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五島地区リスコミ(水産物)実施結果

五島地区「食品の安全・安心リスクコミュニケーション」を開催しました。

   

 今回、五島地区では、『水産物の安全・安心確保』をテーマに、水産加工場の施設見学と意見交換会を開催しました。
1.日 時
平成20年9月9日(火)

2.場 所


 
(1)見学施設
  水産加工場:五島漁協水産加工場(五島市福江町1190番地5)

(2)意見交換会場
  五島保健所 会議室(五島市福江町7番2号)
3.テーマ  『水産物の安全・安心確保』
4.出席者 26名


5.内 容 (1)水産加工場見学         
  ・五島漁協水産加工場を見学。
・関係者から、施設設備等の概要、作業の状況などについて説明。
(2)意見交換会
  ・五島漁協、奈留町漁協等から、水産物の安全・安心対策を中心に説明。
・消費者からは、水産物の安全・安心に関して、養殖の残留医薬品、地産地消などの観点から様々な意見や質問があった。

 

【水産加工場見学の様子】

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   【意見交換会の様子】

 
五島地区

五島地区リスコミ06
【意見交換会での意見など】  
○ 消費者★ 行政機関●生産者(漁協)

○   養殖の育成履歴証明書は、出荷する時には必ず添付して出荷するものですか。(消費者)

●   トラフグに関しては毎回、その他の種類は、続けて出荷する場合は1回出せばいいということになっています。加工の場合も、稚魚の履歴とえさの履歴を要求される。生協さんは、遺伝子組み換えを使っているかどうかの成分成績表まで見ます。(漁協)

○   そういう成績表は、表に出てくるものですか。魚屋で買う時にそういうのは見かけませんが。生協で買うときには付いてくるのですか。(消費者)

○   聞けば教えてくれると思いますが。(消費者)

○   学 校給食の栄養士をしていた時、魚といえば冷凍ものばかりだったが、地元の魚を加工して使っていると聞いてうれしく思いました。子供も主人も給食にお世話に なって食べていますが、五島で捕れた魚と知らずに食べているので、現場でそのことを教えて、ありがたさを感じながら食べるようになるといいなと思いまし た。(消費者)

★   学校給食の現場では、この魚はどこで捕れた魚だとはあまり言わないのですか。(食育・食品安全推進室)

○   学校給食センターに勤めていましたが、資料を作って各学校に渡した後は、学校任せにしていたので、なかなか細かく指導が行き届いてというのは難しかったです。(消費者)

★   共同調理場だったのですね。(食育・食品安全推進室)

○   地元の漁師さんは、絶対に養殖された魚を食べないと聞きましたが。(消費者)

●   自分も養殖魚には抵抗がありましたが、徐々に食べるようになって、天然ものよりもおいしいと思うようになりましたよ。(漁協)

●   トラフグなど、今は昔と違ってあまり薬は使わなくなった。ハマチなどはワクチンをうって病気に罹りにくくしています。(漁協)

★   漁 師さんは天然ものに慣れているから天然物しか食べないということがあるのだと思います。しかし、安全性に関して言えば、大きい魚、はまちなどには薬はやら ない、採算が合いませんから。小さい時にやって、履歴を書いておいて、成分分析検査をやって、残留もありませんと。(五島地方局水産課)

★   医薬品を使う場合、出荷までにそれぞれの薬で休薬期間が決められています。だいたい40日くらいですが。また、以前は抗生物質を与えていたものでも、今はワクチンで病気に罹らないようにしています。(五島地方局水産課)

★   養殖の段階で、薬の使用が制限されています。流通にのった段階で、食品衛生法に基づいて残留基準が決められていますので、抜き打ちで検査を実施しています。(水産振興課)

★   生産段階、流通段階でそれぞれ行政も含めて安全性の確認をやっているということのようです。(食育・食品安全推進室)

○   稚魚はどこからくるのですか。平成のはじめ頃は韓国から来ていたと聞いていましたが。稚魚の履歴には一番長く育った所が入るのではないのですか。(消費者)

★   原産地の表示は一番長い所を表示することになりますので、韓国で3年、日本で2年の場合は韓国産と表示されます。稚魚の場合は、履歴でわかります。(水産振興課)

○   同じ水域で、日本の船が捕れば日本産、外国の船が捕れば外国産になるので、あまり産地は関係ない気もします。しかし、日本に近い方と外国に近い方では海の汚れは違うと思うので、水域のどちら側に近い方で捕れたかを表示してほしいと思います。(消費者)

★  表示は、国が決めたJAS法で決まっています。(水産振興課)

○  オリンピックがあった時に、中国の空気がすごく汚れていて、その周辺の海も、廃棄物が川から流れてきているという報道がありましたので、どちらに近い方で捕れたのか、海域の表示がほしいと思います。(消費者)

○   パンフレットを見ると、奈留町漁協の加工場では、マスクはしないのですか。(消費者)

●   パンフレット作成時はやっていなかったが今はしています。(漁協)

○   魚の頭とか骨とか、五島漁協では長崎に送って処理してもらっているという話でしたが、奈留町漁協ではどう処理されていますか。(消費者)

●   凍結して餌に使ったりするほか、臓物は固めて最終処分場で処理されています。(漁協)

○   堆肥にする予定はないのですか。(消費者)

★   残渣の量を加工業者に調査しています。本格稼働する前に、全部持ってこられても肥料として使えなくなるので、計画的に量を増やしていくと聞いています。ほとんどは牛糞が原料のようです。(五島市)

●    さっ き稚魚の話が出たが、稚魚の放流は、長崎の漁業公社や民間から買ったりして、生まれは長崎だけれども育ちは五島という、共同漁業権といって、一昨年度は、 うに4万5千個、あわび10万個、カサゴなどを万単位で放流しました。地元に根付かせるものと、広域放流と2種類あるが、飼料には検査に通ったものを持っ てきています。漁獲される収量も増えています。(漁協)

○   水産加工場で働く人たちは、作業中には無言で話もできないのですか?(消費者)

●   基本的には禁止です。(漁協)

○   水産加工場のものは安心して食べられます。(消費者)

○  漁獲量、五島市が6位になっていますが・・・。(消費者)

●   全国各地の市場の方に水揚げしていくので、全部こちらにということではありません。(漁協)

★   長 崎農林水産年報というのがあって、平成17年度の数値は、県全体の生産量が30万5千トン、そのうち五島市が8万7千トン。五島市と新上五島町を統計上は 五島海域としてまとめているが、生産量では、平成17年度で32%、お金でいうと20%くらいで、割合としては年ごとに大きく変わることはなく、そういっ た推移をしています。(五島地方局水産課)

○   五 島の場合、生産量は多くても、地元で消費するのは少ないですよね。五島から外に向けて出荷することが多くなると思うが、天気が悪くて船が出なかったり、船 賃が高かったり、そこらへんはよそと比べるとすごく不便だと思います。特に生鮮品のチルドでの空輸など、飛行機は小さいしたいへんですよね、安全安心とは かけ離れますが。(消費者)

●   加工品の場合は、頭とか骨を落とし身だけにする、例えば10キロあったものが3キロになるので、飛行機と陸送の方が若干高いというくらいで済む。生鮮品は確かに高級品じゃないと難しい。(漁協)

○   以前に比べて、魚の種類が増え、名前も知らないような魚がいっぱい並んでいる、これが安くておいしくて新鮮。中国産よりも近場で捕れた新鮮な魚を食べたいので、こういう魚をもっと店頭に並べて欲しい。(消費者)

○   全国の市場などで五島ブランドというのはどのくらい浸透していますか。(消費者)

●   はっきりはわからないが、昔と違って箱に五島産と入れた方が売れ行きがいいと聞いたことがある。魚業界の中では五島は知られていると思いますが。(漁協)

○   マグロなど、△△産といえばよそと価格が違うように、例えば、アジなどで五島産ということで価格が違うといったようなことに、そこまではまだなっていないのですか。(消費者)

●   対馬の太刀魚や、上五島、小値賀町のイサキは、ブランドとして普通より高くなっています。(漁協)

○   私たちがどんどん五島産を県外に宣伝しないといけないですね。(消費者)

○   加工場では、三枚おろしとか生の状態で出荷されていますが、これを味付けなど加工して冷凍すれば、一年間むらなく出荷できると思いますが、そういうふうな方向には行かないのですか。(消費者)

●   現状は三枚おろしの方が収入が多いということだが、もちろんそういうこともやっています。(漁協)

○   冷 凍ギョウザの問題以来、中国産にすごく拒絶反応を持っていて、原産国に中国とあると買わないではずしている。さばのみぞれ煮や味噌煮とか以前はおいしくて よく取って買っていたが、これが中国産で買わなくなった。最近、国内産のみぞれ煮が出て買うようになった。以前は安かったら買う、今では安全安心を優先し て、少し高くても国内産を買うというふうになってきている。五島の魚も生で出すのが大変だったらば、加工場を作って、五島産ブランドの魚を加工して出した らいいと思いますが。(消費者)

●   例えば生協さんだと、味噌煮を作るにしても、この味噌をと指定があるし、これはココのをといったように、(使用原材料の)すべてを指定されることが多いです。(漁協)

○   魚屋にいって、サバとかアジとか買う時に、骨抜きとか書いて売っている魚があるが、これは元々骨がない魚ですか、抜いているのですか、それとも骨が溶けるような薬を飲ませているのですか。(消費者)

●   骨を取っていますよ。手作業で抜いていますよ。(漁協)

★   簡 便化ということで消費者の嗜好にあわせて加工業者の方も努力されて、少しでも売れる商品にして供給しています。それは逆に食育となれば、子供たちには、魚 には骨がないというイメージを植え付けるのじゃないかという懸念もあります。食の安全安心が言われる中で、そうした加工品が価格に反映されればいいので しょうが、まだそこまではいっていません。(水産振興課)

○   料 理教室などで、農産物、野菜類はよく使うが、魚はあまり使っていない、もっと使わなければと思いました。野菜は直売所があり、魚はスーパーや魚屋で買う が、できれば魚も直売所で、特に年を取れば即食べられるものがほしいと思うので、加工品にして売っていただければありがたい。(消費者)

●   魚の販売もいろんな方法があるが、最近はインターネットで売る漁師さんも出てきている。(漁協)

★   直 売所で魚も販売してほしいなというお話があった。野菜を売るのは許可がいらないけれども、魚を売る場合は食品衛生法で許可がいります。施設基準とかがあり ますので、それを準備するのも許可を取るのもたいへんなので、あまり広がっていかないのかなとも思いますが。(五島保健所)

○   加工品も許可がいるのですか。(消費者)

★   鮮魚の場合は許可がいりますが、みりん干しや水分含量が低いものなど、鮮魚からだいぶ離れているような加工品や塩干物であれば、販売業の届出だけで済みます。(五島保健所)

○   五島で水揚げされた魚のうち、福江の魚市での販売と、長崎県内での販売はどのような割合になっていますか。(消費者)

★   下五島で水揚げされた魚は、長崎県内に85%、県外に15%出荷されます。県内85%のうち地元販売は7.5%。残りは長崎魚市など県内に流れています。長崎魚市に水揚げされた魚も、そこでまた県外に販売されるものもあります。(五島地方局水産課)

○   給食センターなんかで魚は月に何回どのくらい使われていますか。できるだけたくさん使っていただいて、魚離れなどもなくなればいいのですが。(消費者)

●   魚の方が野菜よりも高いので、給食センターの予算が割に合うのかということもありますが。(漁協)

○   1週間に1回は、献立の中に魚を入れるような動きは県全体にあり、学校給食の中に地元の魚を入れてもらうような取組がなされているようです。食育の観点から勧めていることもあると思います。(消費者)

★   食 品の安全・安心とよく言われるが、食品の安全とは生産者側が努力をしてみなさんに提供すること、安心は提供できない、安心とは、みなさんが買うときに安心 と感じるかどうかです。そこで、みなさんが、最終的に商品を買われる時に、この商品は安心だと思われるのは、どこでそう感じるか、参考までに教えてほしい のですが。(五島地方局水産課)

○   どこで捕れた物かということ、新鮮さ、それで買います。野菜も同じ。加工品は、加工した所がどこかを見て買う、あと材料に何を使っているか、添加物に何を使っているかなど。(消費者)

○   見学した加工場は、きれいで安全安心だと言えるが、これが店頭で並んでいれば、安全だと言えますが、県外に出て行く製品で私たちは買えないので言えません。(消費者)

●   奈留漁協のは地元で売っています。加工品で1億1千万円くらいの売り上げがあり、生の魚で6?7千万円くらい売れています。(漁協)

●   加 工場、できたばかりなので施設がきれいだから安心できると思われたかもしれないが、私は違うと思う。私たちは、日々の仕事の中でいかに手に付いた雑菌をな くすか、加工する段階の中で、すべき手洗いを、消毒をきちんとやれているか、それだけです。きれいな建物ではなくて、すべきことを心がけてやっているか、 そこを勘違いしないでほしいと思います。(漁協)

★   見 た目で判断して欲しくないというのはあります、ただ、消費者の目からみて、やっぱり清潔感は必要だと思います。営業者の方には、清潔感、衛生的にというこ とを気にして欲しい。施設は年数がたてば老朽化して行くと思うし、毎日掃除をしていれば色あせもしてくるかもしれないが、衛生は保てると思う。営業者とし てそこを消費者にどう伝えていくかは難しいとは思うが、大切だと思います。(五島保健所)

○   私たちは、お店に並んでいるときに、どの加工場がきれいか汚いかはわからない。これは保健所がしっかり管理してもらわないといけないと思います。(消費者)

★   おっしゃるとおりです。(五島保健所)

○   お刺身は作った時間まで表示してあるのですか。(消費者)

★   刺身の場合、時間までの表示義務はありません。大きなスーパーなどで自主的に書いている所はあるかもしれません。(五島保健所)

 

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