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知事のページ - 長崎県知事 中村法道

令和4年3月1日 記者会見

 ●会見内容●

1.中村法道知事の退任記者会見

1.中村法道知事の退任記者会見

○広報課長 知事の記者会見を始めさせていただきます。よろしくお願いします。
 それでは、幹事社の方からご質問をお願いします。

○記者(時事通信社) 3期12年という長い間、大変お疲れさまでした。
 知事は、任期中に多くの仕事を成し遂げてこられましたが、その中でも特に印象的だった仕事をお聞かせください。

○知事 そうですね、うまくいった事例、うまくいかなかった事例がありますけれども、一番うれしかったことは、平成26年、「長崎がんばらんば国体」がありまして、当日まで総合開会式、雨が大丈夫かと大分心配をいたしましたけれども、幸いにして雨が上がり、開会式も開催され、そしてまた、競技の中では県民の皆様方の声援があんなに選手の皆さん方の力になるということは、初めて競技を拝見して実感をした、うれしい場面にも遭遇いたしました。
 それからまた、いろんな曲折がありましたけれども、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界遺産登録。これは1年延期を余儀なくされてきたところでありますが、私も世界遺産委員会の現地の会合に参加させていただき、多くの国々の参加の下、無事、登録が実現したということは、大変うれしい記憶として残っているところであります。

○記者(時事通信社) ありがとうございます。
 今後についてお伺いします。今後は、どこで、どういった暮らしをなさるご予定かお聞かせください。

○知事 まだ今後どういう仕事をするのかというのを含めて、いま少し、全く白紙の状況でありますので、これから考えさせていただきたいと思っております。

○記者(時事通信社) ありがとうございます。

○記者(日本経済新聞社) 先ほど、退任の挨拶でも、県政に係る課題についてと限られた上で、これからの長崎県の方向性についてのビジョンというのも語っていただきました。
 それで、県政の継続性ということで、明日、就任なさる大石新知事と具体的にどのような形で引継ぎ、意見交換をなさったのか。もしなさったとすれば、どういうことをお話しになられたかをお聞かせください。

○知事 県政の引継ぎについては、相当な範囲、ボリュームがございまして、こんなにぶ厚い引継書を差し上げたところでありますが、まだ多分、全体についてお目通しをいただく時間がない状況ではないかと、こう考えておりますので、何かございましたらいつでも参上してご説明させていただきますということを申し上げ、当面の喫緊の課題としては、4月28日が申請期限とされていますIR誘致の現状等についてお話をさせていただきました。
 それと併せて、新型コロナウイルス感染症のまん延防止等重点措置の適用が一応3月6日期限となっておりますが、現状の感染状況を踏まえて、今週中にも国の対策本部会議に話を上げて方針を決定していただく必要がある。そういったことなどについてお話をさせていただきました。

○記者(日本経済新聞社) ありがとうございます。
 確認ですが、対面で多少お話をなさったという理解でよろしいでしょうか。

○知事 そうですね、はい。

○記者(日本経済新聞社) ありがとうございました。幹事社から以上です。

○広報課長 それでは、各社の皆様からご質問をお願いいたします。

○記者(朝日新聞社) 2点お伺いいたします。
退任の挨拶でも、石木ダムや新幹線といった課題を知事は述べられていましたけれども、その課題を積み残してしまうことについて責任や悔しさ等の思いがあれば教えてください。

○知事 新幹線、石木ダム、諫早湾干拓事業、いずれも約半世紀に及ぶ課題として今日に至っているところでありまして、歴代の知事の皆様方も懸命に解決に向けてご尽力をいただいての、今日、今なお課題として残されていることばかりでありますが、石木ダム等については、事業認定申請を前の知事さんが申請をされ、私の段階では、そのレールの上を走っていくという形での引継ぎをいただいて今日に至っているところでありまして、やはり話し合いの機会を得て円満な解決を図った上で事業が促進できるような環境になるのがベストだということで、そういった機会をいただけるよう、模索をしてまいりましたけれども、なかなかそういう状況に至らない状況であります。
 ただ、事業は、反対活動がなされる中で、十分とは言いがたいスピード感ではありますが、一応粛々と進めさせていただいて今日に至っているという状況であり、新知事さんも、そういった状況を踏まえてご対応いただけるものと期待をいたしているところであります。
 それから、新幹線については、私も山口佐賀県知事とは一緒に仕事をさせていただいてきた仲でありますので、早い段階においては、常時、情報交換をしながら、これからの政府に対してどういう申入れを行うべきか、そういった協議がなされていたわけでありますが、結果的にフリーゲージトレインが断念をされて、与党プロジェクトチーム(PT)の検討委員会のヒアリングがあって、長崎県からは、県内の意見が大半、フル規格で整備すべきであるというご意見でありましたので、そういった旨の方針を説明させていただきました。
 それ以降、なかなか対話の機会をいただけてない。ただ、それに代わる枠組みとして与党PT検討委員会でのご議論、そしてまた、国土交通省との幅広い協議の場が持たれているという状況でもありますので、私どもとしては、直接、対話の機会がいただけないということであれば、少しでも共通する課題の解決に向けて進展が得られないかというようなことで、JR九州の青柳社長にも様々な要請をさせていただいたりという、いろんなチャンネルを通して協議の枠組みをいただきながら努力をしてきたところであります。

○記者(朝日新聞社) ありがとうございます。その上で課題が解決しなかったというところで、今振り返ってどんなところが足りなかったと思っていらっしゃいますでしょうか。

○知事 新幹線について、残された工事箇所は全て佐賀県内でありますので、長崎から新たな提案があればお受けしますよということはおっしゃっていただけるのですが、では、どういう提案であればお聞きいただけるのか、その概要、あるいは方向性も明らかになっていない状況であります。
 したがって、課題認識をどのようにお考えであるのか。ルートでありますとか、地元負担でありますとか、並行在来線の問題でありますとか、そういった一つ一つのことについても具体的な見解などについてお示しいただいていないわけでありますので、長崎県から具体的な提案というのは、なかなか難しい状況にあるわけであります。
 したがって、私どもといたしましては、まさに長崎県がそうであったように、新幹線の整備について、佐賀県内の議論が十分尽くされて一つの方向性が得られる、早期にそういった状況になることを強く期待しているところであります。
 実は、私が平成22年に知事に就任をいたしましたけれども、就任当初は、主婦層の皆様方は、長崎県内においても、お会いする方々はほとんど、新幹線については反対だというようなご意見をお聞きしてまいりました。なぜ反対なさるのかということをよくお聞きしましたら、自分たちは新幹線が開業してもほとんど使わない、だから、それだけ巨額の投資を行う必要があるのかどうかということに関して疑問をお持ちだというようなご趣旨でありました。
 したがって、一つは利用者の視点に立った新幹線の評価。もう一つは、実は私どもが新幹線整備に期待している大きな効果の一つとして、そういった移動手段、高速輸送手段を利用して、数多くの方々にお出かけいただける、いわゆる交流拡大の大きなきっかけになるのではないかと。例えばそういった観点からの議論も含めて、やはり佐賀県の皆様方には、もっとご議論をいただき、一つの方向性が得られていくことが一番望ましいのではないかと、こう考えているところであります。

○記者(朝日新聞社) 長崎県知事選挙に関してお伺いします。新型コロナウイルス感染症対策で、知事は最初県庁にこもられていて、中盤以降、街頭に立たれていました。街頭で有権者に自分の政策を訴えて、次の4年間を決めてもらうというのが民主主義の基本というのか原理原則だと思いますが、公務と選挙のバランスの難しさを改めて教えてください。

○知事 そうですね、地方の首長選挙というのは、この間、コロナ禍の中で幾つも行われてきておりまして、そういった事例などを私も参考にさせていただきました。
 細かくチェックしたわけではありませんが、長崎県ではこれまで職務代理者を置いて選挙に専念する形で選挙活動をしてこられたわけでありますけれども、全国の動向を見ますと、ほとんど職務代理者を置いておられなかった事例が多かったと記憶しております。もちろん、その時々の状況に応じて、選挙に軸足を置いた活動を展開された知事さんもいらっしゃれば、ほとんどコロナ対策に専念されている知事さんもいらっしゃったようでありますので、私の場合は、ちょうど感染急拡大時期でありましたし、まん延防止等重点措置の適用について具体的な検討を進めているような状況の中での選挙でありましたので、まずは、やはり県民の皆様方の命と健康を守る政策が最優先ではなかろうかということで、しばらく控えさせていただいて、若干、感染のピークが過ぎたかなというような時点、2月15日ぐらいの感染状況を確認の上、一旦ピークアウトしたのではなかろうかという状況を踏まえて、街頭に立たせていただいたところであります。
 もちろんそれは、県民の皆様方に思いの一端をしっかりと申し上げながら、ご選択いただくように努力すべきであるというのは、それがベストであろうと思いますけれども、そういった2つの課題にどう向き合うかという中で、結果として、今申し上げたような対応になったということであります。

○記者(毎日新聞社) 今日、どのような気持ちで退任式に臨まれたのか。任期満了を迎えた今の率直なご心境というのを改めてお聞かせください。

○知事 一つは、今日も申し上げましたけれども、県庁で49年間、職員の皆様方、あるいは議員の皆様方と一緒に仕事をさせていただいてまいりましたので、お礼を申し上げ、そしてまた、様々な課題も残されているわけでありますので、職員の皆様方にさらなる奮起を期待し、また、県政の活性化のために、さらなるご活躍をいただきたいという願いを込めて挨拶をさせていただいたつもりであります。
 まだ庁内でありますので、これからどういう思いが湧き上がってくるかということでありますけれども、少しほっとしている面があるのは事実であります。

○記者(毎日新聞社) 先ほどの退任式のご挨拶の中で、「私ども行政情報をもっと改めていかなくては」という言葉があったと思います。この思いに至るのは、3期12年の中でずっと抱えていらっしゃった思いでしょうか。それとも、ある時期から思っていらっしゃったことなのか、詳しく教えていただけないでしょうか。

○知事 私は、特に人口減少対策という課題に向き合って、様々な施策を推進してきたところでありますが、最大の要因は若年層の方々の県外流出、これは進学、就職を機に県外に出てしまわれる。その際に、いろんな選択肢を県内で提供できれば、県内にとどまっていただけるチャンスも増えるのではなかろうかということで、高校生の方々は、就職のお世話をされる先生方がいらっしゃって3者面談という形で協議の場が持たれて、一定様々な情報も提供できる形になるのですが、大学生の場合は、なかなかこれが、そういう形になっておりません。
 したがって、本来であればいろんな情報を直接お届けしたいのでありますが、個人情報の取扱いが非常に厳しくなって、情報のお届け先が明確にならない。そういったこともあって、例えば保護者の方々に情報提供をさせていただいたりという手法も講じてきたところでありますが、結果としてなかなか、若い方々ご本人に情報が直接届きにくい状況がありました。
 一般論として、若い方々はどういった手法で情報を入手されているのか。SNS等で入手されるケースが一番多いのではないかということで、そういった形で情報を発信していますけれども、これは一般論ですよね、どちらかというと。本来であれば、もっと工夫をして、再度そういった情報をもとにアクションを起こしていただけるような仕掛けをつくるとか、そういうことをずっと前から議論はしていたのでありますが、例えばSNSも行政情報発信手段の一つとして活用しているのですが、どちらかというと遅い。そして、堅い。そういう状況でありますので、なかなかお読みいただきにくい状況にあるのではなかろうかと、こう思っておりますので、もっと身近な、もっとふだんから接して情報入手しやすいような形で提供するための工夫というのをしていく必要があるのではないかと、強く感じているところであります。

○記者(NHK) 先ほども残された課題で新幹線、石木ダム、諫早湾干拓を挙げられていましたし、ご挨拶の中でも、人口減少対策を含めて、まだまだ道半ばとお話しされていました。このような課題を残したまま退任を迎えるということについて、個別具体的な事業というよりは、全体状況を踏まえた上で心残りや、今後への不安、もどかしさというものがあれば、教えていただきたいというのが一つ。
 もう一つは、新しく就任される大石新知事は、世代交代を訴えてこられた人ですけれども、改めて、大石新知事にどのような県政を一番期待するのかというところをお尋ねします。

○知事 様々な課題があるというのは認識した上で、再度立候補をさせていただきましたが、県民の皆様方のご選択でありますので、それについて、私の立場から申し上げることはございません。
 それから、これから大石知事さんがかじ取りを進めていらっしゃる形になりますけれども、私自身がこれまで常々感じてきてまいりましたのは、県の行政でありますのは、県の政策だけで課題解決に結びつくようなものというのは、非常にごく限られたものであると受け止めておりまして、私が主要課題として掲げておりました県民所得向上対策でありますとか、いずれも民間の方々の主体的なお立場での取組、それぞれの諸活動、これが原点になるわけでありますので、そういった思いをまずは民間事業者の方々と共有をして、新たな分野に積極的にチャレンジしていただく、そういったチャレンジを行政がサポートしていく、そういう形でないとなかなか施策が進みませんし、成果に結びつかない形になってまいります。
 したがって、その点等については、行政もしっかり思いをお伝えし、ご協力をいただく中で、互いに連携し協働しながら一つの目標達成に向かって取り組んでいく必要があるものと、こう考えているところであります。

○記者(NHK) 県知事選挙について、中村さんご自身が、選挙結果が分かった最初の心境と、それから選挙を終えて、今、1週間余りがたちましたけれども、最初の気持ちから現在にかけての変化というものがあれば、教えてください。

○知事 まだ、これから変化するのかもしれませんけど、今のところ、特に大きな変化はございません。

○記者(NHK) よければ、選挙結果が分かったときの気持ちとしてはどんなお気持ちだったか教えていただけますでしょうか。

○知事 それは、もうまさに県民の皆様方の選択でありますので、県民の皆様方がお選びになって、県政を大石新知事さんに託されたわけでありますので、それはそれで、私の立場でいろいろと申し上げることは一切ございません。

○記者(KTN) 先ほど3期12年を振り返った中で、この2年で言うと、新型コロナウイルス感染症対策に特に身を粉にして向かわれてきたと思います。改めてこの新型コロナウイルス感染症対策について、先が見えない中で大変だったことですとか、ご自身の中で、ある程度これは形として成果として上げられたなとお感じになっていることがあれば、教えてください。

○知事 2年前から、この新型コロナウイルス感染症が拡大してきたわけでありますけれども、これほど時間がかかるとは、正直考えておりませんでした。長崎県の特性を活かした様々な施策がほとんどストップしてしまっている。例えば海外との交流の中で独特の立ち位置を確保して、いろんな国際交流事業でありますとか、あるいは観光誘客でありますとか、物産の輸出入であるとか、いろんな政策に取り組んできたところでありますけど、それがほとんど停滞を余儀なくされている、これは非常に残念なことであります。
 ちょうど世界遺産も2つそろって、観光客数であるとか、観光消費額も過去最高を記録するなど、そういった中で定期国際航空路線の誘致拡大も進めていた矢先のことであって、これが長期間にわたって停滞を余儀なくされているということは、非常に、長崎県にとって、より大きな痛手になっているものと受け止めているところであります。
 実は、この間、コロナウイルスもアルファ株からデルタ株、そしてオミクロン株と、こう変わってきている状況でありまして、それぞれに感染症対策を少しずつ変えていかなければいけないものだと思っているのですが、なかなか根本的な対処方針、例えば、まん延防止等重点措置の内容等についてもあまり変わりがない。もう少し別のやり方、専門的な知見、感染症例などから見た上での対処方針、こういったものがありはしないかということで、国のほうにもそういった要請をしているところでありますが、まだまだ見えない状況であるということは、非常に残念なことであると思っております。
 ただ、現状では、3度目のワクチン接種、これを加速的に進めていって、一刻も早くこの第6波の感染拡大を収束に向けていかなければいけないものと、こう思っているところでありますので、根本対策としては、そういったことが一番重要になってくるのではなかろうかと思っております。

○記者(KTN) ありがとうございます。残された課題に全力で取り組みたいという形で、今回知事選に立候補されました。特にここは成果として県民に返したかったところは、県民所得の向上や人口減少対策が主になりますでしょうか。

○知事 県民所得の向上などについても、ようやく造船関連が非常に厳しい状況にある中で、半導体分野が目覚ましい伸びを示しておりますし、また、これまで県民所得向上対策で力を入れた食品関連がまた大きく伸びているという状況を見たときに、もう少しこれを加速的に、出荷額を拡大するような方策を考えていきたいと、こう思っていたところでありますが、残念ながら、そういった機会をいただけなかったということであります。
 そのほかにも、先ほど申し上げたアフターコロナに向けた準備というのは、今から進めておくべき課題もあるものと、こう認識をいたしておりましたので、職員の皆さん方には、そういった準備、情報発信等も進めておくようにと指示をしておりましたけれども、大石知事さんの下で、またそういった政策は推進していただけるものと考えております。

○記者(KTN) 県職員の方には情報発信の指示をされたりとか、次に向けての施策というところのステップを少し託しますという形でお話しされたわけですけれども、新しく知事になられる大石さんには、このまいた種をどのように育てていっていただきたいなとお考えですか。

○知事 先ほどの繰り返しになるかもしれませんけど、最終的に県民所得向上対策であれ、あるいは人口減少対策であれ、民間の皆様方との連携協働体制の下で様々な政策を進めていかないと具体的な成果に結びつかない。そういった中で、今、バトンタッチをさせていただいたわけでありますので、特に大石知事さん、自ら先頭に立って取り組んでいくのだといったご姿勢をお示しいただいてますので、さらなる県勢の活性化に結びついていくものと、こう期待をさせていただいているところであります。

○記者(長崎新聞社) 半世紀にわたり、本当に県民のためにありがとうございました。今後についてはまだ白紙ということですけれども、ご自身の政治活動については、どのように考えていらっしゃるでしょうか。

○知事 政治活動についても、まだ具体的に今後の方針を決めているわけではありません。
 ただ、まだ選挙直後ということもありまして、後援会事務所等はそのまま残しておりますので、一段落した後、どうするのかということは、もう少し時間がありますので検討をしたいと思っております。

○記者(長崎新聞社) 半世紀の間、数え切れない職員の方、県民の方と接してこられました。漠然とした質問になるかもしれませんが、この半世紀を振り返ってどのような49年間だったなと思われますか。

○知事 やはり、仕事を進める際に一人でできる仕事というのはほとんどありませんので、職員の皆さんと一緒になってチームでもって取り組まないと、仕事は具体的な成果に結びつかないものばかりであります。
 ただ、私、知事になって組織をうまく連携させて取り組んでいく、政策課題に向き合っていくというのがベストなのだろうと思いますけれども、なかなか組織が縦割りになっている面もありまして、はざまに落ちてしまう課題も結構多くあります。
 実は、職員のときには、組織単位ではなくて人を協力していただいて集めて、いろんな知恵を借りたこともあります。したがって、県の職員の皆さん方も非常にすばらしい能力をお持ちの方々ばかりでありまして、組織を離れてくると自由な発想と柔軟な連携、体制の下、いろいろな成果が、また異なるものが得られるなということも体験したところでありますので、やはり一番の問題は、組織間の有機的な連携をどうやって進めて具体的な成果に結びつけていくのか、これはもう永遠の課題なのかもしれませんけれども、より積極的なスタンスというのでしょうか、そういった考え方を職員の皆さん方には求めてきたところです。
 申し上げていること、分かりますかね。例えば国の中央省庁では、一つの課題があると、この課題は自分の省の問題だと課題丸ごと持っていこうとする力があるのですけれども、県の場合はそうじゃなくて、ここはうちじゃないというような傾向が若干見られる。したがって、もっと積極的に仕事を取りに行けと。そうすることによって、一つの課題が二つの部局の課題として位置づけられて、より早く解決に結びつくことだってあり得るじゃないかといったようなことをよく申し上げてきました。

○記者(長崎新聞社) 最後に、退任をされて少しゆっくりされる時間もあるのかなと思いますけれども、ゆっくりされたときに、何かしたいこととかはありますか。

○知事 これから考えたいと思います。

○記者(NHK) 知事、これまでお疲れさまでした。
 先ほど、知事のお言葉の中で、「今、これからどういうふうに思うのかわからないけれども、ほっとしているのは事実」ということをおっしゃっていました。それを聞いて、これまで知事としての3期12年間、常に相当のプレッシャーや、重い責任の中でやってこられたのかなということを感じました。その辺りを振り返って、「ほっとしている」というところには、一体どういった思いや、プレッシャーなどがあったのでしょうか、教えてください。

○知事 知事は、ご承知のとおり勤務時間が定められていない職務でありまして、常に、いろいろな動きが生じますと情報が入ってきて、それに対してどう対処していくのかといった判断が求められます。したがって、その都度その都度、やはり臨戦態勢で私の時間を過ごさないといけない状況でありましたけれども、おかげをもちまして、今日をもって退任をさせていただくということになると、少し気が緩む時間もこれから増えていくのではなかろうかと感じているところであります。

○記者(NCC) 12年間、お疲れさまでした。冒頭、印象に残っていることに、長崎がんばらんば国体等を挙げていただいたんですけれども、ご自身が知事として、また政治家として、最大の功績と感じるものがあれば教えてください。

○知事 さあ、何でしょうかね。比較的スムーズに移行しつつあると考えておりますのは、やはり産業構造の問題ではないかと思います。地域経済を長年にわたって支えてまいりました大手造船関連、あるいは石炭火力などのプラント関連、これが非常に厳しい状況に直面しておりまして、それにかわって半導体分野が、世界的な需要の拡大に伴って増産体制が講じられておりますし、県内においても幸いにして、もう1期、2期の大規模投資が進められており、また、雇用数も相当数拡大していく状況にあります。
 半導体を中心に、あとは航空機関連についても、各事業者の皆様方のご協力によって、航空機関連産業に入るためには認証取得が必要ですが、恐らくもう既に九州では一番、認証取得企業数が多くなっているものと、こう考えておりますので、民間の方々のご協力の下、次なる基幹産業の創出に向けた流れが少しずつ大きくなりつつあるのではなかろうかと考えているところであります。
 また、研究開発拠点の誘致でありますとか、そういったことが新たなオープンイノベーションセンターを核にして新しいビジネス創出に結びついていく可能性も、これはしっかり取り組んでいきたいと、こう思っているところでありますので、そういった意味では、基幹産業が非常に厳しい状況にある中にもかかわらず、少し、官民同じ方向性に向いた政策が比較的順調に進みつつあるということではなかろうかと思っております。

○記者(NCC) ありがとうございます。半世紀の間に県庁も移転をしましたけれども、今日が最後の県庁ということで、寂しさみたいなものは、今感じていらっしゃいますでしょうか。

○知事 寂しさは、明日以降、行くところがなくて実感するんじゃないかなと思っておりますけれどもね。

○記者(NBC) これまで大変お世話になりました。ありがとうございました。
 先ほど職員向けに、半世紀にわたる県政に携わった思いを述べられたところでありますけれども、これからの県政に対して、県民に今伝えたいメッセージがありましたらお願いします。

○知事 県勢の発展のためには、県民の皆様方のご協力が必要不可欠であります。行政は、しっかりと県民の皆様方のそうした思いをサポートする立場で、一緒に協力していくべきものだと、こう認識をいたしておりますので、ぜひ、いろんな可能性にチャレンジしていっていただきたいと願っているところであります。

○広報課長 ほかにございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、以上をもちまして記者会見を終了いたします。

○知事 どうも、大変皆様方にもお世話になってまいりました。改めて、心からお礼を申し上げる次第であります。本当にありがとうございました。

★発言内容については、わかりやすいように一部変更している部分があります。
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