休(閉)会中の活動

経済・雇用対策特別委員会

現地調査

委員会名 経済・雇用対策特別委員会
目的 経済・雇用対策現地調査
日時 平成27年11月4日(水)〜11月6日(金)(3日間)
調査先 静岡県、山梨県
出席委員 委員長 久野 哲、副委員長 里脇清隆、委員 中島廣義、委員 堀江ひとみ、
委員 前田哲也、委員 山本由夫、委員 麻生 隆、委員 坂本 浩
概要

1.株式会社大川原製作所(静岡県榛原郡吉田町)

 本年7月に立地協定が締結され、大村市に企業進出することとなった、(株)大川原製作所を訪問し、長崎県内での今後の事業展開や雇用計画等について調査を行った。

(1)(株)大川原製作所の概要
  [設立]昭和20年4月
[資本金]7億7,921万円
[従業員数]290名(平成27年4月現在)
[売上高]76億円(平成27年3月期)
[事業内容]乾燥・造粒・混合・濃縮・遠心分離・粉粒体殺菌・液体殺菌・抽出・濾
      過・分級装置、汚泥・廃棄物処理装置の製造販売(医薬品、化学製品、
     加工食品製造用の装置や資源リサイクル用の乾燥、燃焼装置などを
     オーダーメードで設計・製造)
(2)新事業所(大村)の概要
  [名称](株)大川原製作所 九州事業所
[所在地]大村市雄ヶ原町1298番地29(アルカディア大村内)
[事業内容]乾燥技術を原点とした産業機器及び環境機械の設計・製造・アフターサー
     ビス
[事業所面積]60u
[事業所開設]平成27年8月
[雇用計画]9名(3ヵ年)
[その他]将来的には組立工場の設置を検討
(3)進出の経緯、今後の長崎県内における事業展開等について
 

 本社が浜岡原発から近距離で、地震等の災害のリスクが懸念される中、BCP(業務継続計画)を考えると、他に新しい事業拠点を作る必要があった。
 立地先として、沖縄、福岡、静岡近辺など検討したが、企業のグローバル化を目指す中で、東南アジアや上海、ソウル等に近く、豊富な優秀な人材、風土が現在地と似ていることもあり、長崎の大村を選定した。
 当製作所は受注生産のメーカーであり、他社では扱っていない機械の生産を行っている。九州地区では、し尿処理乾燥施設のメンテナンス業務も行っているが、担当の職員配置も予定している。また、機械の詳細設計業務を行うことも予定しており、現在3名の職員を募集している。
 新事業として、今後、医薬品関係事業の立ち上げも検討されており、長崎では大型機械の製造ではなく、コンパクトで付加価値の高い機械製造が考えられている。

意見交換の様子
組立工場内の視察の様子

 

2.富士市産業支援センターf-Biz(静岡県富士市)

 富士市産業支援センターf-Bizを訪問し、地域の産業振興、企業支援、創業支援の取り組み等について調査を行った。

(1)富士市産業支援センターf-Bizの概要
   同センターは、「富士市工業振興ビジョン」(平成18年3月策定)の重点事業として、平成20年8月に開設された。新事業の計画や経営上の課題を持つ個人、団体、企業を対象として、農林水産業、製造業、サービス業など、産業の垣根を超えて、製品開発や販路開拓、経営戦略、マーケティング等の課題に対する相談のほか、各種セミナーの開催など総合的なサポートを実施している。
(2)相談件数について
 


意見交換の様子

 

相談件数

企業提携数

平成22年度

1,789

395

平成23年度

2,141

406

平成24年度

2,488

474

平成25年度

3,243

438

平成26年度

3,886

496

(3)企業支援、創業支援の取り組みについて
   富士市はかつて工業生産高が1兆8千億円ほどあったが、大企業が撤退・事業縮小し、生産高が激減した。そのような中、富士市は産業支援をしっかりやらなければならないということで、地域の大多数を占める中小企業支援のためのセンター作りを行うこととなり、本センターが公設民営スタイルで設立された。
 本センターで行う中小企業の支援モデルが、これまでのレベルとあまりに違うことが話題となり、全国にf-Bizモデルを作ろうという国の動きが2013年に出てきた。
 これまで、国は産業支援に多額の予算をかけながら、なかなか成果が出てないといわれてきており、認識の甘さが問題であると感じているとのこと。
 ほぼ100%の企業が経営上の課題をもっているが、公の産業支援があまりうまくいっていないのは、目標設定がなかったり、責任の所在が不明確、ニーズがくみとれていないからと考えられる。民間の考え方では結果、成果を出すことが大事。
 多種多様な中小企業の抱える共通した根本的な悩みや課題は、売り上げが上がらないということであり、それが一番のニーズとなっている。
 売り上げを上げるコンサルティングができる専門家が必要であり、コンサルティングは資格よりも適性、情熱が必要であり、そういう人材を育てることが重要であるとのことであった。


3.静岡県庁(静岡県静岡市)

 静岡県経済産業部を訪問し、静岡県の経済産業政策の概要及び静岡県産業成長戦略について調査を行った。

(1)静岡県の経済産業政策の概要について
   静岡県は人口及び経済の規模が全国10位、3%と言われている。製造品出荷額等は、全国4位でものづくり県である。バイク、ピアノ、医療機器等の出荷額は日本一で、企業立地件数も4位、県民所得も3位で全国的に豊かな県の部類に入る。新東名等の交通ネットワークの充実も図られている。
 一方、昨今、新たな県土・産業づくりの背景として、南海トラフ巨大地震を想定した対応が急務となっている。
 経済産業政策に関連する重点取組として、「@大規模地震への万全の備え」「A内陸フロンティアを拓く取組」「B新成長産業の育成と雇用創造」を掲げ、事業に取り組まれており、目指す姿として、富士山のように@人材と産業基盤の広い裾野を持ち、A新たな価値を創造し、国内外の活力を取り込んで産業の頂を極め、B世界中の人々を魅了していく「ふじのくに」となるよう、これまでは「ものづくり」がメインで大きな力になっていたが、今後はものづくり以外の他の違う分野でも頂上を目指すことで各種の取り組みが検討されている。
(2)静岡県産業成長戦略の取り組みについて
   静岡県はリーマンショック後に製造品出荷額が大きく落ち込み、雇用も有効求人倍率が低下した。リーマンショック後の経済回復が静岡県は遅いという産業界、金融界の方からの声があり、官民一体となった産業成長戦略を検討し、実行可能な施策から迅速に取り組みが行われている。
 これまで、企業の声を直接聞くということができていなかったということで、企業訪問やアンケートを実施し、現場の声を聞き、課題を整理して、企業誘致の推進や次世代産業の創出といった課題解決の方向性を出し、そこから4つの戦略が掲げられた。
 企業誘致は「静岡県は防災先進県である」とのPR強化が重要と考えられており、事業用地の確保については、土地情報のデータベース化、内陸部のフロンティア推進に取り組んでいる。
 規制緩和の声もあり、緑地率の一部緩和を条例で施行したり、補助金申請の要件等を見直しなども行われている。
 「産業戦略推進センター「オープンイノベーション静岡」」が今年立ち上げられ、そこには産業界、金融界からも人を出してもらい成長戦略の推進を図っている。
 次世代産業創出については、県内を西部・中部・東部地域にわけ、西部はものづくり産業、中部は食品産業、東部は医薬品・医療機器の産業集積が進められており、これまでのものづくり主体の「独峰型」から多様な産業による「連峰型」を目指した取り組みが進められている。
(3)静岡県産業成長戦略会議の検討経過について
 


意見交換の様子

平成26年3月

第1回

6月

第2回(早期に取り組むべき施策の協議)

9月

第3回(中・長期的テーマを協議)

11月

第4回(戦略(案)とりまとめ)

平成27年2月

第5回(産業成長戦略のとりまとめ)

平成27年度

会議を継続開催


4.山梨県庁(山梨県甲府市)

 山梨県産業労働部を訪問し、「やまなしものづくり産業雇用創造プロジェクト」について調査を行った。

(1)プロジェクトの背景について
   山梨県では昔から水晶加工が盛んで、宝飾産業が発達し、宝飾加工に端を発した精密加工技術がシリコンウエハー等の研磨切削加工に活かされており、メカトロニクス、エレクトロニクスの基礎となっている。この背景のもと、工業団地の整備と企業誘致が積極的に行われ、昭和57年の中央道の全線開通を契機に、大手電気関連企業が立て続けに県内に立地し、下請企業の集積が進んだ。その結果、製造品出荷額のうち、機械電子産業が7割を占め、基幹産業になっている。
 しかしながら、昨今のグローバル化、リーマンショック、円高などにより、企業の業績悪化や撤退があり、2兆7千億円あった製造品出荷額が2兆円を下回るなど、県経済に大きく影響が現れ、機械電子産業の体質強化とそれだけに頼らない他の分野の進出促進、多様化が課題となっている。
 平成23年に「山梨県産業振興ビジョン」を策定し、成長が見込まれる11の産業領域のうち、クリーンエネルギー関連産業など4領域の振興を目指して、「やまなしものづくり産業雇用創造プロジェクト」として、各種事業に取り組まれている。
(2)やまなしものづくり産業雇用創造プロジェクトについて
  @燃料電池関連産業関連産業販路開拓支援事業について
 山梨大学の研究を核に大学との産学連携体制を活用しながら「燃料電池バレー」と称される産業集積地となるよう、燃料電池関連企業の誘致、水素エネルギーの普及啓発などの取り組みを推進している。推進体制は県、やまなし産業支援機構、山梨大学の3者で連携協定を締結し、県内企業の燃料電池分野への参入促進と企業誘致に一緒に取り組んでいる。
A成長分野受注開拓力総合強化事業について
 県内中小企業の大手企業への営業をサポートするため、大手企業OBなど成長分野を中心とした企業に影響力のある「成長分野受注開拓請負人」を設置し、大手企業への営業・提案、共同受注体制の構築、受注案件の品質管理・工程管理等を実施する民間事業者等に対する助成を行っている。
B受注環境整備事業について
 国際的な規格認証が必要な航空機・医療機器分野を対象に、県内中小企業が行う認証取得に要する経費への助成を行っている。
 


意見交換の様子

C製品開発体制整備支援事業について
 事業主雇用拡大支援の1つとして取り組んでいるもので、工業技術センターに3Dプリンター、スキャナーを導入し、県内企業がそれらを活用しできる人材の養成研修を実施するものである。この研修を通じて得られた技術を新たな事業分野への展開や新製品、新技術の開発につなげてもらい、雇用の増加に結びつくようにしてもらうことを目指している。研修実績としては、平成26年度に3DCAD研修で25名、スキャナ15名など。毎年度50名の研修を目標とし、2年目参加企業から10名、3年目参加企業から25名の新規雇用が目標であり、昨年度4名の新規雇用が創出された。


現地調査

委員会名 経済・雇用対策特別委員会
目的 経済・雇用対策現地調査
日時 平成27年8月17日(月)〜8月18日(火)(2日間)
調査先 長与町、長崎市、雲仙市、島原市
出席委員 委員長 久野 哲、副委員長 里脇清隆、委員 小林克敏、委員 堀江ひとみ、
委員 前田哲也、委員 山本由夫、委員 麻生 隆、委員 坂本 浩
概要

1.長崎高等技術専門校(長与町)

 主に新規高卒者を対象とした職業能力開発施設であり、職業訓練や人材育成の取り組みについて調査した。

(1)長崎高等技術専門校の概要について
 


訓練施設内の視察

 職業能力開発促進法に基づき、県が設置、運営する施設で、県内産業で即戦力として活躍できる技術者・技能者を養成している。@「ものづくり」の重要性をしっかりと認識させることA「明るく、元気で、礼儀正しく」職業人に育成することB即戦力となりうる、基本的な知識・技術・技能をしっかり身に付けさせることの3つを基本方針として、現在8科の専攻科で7ヶ月〜2年間の訓練を行っている。
(2)近年の応募・入校・修了・就職状況について
 

 平成27年度は211名の応募があり、定員に対する応募の率は131.9%となっている。入校者は高校新卒者が大半を占めており、長崎市内を中心に、県央、離島地区などから入校している。平成26年度は,就職者のうち約9割の119名が県内に就職しており、県内企業の雇用にも寄与している。

 

[定員]

[入校者数]

[修了者数]

[就職者数(うち県内)]

[就職率]

平成24年度

160

168

131

127(117)

97.7%

平成25年度

160

160

133

129(115)

99.2%

平成26年度

160

156

137

135(119)

99.3%

平成27年度

160

146

 

2.(一社)小浜温泉エネルギー・小浜温泉バイナリー発電所(雲仙市)

 小浜温泉を活用した地域経済の活性化や新エネルギー分野への取り組み等について調査を行った。

(1)取り組みの概要
 


発電所施設の視察

 小浜温泉は泉温約100℃、湧出量は1日15,000tになるが、温泉熱の約70%が未利用である。その資源を有効活用し、地域再生を図るため、平成23年3月、地域主体の「小浜温泉エネルギー活用推進協議会」を設立し、企業、大学、国、県、雲仙市など産学官連携による温泉熱発電事業に取り組み、発電事業を核とした低炭素まちづくりと地域活性化の実現に向けた取り組みが行われている。
(2)今後に向けた課題
   事業に取り組んでいくにあたり、@発電設備の湯の花(スケール)対策と高効率化、A高度な技術専門性に取り組む外部技術の導入、B産学官地域連携の基盤整備の促進と強化、Cまちづくり、事業の担い手作り、といった課題があるとのことであった。

3.がまだす椎茸生産組合(島原市)

 所得向上に向けた農産物生産の取組や従業員の雇用等について調査を行った。

(1)がまだす椎茸生産組合の概要について
 


椎茸生産施設の視察

 雲仙普賢岳噴火災害の再建事業として、特用林産振興施設整備事業を活用し、菌床しいたけ作りが始められ、菌床の製造、培養、しいたけの発生という、一貫した栽培システムによる安定した出荷により、現在年間約500トンの生産が行われ、しいたけの産地化を目指している。
 従業員の雇用についても、障がい者・高齢者を含む65名が雇用されており、地域の雇用創出にも寄与している。
(2)販売先について
   年間生産500トンのうち、市場分で、福岡方面に3割、関東方面に2割、長崎・鹿児島・島原に3割出荷。今後は島原市とも連携して、香港への出荷も検討している。その他、直販も行っている。
(3)経営上の課題等について
   天候には影響されないが、年間通じて温度管理等の必要があることから、夏場の電気代、冬場の燃料代の経費をいかに抑えていくがか課題である。また、雑菌の影響をうけるため、水洗い等を徹底するなど、衛生管理が非常に重要である。

4.トランスコスモス(株)BPOセンター長崎(長崎市)

 県内での従業員採用、県内事業者との取引、今後の事業展開等について調査を行った。

(1)BPOセンター長崎の概要
   平成27年2月に県、長崎市と立地協定が締結され、企業誘致された事務系企業
 ■提供サービス:総務、経理、人事、販売などのバックオフィスサービス、受発注
  業務などのサプライチェーンマネジメントサービス、設計支援サービス など
 ■業務開始:平成27年5月
 ■拠点面積:約650坪
 ■雇用予定:400名(当初3ヵ年)
(2)長崎への企業進出について
   同社は長崎に企業進出をした理由として、優秀な人財と技術系人財の確保ができること、災害リスクが低いこと、三大都市からのアクセスの良さを挙げており、サービス品質の実現や技術系ビジネスニーズへの対応、業務の継続性や有事の際の素早い対応が可能とのことであった。
(3)今後の事業展開、課題等について
 

 今後は、受発注系の業務や技術開発系の機械設計サービス、建築設計サービスの提供等が考えられており、増床も視野に入れられている。従業員のモチベーションを保たれるような企画や目標設定を行い、雇用の定着化を図っていくことが課題とのことであった。

 以上のほか、長崎県総合就業支援センターにおいて「若年者、中高年、女性、高齢者等に対する就業支援や離職対策等の企業支援の取り組み」、(有)田中農園において「所得向上に向けた農産物生産の取り組みや従業員の雇用等」、(株)カネミツリサーチセンターにおいて「県内での従業員採用、今後の事業展開の取り組み等」について調査を行った。


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