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県北地区リスコミ(農産物)実施結果

県北地区「食品の安全・安心リスクコミュニケーション」を開催しました。
   
 今回、県北地区では、『農産物(茶)の安全・安心確保』をテーマに、施設(圃場・製茶工場)見学と意見交換会を開催しました。
1.日 時
平成21年2月9日(月)

2.場 所
 
有限会社北村製茶(北松浦郡佐々町迎木場免425?19)
3.テーマ  『農産物の安全・安心確保』
4.出席者 25名


5.内 容 (1)施設見学         
  ・圃場見学
・製茶工場見学
(2)意見交換会
  ・有限会社北村製茶から、農産物(茶)の安全・安心確保への取り組みについて説明。
・消費者からは、農産物(茶)に関する、有機農業や有機JAS制度、お茶の成分や効能などについて、様々な意見や質問があった。

 

【施設(圃場)見学の様子】

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【施設(製茶工場)見学の様子】

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【意見交換会の様子】

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【意見交換会での質問や意見など】  
○ 消費者★ 行政機関●生産者
〈議事概要〉

○十宝草に入っているドクダミとかほうじ茶とか、特にドクダミはどこから仕入れるのですか。(食品ウォッチャー)

 

●これらは佐賀県の業者、輸入業者でもあり加工業者でもある。実は生協さんと作ったんですよ。20年前くらい健康茶がはやった。1500円とか2000円 とかえらい高かった。その時に、組合員さんの方から、もう少しいいものが作れないかということで話しあいがあって、3年程かかっています。ブレンドは1年 半くらい時間をかけています。どういう内容かというと、安くて、体に良くて、おいしくてと、これだけクリアすればいいと、かなり難しい宿題だった。一番大 切なのは、子供が飲めるようにしよう、お子さんが飲めると続けられるんですよ。どんなにいいものでも、臭かったり苦かったりして、子供が飲んでくれないと 続けられないから。原料について、誰でも知っている物を使おうと、それは、エジプト何千年の歴史とか、中国4千年の歴史の中でとか、インディオが飲んでい たとかではなく、昔の農家のおじちゃんおばちゃんたちが作ったりとか、誰でも知っている野草を入れてみようじゃないかと。実は、お茶畑を無農薬にすると き、うちはスギナを使っていたりしました。もちろん、ドクダミもです。これら野草で虫を寄せ付けないようにする、嫌忌効果です、スギナは洗浄です、滅菌に 使いますが、糖尿の方も使われています、スギナの洗浄力ってどのくらいかというと、ガラスの魔法瓶があるでしょう、その外側にメッキがしてあります、それ を剥がすくらいに洗浄力があります。昔、鍋を洗うときにはスギナを使っていたというくらい洗浄力が強いわけです。お茶の葉っぱの洗浄をするのに使っていま した。何もしない放置するのが有機栽培じゃない、何かをしないといけない、お酢をかけたりしてPh調整したり、試行錯誤、漢方薬の先生の所に勉強に行き、 なぜドクダミとかスギナに虫がこないかを聞こうと思って「あれ、臭いがきらいなんだ」と教えていただいた。それからはにらとかニンニクも使っていました。 そういうことをやっているときに、生協組合員さんから、健康茶はやっぱり北村が作ってくれよという話があった。原料については、100%国産にしようと 思った。そうすると、疑問点が残るハトムギを入れようと、栽培農家へ行きました。100%国産という所もありました、しかし量がない。もう一つ、ハトムギ の原産国はインドなんです、甘草は中国。それをなんとか国産でと探しましたがそれは無理です。原産国というのがあって、漢方薬の原料でさえ輸入されていま す。中国産で心配されている方もいると思いますが。加工食品とか農産物とかは意味が違う、この薬草は野生であるというのが基本なんです、その証明がとれて います、原産国で分析をさせるということ、それから日本で分析させる、できあがった商品を、ポジティブリストという検査、一番厳しいのがあります、これを うちの方でやっています、北村さんのお茶は中国の甘草が入っているじゃないかとか、インドとかタイのハブ茶とかハトムギが入っているじゃないかとか、いく ら原産国と言われても心配と言われます。これは当たり前なんです。ですからしっかりと専門の検査センターに出して分析をやっています。そこまでする必要が あるのか、それは自分が販売するなら自分で調べないといけないということです。産地も、どこの何々町で出来ているかを調べ、それから、残留農薬まで検査し て、成分検査までやっているということを御理解いただきたいと思います。(北村製茶)

 

○世知原のお茶を使ってくださいということで、風邪の予防にうがい で使わせていただいています。今のところ、保育園ではインフルエンザが一人も出ていません。カテキンがウイルスにはいいと言われていますが、カテキンのほ かにお茶の成分の中でどういったものが風邪にいいのかということと、お話しの中で、体によいとおっしゃいましたが、どういう意味で体によいのかという点 と、成分的に特にアレルギーにいいというのはどういう点だろうかということについて聞いてみたいと思いました。(食品ウォッチャー)

 

●アレルギーの話がございましたが、普通のお茶には入っていないメ チル化カテキンというのがある。これは抗アレルギー性物質で、ステロイドと同じような作用があると言われています。これは、上(茶畑)にありました、べに ふうきというお茶の木に入っています。緑茶にはほとんど入っていません。ただし、紅茶も発酵させるわけで、そこで消えてしまう。それを釜で煎ったり、蒸気 で蒸して、その細胞を止めてしまうことで、最後まで残る。メチル化カテキンがものすごく効くということは、昔から分かっていましたが、そのお茶の木自体が 不足してなかったわけです。ほかの紅茶の品種もいろいろありますが、今のところ、べにふうきというお茶の木が、一番、メチル化カテキンの含有量が多いで す。今その原料を利用して、市販品でもボディーソープを作っているわけです。それはメチル化カテキンを抽出してやっているんですよ。(北村製茶)

 

○このお茶にはこういった効果がありますよということは言えないんですか。(食品ウォッチャー)

 

●薬事法というのがありますから言えないんですよ。実際に、十宝草 には、血圧にいいというのが入っているんですよ。これ(十宝草)は少し濃い目なんですが、飲料工場の方がこの濃度にしないと腐敗とかいう問題があるので製 造できないんですよ。基本的には、ベビーほうじ茶、これが一番安全で、子供にも飲ませてもいいし、お年寄りが飲んでも安心だと思います。(北村製茶)

 

○北村製茶さんが作っていらっしゃる分じゃなくて、旅行なんかに 行っていて、わりとこういったものを飲んでいる高齢者の方のお話しなんですけれども、ペット飲料水ばかり飲んでいたので、それが一つは塩分がちょっとある よと、こっちのお茶じゃなくて、そっちのお茶ということだったので、血圧が上がられたんじゃないでしょうかというようなこともあって、そうなるといいなと 思いまして。(食品ウォッチャー)

 

●その意見は大切だなと思うのが、実は、北村の有機の緑茶という ペットボトルを作ってくれということで、完璧に重曹も使わない、ナトリウムを使わないで作ったんですよ、そしたら、そのためにはお茶の成分をたくさん入れ ないといけない、カテキン類を入れないと品質がもたないものですから、やたらに黄色くて、味がちょっと酸っぱいんですよ。それが、本当のお茶だけの抽出な んですけれども、ドーンと作って、そして、売れなかったですね、4000ケースから5000ケース作って、100ケース売れていないですね。口に入れたと きにやっぱりおいしくない、なんだか普通のお弁当を食べるときのお茶じゃないと。(北村製茶)

 

★この2年間くらいですが、世知原のお茶農家が持ち寄って、市内の 幼稚園、保育園全校にうがい茶として配布してもらっています。ここ佐々町の方は全戸に配布され、北村さんのお茶も協力していただいています。インフルエン ザが出ていないということですけれども、カテキンには抗菌作用があるということで、もちろん水でうがいするだけでも効果があるので、お茶の効果だけではな いと思っていますが、インフルエンザの発症が抑えられたのはよかったと思います。カテキンもいろいろ種類がありまして、メチル化カテキンという種類のカテ キンは、特定の品種に特に多く、べにふうきとか、紅茶系の品種に多い傾向があると言われています。そういうお茶は、緑茶でないと効果が悪くなる、紅茶にす ることによってカテキン同士がくっついてしまうので、緑茶で製造することが必須条件になります。メチル化カテキンの抗アレルギー作用を生かすには、緑茶で ないといけないということもあります。それから、高血圧にということもありましたが、ガンマーアミノ酪酸という、米やチョコレートにも入っているギャバと いう成分がありますが、そういったのを特に多く含むような製造方法もありまして、佐々町でも、今釜炒りの茶工場が1軒あるんですけれども、そこでギャバロ ン茶ということで、血圧降下作用があるとか、掛け合わせ次第ですけれども、そういったものを多く含むお茶ということで販売をしているところです。(県北農 業改良普及センター)

 

○昼ちょっと前くらいのお茶を出して、夕方くらいまでそのお茶を 使ったりすることもあるんですが、再度、沸かし直してということもありますが、カテキンの効果っていうのは、何時間くらい置いておくと無くなるといったこ とはないんですか。残っているお茶を夕方まで使ったり、小学校の子供たちが戻ってくるのが遅かった時などは、5時間くらい経ったお茶なのですが。(食品 ウォッチャー)

 

●宵越しのお茶は飲むなといいますからね。それはですね、酸化だと 思うんですよ、腐敗ですね。だから逆に言えばですね、食品、飲料なのに酸化しないのが怖いです。ジュースでも何でもそのまま2,3日ずっと味も変わらず飲 める方が怖いです、うがいをやっている番茶に入っているカテキン類は、どっちかというと抗菌の方が強いです、黄色くなったりとかは、カテキン類だと思っ て、安心していただいて大丈夫だと思います。(北村製茶)

 

●お茶くらい飲んでいかんですかの嗜好品になっていますが、本当は お薬なんです、もともと日本に入った時は漢方薬でしたから、毒消しとか解毒とかいう作用が強いから、それをお話しをされて、子供たちに続けていってほしい ですね。ただのジュースじゃないというのがわかってくると、自分たち生産者も作った人間もだいぶ張り切ります。お茶は飲み物だけじゃないとなると、いろん なものに使えるんですよ。消臭効果があるとか、排泄の臭いをとるとか、今そういうのも研究をされてきています。北村もいろいろ作ろうと思って、みんなから 笑われながらいろいろとやるんですよ、その中で、消臭サプリとか、お茶の葉を利用してですね。あと、歯磨き粉も作ってみようじゃないかと、問題はお茶のあ くをつけないようにするにはどうするかということが課題ですけど、洗顔クリームとかも作ってみましたね、何か可能性があるんじゃないかと思っています。 (北村製茶)

 

○昔、祖母が言っていたのが、畳の掃除をするときに、お茶の終わっ たのを使ってほうきではわくと、菌に対する効果もあるよということで、子供の頃、よくそうやって、使った茶葉を取り出して使ってということがあって、今は しませんけれど、昔からのそういった知恵、そういったことが生活の中に生かされていたんだなと思います。(食品ウォッチャー)

 

●無農薬なんかできるんですかという話で、確かにみなさん不安に思 うかもしれないんですけれども、ドクダミとかニンニクとかニラとか使うって、実はみんな昔の農家がやっていたことなんです。ニラのことは知らなかったんで すが、農家の人が教えてくれたんです。そういう情報っていうのは結構みなさん持っているんです。それを集めていろいろやっていくとおもしろいのかなと思い ますね。(北村製茶)

 

○単純な質問なんですけど、お茶を、パックから茶筒に入れますよね、それを冷蔵庫に入れておいた方がいいのですか、そのままがいいんですか。(食品ウォッチャー)

 

●うちなんか冷蔵庫を開けると、これいつ頃のだろうかという食品が たくさん入っています。つまり、お茶は臭いを吸収しますから、そういうものの移り香がしないか、それから、冷蔵庫から出したら結露しますよね。これすぐ開 けたらたいへんなことになるんですよ。私たちはやりませんけれども、やり方があるんだと思いますので、インストラクターの寺井さんお願いします。(北村製 茶)

 

★農業現場の指導をしているんですが、今、日本茶インストラクター という制度がありまして、お茶の入れ方とか、もっとお茶のよさを知っていただこうという制度が全国的にあって、全国で2000名近く、制度が始まって10 年くらいになるんですけれども、そういったことで、県内では早めの方でとって、少なかったもので、県内のインストラクターの事務を持っております。その中 で入れ方教室なんかをやると、お茶の保存のことをよく言われます。開けてから、購入してきた茶葉を冷蔵庫に保存しておくと、長く持ちます。やはり、温度が 低いほど長く持ちます。ただ、開けてしまうとなるべく早く飲んでいただきたいというのが、大前提ではあるんですが。それと開けるときには、やはりお茶は乾 燥していますので、結露しないように、半日ほどは外に置いて、常温に戻してから開けてもらうというのが基本です。茶缶に入れたら、なるべく早く飲みきって しまうというのがいいと思いますが、冷蔵庫とか冷凍庫に入れる場合は、臭いを吸収しやすいので、茶缶の上からビニールとかで密閉した方がよりいいんじゃな いかと思います。なるべくなら(冷蔵庫に)入れないで飲みきるというのがいいと思います。それから賞味期限ですが、お茶の業界では、だいたい半年というの を自主規制しているところもありますけれども、賞味期限が過ぎているからすぐ捨てるということではなく、中を開けて見ていただいて、緑色が濃くて、お茶の 香りがすれば大丈夫ですので、品質を確かめてから、飲んでいただけたらと思います。生産の方からすれば、いっぱい使ってもらった方がいいんですけれども、 やはりそれは高価なものですので、なるべくなら、品質をよく吟味していただいて飲んでいただけたらと思います。(県北農業改良普及センター)0

 

●おいしいお茶の飲み方や品質保持の仕方で一番いいのは、高級茶葉 というのは自分で飲むことです。つまり、お客さんとか来た時のためにしまっておいたらおいしくなくなるので、高級茶はとにかく自分が飲む、早めに飲むとい うことが一番かなと思います。(賞味期限は)半年ということではなくて1、2年はOKじゃないかなと思います。うちでも真空の実験をしていますが、5年置 いているものもありますけれども、変わりませんからね。(北村製茶)

 

○最近、お返しでよくお茶を頂きますが、自分で買うことが滅多にないので、(保管は)冷凍しなくても、常温でも大丈夫ですね。(食品ウォッチャー)

 

●お葬式とかのお返しなんかに多いのですが、捨てずに飲んでくださいね。湿気がきても、フライパンで軽く煎っていただくと、お茶の成分がサポニンに変わって、ほうじ茶で、歯磨きの代わりになるようなものとして使えますし、おいしいお茶になりますしね。(北村製茶)

 

★嗜好品ですので、いろんな味があって、お口に合わない、ちょっと好みに合わないというお茶があると思いますが、お茶屋さんに行くと玄米だけを売っていたりしますので、玄米と混ぜて使うなど、使い方を工夫されている方もいらっしゃいます。(県北農業改良普及センター)

 

○お茶の葉だけを、そのまま冷蔵庫に脱臭剤として入れておいても、あまり効果ないんでしょうか。コーヒーはそのまま入れておくと脱臭しますけれど。(食品ウォッチャー)

 

●脱臭剤にお茶の葉入りというのもありますが、そんなにしなくても、袋に入れてから置くだけでもかなり違うと思いますよ。新しい急須を使う時に粉茶で臭い消しをするようにですね。(北村製茶)

 

○子供のおむつかぶれがひどかったのですが、おばあちゃんから、お 尻ふきじゃなくてお茶でふきなさいと言われて、お茶で拭くと早く治ったり、水疱瘡の時に、お茶でたたいてあげなさいと言われて、洗面器にお茶を出してそれ でたたいてあげると、すぐかさぶたになって、治りが早かったりというのがあって、お兄ちゃんがすごくニキビで悩んでいるので、お茶で洗わせると、ニキビが 少し引いたような気もするのですが、実際にお肌にはどうでしょうか。(生協ララコープ)

 

●清潔にするということもあるのでしょうが、私たちも使いますよ、 うちにアトピーの従業員が一人いて、皮膚がうろこみたいにひどかったんです。そこで、お茶やドクダミを洗面器にといて、毎日うちで浴びさせていました。家 ですると気持ち悪がられるので、うちでしてから帰しておりましたら、これがきれいになりました。(北村製茶)

 

○中華料理店に行くとよくほうじ茶が出ますが、やっぱり油っこい料理には、ほうじ茶がいいんだなと思っていました。(食品ウォッチャー)

 

●ほうじ茶は九州では売れないと言われていました。九州でほうじ茶 を作り始めたのは北村は早い方でした。ほうじ茶を作った理由というのが、殺菌効果が高いと言われていて、神戸の病院の人がよくうちのほうじ茶を大量に買っ ていたんです。緑茶が高いからではなく、歯を磨けない人が、ほうじ茶で口をゆすぐためみたいなんですね。これはもしかしたら流行るかなと思い、九州の方で 売ったら、葬式の時に飲むお茶ですかと言われたんですよ。法事のことと勘違いされて、ほうじでも意味が違いますよといった話をしたんですね。それで、だん だん広まるのじゃないかなと思っていたら、O?157の問題があった時に、よく寿司屋さんが、あがりにほうじ茶を使うようになりました。特に和食が専門の ところは、まな板をほうじ茶で洗ったり、お客さんのあがりにほうじ茶を使ったり、お客さんの口の中の細菌を殺させようということで、使っていただけるよう になった。やっぱりそれなりに効果があったんじゃないでしょうか。今では、ほうじ茶を使って、油ものの後のお口直しといいますけれども、実際には殺菌効果 としての方が私は多いのではないかと思います。口当たりもいいですしね。(北村製茶)

 

○カテキンは、緑茶が一番というお話しでしたが、メチル化カテキンはほうじ茶にも入っているのですか。(食品ウォッチャー)

 

★カテキンは、日光が強い時期に育った葉っぱ、夏のお茶の葉とか枝 とか、そういった部分に多く含まれています。メチル化カテキン入りのべにふうきのほうじ茶というのは、あまり聞いたことがありませんが、メチル化カテキン も同じように、日光がよく当たった時期の葉っぱの方がカテキン量が多くなります。べにふうきという木も、一番茶の芽が若い柔らかい時期に摘むのではなく て、もっと生育させて堅くなった時期、夏とか秋に収穫して、メチル化カテキンの量を確保したお茶を生産されています。(県北農業改良普及センター)

 

●カテキンを熱でほうじるとサポニンというのに変わりますが、このサポニンは、殺菌効果が高く、口の中の粘膜などの止血剤としても使われます。(北村製茶)

 

★年間で何回くらい刈り取るのですか。(長崎農政事務所)

 

●うちはよく刈ります。一番茶を摘みますが、その前に春番と言うの を摘みます。春に床屋さんをしてやる、つまり、冬場に出た葉っぱをきれいに揃えて、新芽を摘む時に古い葉が入らないようにします、これが春番と言われ、摘 む所もあります。全部摘むわけではなく、休ませたりする畑もありますし、一番茶しか摘まない茶畑もあります。それから、一番茶を摘んで二番茶を摘む畑もあ りますし、一番茶を摘んで、ずっと休ませて、秋に摘む秋冬番茶というのもあります。そこを何に使うかによってなんですけれど、一番茶は確かにおいしいお茶 として出しますね、2番、3番をほうじ茶にするかもしれない、しかし秋の番茶というのは、青汁や健康食品の原料とか、エキスに使うとか、カテキン量が多い ので製薬会社に卸たりとか、そういうのに使ったりします。ですから実際には4番くらいまでです。その畑全部ではやりませんけれど、同じ畑で4番摘むんじゃ なくて、4番茶まであります。(北村製茶)

 

○食改で子供さんたちといっしょにおやつを作りますが、旬のもので体によいということで、茶葉をお菓子みたいにしてという、お勧めのもの、何か簡単にいただけるものとかあれば教えていただけませんか。(食品ウォッチャー)

 

●プリンを作られたりする方もいますし、ケーキにされたり、パンに混ぜたりとか、いろいろあります。(北村製茶)

 

○粉ではなくて、茶葉を刻んで混ぜたカステラや蒸しパンなど、見た目で判断にして子供が茶葉だと分かり、お茶の苦みが残らないようなお勧めのものはないですか。(食品ウォッチャー)

 

★難しいところです。お菓子として出した時に、お茶の香りはして欲しいけれども、食感としてお茶の葉っぱは残らない方がいいという意見が多いようです。葉っぱのままというのはなかなかないですね。(県北農業改良普及センター)

 

○みかんの皮などはお砂糖と煮てというのがありますが、お茶にはそういうのがないのでしょうか。(食品ウォッチャー)

 

●お茶にも味付けをしていいと思いますよ。角砂糖にお茶の抽出液を入れて、そのまま飲ませようと考えたこともありますから。(北村製茶)

 

○冬場の暖房などで頭が乾燥し、ふけが多くなったりかゆくなったりする場合に、お茶で洗ったりするのはいいのですか。(食品ウォッチャー)

 

●実際にお茶でやるのも、シャンプーでやるのもいいです。市販の シャンプーやお茶にしても、洗剤が残らないように、すすぎをよくするということでしょうね。毛穴がどうとか、ふけが出るからと、ブラシでごしごしこするの は、傷つけるんじゃないかと思います。だから、お茶を使うというのは、変な薬品を使って洗剤を皮膚に残さないようにということもひとつは言っていると思い ますが、すすぎが一番大切だと思います。(北村製茶)

 

●お茶の石けんっておもしろいです、お茶の抽出液ってすごいですよ、飲むだけではなく、うがい薬でも何でも抽出液でできるのなら、相当カテキン類は強いんだなと思いますので、これはまだまだ利用価値があるなと思います。(北村製茶)

 

○今、環境破壊とか地球温暖化ということで、松浦の農家のお米のことを聞くと、虫が台風みたいに飛んできたり、10年 前とは全然違う対策をしないといけないということを聞きますし、佐世保では光化学スモッグが発生したりしています。私たちは生協をしていますので、そう いった環境問題も、何かできることがあればと思っていますが、北村さんからみて変わったという部分が何かありますか。(生協ララコープ)

 

●確かに、温暖化とか、光化学スモッグにしてもそうですし、変わってきたなということはあります。例えば、お茶だったら、新茶を人より早く飲みたい、早く売りたいとかでに、4月中旬や5月 の連休前に収穫しようとすると、昔の時期からすると少しずれているところがあるわけです。早く摘める時もあるし、逆に霜とかが急にきて遅れることもありま すので、そこであわててはいけない。それを無理矢理早くしようとして摘めば、次の年ももっと早く新芽が出るようになって、時期がずれてきます。そう無理を してはいけないというのと、有機栽培や無農薬栽培で一番強いのは何かというと、実は農産物なんです。特に永年作物は、「農薬を使わない、病気にならないよ うにする」というよりも、北村の畑では、茅を切って冷たい風に当てて、抵抗力がつくようにする。普通の農家の考えでは、品質的にとか早く収穫するために は、完全に柵を立てて、寒風を寄せずに暖かい温暖化にして、早く新芽を出して、そして虫が出たら農薬をかければいい、しかし北村の場合は、風に当てる時は 風に当て、冷え込む時はそのままにしておけという考えです。風が当たると通気性がよくなる、空気が止まる所がないと病原菌が少なくなる。それから、冷たく 冷えると、害虫の成虫が卵を産みますけど、その成虫が冷え込んで死んでしまう。暖かくしてしまうと、その成虫まで生きてしまう。そういうふうに、甘えさせ ず野生化させると抵抗力がつきます。それと、人間の考えで作物の収穫をあまりいじろうとせずに、この時期にしか採れないものを食べるようにするということ です。無理矢理、早期に作ろうとして、品種改良や早期栽培をやらずに、旬の時は旬の時に食べるということで、やはり昔の八十八夜とは、5月の連休から採れ はじめて、それを半年間くらいおいて、10月くらいに飲んでいたというのがありますから。(北村製茶)

 

○お話しを聞いていると、ほんとに愛情いっぱい我が子を育てるのと同じなんだなと感じられましたね。思春期もあり、なんでもあり、自然もあり、災害もあり、愛情をいっぱい見守ってという心なんだな、すごいなと感じました。(食品ウォッチャー)

 

●農業はダメだとか、お茶はダメだとかいう声があるんですよ、それ がダメなんです。うちの親父とおふくろに、子供の時によく聞かされていたことは、例えば採れない時、病気でやられた時に、今年の収穫は少なかったけれど来 年はよく採れるだろうとか、新茶は霜にやられたけれど、番著はよく採れるぞとか、損する、儲からんとは一言も言わない、お茶屋はそのうちよくなるぞとか言 われたら、ああよくなるのかなと思いこむわけです、マインドコントロールというやつです。もうダメだと言った畑には手を入れなくなる。これを来年はよくな るぞと思ったら一生懸命やるんです。そんな話を聞かされるうちに、おまえ将来は何になると言われたら、お茶屋としか思わなくなるんです、お茶屋はいいんだ と。番茶は安い、だからそんなもの作ってもいけないよと問屋さんに言われたことがありますけれども、新茶というのは、涼しい時期に茶を摘んで楽ですが、番 茶というのは、汗を流しながら、製茶工場の中は、50度くらいになるような機械の中で生産するの に、なんでそのお茶が安いのか、それはつまらんお茶と流通で決めつけられたことが原因なのです。そのためには、番茶でもいいものを作らないといけない、例 えば、カテキンの量の多い茶を作らないといけないと、そうなってくるわけです。(北村製茶)

 

○すごく広い畑を持っていらっしゃいますけれど、燃えない物やゴミが捨てられていたりということはないですか。(食品ウォッチャー)

 

● 検査が不安です。3,4年前の検査の時に、遠足に来た人がポテトチップスの袋を捨てていました。その時の検査官から、これは許可していないアミノ酸が入っ ていて、これが土壌を汚すからと言われました。本当の話です。ほかにも、米酢を昔から使っていましたが、ph調整剤として病気に効くということがわかって から、米酢を農薬として登録されました。(北村製茶)

 

○野菜の偽装問題の話ですが、2、3年前から中国産を使っていたの に、そこを見抜けなかった。消費者のいろんな意見を聞くことも大事でしょうが、そういう機関にいる方には、もっと厳しい目で原因を突き止めていただきたい と思いました。今日は、ご両親のお話とか、ここに来て話を聞けてよかったなと思いました。(食品ウォッチャー)

 

★有機JASの認証ですが、県内ではどのような状況にありますか。農政事務所は関わっておられますか。(食育・食品安全推進室)

 

●東京の大手の認証団体で取得するところもあるし、長崎県では食品 衛生協会検査センターという認証団体がありますので、そこを選んで取得しています。検査センターは分析センターだから異常に厳しくて、ここまでかというく らい厳しいです。これがおもしろいですね。(北村製茶)

 

★直接ではないけれど、店舗での表示チェックとかは行っています。(長崎農政事務所)

 

●この検査は、つじつまが合うんですよ。最終的に在庫の量から何か ら合います。生産と出荷の量の誤差がほとんど出ないのでうれしくなるんです。それから、クレームがあった時にも裏付けができるから、自分たち生産者を守る ことにもなるし、なあなあではいけないなというのもありますし、そういう問題で、JAS法で捕まっている人もいますから、やっぱりここまで厳しく調べる必 要もあるのかと思うときもあります。大手の取引先から来た人から一番信憑性が高いと言われたことがあります、毎年検査に来ているのもあるけど、その書類自 体が、不必要な書類は一枚もないということです。(北村製茶)

★有機JASほどではないのでしょうが、お茶で、長崎県の特別栽培農産物の認定、認証を受けている方はいるのですか。(食育・食品安全推進室)

 

★茶ではいなかったと思います。長崎県で9件ほど(特別栽培農産物 の)認証をとった方がいらっしゃいます。大村が一番早かったと思いますけれども、それからどんどん広がっていって今9件となっています。そこも同じく食品 衛生協会の方で認証をしています。(県北農業改良普及センター)

 

○北村さんにとって、お茶作りってなんですか。(生協ララコープ)

 

●初めは親のやってきたことを守らないといけないとか継承しないと いけないとかの使命感でしたが、この頃はおもしろくなって、何かお茶っていろんなことに関連していけるのではないかと思えます、お茶の文化として残してお きたいものがたくさんある、それで有機だけにこだわっていくのではなく、有機も大切なんですけれども、例えば、有機以外は飲めませんよねとか、安全食の オーガニック以外は絶対ダメだと決めてしまったら今までの農業がすべて否定される、それにはちょっと不安を持ちます。いろんな農業があっていいと思うんで すよ。その中でお客さんがだんだん安全なものをとか、お客さんから危険と言われるから安全な農薬を使おうとか、農薬を使わなくてしようとか、どんどん変 わってきたんですね。昔の農業では理解されなかったことが変わってきた、階段を皆登り始めたんですよ。だから今この時期に農薬を使っているものはダメとい うことで、お茶の文化とか止めるのをやめてほしいんですよ。私の夢というのが、実は、情熱茶文化長崎発というのを作っているんですよ、商標もとりました、 産地名、つまりブランドでは有名産地には負けるかもしれない、しかし長崎のお茶は、例えば北村はアレルギー対応のお茶を一生懸命栽培している、世知原は血 圧のお茶を作っている、島原に行ったら糖尿にいいとか、長崎県のお茶はお薬で、どこ町とどこ村のお茶を混ぜたら、こういうのに効きますよとそういう研究ま でやってほしい、お茶は嗜好品になってしまったため、日本中どこでも同じ味色形になってしまっています。しかし今度は長崎から、お茶はお薬ですよ、本当に 体に大切なもの、そうなるためには、機能性を高め、お茶は生活必需品、どこに行ってもその地域のお茶の文化が残るような時代、何を食べてもお茶が入ってい るなとか、私はそんなお茶を作る生産者になりたい、いろんなメーカーのなくてはならないお茶原料屋になりたいと思っているんです。大手の企業にとってもな くてはならない生産者になりたいと、「北村の原料がないといいものが作れないよね」と、そうなりたいと思っています。長崎県のお茶が全部そうなってくれれ ばなとも思います。(北村製茶)

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(平成21年3月19日更新)