●会見内容●
平成27年度当初予算(案)について
○広報課長 それでは、ただいまより、平成27年度当初予算(案)の概要等につきまして、知事の方からご説明をいたします。
よろしくお願いいたします。
○知事 どうぞよろしくお願いします。
私の方からは、お手元に差し上げてあろうかと思いますが、「平成27年度当初予算(案)等のポイント」に沿って簡単にお話をさせていただきたいと思います。
まず、1ページでございます。
来年度当初予算の編成に当たって、ご承知のとおり、国においては人口減少の克服、地方創生に向けて総合戦略、長期ビジョンが示され、地方の方ではしっかりと知恵を出して、柔軟な活用ができる交付金を活用しながら地方再生、地方創生に取り組むようにという方針が示されたところであります。いよいよこれから、地方がいかに知恵を出し積極的な施策を推進していくかということで、地域間競争が厳しくなってくる時代を迎えるのではないかと考えております。
そうした中、本県では、この地方創生関係交付金が補正予算で措置をされたということもありまして、この2月の補正予算と当初予算を一体的に編成するという考え方で地方創生に向けた先行的な施策等に取り組むことといたしました。
本県にとっては、特に来年度は県の総合計画の仕上げとなる最終年度を迎えてまいります。引き続き施策の重点化を図りながら、総合計画の基本理念であります「人や産業、地域が輝く長崎県づくり」を目指してまいりたいと考えております。
そうした中で重点戦略でありますけれども、やはり人口減少対策にしっかりと取り組んでいくということが最優先の課題であろうと考え、この人口減少要因のほぼ半分を占める自然減対策ということで少子化対策の推進に重点的に取り組む、そしてまた、社会減に対応するための県外からの移住促進対策などについても施策を構築して推進することとしたところであります。
そしてまた、一昨年から重点的に取り組んでまいりました県民所得向上対策。これは、さまざまな分野の産業の活性化を図り質の高い雇用環境を整備しようということで取り組んでまいりましたけれども、そうした分野についても引き続き全力を挙げて取り組んでいくことといたしておりまして、製造業や農林水産業、観光業、サービス業等の活性化に引き続き力を注いでまいることといたしております。
そうした結果、来年度の一般会計当初予算額は6,928億円となりました。前年度と比べますとほぼ同規模でありますけれども、0.1%の減となったところであります。前回、皆様方に発表させていただきまして6,930億円程度と申し上げておりましたけれども、若干、交付金の利活用について当初予算に計上予定であった分が、交付金をより積極的に活用するという考え方で補正予算に回ったという分もございまして、そういう結果になったところであります。
なお、大まかな増減要因でありますけれども、平成26年度の当初予算には国体関連予算が71億円、そして、中小企業向けの過年度貸付金の再預託、これが大体58億円の減少要因がございました。そしてまた、企業誘致に伴って関連の立地補助金が、昨年度は大規模な補助金がございましたけれども、それがなくなったということもございまして、以上のような状況になっているところであります。
2ページは省略をさせていただきます。
3ページをご覧いただきたいと思います。
これが大まかな歳入・歳出の概要でございますが、まず、歳入のうち県税でありますけれども、県税は1,079億円を計上いたしております。前年から7.8%の伸びを見込んでおりますが、この増加要因は地方消費税の平年度化による増加など税制改正の影響によるものでありまして、この税制改正の影響を除きますと、ほぼ前年並み。特に、法人関係二税の動向等については、各企業の皆様方からも事情をお聞きしながら予算計上を行ったところでありましたけれども、特に、本県の基幹産業であります造船関連産業、こういった分野についても非常に厳しい収益構造、収益が予想されるというようなお話でもございました。そういったことを加味しながら県税予算を計上いたしました。
そして、地方交付税と臨時財政対策債でありますけれども、2,518億円、前年比95億円の減ということで、マイナス3.6%を計上いたしております。これは、景気が回復し県税が増加するということになると、当然ながら、この地方交付税は減少傾向で進んでまいりますけれども、特に本県は、景気の動向からちょっと遅れて動いていくということもありますので、今年度は県税の動向等も十分見極めながら、慎重な財政運営が求められるのではなかろうかと考えているところであります。
一方、歳出のほうでありますが、人件費は0.8%の増ということで計上いたしておりますが、これは退職手当の増加が見込まれるということが、その主な要因であります。これを除きますと、対前年比9億円程度の減となっております。
そして、公債費は臨時財政対策債の償還金が増えてくるということによりまして10億円、0.9%の増を見込んでおります。
投資的経費で普通建設補助、これも公共事業費等について本年度は、まだまだ社会資本の整備が十分じゃないということで、国の動向を見極めながら積極的に対応していこうという方針で予算を計上いたしましたけれども、ご承知のとおり国の公共事業、前年度プラス0%ということで、ほぼ前年並みの総額でありました。ここで若干伸びておりますのは、農林関係の分野において、集出荷貯蔵施設等の整備事業費が増えたというような要因によるものであります。
一方、普通建設単独でありますけれども、これは先ほど申し上げました企業誘致関連の大規模な補助金が、去年は30億円ありましたけれども、これが減ったということが要因であります。そうした状況の中、財源不足を補うため、財源調整のための3つの基金を取り崩しております。来年度の取り崩し額は、当初予算で161億円となっております。なお、前年は200億円取り崩しておりましたけれども、若干なりとも圧縮できたといいますのは、これからいよいよ本格的に取り組んでいかなければいけませんさらなる収支改善対策、これは3年間で154億円の収支改善を目標としておりますが、この効果に期待するところが大きいところであります。
なお、基金残高は、過去無いくらいの少額しか残らないということになっておりますので、これからの財政運営は、そういった動向を十分見極めながら慎重に対応していく必要があるものと考えているところであります。
公共事業予算は、4ページに記載しておりますように対前年比0.1%の増を見込んでおります。
5ページは、先ほど触れさせていただきましたので説明を省略させていただきます。
6ページに、先ほど申し上げた基金の状況をご紹介しております。平成26年度当初予算は200億円を取り崩しました。現在、2月補正後の最終取り崩し見込み123億円。それによりますと204億円の年度末残高の見込みとなっておりまして、この基金残高をさらに平成27年度当初で161億円取り崩しますので、平成27年度末は43億円となっておりますが、過去の年度の状況をご覧いただきますと、まだまだ2月補正の段階でありますので、これからしっかりと財源の確保、この財源調整3基金の取り崩しができるだけ圧縮できるように、これからの財政運営にさらに努力をし、平成26年度末残高を増やすように取り組んでいかなければいけないと思っております。
その下の県債残高の状況でありますが、県債総額の残高見込みが1兆2,300億円ということで、残高自体は増えてまいりますけれども、増加要因は、臨時財政対策債の増によるものでありまして、これを除きますと、過去と同様、引き続き減少傾向で推移していくものと考えております。
続きまして7ページが、さらなる収支改善対策の内容でございます。歳入面では県税収入の確保、県有財産の売却促進、特定目的基金、あるいは特別会計繰越金の活用等、向こう3カ年間で64億円の財源を確保しようと考えております。
一方、また、歳出面では人件費の抑制、内部管理経費の見直し、県単独補助金の見直し等、3年間で90億円の歳出削減、合わせて154億円の新たな対策をこれから講じていこうと考えているところであります。
8ページ以降は、平成26年度の2月補正予算の概要について説明をいたしております。2月補正予算のうち経済対策分は総額85億円の補正をいたしましたけれども、このうち38億円は、国の交付金を活用した地域消費喚起、あるいは地方創生先行ということで予算を計上いたしております。それぞれ19億円規模の補正予算を計上いたしております。
内容は、ここに記載しておりますように地域消費喚起型の事業といいますと、いわゆる県域を越える形での取組を進めて、県外の方々に県産品を購入していただく、あるいは県外の方々に本県にご訪問いただき、観光客として県内の消費拡大に協力をしていただこうという事業等で組み立てております。
一方、地方創生先行型でありますけれども、下に3つほど例を載せております。多子世帯保育料の軽減事業、あるいは新・ながさき暮らしUIターン促進プロジェクト、これは移住促進対策であります。相談窓口の開設、移住倶楽部の設立、お試し住宅の整備、空き家バンクの充実、あるいは移住推進組織の設置等を進めていこうと考えております。そしてまた、UIJターン就職促進総合対策事業は、都市部からの優秀な人材を地元企業に受け入れるためのお試し就業等の事業を推進していこうと考えているところでございます。
そのほかの補正予算の事業内容については、9ページにご紹介しているとおりであり、説明を省略させていただきます。
10ページ以降が、来年度の予算の重点的な施策をご紹介いたしております。やはり最重点課題は、11ページ、12ページに紹介しておりますように、人口減少への対応として少子化対策の推進、移住戦略の推進、そしてまた、先ほどご紹介させていただきました県民所得向上対策、こういった事業の推進にさらに全力を挙げて取り組んでいこうと考えております。
なお、10ページに戻っていただいて恐縮ですが、そのほかの重点事業等についても「人が輝く、産業が輝く、地域が輝く」ということで、主な事業等についてはここに紹介をさせていただいているところでございます。
以上、私の方から、来年度当初予算の編成に当たっての基本的な考え方等について説明をさせていただきました。
後は、ご質疑等を賜れればと考えております。よろしくお願いいたします。
○広報課長 では、幹事社の方から、ご質疑いただきます。
○記者(時事通信社) 知事に、今回の来年度予算作成に当たって、評価はどのように、うまくできたとか、どういう点を評価しているのかというのを伺いたいと思います。
○知事 先ほど申し上げましたように、地方創生に向けた比較的に使い勝手のいい交付金が設けられました。これまでやはり財源面の制約等もあり、なかなかやりたくてもできない事業等があったわけでありますけれども、そういった財源を活用して、できるだけ長崎の地域再生に向けた事業を積極的に推進していこうと考えました。いろんな各部局からの新たな提案等もありましたけれども、一定程度事業化を実現する部分があったことは、大変ありがたい交付金だったなと思っております。
○記者(朝日新聞社) 今回の予算は、何かネーミングみたいなものがあれば。
○知事 ネーミングはなかなか難しいんですけれども、まあそうですね、「長崎県の活力再生に向けたチャレンジ予算」というんでしょうか、いろんな分野で新たな事業等も盛り込んでおりますので、この1年間、職員の皆さん方と一緒になって、最終年度であります総合計画の目標達成に向けて全力で取り組んでいかなければいけない。そういった意味では、忙しい1年になるんじゃないかと考えております。
○記者(時事通信社) 評価というか、今回、過不足なく必要な事業を設けられているのか、十分な対策は入っていると思われますか。
○知事 やはりですね、人口減少対策というと、なかなか地方の取組だけでは難しい面があります。例えば少子化に歯止めをかけるための対策、あるいは地方に仕事をつくるための対策等について、国のほうでも税制上の措置等も講じていただいているわけでありますけれども、やはり大きな流れとして、東京一極集中を是正して地方に向けた流れをつくっていかなければいけないと思っております。あるいは、もっともっと安心して子どもを生み育てていただきやすいような環境をつくっていかなければいけない。そういった意味では、これからはやっぱり国策としての努力もさらにお願いしていかなければいけないと思っております。
○記者(時事通信社) 幹事社からは以上です。各社から、よろしくお願いします。
○記者(長崎新聞社) 今回、人口減少対策に力を注いだ予算だと思っているんですが、総額で人口減少対策に幾ら計上しているというのはありますか。
○知事 具体的には、詳細にはまた精査していかなければいけないと思いますけれども、県民所得向上対策、移住促進対策、あるいは少子化対策等の全てを含めて276億円程度の関連予算を計上しております。これは、当初予算が238億円程度、そして2月補正予算のうち交付金等を活用した地方創生分、これで37億円程度、そして通常の2月補正予算で1億円程度を計上をいたしております。
○記者(長崎新聞社) 今回の予算編成に関しては、マイナス40%のシーリングがかけられて予算を組まれたと思っているんですが、その40%シーリングの評価、実際出てきたメニューを見て、評価をお願いしたいんですが。
○知事 一つ、厳しいマイナスシーリングをかけたということは、既存の予算をできるだけ見直して、根っこから新たな政策の推進に重点化を図ろうということで、そういう方針を出したわけでありますけれども、各部局からも、一番の最大の課題であります人口減少対策、あるいは定住対策、県民所得向上対策に向けて、さまざまな予算提案がありました。そういった中で、先ほど申し上げたように別途交付金が確保されたということで、かなり思いの部分は実現できた面があったと思っております。
○記者(NHK) 今回、人口減少対策ということが一番柱で、人口減少というのは数字で結果が出る分野だと思うんですけれども、今回のこの予算で、どのぐらいの成果が出ることをふんでいらっしゃるのか。または目標、去年はこれぐらいまでだったけど、この先このぐらいの人口減少にとどめたいとか、何かそういう数値目標みたいなものはありますか。
○知事 数値目標を今の段階で掲げてはおりません。まだまだこれから総合戦略を策定していかなければいけません。県独自の事業だけではなくて、これは全く共有する課題でありますので、市や町の皆さんとも連携を強化しながら、少子化対策、定住促進対策等に取り組んでいかなければいけないと思っておりますので、そういったこれからの総合戦略の策定の中で、具体的な数値目標等も定めて取り組んでいきたいと思います。
○記者(NHK) 今回の予算で、数値まではいかないとしても、人口減少に歯止めがかかると思いますか。
○知事 先ほど申し上げたように、例えば少子化対策というのも、地方でできるところをまずは取り組んでいこうということで予算化を図りましたけれども、それで十分な効果が期待できるのかと、もっと根本的な分野にわたる取組も必要な面があるような気もいたします。そこはやはりなかなか難しいんですが、一朝一夕に直ちに効果が出るということではなくて、少しでも早く政策の効果が具体的な数値等に反映できるように努力していかなければいけないと思います。これはもう一刻も早く施策効果を出していかないといけないと思います。
○記者(西日本新聞社) 県民所得向上対策が、一定目標年度になりますけれども、900億円という目標にある程度近づける予算が組めたというふうに感じていらっしゃいますでしょうか。
○知事 まあ、関連事業の中でその施策の効果自体を見ると、一定、期待に近いような数字は得られるのではないかと思います。ただ、やはりその時々の経済の動向、民間の方々のご努力も期待値の中に含めておりましたので、残された期間、1年間でありますけれども、900億円の目標達成に向けて、これからも全力で取り組んでいかなければいけない。そのための施策の充実も来年度予算で一部図ったところであります。
○記者(西日本新聞社) 県民がその効果を実感できるような予算になったと思われますか。
○知事 効果を実感していただけるのはこれからだと思います。結果が出て、県民の方々に実感していただけるように頑張っていかなければいけないと思います。
○記者(NBC) 人口減少対策と県民所得向上ですが、ここの中で新規事業が幾つぐらいあって、その中でご自身で目玉だなと思うようなことが、どういったことがあるかというのを具体的に聞かせていただきたいと思います。
○知事 人口減少対策、先ほど申し上げましたように幼稚園児、保育所入園児の第3子の無料化について、これは現在、国のほうで軽減措置が講じられておりますけれども、6年間に3人の子供をもうけないとなかなか、第3子無償化にならない。これは少しきついのではないかなという思いもありまして、これは一定、所得水準に着目をしながら、市や町の皆様方と一緒になって、第3子の保育料、あるいは入園料の軽減措置を講じていきたいといった取組、あるいは、UIJターン促進に向けた取組、組織を設けたり、あるいは、さまざまな市や町と連携をしながら相談窓口を設け、そしてお試し住宅の整備であるとか、空き家住宅情報の提供、場合によっては、中古住宅の改修等に取り組むということであれば、そういった取組に対する支援措置等も新たに設けたところでありまして、そういった政策を有効に活用していただいて、地域独自の取組をまた進めていただければ、一定効果が期待できるのではなかろうかと考えております。
○記者(NBC) 県民所得向上はどうですか。
○知事 県民所得向上対策も、いよいよ3年目に入るわけでありますけれども、やはり新規事業というよりも、これまで取り組んできた施策の中でより強化するための対策。例えば、食品関連産業は非常に本県は数が多いんですけれども、なかなか付加価値が小さいといったこともありまして、一次産業と連携をしながら地場産品を食品加工の原料として使っていただくような取組。それは、従前は地域の中堅企業を重点的に支援するという施策を講じましたけれども、少し中堅企業の途上にあるような企業の皆さん方にもやっぱり積極的なお取り組みをいただこうということで新たな支援施策を講じましたし、農林水産業についても産地計画の目標達成に向けて支援措置を講じておりますけれども、そうした取組に併せて就農者の一体となった育成、あるいは耕作放棄地も地域で有効に活用していただけるような取組。
あるいは長崎和牛などは、日本一の評価をいただいたんですが、なかなか経営環境が厳しいところがありますので、畜産クラスターの形成に向けた取組を進めていくということにいたしております。
そしてまた水産業分野では、それぞれ特徴のある養殖魚等がありますけれども、その流通販売対策に力を注いだり、あるいは個々の漁業経営体に着目をして、非常にさまざまな要因があって非常に厳しい環境にありますので、こういった環境の中でどういった漁法、魚種を組み合わせることによって安定的な所得を確保するのか。それは経営のプロの皆さん方のアドバイスもいただきながら、個々の経営体をソフト、ハード両面にわたって支援していこうというような施策も立ち上げました。
それからまた観光産業の分野では、JRのデスティネーションキャンペーンが目前に迫ってまいりますので、それに備えてしっかりした地域の観光資源を有効活用できるように、地域の方々と一緒になって磨き上げて、それを商品化していく。そういう取組や世界遺産の登録実現等に軌を一にした誘客キャンペーン等も取り組んでいかなければいけない。
それと、今回の交付金を最大限に活用いたしまして、県外からいかに長崎県に観光においでいただくか。これは恐らく全国の都道府県の競争になっていくものと思っておりますので、そういった優遇支援措置の充実を図っておりますし、それから、従前は離島地域については「しまとく通貨」を発行して商品化、誘客促進に努めてきましたけれども、これが、従前のスキームでは年度前半にほぼ事業が終了するという状況だったのを、引き続き年度いっぱいしっかり誘客に結びつけることができるように、新たな交付金を活用した支援措置も計上をいたしております。
サービス産業の分野でも、いろんな介護周辺サービス関連事業等の充実、強化に努めていくことといたしております。
○記者(長崎新聞社) 先ほど、少子化のほうで第3子の保育料無料化の話が目玉だということで挙げられていましたけれども、中身的に、もう少し所得制限の幅を広げてみるとか、対象年齢をもうちょっと緩和してみるとか、今の設定で十分だとお考えなのかどうなのかですね。
○知事 これは、相当議論をいたしました。というのは、そういう政策を講じることによって少子化に歯止めがかかるかどうか、施策効果の面の議論を相当やりました。
例えば、所得によって子どもの数に差があるかどうか。なかなか具体的な数値が把握されていない状況なんです。先行して18歳未満の第3子について無償化を図るという取組を進めておられる県内の自治体があったり、他県の事例があったりして、それも調べているんですが、なかなか効果が把握できない。
ただ、所得状況によっては、なかなかこれ以上子をもうけるのは難しいといった意見があるのもまた事実でありますので、そういう意味で、施策効果を高めるという観点から、政策を全体的に網をかぶせてしまうという手法もあるんでしょうけれども、非常に貴重な財源でありますので、どういった観点で支援策を講じたほうが一番政策効果が高まってくるのか、そういう面で議論を重ねて、現在、予算で計上しておりますように所得制限を設けて、しかも、子どもたちも小学校3年生ないし6年生に第1子の方が到達するまでは、これは制度を拡充しようと。
本来であれば、こういった制度は国策として設けられているわけでありますので、国の制度として充実を図っていただきたいという思いが第一なんです。地方で国策を超える分について支援施策を充実するというのは、多額の財源が求められてきますので、なかなか難しい面があります。そういう意味で、非常に小振りだというようなご指摘があるかもしれませんけど、とりあえず我々が考えた、子どもをもうけることによって経済的に苦しい状況が想定される方々には、これはやはり政策効果として一定期待できるのではなかろうかというような議論の末、現状の政策を予算化いたしました。
○記者(長崎新聞社) それで対象となる世帯は、一体幾らいるのかというところですが、所得制限360万円ぐらいだったと思うのですが、他県の例では640万円とか、680万円とか、そんな例もあるようなのですが、そのくらいまで引き上げる必要性はなかったのですか。
○知事 あのですね、640万円というと、県の職員が400万円から450万円ぐらいなんです、出産年齢でいうと。そういった年齢層にまで支援措置を講じたほうがいいのかどうかということも含めて、640万円というと、もうはるかに所得の高い方々でありますので、経済的な理由でもって子どもをもうけにくいということであれば、そういった措置も考えられるんでしょうけれども、実際の動向を見てみましても、経済的な負担が少ないと子どもが多いかというと、決してそういう状況ではないわけでありますので、そこはやっぱり施策の重点化を図って予算を計上してみようということで判断をいたしました。
○広報課長 最後の質問にさせていただきたいと思います。
○記者(読売新聞社) 先ほどの人口減少と県民所得の規模のところでですね、当初予算に238億円、この規模に対する知事の評価ですね、十分手当てができたか。特に、県の財政事情が厳しいという中で、シーリングを踏まえた予算要求もあった中で、この238億円という規模への評価と、平成26年度の当初との比較がもしわかれば教えていただきたいんですけれども。
○知事 238億円というのは、この規模感としては、「え、そんなに大きいの、何でもかんでも入れているんじゃないの」という思いがありました。
県民所得向上対策は、従前から取り組んできた施策の中で、さらにワンステップ、先に政策を進めようとしているんですが、例えば、結婚、出産から育児までの一貫した少子化対策を進めようというような、これは補助事業のさまざまな支援施策等も含めたところでの少子化対策を包含しておりますので、まあ、これほど大きな額を計上してあるというのは、この数値を取りまとめて初めて知りました。総合的な対策でありますので、効果が何としても早めに出現するように努力しなければいけないと思います。
○広報課長 以上をもちまして、平成27年度当初予算案の概要説明を終了させていただきます。