●会見内容●
○広報課長 それでは、ただいまより知事の定例記者会見を開催させていただきます。
よろしくお願いします。
○知事 よろしくお願いします。
まず、初めに2点お話をさせていただきます。
1点目は、大中型まき網漁船「第一源福丸」の沈没事故についてでございます。
ご承知のとおり、一昨日、12月24日に、東洋漁業株式会社の「第一源福丸」が、島根県の浜田沖で沈没をいたしました。この事故によりまして2名の乗組員の方がお亡くなりになられたところであります。衷心よりご冥福をお祈り申し上げる次第であります。
そしてまた、なお3名の乗組員の方々が行方不明ということで、今、懸命の捜索活動が行われているところでありますが、一刻も早い救助を心からお祈り申し上げているところであります。
県といたしましては、事故の通報をいただいて、直ちに平戸市並びに浜田市に県職員を派遣いたしますとともに、水産部の中に「沈没事故対策本部」を設置いたしまして情報収集に努めているところであります。
また、あわせて現場海域に漁業取締船「ながさき」を急行させまして、24日夕刻から乗組員の捜索活動に当たっているところであります。
○知事 次に、平成26年、この1年間を振り返ってのことでありますが、今年も余すところ6日となりました。この1年間を振り返って考えます時に、やはり一番印象に残っておりますのは、10月から11月にかけて開催いたしました「長崎がんばらんば国体」と「長崎がんばらんば大会」でありました。
実際、私も会場で応援をさせていただきましたけれども、選手たちの圧倒的な頑張りや活躍に観客の皆様方は大きな感動を感じ、声援を送っていただきました。そうした声援に選手の方々は力を得て、ますます底力を発揮する場面が、あちこちで見られたところであります。
こうした選手の皆様方が最後まで諦めることなく勝負に挑む姿から、多くの県民の皆様方は、また、感動と、やればできるという勇気を与えていただいたものと考えております。
○知事 2つ目は、世界遺産の登録に向けた手続が前進をしたということであります。
まず、「明治日本の産業革命遺産」につきましては、10月にイコモスの現地調査が行われました。まだまだ最終決定まで残された期間がございますので、引き続き、気を緩めることなく、万全の対応を図ってまいりたいと考えているところであります。
○知事 そして、3つ目の出来事でありますが、心傷む事件が発生いたしました。佐世保市の女子高校生が殺害されるという事件が発生したところであります。現在、外部専門家を交えた検討会で検証作業が進められているところでありますが、これまでの私どもの行政の対応がどうであったのか、しっかりと検証をし、二度とこうした事件が繰り返されることがないよう、しっかり今後の対策に生かしていかなければならないと考えているところであります。
○知事 さて、いよいよ来年、平成27年は県の総合計画の目標年次、最終年次を迎えてまいります。これまでも、人や産業、地域が輝く長崎県の実現を基本理念に、さまざまな事業に取り組んでまいりました。
折しも、国の方でも「まち・ひと・しごと創生本部」が立ち上げられまして、地方創生に向けた総合戦略に基づいてさまざまな事業が推進されようとしているところであります。こうした国の政策なども有効に活用しながら、さらに、県勢の活性化のために、最終年度、全力を挙げて目標達成のために取り組んでまいりたいと考えているところであります。
最後になりましたけれども、報道関係の皆様方におかれましては、「長崎がんばらんば国体」、「長崎がんばらんば大会」の報道をはじめ、県政の各般にわたりご協力をいただき、改めて心からお礼を申し上げる次第であります。
年末にかけて、まだまだご多忙な日々が続かれることと思いますけれども、どうか、すばらしい新年をお迎えになられますよう、心からお祈りを申し上げる次第でございます。
まず、冒頭にあたっての発言とさせていただきました。
あとはどうぞよろしくお願いいたします。
○記者(NIB) ひとまず、1年間、お疲れさまでした。
2点質問させていただきますが、先ほど、知事の方からお話がありました長崎国体に関して、今年の出来事の大きな一つだと思うんですが、特に印象に残ったシーン、場面などがあれば伺いたいと思っております。
○知事 先ほど申し上げましたけれども、私も幾つかの競技会場に出向きまして応援をさせていただきました。
本県選手団が、まさに5セットマッチのうち2セット先取されて、あと1セット落とすと負けてしまうという、ちょうどそういったタイミングで応援に間に合ったのでありますけれども、見事にその後、3セット連取をしてひっくり返してくれました。選手の皆さん方も、2人が先行して負けていまして、あと3人が勝たないと勝たないというぎりぎりのところで、本当に驚異的な粘りを見せてくれて優勝を果たしたという現場に立ち会ったところであります。
選手の皆様方が、よく「県民の方々の応援に力をいただいた」ということをおっしゃっていたんですが、本当に実感いたしました。そういうことがあるんだという思いをいたしました。逆にまた、私ども応援する立場も、選手のそういったすごい頑張りを見て、やればできるんだという大きな感動を与えていただいた。いわば大会を通して、県民の皆様方の心と心の交流があった瞬間に立ち会うことができたということは、非常にありがたい体験だったなと思っております。
また、特に数多くのボランティアの皆様方に一所懸命お世話をしていただいておりました。ボランティアの皆様方のお話をお聞きすると、お世話をさせていただいた皆さんから逆に励ましをいただいたり、勇気をいただいたりということで、こういうボランティア活動に参加して非常によかったというような声を多くお聞きいたしました。
それまで県民総おもてなし運動ということで、かけ声はかけさせていただいてきたんですが、いざ、本番でどうなるんだろうかと思っておりましたけれども、本当に県民の皆様方の底力を見せていただいたと。数多くの県外からお越しのお客様にも、「心のこもった大会でありました。もう一度、長崎に出かけてきます。」というようなお声を幾つもお聞きすることができまして、大変長崎らしい大会になったのではないかと思いました。
○記者(NIB) 長崎県の競技式典課の方でも、本当に寸前まで準備されていた開会式とかの雰囲気も、立ち会われたと思うんですけど、その様子等はどうでしたか。
○知事 そうですね、幼稚園から小・中・高校生まで、私も、県外のお客様方と一緒に開会式典、式典前演技なども拝見いたしましたけれども、異口同音に「すばらしい演技でした。」という声を上げておられました。
やはりチーム長崎という形で、選手の皆様方はもちろんでありますけれども、全ての出演者を含めた関係の皆様方が力を合わせて取り組んでいただいた成果じゃなかったろうかと、私も本当に大きな感動を覚えたところであります。
○記者(NIB) 最後に1点。先ほども出ました、来年が総合計画の最終年度といったところで、今年1年を振り返って、本当に多々あるとは思うんですが、知事の中で、これは成功した、逆にこれは課題が残ったというものを挙げるとしたら、何がありますか。
○知事 そうですね、まだまだ成功と言うには具体的な項目は少なかったかなという思いがあります。
特に、昨年から力を入れて取り組んでまいりました県民所得向上対策、これが2年目を迎えているわけでありますけれども、やはり大きな政策課題となっておりました人口減少に歯止めをかけ、地域活力の再生を果たすためにも、良質な雇用の場を確保・提供するという目標のもと、さまざまな分野の産業の活性化に力を注いでいるところでありますけれども、目標年次が来年度になっておりますので、しっかりとした成果に結びつけることができるように、これからも全力を挙げていかなければいけないと、まだまだ課題半ばだと、道半ばだという気がいたしております。
○記者(NIB) ご自身の中で思っている課題の部分はありますか。
○知事 やはり一番大きな課題は人口減少対策。それに引き続き力を注ぎ、県民の皆様方が元気を感じていただけるような成果に結びつけていくということが、一番大きな現在の課題ではないかと思います。
○記者(読売新聞社) 佐世保の事件の関係ですが、外部の検証、検討の委員会、教育庁とこども政策局の2つあるかと思うんですが、当初のスケジュールよりもちょっと押しているのかなというところがありましてですね。
新年度に向けての対策の協議も年度内に終わらせないといけないかと思うんですけれども、その辺のスケジュール感で、今知事が感じている所見があれば教えていただければと思うんですけれども。
○知事 そうですね、当初は、ほぼ年内ぐらいに検証作業、外部の皆様方のご意見等もいただいて、そして県のトータルとして、外部検証の政策のあり方等も含めた組織(検討会議)を立ち上げて、政策の立案まで結びつけていかなければいけないと思っておりましたけれども、やはり教育委員会、あるいは福祉保健部・こども政策局の方で設けている検証作業の委員会でもさまざまなご意見等をいただいておりまして、もう少し時間を要するような状況であります。
ただ、年度内には、そうしたご意見等をいただいて、しっかり取りまとめていかなければいけないのではないかと考えているところであります。○記者(NBC) 源福丸の沈没の件ですけれども、県としては、24日から現地の方に漁業取締船とか派遣してやられるということですけれども、また明日以降も新たな体制ということでとられるというふうにも聞いております。
このままだと、3人の行方不明の方の発見というのもちょっと、長期化するかもしれないという状況にもなってきていますけれども、それについて、知事としてどう受け止めていらっしゃるのか、もう一度お聞きしたいということと、どういう対応をとっていくのかというのを教えていただきたいと思います。
○知事 それはやはり、最後の最後まで行方不明者の救助のためにしっかりと取り組んでいかなければいけないと思っております。捜索活動が続けられている現状でありますので、県としてもできる限りの対応を図っていかなければいけないと思っているところであります。
○記者(NBC) そういうところで、明日も現地の方で、関係者の方を乗せて現場に行かれるということを判断されたということでよろしいですか。
○知事 はい。
○記者(KTN) 国体の関連ですけれども、イメージキャラクターが、今日、議場での表彰の場にいましたけれども、今後の処遇についてはどんなふうにお考えですか。
○知事 今、どう処遇をさせていただいたらいいのかというのを検討中でございます。
一度、この場でもお話をさせていただいたことがありましたけれども、「がんばくん」という名称は一般公募で名前をつけさせていただいたのですが、ご承知のとおり「がんば」という言葉は、ガンバ大阪の「ガンバ」というのが商標登録されているところでありまして、そこの取り扱いについて内部の覚書を結んでおります。その際、長崎県の「がんばくん」は国体・大会の広報・宣伝活動に使うという前提であり、したがって、基本的には今年度いっぱい使うという前提で覚書が締結されております。
今のところ、ガンバ大阪のしかるべきお立場の方と相談をさせていただいているところでありまして、できるだけ柔軟に、今後も活躍していけるようなことでご了解をいただきつつあるところでありますけれども、いま少し最後の詰めの作業を進める必要があると考えているところであります。もう少しお待ちいただきたいと思います。
○記者(西日本新聞社) 定番となっておりますけれども、この1年を振り返って漢字一文字、もしくは四字熟語で表していただけませんか。
○知事 そうですね、四字熟語。四字熟語になるかどうかわかりませんけれども、「チーム長崎」でしょうか。
○記者(西日本新聞社) 「チーム長崎」の理由というのは。
○知事 やはり「がんばらんば国体・大会」含めて、幅広い関係者がまとまって、チーム長崎として一つのことをやり終えた。その成果はしっかりと今後にも生かしていかなければいけないということで、チーム長崎の底力、大変すばらしいものがあったと思いますので、そういった団結力をこれからも長崎の活性化のために発揮していきたいと思っております。
○記者(西日本新聞社) あと、「まち・ひと・しごと創生本部」で、総合戦略が近々発表されると思うんですけれども、これは各都道府県でさらなる地方版の総合戦略をつくることになると思いますが、ここで長崎らしさというのを今後どのように出そうとしているのかというのをお伺いします。
○知事 そうですね、早い時点から、県・市町スクラムミーティングの中でこういった課題を正面に据えて、取組を協働で進めていこうという協議を行いました。既に各市や町の方ではさまざまな要因分析と施策のあり方について検討を進めていらっしゃるものと思っております。できるだけ早い時期にそういった施策を取りまとめて、より連携を強化しながら、県・市町一体となって取組が進められるように地方版の総合戦略も策定していかなければいけないと思っているところであります。
人口減少、全国よりも先に進んでいる県の一つでありますので、実効性のあるような対策を取りまとめていかなければいけないと思っているところであります。
○記者(西日本新聞社) 人口減少が一番のキーになるということですか。
○知事 そうですね。
○記者(長崎新聞社)
○知事 今回の件につきましては、一切まだそういった事項についてご意向も伺っておりませんし、話し合いの場も持っておりません。まずは、行方不明者の方々の救助が最優先課題であろうと思っておりまして、その後にそういうお話が出てくれば、県としても協議をしていかなければいけないと思っております。
○記者(長崎新聞社)
○知事 さあ、どうでしょうかね。(担当課長に対し)あまり影響することはないんでしょう。
○資源管理課長 はい、引き揚げということになれば、県外であろうと県内であろうと、作業自体に影響することはないと考えております。
○記者(長崎新聞社)
○知事 加入なさっておられるというお話は聞いております。
○記者(NHK) 漁船事故の関係で、まずは行方不明者の捜索に県としても力を入れるということですけれども、救助された方も平戸の方に戻って来られます。そういう方とかのご家族に向けてのケアとか、その辺は何か取り組まれることがありますか。
○知事 そうですね、特に、子どもさんたちもいらっしゃるわけでございますので、そういった専門家の方々の派遣等が必要であれば対応するという方針で協議を進めているところであります。
○記者(NHK) 地元平戸市と協議をした上で、県の方からも対応が必要であれば、何かしらの対応を検討するということですか。
○知事 そうです。具体的に要請はあっていますか。
○・・ まだ、今のところはあっておりません。
○記者(長崎新聞社)
○知事 そうです。現地の災害対策本部でもそういったことはもう既に検討していただいておりました。
○記者(朝日新聞社) この沈没事故の関係で、まずは行方不明者の方の捜索と、そのご遺族なり、先ほどおっしゃったようなケアがまず第一番かと思いますけれども、ちょっとその先というか、今回の事故で、これまでも事故が起きています。改めて起きたことで、やはり業界へのイメージの低下というか、後継者不足という課題がある中でそういった懸念というのも指摘があるかと思うんですけれども、そういうところについて水産業全体への影響というのはどのようにお考えでしょうか。
○知事 そうですね、なかなか後継者、就労者を確保するというのが難しい状況にある中で、またこうした事故が発生したことで乗組員の確保というのが難しくなってくる可能性も否定できないのではないかと考えております。
県では、この間、安全対策等の徹底についていろいろな取組を進めてきたところでありますが、やはり今大きな課題として指摘されていますのが、漁船の規模ですね。135トンが上限だという基本的な考え方の中で、やはりより安全性を確保するということで大型の船舶も導入されているところでありまして、そういった流れ等についてもしっかり検討し、また取り組んでいかなければいけないのではなかろうかと感じているところでございます。○記者(長崎新聞社) 先日、石木ダムについて1月13日、反対地権者4世帯の家屋を含む土地に立ち入るという要請をされましたけども、今回は実際に反対地権者の家の内部まで調べるという内容の立入調査と伺っております。更にまた反発が予想されますけども、どのようにお考えでしょうか。
○知事 必要な手続になってまいりますので、是非ご理解がいただけるように、お願いをさせていただければならないと思っております。
○記者(長崎新聞社) 必要な手続というのは、家の補償金額を策定するためにという意味ですか。
○知事 そうですね。
○記者(長崎新聞社) 今回の立入調査では、実際に調査員が家の玄関のところまで行くと、まずは。
○知事 基本的にはそういうことになろうかと思います。
○記者(長崎新聞社) それで許可を求めて、そして内部に立ち入らせてもらうのか。
○知事 はい。
○記者(長崎新聞社) わかりました。
○広報課長 以上をもちまして記者会見を終了させていただきます。
○知事 どうも今年1年ありがとうございました。
よいお年をお迎えください。