長崎県 NAGASAKI PREFECTURE

　県では、食の安全・安心の確保を図るため、毎年度、食品衛生法第24条に基づき「長崎県食品衛生監視指導計画」を定め、その計画に沿って施設の指導や食品の検査などを行っています。
　このたび、令和6年度の同計画に基づく監視指導等の実施状況をとりまとめましたので、その結果について公表します。

実施期間

令和6年4月1日から令和7年3月31日まで

実施範囲

県内全域（長崎市及び佐世保市を除く）

監視指導の実施状況

　施設の監視を重点的、効果的に行うために、過去の食中毒の発生状況や流通の広域性などから業種ごとに立入頻度を定め、計15,266件の指導を行いました。
　特に、春の行楽シーズン(4・5月)、食中毒が多発する夏期(7・8月)、及び多様な食品が流通する年末(12月)には、県下一斉の重点的な監視指導を行いました。

　立入の結果、食品衛生上大きな危害となるような、不適切な食品の取扱や施設の不備は認められませんでした。
　大規模な飲食店や給食施設など、1日750食以上を提供する大量調理施設に対しては、食品の取扱いや調理器具の用途に応じた使い分け等、衛生管理の更なる向上のため、必要な事項を指導の上、改めて文書による通知を行いました。
　また、その他の飲食店や食品製造業者等に対しても、施設の衛生保持に加え、製品検査等の自主衛生管理や適切な食品表示について、指導及び助言を行いました。

食品等の検査の実施状況

保健所で実施した検査

　主に県内で製造、加工等される食品等を対象に、食品等に含まれる細菌数など、国や県が定める基準を満たしているかなどについて検査しました。
　その結果、基準等に適合しない食品等が32件認められたため、保健所がそれらの製造施設等にすみやかに立入を行い、原因究明及び再発防止について改善指導を行いました。

保健所以外で実施した検査

　農薬や動物用医薬品が残留する食品をはじめ有害な食品の流通を防止するため、環境保健研究センター及び食肉衛生検査所等で計465件の検査を行ったところ、全て基準等に適合していました。

食品等事業者による自主的な衛生管理の実施状況

小規模営業者に対する取り組み

　施設への立入検査の際に、営業者が作成した衛生管理計画や実施記録から、適切にHACCPが運用されていることを確認しました。衛生管理の方法に不適切な点を認めた場合には、営業者に対し衛生管理計画の見直しを含め、助言・指導を行いました。

　また、「HACCPの考え方に基づく衛生管理」についての理解を深めるため、令和6年度はHACCPに関する講習会を76回、計4,753名に実施しました。

　さらに、県独自の評価制度である「ながさきHACCP」を用いて、事業者が「HACCPに沿った衛生管理」を段階的に導入できるよう支援しています。令和6年度は、184施設が「ながさきHACCP」に取り組み、そのうち5施設で衛生管理水準の向上が見られました。

公益社団法人長崎県食品衛生協会との連携

　事業者自らの責務に関する啓発のため、（公社）長崎県食品衛生協会から委嘱された食品衛生指導員が施設の巡回指導等を行いました。

食品衛生に係る者の衛生教育実施状況

　食中毒の発生防止や不良食品が製造されないよう、食品取扱事業者や集団給食施設の調理従事者等に対し、衛生講習会を開催しました。

食中毒の発生状況

　令和6年度に県立保健所管内で発生した食中毒事件は2件で、患者数は2名でした。
　原因施設に対しては、保健所からアニサキスに関する正しい知識及び予防対策の徹底について指導しました。

情報及び意見の交換（リスクコミュニケーション）の実施状況

食品の安全・安心リスクコミュニケーションの開催状況

　食品の安全に対する正しい理解促進及び信頼の確保を図るため、意見交換会等を実施しました（13回開催、参加者数計521名）。
　小中学生に対しては、「キッズ食品安全教室」や「ジュニア食品安全教室」を行い、クイズを交えた啓発を行いました（11回開催、参加者数計583名）。
　また、保健所において食中毒予防などをテーマとした講習会を行いました（16回開催、参加者数計568名）。

保健所における食品衛生に関する相談等受付状況

　消費者から、食品に異物が混入していた、食品の味がおかしかったなどの苦情が117件あったほか、バザーなどでの食品の取扱いに関する相談、食品行政などへの要望が寄せられました。
　また、事業者からは苦情64件、相談1,166件、要望8件が寄せられました。