食品安全に関するクイズや質疑応答等を通じて、小学生が食品の安全性に興味を持ち、理解を深めることを目的とした「キッズ食品安全教室」を開催しました。
1.日時 令和2年11月16日(月) 13:35 ~ 14:20
2.場所 松浦市立鷹島小学校 (松浦市鷹島町中通免1833)
3.出席者 5・6年生児童32名、教職員等5名 計37名
4.内容 食品の安全に関するクイズとレクチャー (講師: 県食品安全・消費生活課)
【質疑応答】
Q1. 冷蔵庫に入れたら増えるのを予防するとありましたが、殺せはしないんですか。
A1.冷蔵庫に入れても、菌は殺せません。菌は温かくて湿度が高い夏などにどんどん増殖していくので、冷蔵庫に入れて温度を下げることで増殖のスピードを抑える事ができます。冷凍庫に入れて長い時間おいても、菌の増殖は完全に止まってしまうけれど、死んでしまうわけではありません。熱を加えて焼いたり煮たりする以外では、菌が死ぬことはないということです。
Q2.肉や魚には、アニサキスのほかにどういう菌がいますか
A2.アニサキスは魚にいる寄生虫で、目に見えるので取り除けば大丈夫です。他に魚にいる食中毒をおこすものは、海の中にすんでいる「腸炎ビブリオ」という菌があります。夏などに海の中で活発に増殖して魚に付いて、刺身など生で魚を食べると食中毒になる場合があります。肉にはO157やサルモネラ、カンピロバクターなどがあります。牛や豚、鶏のおなかの中に菌が住み着いており、動物には悪さをしなくても、肉になって一緒に体にとりこまれると、人間のおなかの中で悪さをして食中毒をおこすということになります。
Q3.鶏のおなかの中に菌がいるということですが、卵の中に菌はいますか。
A3.卵の中に菌がいることもありますが、とてもまれです。卵についている菌はサルモネラという菌が多く、卵の表面は消毒されるので菌はついていませんが、まれに殻の内側にサルモネラが入っていることがあります。確率でいうと10万個の中に2,3個くらいに入っている可能性があるといわれています。しかし、基本的に生きた卵は抗菌作用をもっていて、卵の中で菌がふえるということはありません。ですから、仮にサルモネラが入った卵を生でたまごかけご飯などで食べても、食中毒をひきおこすほどの菌の数がなく、少ない菌がおなかに入っても食中毒をおこすことがないので安心してください。卵を生で食べる場合は、賞味期限を守って食べるようにしてください。
Q4.魚の種類によってついている菌が違いますか。
A4.魚の種類でついている菌が変わることはありません。アニサキスがイカやサバなど特定の魚についていることがありますが、魚についている「腸炎ビブリオ」自体は特定の魚につくということはありません。
Q5.どのくらいの温度で菌が増えるという温度がありますか。
A5.菌は20~50℃くらいで増殖し、特に人間の体温(37℃くらい)がいちばん菌が増殖しやすい温度といわれています。食中毒菌も同じです。したがって、夏場に食べ物を室温においておくと、菌が増殖して食中毒を起こすということもあります。
Q6.野菜にも菌がいますか。
A6.基本的に野菜には菌はついていませんが、屋外で栽培すると、鳥の糞から鳥のお腹の中にいるカンピロバクターがついたり、堆肥の中にO157がいたりということで、野菜からその菌が検出されることもあります。ただ、食べるときに十分洗えば食中毒になる心配はありません。
Q7.アニサキスは胃酸で溶けることがありますか。
A7.アニサキスは胃酸では溶けません。アニサキスをやっつける方法は、熱を加えるか-20℃で24時間以上冷凍すると死ぬといわれています。また、食事で使うしょうゆやわさび、酢では殺すことはできません。胃酸で溶ければ食中毒にはならないのですが、そこで生き残って人間に寄生しようとして胃の壁に頭をつっこむので、みぞおちの辺りがとてもいたくなるということです。
Q8.食中毒は原因別にわけるとだいたい何種類くらいになりますか。
A8.細菌、ウイルス、自然毒、寄生虫、化学物質の5種類です。自然毒にはふぐの毒などがありますが、スイセンの葉にも毒があります。スイセンの葉はニラにとても似ていて、間違って食べて食中毒になった例もあります。これも自然毒による食中毒です。
Q9.焼肉をするときに豚やホルモンは良く焼かないといけないといわれますが、菌がいるのですか。
A9.理由の1つは、豚には人に重大な症状をおこす寄生虫がいるため、予防のために火を通すということです。もう1つはE型肝炎という食中毒をおこすウイルスもいるので、その予防のためも、よく火を通してくださいといわれています。