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意見書・決議

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未来を担う子どもたちの教育を守る義務教育費
国庫負担制度の堅持を求める意見書

 義務教育費国庫負担制度は、教育の機会均等及び義務教育費無償の原則として、全国のどこで学んでも子どもたちが等しく教育を受けることができるようにするとともに、自治体間における教育水準に格差を生じさせないようにするため制定されたものである。

 また、義務教育費国庫負担制度は、国による教育分野の「最低保障」というべきものであり、地方分権の推進を阻害するものではなく、すべての国民に対し適正な規模及び内容の義務教育を保障することは国の重要な責務でもある。

 さらに、未来を担う子どもたちに対し、一人ひとりの国民として必要な基礎的資質を培うための豊かな教育を保障することは、国の社会基盤形成の根幹ともなるものである。

 しかし、平成18年度において、義務教育費国庫負担制度は堅持されたものの、義務教育費国庫負担率は2分の1から3分の1に引き下げられた。また、地方分権改革推進委員会は、平成21年11月9日に「第4次勧告」を発表し、地方分権改革推進計画の早期策定を政府に求めたところである。この勧告では国庫補助負担金の一括交付金化にかかわり「社会保障や義務教育関係を除く」とされているが、政府は地域主権戦略会議を立ち上げ、都道府県から基礎自治体(市町村)への権限移譲について検討しているところであり、「国の義務づけ・枠づけ」についても検討される予定である。

 現在、義務教育費国庫負担金が減額された分は地方交付税で措置されており、平成22年度予算の地方交付税は約16.9兆円(前年度比6.8%増)であり、国庫負担率変更前の平成17年度比マイナス0.4%と一定回復されたところである。しかし、県市町ともに財政の厳しい中、全国的な教育水準を確保し、安定した地方財政を構築するためには、義務教育費国庫負担率を2分の1に復元すべきである。

 教育予算は、未来への先行投資であり、子どもたちに最善の教育環境を提供していくことは社会的な使命である。

 よって、国におかれては、義務教育費国庫負担率を2分の1に復元することを含め、義務教育費国庫負担制度を堅持されるよう強く要望する。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 平成22年 6月25日


長 崎 県 議 会

(提出先)  
衆議院議長 横 路 孝 弘  様
参議院議長 江 田 五 月  様
内閣総理大臣 菅   直 人  様
文部科学大臣 川 端 達 夫  様
内閣官房長官 仙 谷 由 人  様

高等学校教育に係る保護者負担の公私間格差の是正を求める意見書

 平成22年4月から「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律」が施行されている。

 この法律に基づき、公立高等学校については授業料が不徴収とされ、私立高等学校については「高等学校等就学支援金」が支給されるとともに低所得者世帯に対しては加算措置が講じられているものの、依然として授業料負担における公私間格差が生じている。

 このような中、本県においても、私立高等学校の生徒を持つ低所得世帯に対し、独自の授業料減免制度を拡充するなど、保護者負担の軽減を行っているが、根本的な解決には至っていない。

 本県の場合、生徒が公立高等学校を志望する傾向が強いという状況にある。しかしながら、公立高等学校に進学できないことから、経済的に厳しい状況にあるにもかかわらず、私立高等学校を選択せざるを得ない状況が多く見受けられる。

 「公立高等学校の授業料無償化及び高等学校等就学支援金」は、家庭の経済的な状況にかかわらず、高等学校教育を希望するすべての者が安心して就学できる機会を提供することのできる社会をつくることを目的として創設されたものであり、このことは、公私立の区別なく平等に取り扱われるべき性質のものである。

 よって、国におかれては、地方の私立高等学校に通学する生徒の実情を十分に理解し、高等学校教育に係る保護者負担の公私間格差について、国の責任に基づく制度において抜本的に是正されるよう、強く要望する。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 平成22年 6月25日


長 崎 県 議 会

(提出先)  
衆議院議長 横 路 孝 弘  様
参議院議長  江 田 五 月  様
内閣総理大臣 菅   直 人  様
財務大臣 野 田 佳 彦  様
文部科学大臣 川 端 達 夫  様
総務大臣 原 口 一 博  様
国家戦略担当大臣 新 井   聡  様
内閣官房長官 仙 谷 由 人  様

子ども手当の廃止と子育て家庭が真に必要な
支援を求める意見書

 平成22年3月26日に国会で成立した子ども手当は、満額であれば防衛費を超える巨額の支給を要する。今の厳しい財政状況では支給のためにすべて国債に依存することになってしまう。いわば、子や孫の世代にお金を借りて今の親を支援するということに他ならず、このまま恒久財源の目途が全くついていない現状において、恒久的政策として続けていけば、国の財政は完全に破綻してしまう。

 しかも、子ども手当はその政策目的が全く不明確である。例えば、少子化対策を考えるなら第2子、第3子への支援を強化すべきであるし、子育てに対する経済的支援策なら、所得の低い家庭により手厚い支援をすべきであり、子どもの給食費や医療費の無料化、保育サービスや幼児教育の充実などの政策をとるべきである。

 また、本当に子どもの将来のことを考えるなら、未来に希望や夢を持てる政策を取るべきである。例えば、芸術や研究分野の予算を削減している。日本の夢や希望を削るようなものである。一体本当に真剣に子どもたちの未来を考えていると言えるのであろうか。 

 このような、効果が不明瞭なばらまき政策を取る余裕は、今の日本の財政状況ではあり得ない。

 また、子ども手当の受給資格は、国籍には関係なく日本国内に住所を有するとされており、日本に住む外国人にも支給される。このことから、海外に住む外国人の子どもには支給され、海外赴任等で海外にいる日本人の場合、日本に住む子どもには支給されないという納得がいかない取扱いについて、見直されるべきである。

  よって、国におかれては、日本の子どもたちや孫たちの利益を考えて、子ども手当を即刻廃止し、新たな経済的支援を含めた子育て家庭が真に必要な支援策を講じるよう強く求める。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 平成22年 6月25日


長 崎 県 議 会

(提出先)  
衆議院議長 横 路 孝 弘  様
参議院議長  江 田 五 月  様
内閣総理大臣 菅   直 人  様
財務大臣 野 田 佳 彦  様
厚生労働大臣 長 妻   昭  様
総務大臣 原 口 一 博  様
国家戦略担当大臣 新 井   聡  様
内閣官房長官 仙 谷 由 人  様

FRP漁船の廃船処理対策に関する意見書

 本県の漁業者は高齢化が進み、県内の漁協組合員約3万人のうち60歳以上は6割を占める状況となっている。こうした中、高齢の漁業者が肉体的に漁業を続けることが困難となり、所有船を手放し、廃船するケースが増加しているが、漁船の多くはFRP(繊維強化プラスチック)製であるため、その廃船処理対策が問題となっている。

事業活動によって生じた廃プラスチック類は産業廃棄物となるため、漁船所有者が処分費用を負担し、産業廃棄物処理業者などに依頼して処理しているが、処理業者まで廃船を搬送する手間や高額な処理費用が大きな負担となっている。特に、経済的に余裕のない者は、船を処理できずに、海岸などに長期間係留する、あるいは不法に投棄するといった問題が生じている。

本県で登録されている漁船は2万7千隻にのぼるが、そのうち船齢20年以上のFRP漁船は1万7千隻であることから、今後廃船が大量に発生すると予想される。これは本県に限らず全国的にも同様の状況であり、速やかに問題を解決しなければ、今後放置や不法投棄の問題が拡大するのではないかと強く懸念するところである。

現在、(社)日本舟艇工業会によるFRP船リサイクルシステムが、全国規模で稼働しているが、引取り・粗破砕を請負う指定取引場所は、九州で7カ所、本県で1カ所(大村市)と限定されている。従って、離島など指定取引場所から離れた地区の漁業者は、廃船の移動や搬送に要する労力・経費などを、余分に負うことになるという二重の苦しみを抱えている。

よって、国におかれては、FRP漁船の廃船処理にあたり、所有者の負担が軽減され、廃船処理が迅速かつ確実に行われるため、以下の措置を講じるよう強く要望する。

  1. 漁協組合員が所有するFRP漁船の廃船処理方法について検討すること。
  2. 漁協が窓口となり、FRP漁船を引取り、廃船処理の手続きや粗解体などができるようなシステムを構築すること。
  3. 預託金制度の創設あるいは漁船保険制度の見直しなど、国の支援の下で、所有者からの廃船処理費用の預託・積立を行う制度を構築し、漁業者の負担を大幅に軽減する抜本的なFRP漁船の廃船処理対策を講じること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 平成22年 6月25日


長 崎 県 議 会

(提出先)  
衆議院議長 横 路 孝 弘  様
参議院議長  江 田 五 月  様
内閣総理大臣 菅   直 人  様
国土交通大臣 前 原 誠 司  様
農林水産大臣 山 田 正 彦  様
環 境 大 臣 小 沢 鋭 仁  様
内閣官房長官 仙 谷 由 人  様

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