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平成27年9月10日 定例記者会見

      

 ●会見内容●

                      
                   

         1.対馬沖漁船転覆事故について
         2.ベトナム訪問成果について
         3.「長崎の教会郡」のイコモス現地調査について(1)
         4.アンテナショップの開設について
         5.平成27年国勢調査の実施について
         6.在外被爆者医療費訴訟について(1)
         7.石木ダム事業について(1)
         8.対馬沖漁船転覆事故について(2)
         9.長崎県まち・ひと・しごと創生総合戦略について
         10.地方創生に資する政府機関の移転について
         11.在外被爆者医療費訴訟について(2)
         12.「長崎の教会郡」のイコモス現地調査について(2)
         13.世界遺産登録後の観光客の受け入れについて
         14.石木ダム事業について(2)
         15.県庁舎跡地活用について
         16.石木ダム事業について(3)
       

     
           

1.対馬沖漁船転覆事故について

○広報課長 ただいまより、知事の定例記者会見を始めさせていただきます。
 知事、よろしくお願いいたします。

○知事 それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、冒頭に数点、私のほうから皆様にご報告をさせていただきたいと思います。
 まず、対馬イカ釣り漁船の転覆事故であります。
 ご承知のとおり、去る9月1日、対馬沖で本県漁協所属の漁船5隻が転覆をし、乗組員8名のうち5名の方が亡くなられるという大変痛ましい海難事故が発生いたしました。
 お亡くなりになられた皆様方に、改めて心から哀悼の意を表しますとともに、ご家族並びに関係者の皆様方に衷心よりお悔やみを申し上げる次第でございます。
 県では、事故発生当初から、海難事故連絡会議を設置し、関係漁協へ職員を派遣いたしますとともに、情報収集に努め、漁業取締船を現場海域へ出動させ、行方不明者の捜索活動を実施してまいりました。この間、地元漁業者の皆様、海上保安部をはじめ、関係機関の懸命な捜索によりまして、行方不明となっておられた方も発見をされたところであります。
 そしてまた、新たに本日、有明海において1件の海難事故が発生をし、1名の方がお亡くなりになられたという報告を受けたところであります。

 今後とも、関係機関と一体となって海難事故の防止、安全対策の徹底に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
 

          

2.ベトナム訪問成果について

○知事 それから、ベトナム訪問のご報告をさせていただきたいと思います。
 去る8月25日から9月2日までの間、県議会議長、そして経済界など民間の方々とともに、長崎と長い交流の歴史がありますベトナム社会主義共和国を訪問してまいりました。首都ハノイ市のほか、ホーチミン市、そして本県と特にゆかりのあるダナン市、クァンナム省を訪問いたしまして、工業団地や世界遺産などの文化・観光施設などを視察し、政府関係者の皆様方とも意見交換を行ってきたところであります。
 ホーチミン市では、人民委員会のクアン委員長にお会いいたしまして、今後の交流等について意見交換をさせていただきましたほか、本県の大学で学んで帰国された留学生の皆様方ともお会いをして、今後の本県とのさらなる交流の拡大についてご支援をいただきたい旨、お話をさせていただきました。
 そして、ダナン市では、日越文化交流フェスティバルが開催されたところから、この開会式で私も挨拶をさせていただく機会をいただきまして、ベトナムと長崎とのゆかり、荒木宗太郎とアニオー姫のお話等もご紹介いたしましたが、来場者の皆様方から拍手をいただくなど、改めて長崎とベトナムとの深いつながり、そして、関心の高さをお伺いすることができたのではないかと考えております。
 そしてまた、このフェスティバルには長崎県のブースを出展いたしまして、長崎和牛、あるいは壱岐焼酎などの試食、試飲、そしてまた、本県の観光等の紹介をいたしましたけれども、いずれも長い行列ができるようなご好評をいただいたところであります。
 それから、朱印船貿易を通して古くからゆかりの深いホイアン市を有するクァンナム省でありますけれども、ここでも人民委員会のトゥ委員長と会談をいたしまして、今後、両地域の友好交流の拡大について、協議録へ署名をいたしたところであります。
 ここクァンナム省には、ホイアン、そしてミーソン遺跡といった2つの世界遺産がありまして、世界遺産の保全状況、運用の状況などについても見学をさせていただきました。
 そして、首都ハノイ市では、ベトナム政府のフック副首相ともお会いいたしましたし、そして昨年6月に本県の「ベトナムデーin長崎」にご参加をいただきました商工副大臣、計画投資副大臣ともそれぞれ意見交換を行ってきたところであります。
 今後、さらに友好交流の拡大に取り組んでいきたいとの趣旨で意見の一致をみたところであります。

 そういうことで、今回のベトナム訪問は経済界の皆様方を含めて、関係者の皆様方と一緒に訪問をさせていただきましたけれども、具体的なビジネスマッチング等の機会も設けられたところであり、今後、さらに友好交流を深め、将来的には経済的な実利が得られるよう努力してまいりたいと考えております。

      

 

                

3.「長崎の教会郡」のイコモス現地調査について(1)

○知事 それから、長崎の教会群の今後の手続でございます。
 世界文化遺産候補となっております長崎の教会群とキリスト教関連遺産のイコモスの現地調査でありますが、これまで文化庁とイコモスの間で調整が進められておりましたが、このたび調査員並びに調査日程が決定いたしましたので発表させていただきます。
 調査に当たられる方は、ルネ・ルイス・S・マタさんとおっしゃる方でありまして、フィリピンの建築家の方でいらっしゃいます。
 調査日程は、9月26日(土曜日)から10月4日(日曜日)までの9日間の予定となっております。
 長崎の教会群の世界遺産登録実現のためには、このイコモスの勧告内容が極めて重要となってまいりますことから、現在、調査本番を想定したシミュレーションを実施するなど、関係県・市・町と一層連携を図りながら、登録実現に向けて準備を整えているところであります。

 なお、調査行程、あるいは取材に関する留意事項などについては、この会見終了後、改めて担当課のほうからご説明をさせていただきたいと考えております。

      

 

          

4.アンテナショップの開設について  

○知事 それから、アンテナショップの設置について、現在の状況を報告させていただきます。
 アンテナショップの設置につきましては、これまでもさまざまな方々のご意見をお伺いしながら、基本コンセプト、あるいは候補物件等の検討を進めてまいりましたが、このたび、再開発が進んでおります東京都中央区日本橋に建設中であります「アーバンネット日本橋二丁目ビル」、この1階に開設をすることといたしました。
 基本的なコンセプトは、「首都圏と地元の人・もの・情報の交流を活発化することで地域を元気にする」ということであります。
 既に多くの皆様方に知っていただいている人気の定番商品等に加えて、東京で初めて販売される商品、あるいはまだ十分知られていない観光資源なども積極的にPRをし、また、アンテナ機能を重視して、首都圏の消費者が求める商品、あるいは観光資源等を掘り起こし、ショップから地元の関係者の皆様へ逆にさまざまな取組を提案するなど、新たな商品や旅行商品等の開発につなげてまいりたいと考えております。
 そして、併せて本県産の食材を使った料理、あるいは陶磁器等を使用したテーブルコーディネートなど、長崎の魅力を活用した新たなライフスタイルの提案も行う場として活用していきたいと思っております。
 今後はこの基本コンセプトに基づいた具体的な機能や取組内容等について、市町、関係団体、事業者等と協議を進め、来年3月のオープンを目指して店舗運営計画、内装工事の設計施工などの準備に取り組んでまいりたいと考えております。

 市町の皆様方、各事業者の皆様方には、ぜひ首都圏の消費者ニーズの把握、あるいは商品開発等を目的としたテストマーケティングの場として積極的にご活用いただきたいと願っているところであります。
 

          

5.平成27年国勢調査の実施について  

○知事 最後に、国勢調査の実施について、お願いをさせていただきたいと思います。
 資料をお手元にお配りしておりますが、我が国に住んでいる全ての人を対象に、人口、世帯の実態を明らかにする国勢調査が、本年10月1日を調査期日として実施されます。本日、9月10日から県内で約8,000名の国勢調査員の方々が皆様のお宅を訪問して、調査が開始されたところであります。
 今回の調査では、全国でオンラインによる回答方式が導入され、パソコンやスマートフォンなどから回答できるようになったところであります。一人暮らしの学生さんなど、積極的にこのオンラインを利用して、漏れなく回答をいただければ大変ありがたいと考えております。
 なお、オンライン回答がなかった世帯の皆様方には、従来どおり紙の調査票を配布し回答していただくこととなっております。
 国勢調査の結果は地方交付税の交付額の算定、あるいは小選挙区の画定など、多くの法令に利用が定められております。また、県や市町の総合計画をはじめ、各種施策の立案、企業等の民間の皆様方にとってもさまざまな将来予測等に幅広く利用されているところでありまして、県民の皆様方にとっても重要な調査でありますので、正確な調査が実施できますよう、ぜひ回答にご協力をいただきたいと考えているところでございます。

 私の方からは、以上数点ご報告を申し上げ、あとはご質疑をもって説明させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 

          

6.在外被爆者医療費訴訟について(1)

○記者(読売新聞社) 3点お尋ねします。
 先日、8日の最高裁判決で、在外被爆者が国外で医療を受けた場合も医療費を支給すべきという判断が大阪府に対して示されております。

 長崎県でも同様に在外被爆者からの支給申請を棄却して、訴訟も係争中でありますけれども、この判決を受けて県としてどのように対応していかれるのか、今後の方針をお聞きします。

○知事 まず、在外被爆者に対する医療費の支給手続であります。
 お話がありましたように、今、国内では複数件の訴訟が提議されているところでありますが、大阪高裁の判決を維持した最高裁判決が言い渡されたところでありまして、在外被爆者が国外で受けた医療に対して援護法が適用されるという法律解釈がなされたところであります。

 本県で係争中の案件につきましても同様の訴えの内容でありますことから、国と十分協議を行い、適切に対応してまいりたいと考えております。

○記者(読売新聞社) 在外被爆者の関係では、厚労省の方から通知もあっているようですけれども、却下処分は取り消す方向で検討を進めていかれるということになりますか。

○知事 そうですね、国からのお話もいただいておりますので、今後具体的な手続がどういう形で進められるのかというところも含めてしっかり協議をしてまいりたいと思います。

 

          

7.石木ダム事業について(1)

○記者(読売新聞社) それから2点目、石木ダムの建設事業の関係ですけれども、県は今月7日に地権者等の反対で立入調査を断念されました。こうした状況をどのようにとらえていらっしゃるのか、県として今後どのように手続を進めていかれるつもりなのかお聞きします。

○知事 石木ダムの立入調査の件でありますけれども、正確な補償額の算定をするために法律に定められた手続であり、地元地権者の皆様方の理解が得られるよう努めてまいりましたけれども、結果として調査が実施できませんでした。このことについては大変残念に思っているところであります。
 今後はしかるべき別の手法をもってそういった内容の算定を進めるということになってくるのではなかろうかと思っております。

 

          

8.対馬沖漁船転覆事故について(2)

○記者(読売新聞社) それから3点目ですが、先ほども知事からお話がありましたけれども、対馬市沖で発生した漁船転覆事故の関係ですけれども、今回のような事故を防ぐために県として具体的にどのような対応ができるのか、お考えがあれば聞かせてください。

○知事 対馬の漁船転覆事故でありますけれども、私も直接対馬にお邪魔をいたしまして、漁業関係者の皆様からお話もお伺いしてきました。今回の事故がいまだかつて経験したことのないような事故の発生であったということでありますので、どの辺に原因があるのか、例えばライフジャケットを着用していただく、こういった事項についてはこれまでも再三にわたって協力の要請をしてきたところでありますし、まさに非常に真っ暗な状況の中で三角波が立っていたというようなお話もお聞きしましたし、あるいは船がぐるぐる回って竜巻ではなかったのかというようなお話もございました。
 したがいまして、ぜひその辺は事故原因をしっかりと究明していただいて、必要な対策をやはり十分検討していかなければいけないのではないかと思っております。

 もちろん操業に当たってライフジャケット等を常に着用していただくということについては、引き続きご協力をいただいていかなければいけないと思っております。
 

          

9.長崎県まち・ひと・しごと創生総合戦略について

○記者(時事通信社) 地方創生の関係で2点ほどお願いします。
 先だって県版の地方総合戦略がまとめられましたけれども、その中で数多くの政策と事業群が構築されています。その中で知事としてどういった事業を重視して優先的に取り組んでいかなければいけないのかと、今どのようにお考えになっているかというのをお願いいたします。

○知事 地方創生をこれから具体的に進めていくに当たって、やはり一番大きな課題となっておりますのは、既に50年前から本県は人口減少状況にあるということであり、今なおその傾向に歯止めがかからないという状況にあることではないかと思っております。
 私もこういった状況を見る時に、やはり若い世代の人たちが県外に転出をするという状況をまずは克服していかなければいけないということで、県民所得向上対策等を掲げて、各分野の産業の活性化と良質な雇用の場の拡大ということで県民所得向上対策に力を注いでまいりました。
 これまでの考え方としては、やはり働く職場がないので県外に出てしまわれるのではないかと。そうしたことに主要因があったのではないかということで、そういう戦略を練ってきたところでありますけれども、それ以外の面でも、もっともっと地域の情報を正確に県民の皆様方にお伝えをして理解を得ていく必要があるのではないか。
 というのは、確かに経済的な側面を見ますと有効求人倍率は全国と比べて差があるという状況でありますが、近年、大幅に改善されているわけです。例えば、卒業生に対する求人状況などを見ますと、有効求人倍率は1倍を超える求人が寄せられている。それでも逆に県外に出てしまわれる、就職される方々の数が増えるという状況にありますので、やはり地域とのかかわりの中で安心して住んでいただく、そういった住みやすい県であるということ。
 そしてまた、経済的な格差というのがどうしても目につくと思います。給料月額等を比べてみましても、やっぱり大都市部と長崎県内を比べますと月額にして10万円ぐらいの収入の差があるわけでありますので、どうしても若い方々にとっては、そういった雇用環境の方に目が向いてしまうという傾向があるんだろうと思いますけれども、生計費、支出を含めた分の状況等を見てみますと、ほとんど格差が残らない、いわゆる生活をするには非常に安価で安心して生活をしていただけるような環境にあるということも片方の事実でありますので、そういったことなどもしっかり理解していただいて、地元に残って、生きがいを持って活躍をしていただけるような、そういう働きかけ、理解促進に力を注いでいかなければいけないのではなかろうかと考えております。
 そういった長崎における実質的な暮らしやすさといったものについては、これからも積極的に情報を発信して、県内の皆様方はもとより、県外から本県に移住等をご検討いただいている皆様方にも発信をすることによって、移住定着促進対策として活用していく必要があるのではなかろうか。
 あわせてまた少子化対策も非常に深刻な状況でありますので、これは少し時間をかけながら、若い方々の意識改革も含めて取り組んでいく必要があるものと思っております。

子育て環境の整備等を含めて、支援策についてはどういった施策が効果的に働いていくのか、若い人たちが一番求めておられるのはどの辺なのか、そういったことをしっかり探りながら具体策の推進に取り組んでいかなければいけないと思っているところです。
 

          

10.地方創生に資する政府機関の移転について

○記者(時事通信社) 地方創生の関係で、政府機関の移転について、長崎県は2つの機関を移転することを表明されていますが、中央省庁の抵抗感とか、ほかの自治体との競合もあると思うんですが、その辺で長崎県としてはどのようにアピールして誘致を進めていきたいと考えていらっしゃるか、お願いいたします。

○知事 政府機関の地方移転でございますが、先般提案させていただきましたのは、1つは海上技術安全研究所でございます。これは海洋再生可能エネルギー利用などに係る技術開発に取り組んでいる研究所でありまして、本県ではもうご承知のとおり、長年にわたる造船関連産業の集積があり、技術、人材の蓄積があるわけであります。
 また、昨年は海洋再生可能エネルギーの実証フィールドとしても選定をされたわけでありますので、こういった分野にわたる研究を進めていただくには絶好のフィールドが提供できるものと思っておりまして、そういった観点から本県への移転を要請してまいりたいと考えたところであります。
 そして、もう一つの水産総合研究センター水産工学研究所、これは水産関連の工学的な研究、あるいは技術開発等を行っている研究所であります。
 本県は、三方を海に囲まれた海洋県、そして水産県であります。実海域を利用したさまざまな研究にも非常に適した条件を提示できるものと考えておりまして、この2件を提案させていただいたところであります。
 ただ、こうした研究関係機関については、研究を進める際のさまざまな施設整備等も必要になってくるものと考えているところでありまして、そういった面との兼ね合い、これが非常に大きな課題になってくる可能性があるのではないかと思っております。

○記者(時事通信社) 関連してなんですけれども、この施設整備についてですけれども、今の段階で何か計画とかはどういうのがあるんでしょうか。

○知事 国の機関を積極的に地方へ移転させるというのは、地方創生の一環として国の方から出された方針でありまして、それはやっぱり国の方でも主体性を持って取り組んでいただきたい。これは全国知事会等でもそういう提案をさせていただいているところであります。
 したがいまして、国と地方の役割分担がどういう形になるのか、それはこれからの協議の過程の中でさまざまな課題として調整を進めていかなければいけないのではないかと思っております。

 

    

11.在外被爆者医療費訴訟について(2)

○記者(NHK) 最初の在外被爆者の件ですけれども、昨日、国からの通知が来て、県としてはそれを受けて却下した決定を取り消して全額支給することを決めていると思うのですけれど、もう亡くなられていると思うのですが、対象となる3人の方に対して、今後、どのような姿勢で対応していきたいのか知事の考えをお聞かせください。

○知事 まずは、(却下した結果、今までは行っていなかった事務処理を開始することになると思います。具体的には、最初に申請内容を、)審査をするという手順になってくると思いますが、内容確認については、やはり国内外を問わずしっかり対応していただく必要があるものと思っているところでありますので、そのようなさまざまな手続面のことも含めて国の方針が示されたわけでありますので、そういう方向で具体的に検討していきたいと思っております。

 

 

    

12.「長崎の教会郡」のイコモス現地調査について(2)

○記者(長崎新聞社) 教会群のイコモス調査についてですけれど、調査において一番のポイントになるといいますか、知事としてこの辺りをしっかり説明しなければならないとお考えになっている部分は、どの辺りでしょうか。

○知事 やはり構成資産の意義そのものについては、十分、文化庁ほかとも協議、調整を重ねてきておりますのでご理解いただけると思いますけれど、保存整備、周辺地域との調和の問題でありますとか、そういった分野について、ご指摘をいただく余地があるのかもしれないと思っております。全体としてのバッファゾーンを含めた景観との整合性等も一つの調査していただく際の観点になってくるのではなかろうかと思っております。

 

 

    

13.世界遺産登録後の観光客の受け入れについて

○記者(西日本新聞社) 世界遺産登録のイコモスの調査について関連です。今回、産業革命遺産が登録された後、夏休みでたくさんの観光客等がいらっしゃって長崎の街は賑わったと思うのですけれど、来年の世界遺産委員会までもう1年を切っておりまして、観光客の受け入れや県内各地の教会群への波及に向けた現在の準備状況についてどのように考えていらっしゃいますか。

○知事 準備状況については、既にご報告を差し上げているかと思いますけれども、基本的には教会というのは今も信者の皆様方が守っておられる信仰の場であります。したがいまして、突然おいでいただいてご覧いただけないような場もあるのではないかと思います。
 したがって、まずは基本的に事前に連絡をしていただけるようなシステムを組み上げて、今、全ての構成資産についてそういう取組を進めております。その中で信者の皆様方にとっても、また、観光で訪れられた皆様にとっても意義ある旅行をしていただけるように努力をしていかなければいけないと思います。

 そしてまた、特に構成資産が離島の非常に交通不便な地域を含めて散在しておりますので、こういった施設をどういう形でご覧いただけるのか、さまざまな観光ルート、案内するための仕掛け、そういうものも既に離島地域で先駆的に取組を進めておりますので、これからより具体的な形での課題があるとすれば、そういった課題の克服に向けて残された期間全力で取り組む必要があるものと思っております。


 

    

14.石木ダム事業について(2)

○記者(NBC) 石木ダムについてお聞きします。
 立入調査が実現できなかったということですが、私も現場に行きましたが、地権者の方々は、はじめて土地を強制収用されたということで、以前にもまして県に対しての不信感というのが高まっていると思います。これは恐らく知事にも現場から話が上がってきているかと思うのですけれども、そんな中でも付替道路の工事、そして、収用に向けた手続、これを進めると本当に衝突というのも起こりかねないのかなということを現場で感じましたが、その点についてのお考えを聞かせてください。

○知事 まずは今進めております付替道路でありますけれども、これはこれまでも申し上げたとおり、既に所有権は県有地となっているわけでありまして、先の仮処分の決定の際にも妨害しないようにという方向性が示されている中で、なかなか着手できないような状況が続いているわけであります。ぜひ引き続き関係の地権者の皆様方のご理解をいただきながら、事業を着実に進めることができるように努力していかなければいけないと思っております。 
 片や、土地収用法に基づく手続もまた現在進めさせていただいている状況でありまして、現場の状況は私も報告を受けているわけであります。繰り返し、繰り返し、事務所には、地権者の皆様方にお話をし、ご納得いただけるよう努力を続けているわけでありますけれども、なかなか納得がいただけない状況が続いているわけでありまして、まずは、そういった作業を進めるにしても、安全・安心だけは大切に取り組むようにという指示をしているところであります。

○記者(NBC) 「努力をしていかないといけない」というふうにおっしゃいましたが、その地権者の中から、やはり知事が直接現地になかなか足を運んで来ないことに対する不満というものも多く聞いたのですけれど、必要性の話し合いも含めて、今後、知事ご自身の動きとしてどのようなことを考えられているのか、お聞かせください。

○知事 今、基本的にご納得いただけてない地権者の皆様方と県の立場といいますと、私ども県としては、石木ダムは、地域にとって必要不可欠なダムであると思っております。安全・安心を確保するためには、これだけの規模のダムを建設していかなければいけないと、こう思っているわけでありますけれども、地権者の皆様方は、ダム自体が必要ないというようなお話でありまして、これまで繰り返し、繰り返し説明もさせていただき、ご納得いただけるように努力を重ねてきたところでありますけれども、そこに至っていない状況であります。
 先日、私も出向いてまいりましたが、非常に技術的な照会、ご疑問点等を含めて、それに対してお答えをしてきたわけでありますけれども、まだまだご納得いただけない。そういう状況にありまして、ここでダムの必要性そのものを改めて議論できる状況にあるかというと、なかなか難しいと思っております。円満な解決のために話し合いができるというような状況であれば、私はいつでもお邪魔をして話をさせていただきたいと思っているところであります。

○記者(NBC) 先ほど、安全・安心だけはというふうなことを職員の方に指示をされたというふうな文言がありましたけれども、確かに、付替道路の工事を、今後、重機を入れて工事を行うのに対しては、地権者の方は体を張って阻止するといった意思表明もされていらっしゃいます。やはり体を張ってということになると、衝突というか、けが人とか負傷者ということも考えられるかもしれないのですけれど、そういった状況でもやはり工事を継続されるおつもりなのでしょうか。
 それと、もし万が一、負傷者が出た場合、その責任の所在についてどうお考えなのか、その2点についてお聞かせください。

○知事 先ほど申し上げたように、事業自体は必要な事業であると考えております。現場で負傷者が出たらどうするのかというお話でしょうけれども、それはまずは負傷者が出ないように対応するのが第一義であり、何としても避けなければいけないと思っております。

 

    

15.県庁舎跡地活用について

○記者(NBC) 県庁舎の跡地の問題の件なのですけど、先日、長崎市の方が公会堂の代替施設として県庁舎跡地の活用の中に活かしてほしいというような要望もあったかと思いますけれど、改めてその部分について知事の所見を聞かせてください。

○知事 これまでも申し上げてきたとおりでありまして、県庁舎跡地については、民間の懇話会の皆様方からもご提言をいただいており、歴史・情報発信機能、あるいはホール機能等、そういった3つの視点から機能整備を図ってはどうかというご提言をいただいております。
 ただし、このホール機能には質の高いホールを整備して欲しいというご意見と、一般市民の皆様方が使いやすいようなホールを整備して欲しいという、2つの少し方向性が異なったご提言等が盛り込まれていると理解をいたしております。
 そういった具体的な検討を進める過程の中で、長崎市の方からも、先般、「公会堂を廃止したい、その機能を県庁舎跡地に整備することができないのか」というご提言があったわけでありまして、それでは、どういった機能を付与すれば実現できるのか、そういった点も含めて現在検討を進めているという状況であります。

○記者(NBC) ということは、完全に市側からの提案というものをはねつけているというわけではではないのですね。

○知事 もちろん、そうでございます。今まで「そういったご提案は受けられない」と申し上げたことはありません。

○記者(NBC) どのようになったら収まっていくというふうにお考えでしょうか。

○知事 それはやはり県庁舎跡地が極めて重要な歴史的な意味、あるいは都市機能からいっても大切な土地になるわけでありまして、県議会の皆様方も、「県全体の立場から有効に活かしていかなければいけない、そういう考え方で検討を進めるべきである」というようなお話もいただいているわけでありますので、まずはそういった観点との兼ね合い、調整も含めて検討しなければいけないと思っております。

 そういう中で一定の成案が得られ、また、双方に合意が得られるということであれば機能をあわせて持たせていくということも可能ではなかろうかと思います。

 

 

    

16.石木ダム事業について(3)

○広報課長 最後の質問にさせていただきたいと思いますが、ほかにございませんでしょうか。

○記者(長崎新聞社) 石木ダムについて3点ほど伺いたいと思います。
 先日の公共事業評価監視委員会で、地権者の方々と話し合うようにという内容の提言がありました。恐らくそういうふうに答申されるでしょう。それについて、改めて知事の所見を伺いたいというのが1点。
 もう一つが、評価監視委員会の中で、県は堤防、河川改修とダムあわせて川棚川の治水ができるということをおっしゃいました。この堤防の改修など、そういったものを知事として先行して行うお考えはあるのかないのか。
 最後に、佐世保市長が、利水について評価を見直す考えはないという趣旨の発言をされました。石木ダムは、治水と利水、どちらも目的に含まれておりますので、知事としてはこの利水計画、佐世保市の人口や1日の給水量が減っている中で再評価が必要なのかどうなのか、そのあたりのお考えをお示しください。

○知事 まず、評価監視委員会からの答申がどういう形で出るのか、私も詳細にはお聞きしておりませんが、話し合うようにとのご提言があるとのことでありますけれども、もとより先ほど申し上げたように、話し合って解決できるような状況であれば、私も話し合いをさせていただくのには積極的に対応していきたいと考えております。
 ただ、これまでの歴史は先ほど申し上げたとおりでありまして、何度も何度もご説明をさせていただく中で、ほぼ8割の地権者の皆様方にはご理解はいただけたけれども、なお今ご理解がいただけてない地権者の方々がいらっしゃるというわけでありまして、そこはやはり非常に厳しい状況にあると考えております。
 それから、石木ダムについて、河川改修とダム、あわせてその治水機能を整備しようとしていますが、河川改修を先に行えばというお話のようですが、今まで河川改修もやってきています。当然ながら今後も必要な河川改修は行います。しかし、それでも足らざる部分が残ってくるわけでありますので、その部分をダムに頼らざるを得ないということであります。
 それから、利水の件について、見直しの必要性がないのかということでありますけれども、この利水の問題については、県はどちらかというと治水の面では所管をいたしておりますが、利水の面は厚生労働省と佐世保市で判断がなされるものでありまして、私の方から何ともコメントしがたい状況にございます。

○記者(長崎新聞社) 利水は厚労省と佐世保市で所管されるというふうなことであれば、佐世保市は利水の見直しはしないということであるので、そのまま工事を進めていくという立場に県としてはなるのでしょうか。

○知事 佐世保市も見直しの必要性自体を感じていらっしゃらないということではないのでしょうか。そのことを、また、国の方もそう判断されているということであれば、私ども県の立場から見直しをすべきだというようなことは適切性を欠くのではなかろうかと思っております。

○記者(長崎新聞社) 話し合いで解決するようであれば、積極的に話し合いをしたいというお話でしたが、そのような状況というのは具体的にどういう状況を想定されているのですか。

○知事 これまでも申し上げてきたように、これからの生活再建等含めて、地権者の皆様方と静穏な状況で、ひざを交えて話ができるような環境があれば、ぜひ私もそういった機会をいただければと思っております。

○記者(長崎新聞社) これまでと、それでは姿勢は変わらないということですか。答申が出た後も知事の姿勢というのは変わらないということになるのでしょうか。

○知事 何の答申ですか。

○記者(長崎新聞社) その話し合い、静穏な状態で生活再建について、生活再建に限って話をするならば応じられるという答申です。

○知事 解決に結びつくような話し合いの場であれば応じていきたいと思っています。
 ご承知のとおり、これまでさまざまな必要性等についての説明を求められて、繰り返しずっと技術的な課題を含めて説明は十分させていただいてきたところであるかと思います。
 なお、新たなご疑問点等があるとすれば、それについては継続して説明をしていかなければいけないと思っております。

○広報課長 以上をもちまして、知事の定例記者会見を終了させていただきます。

 どうもありがとうございました。

 

     
      ★発言内容については、わかりやすいように一部変更している部分があります。      
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