概要:
磁器の特性の中に、マイナス要因として焼成腰の弱さがあり、そのため焼成段階で歪みが生じる。例えば、急須やポット等の注器類は蓋と本体を「共焼き」することでヤエン部の変形を抑えるため、ヤエン部は無釉になり使用に際して汚れる等の問題が起こる。本研究では、焼成による歪みを抑え、製品の高品質化を図ることを目的として、焼成腰の強い磁器素材の開発と、その特性を活かした製品開発を行った。肥前地区の天草陶土は石英分量が多く焼成腰が弱いため石英を減らして、カオリンを多く配合することで焼成腰の強い配合陶土を開発した。
また、開発陶土により注器類の蓋と本体「別焼き」によるヤエン部の変形、皿類の縁下がりや底落ち、カップ類の歪み、ワインカップの歪みなどに対応した製品の試作を行った。