に実施するため、会派を結成することができる。
2 会派は、議会活動の一翼を担い、議員の活動を支援するとともに、調査研究、政策立案、予算要望及び広聴広報活動の実施主体となることができる。
3 議会は、会派間の協議が必要と認めるときは、会派間の協議の場を設け、合意形成に努めるものとする。


(議員の定数及び選挙区)
第6条 議会は、議員の定数及び選挙区に関する検討又は見直しを行う場合は、議会及び議員の活動を通じて県民の意思が県政に反映できることに配意するものとする。
2 議員の定数及び選挙区に関しては、別に条例の定めるところによる。



第3章 県民と議会との関係


(県民の議会への参画)
第7条 議会は、県民の声を議会活動に反映させることができるよう、県民の議会活動に参画する機会の確保に努めるものとする。
2 議会は、県民の意見を審査に反映させるため、参考人及び公聴会の制度の活用等に努めるものとする。


(広聴広報機能の充実)
第8条 議会は、多様な媒体を活用し、県民の意向把握及び県民への情報発信に努めるものとする。
2 議会は、広聴広報に係る機能の充実を図るため、広聴広報に関する委員会を設置することができる。
3 議会は、県民に対し、その役割と活動をわかりやすく全世代に伝えるよう努めるものとする。
4 議会は、議会報告会、特定の課題に関する移動委員会等を活用し、県民に身近に感じられるよう努めるものとする。


(会議の公開)
第9条 議会は、その意思決定に至る過程を明らかにするため、本会議、委員会及び全員協議会等を原則公開とする。


(議員の賛否の公表)
第10条 議会は、本会議及び委員会における採決を要する案件に対する各議員の賛否を原則公表するものとする。



第4章 議会と知事等との関係


(知事等との関係の基本原則)
第11条 議会は、二元代表制の下、知事等と常に緊張ある関係を構築し、事務の執行の監視及び評価を行うとともに政策立案及び政策提言を通じて、県勢の発展に取り組まなければならない。
2 議会は、知事等との立場及び権能の違いを踏まえ、議会活動を行わなければならない。
3 議会は、知事等との関係において、その透明性と公正性及び公平性を確保することに努めなければならない。


(質問等の充実)
第12条 議会は、議場における質疑及び質問を行うに当たり、一問一答方式等により県民にわかりやすく実施するものとする。


(議会への説明等)
第13条 知事等は、予算の調製をしたとき又は県政に係る基本計画等について、基本方針、素案その他のこれらに類するものを作成し、若しくは変更したときは、議会にその内容を説明しなければならない。
2 知事等は、予算の調製又は県政に係る基本計画等の作成若しくは変更に当たっては、関連する条例の制定目的又は関連する意見書等に含まれる議会の政策提案の趣旨を尊重するものとする。


(知事等の反問)
第14条 知事等は、本会議又は委員会における質問及び質疑に対して、答弁に必要な範囲内で反問することができる。


 

第5章 議会の機能強化


(議会の機能強化)
第15条 議会は、知事等の事務の執行の監視及び評価並びに政策立案及び政策提言に関する機能を強化するものとする。
2 委員会は、所管事務調査を積極的に行うものとする。
3 議会は、政策立案及び政策提言能力の向上のため、研修及び調査研究に積極的に努めるものとする。


(議会の会期)
第16条 議会は、県政の課題に的確かつ柔軟に対応するため、年間を通じて適切に本会議を開くことができるよう、会期を定めるものとする。


(政務活動費)
第17条 会派及び議員は、議員の調査研究その他の活動の基盤充実を図り、もって議会の審議、立案等の機能を強化するため、政務活動費の交付を受けることができる。
2 会派及び議員は、政務活動費に係る使途を公開し、透明性を確保しなければならない。
3 政務活動費に関しては、別に条例の定めるところによる。


(議会事務局)
第18条 議会は、その政策立案能力を高め、議会活動を円滑かつ効率的に行うため、議会事務局の機能の強化及び組織体制の整備を図るものとする。
2 議長は、議会事務局体制の充実を図るため、専門的な知識経験を有する者の配置に努めるものとする。
3 議長は、議会事務局職員に対し、更なる資質の向上のための自己研鑽を図らせるとともに、各種研修会等に積極的に参加させるものとする。


(附属機関の設置)
第19条 議会は、議会活動に関し、審査、諮問又は調査のため必要があると認めるときは、附属機関を設置することができる。
2 議会の附属機関の設置に関しては、別に条例の定めるところによる。


(調査機関の設置)
第20条 議会は、県政の課題に関する調査のため必要があると認めるときは、議決により、学識経験を有する者等で構成する調査機関を設置することができる。
2 議会は、必要があると認めるときは、前項の調査機関に、議員を構成員として加えることができる。
3 第1項の調査機関に関し必要な事項は、議長が別に定める。

(議会図書室)
第21条 議会は、議員の調査研究に資するための議会図書室を適正に管理し運営するとともに、その機能の強化に努めるものとする。

 


第6章 議会改革の推進


(議会改革の推進)
第22条 議会は、地方分権・地域主権の時代にふさわしい役割を担うため、継続的に議会改革に取り組むものとする。
2 議会は、継続的に議会改革に取り組むため、議会改革に関する委員会を設置することができる。


(他の地方公共団体の議会との連携)
第23条 議会は、議会改革を効果的に推進するため、他の地方公共団体の議会と相互に連携を図りながら協力するよう努めるものとする。

 


第7章 議員の倫理


(議員の倫理)
第24条 議員は、県民の厳粛な負託により県政に携わる権能及び職責を有することを自覚し、県民全体の奉仕者及び県民から選挙により選出される代表者としての品位及び政治倫理の向上に努め、公正性及び高潔性を保持しなければならない。
2 議員の政治倫理に関しては、別に条例の定めるところによる。

 


第8章 最高規範性


(最高規範性)
第25条 この条例は、議会における最高規範として議会に関する基本的な事項を定めるものであり、議会に関する他の条例等を制定又は改廃するときは、この条例の趣旨を十分に尊重しなければならない。



第9章 補則


(条例の見直し)
第26条 議会は、県民の意見、社会情勢の変化等を踏まえ、必要に応じてこの条例の見直しを行うものとする。


附 則
この条例は、公布の日から施行する。

附 則
この条例は、平成25年3月1日から施行する。

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