概要:
本研究では、人間の「手」と「モノ」との関係に焦点をあて、マグカップとポットの把手の形状についてユニバーサルデザイン(以下UD)製品の開発を目的に研究を行った。まずマグカップとポットの既存製品各7種について、50名の被験者に対して持ちやすさなどのユーザビリティ(有用性)に関するユーザーアンケート調査を行った。同時に既存製品の形状データをコンピューターに取り込み、3次元でのバーチャルモデルシュミレーションによって既存品の特性などの調査を行った。また、被験者の「飲む」「注ぐ」動作について測定を行い、これらのデータをもとに各3種類の評価モデルを作成した。次に作成したモデルを用いて20名の被験者にモニタリング調査を行った。これまでの調査結果を踏まえ、人体計測データベースや被験者による手の実測データを用いて、ポット及びマグカップの製品開発を行った。今回の研究によって、UD製品の設計及び評価のプロセスを構築することができた。