概要:
銀錯体ー金属水酸化物カチオン-モンモリロナイト系抗菌剤の製造プロセスを確立し、その製品化へ資するために、原材料、合成装置及び単位操作等、製造上の各種条件について検討するとともに、種々の分野での利用を考慮して抗菌剤の改良を行った。原材料には精製モンモリロナイトの他に安価な 粗製ベントナイトを、また、防塵機能を必要としない用途向けには銀錯体として銀ーイミダゾールを検討し、両者による抗菌剤が充分な抗菌力を持つことを確認した。また、銀錯体の種類によっては抗菌剤の親水性が損なわれることがあり抗菌力に間接的に影響していたが、界面活性剤による分散性確保の他に、銀錯体の一部をAI多核水酸化物カオチンで置換すると、得られる抗菌剤は親水性となりMIC値も50-100ppmへと大幅に改善した。粘土層間への銀錯体導入時間は、チアベンダゾール銀錯体では80℃-1日の条件が、またイミダゾール銀錯体の場合は40℃-2時間の条件が必要であった。また、粘土層間へのAI多核水酸化物カオチンの導入には80℃ー1日以上の接触が必要であった。