閉会中の委員会活動

観光振興等対策特別委員会

現地調査

委員会名 観光振興等対策特別委員会
目的 観光振興対策
日時 平成27年11月4日(水)~7日(土)(4日間)
調査先 香港
出席委員 委員長 ごうまなみ、 副委員長 吉村正寿、 委員 髙比良 元、 委員 浅田眞澄美、
委員 西川克己、 委員 友田吉泰、 委員 吉村洋、 委員 大場博文
概要

1 香港空港管理局(香港国際空港)

(1)香港国際空港の運用状況及び24時間運用の対応についての調査を行った。
  ○空港の概況について
   1992年から埋め立て工事が始まり、1998年に供用開始された。
 国際基準の3,800mの滑走路が南北に1本ずつある。
 離陸用と着陸用に分けて運用しているが、繁忙時には両方で離着陸を行う。  
 1時間に68本の発着が可能で、毎日1,150便が発着し、そのうち、900便が旅客便。
 貨物の取扱量:年400万トン、旅客数6,300万人
 航空機の待機時には、環境への配慮のためエンジンを切るようにしている。
 これによりエアコンが停止するため、空調のための専用ダクトを用意し、機内に空気を送り込むようになっている。
 燃料等は地下のタンク及びパイプを利用し給油される。
 現在、650haを埋め立てて、3本目の滑走路を建設している。
  ○24時間運用について
   深夜2時から、滑走路を交互に休ませメンテナンスを行っている。
 翌朝8時からは2本とも稼動している。
 夜間の2時から6時くらいまでは貨物の取り扱いが多い。
 24時間運用に当たっては、次のような問題点がある。
 ・深夜帯は騒音等の苦情が出てくる。
 ・深夜利用の客や従業員のための交通機関の確保が必要。
 ・深夜勤務の人材の確保が難しい。
 ・メンテナンス時間の確保が難しい。
 


香港国際空港調査状況

2.EGLツアーズ

(1)香港からのツアー客の状況及びツアー先への要望等について調査を行った。
  ○ツアー客の現況について
   訪日は好調で、今は九州のほうに力を入れている。
 香港人も買い物が好きで、フルーツは一番好まれている。
 その他には、化粧品や医薬品なども好まれる。
 レンタカーの利用が増えており、利用客が自由にコースを決めて行っている。
 日本で行う結婚式も人気がある。
 体験型のイベントも好まれるが、全体で1時間程度以内である必要がある。
 リピーターが多く、次々と新しい企画を出していく必要がある。
  ○ツアー先への要望等について
   買い物が出来る場所は観光客が増加している。
 景色や体験は3度と行くことはなかなかないが、買い物であれば何度でも足を向ける。
 離島へのコースは、交通費関係が余計にかかることから他社との企画と競争できない。
 香港人は、特別な経験や他人に自慢できる事柄が大好き。
 体験型でも卒業証明を出したり、結婚式でも特別なイベントがあれば喜ばれる。
 長崎はアンケートでおもてなしが一番と出ている。
 


EGLツアーズ調査状況

3.香港政府観光局

(1)香港における観光への取り組みについて調査を行った。
  ○アジアクルーズファンドについて
   昨年度、香港だけではなく周辺のアジア諸国と連携しクルーズ船の誘致を図っていくため、アジアクルーズファンドを設立しているが日本にも参加していただきたい。
 クルーズ船のメインとなる欧州から誘致するには1カ国では、難しく、近隣の国と協力することで、クルーズを誘致することが容易になるのではないかと考えている。
  ○その他
   香港人は食と歴史が好き。
 今までは、大都市を目指していたが、大都市以外の魅力を感じたいという傾向が強くなっている。
 毎月イベントを実施することで、イベントへの参加を目的にした旅行客を呼び込んでいる。
 (主なイベント)
  ・旧正月のパレード 唐津くんちや青森からの参加もある。
  ・ドラゴンボートフェスタ 1976年から続いており、1年目は長崎のチームも参加している。
   来年40周年となる。
  ・ワインフェスタ 日本の酒蔵の参加も増えている。
   日本の居酒屋をイメージした日本ストリートを設置した。
   ヴォルドーのブースでは、地域や食の紹介も行っている。

4.日本政府観光局 香港事務所

(1)香港の訪日客の現況について調査を行った。
   香港では日本へのリピート率が高く、10回以上が21%を占めている。
 最近は、ツアーではなく、、個人手配が半数を占めるようになっている。
 いかに個人に対し、長崎の知名度を上げていくかが重要となる。
 宿泊は、東京・北海道から関西・九州へシフトしてきているが、旅行雑誌の影響で東京が伸びてきている。
 香港では活字文化が生きており、まず活字で情報を得て、ウェブ情報に入っていくというパターンがあり、ウェブ情報だけではなかなか見てもらえない。
 長崎の認知度は55%と高いが訪問意欲は10%程度しかない。
 香港で食したものを本場、長崎で食したいという興味を持たせることができれば、長崎への訪問意欲の向上につながるかもしれない。
 香港人は小動物が好きだが、香港ではサーズ以降、屋外で小動物と触れ合うことが禁止されている。
 


日本政府観光局 香港事務所調査状況

  以上のほか、啓徳クルーズターミナルの施設見学、パッケージツアーズにおいて香港からのツアー客の状況について、在香港日本総領事館において、香港の現況について調査を行った。


現地調査

委員会名 観光振興等対策特別委員会
目的 観光振興対策、世界遺産対策
日時 平成27年8月17日(月)~18日(火)(2日間)
調査先 佐世保市、波佐見町
出席委員 委員長 ごうまなみ、 副委員長 吉村正寿、 委員 松島完、 委員 浅田眞澄美、
委員 西川克己、 委員 友田吉泰、 委員 吉村洋、 委員 大場博文
概要

1 佐世保市役所(佐世保市)

(1)佐世保市役所において、佐世保市の観光施策についての調査を行った。
  ○佐世保市の観光施策の現状と取り組みについて
   佐世保市の観光客数は県全体の約23%のシェアで、ここ数年は増加しており、平成26年は前年比8.4%の増加であった。また、観光消費額についても平成26年は前年比6.6%の増加となっている。主な要因として森きららの「新ペンギン館」オープンやハウステンボスでの様々な事業展開、長崎がんばらんば国体・大会の開催がある。しかし、今後は人口減少や若者の旅行離れなどから国内観光客数の大幅な増加を見込むことは難しく、また佐世保市の観光についても九十九島の知名度向上、黒島天主堂の世界遺産登録に向けた対応、外国人観光客誘致の推進といった課題を抱えている状況にある。また、観光地は、まず認知してもらえないと来てもらえず、佐世保観光の認知度はハウステンボス、佐世保バーガーに集約されている状況である。
 このような中、佐世保市では、観光振興のため主に次の施策に取り組んでいる。
させぼ観光PRの強化
集客力の高いハウステンボスとの連携強化、「九十九島」「まちなか」「動植物園」などの観光資源との周遊促進、九十九島の認知度向上を目的としたPR展開
将来をにらんだ外国人観光客誘客対策
国際ターミナル供用開始に伴う大型国際クルーズ船の誘致、航空機チャーター便の誘致、外国人観光客の受入体制整備
「海風の国」佐世保・小値賀観光圏の取り組み
滞在交流型観光の推進、小値賀町と連携し世界に通用する「日本の顔」となるブランド観光地を目指す取組、日本版DMOを目指した観光プラットフォーム機能の強化、黒島での観光客受入体制整備
(2)併せて,公益財団法人佐世保観光コンベンション協会及び佐世保旅館ホテル協同組合と佐世保観光の取り組みについて意見交換を行った。
  ○佐世保観光の取り組みについて
  「住んでよし、訪れてよし」の観光地域づくりを目指し、「海風の国」佐世保・小値賀観光圏事業の認定を踏まえ、黒島では「花群れる祈りの島」を目指す取り組みとして本年1月にNPO法人黒島観光協会の発足があり、江迎では「もてなしの時を重ねた笑むかえ」として本年5月に一般社団法人地域活性化推進機構が発足、また九十九島大学やSASEBOクルーズバス海風の実施、日本版DMO(ワンストップ窓口)の実現など国内外から選ばれるブランド観光地づくりに取り組んでいる。

2.佐世保港国際ターミナル(佐世保市)

(1)佐世保港国際ターミナルにおける運用状況について調査を行った。
  ○ターミナルビル周辺地域について
 


国際ターミナル調査状況

 佐世保港国際ターミナルビルは国際観光都市佐世保の新たな玄関口として三浦地区に整備され、本年4月に供用を開始した(三浦岸壁は昨年4月に供用を開始)。
 三浦地区は、JR佐世保駅、西九州自動車道のインター、上五島等へのターミナルビルがあり、陸と海の交通利便性に優れているほか、三ヶ町、四ヶ町アーケード街やさせぼ五番街などとも近接しており、県北地域の交通と商業の中心部に位置していると言える。この最適といえる立地状況を活かし、クルーズ客船や国際定期船の誘致促進による交流人口の活性化、またお出迎え、お見送り等による市民との交流拠点として活気や賑わいを創出するといった、魅力的なみなとまちづくりを目指している。
  ○ターミナルビルについて
   ターミナルビルは既存施設(倉庫)を改修して整備しており、倉庫として利用していた大空間(最大高さ12m)を活かすため極力、柱を設けない工夫を施している。建物の配色については、屋根と外壁を統一し大きな建物のスケールをより印象付けるようにし、内部は清潔感を与える白色に統一し、トップライトによる自然採光や間接照明により温かみを持たせ、空調機器や配管の露出を極力減らすなど利用者への快適な空間の提供を目指している。また国際ターミナルとしての本来の機能だけでなく、閉館時のイベント利用など様々な用途に活用できるフレキシブルな機能も取り入れた施設配置としている。
構  造 鉄筋コンクリート一部鉄骨造
建築面積 4,786㎡
延床面積 4,949㎡
主な施設 1F 待合ホール、乗船待合所、総合案内、手荷物預所、会議室、入出国手続き(CIQ審査)、警察詰所、倉庫、トイレ、管理事務所
    2F 送迎デッキ、事務所

 ターミナルビルは1階を入出国手続きエリア、2階に送迎デッキを配置し、税関、入出国審査、検疫のCIQ審査を実施している。建物の入口は、車輌や旅客の通行及び景観に配慮し柱を建て込まない片持ち梁式を採用。建物内の案内サインは黒色を使用し、壁の白色と対照的にして引き立たせるようにしている。ピクトグラムや対訳語は観光立国実現に向けたガイドラインを活用。クルーズ船受入岸壁周辺には約130台の駐車が可能となっており、ターミナルから徒歩で一般道に出ることなく3分以内で到達可能となっている。なお今年度のクルーズ船は約55隻前後の寄港が見込まれている。

3.黒島(佐世保市)

(1)黒島における観光客受け入れの取り組み及び世界遺産候補である黒島天主堂について調査を行った。
  ○黒島の観光について
   佐世保港国際ターミナルビルは国際観光都市佐世保の新たな玄関口として三浦地区に整備され、本年4月に供用を開始した(三浦岸壁は昨年4月に供用を開始)。
 三浦地区は、JR佐世保駅、西九州自動車道のインター、上五島等へのターミナルビルがあり、陸と海の交通利便性に優れているほか、三ヶ町、四ヶ町アーケード街やさせぼ五番街などとも近接しており、県北地域の交通と商業の中心部に位置していると言える。この最適といえる立地状況を活かし、クルーズ客船や国際定期船の誘致促進による交流人口の活性化、またお出迎え、お見送り等による市民との交流拠点として活気や賑わいを創出するといった、魅力的なみなとまちづくりを目指している。
  ○ターミナルビルについて
   黒島の観光客数は昨年度まで年間1,000~2,000人程度で推移してきていたが、今年度は7月までで既に1,000人程度となっている。黒島での観光の取り組みは、本年1月に設立されたNPO法人黒島観光協会を中心に実施されている。     
 同協会は、黒島島民との連携による観光事業の創出等により島内外の人的交流を促進し地域振興等を図ることを目的としており、現在、観光ガイド等をはじめとして、黒島天主堂が世界遺産登録となった場合の観光客増加に対応するための取組をすすめている。     
 現在、黒島には観光案内所などの施設がないことから、本年度には、活動拠点施設を黒島漁港フェリー待合所横に建設予定としており、黒島のワンストップ窓口として以下のような業務に取り組んでいく予定としている。
観光案内業務
観光地や飲食店・宿泊等の情報提供、パンフレットやマップ等の配布
ガイド等の予約手配
黒島天主堂ガイド予約、昼食の予約及び手配、体験プログラム受付
  2次交通の提供
電動アシスト自転車の貸し出し
お土産品等の販売
お土産品や特産品・加工品の販売、農産物の農家からの集荷・販売

  以上のほか、九十九島パールシーリゾート(佐世保市)において「水族館施設等における観光客の状況及び取り組み」、波佐見町の西ノ原地区において、波佐見町役場及び波佐見町観光協会ほか観光関係団体から「やきものや自然を活かした観光に関する取り組み」について調査を行った。