概要:
本研究は、陶磁器製品の利用者から電子レンジやガスオーブンレンジ等で直接加熱ができる陶磁器製品を開発してもらいたいという要望が寄せられたため、対応できる陶土及び釉薬の開発と誘導加熱皮膜の開発を行った。①急加熱及び急冷に対応可能な陶土を造り、試作品で急熱急冷試験を行った。釉薬は、素地の熱膨張係数に合う釉薬を調整した。電子レンジでの加熱急冷では異常は認められないが、肉厚製品では300℃以上上昇し急冷すると破損しやすいことが分かった。また、陶磁器製耐熱食器(JIS S 2400)及び実用試験(JPIA)項目の6種類の規格を全てクリアーできた。 ②誘導加熱膜の開発では、金属粉末とセラミックス粉末を混合し、有機系結合材を添加することで電磁調理器用発熱ペーストを調整後、土物系素焼き素地に張り付け・焼成(1300℃、酸化雰囲気)し試作品を作製した。試作品の加熱試験では、業務用電磁調理器(200V用)を用いた加熱で約300ccの水が約5分で沸騰する事が確認できた。