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平成24年6月9日 臨時記者会見

 ●会見内容●

「原子力防災に係る長崎県民の安全確保に関する協定」について

「原子力防災に係る長崎県民の安全確保に関する協定」について


○危機管理課長    出席者を紹介させていただきます。
 長崎県知事、中村法道でございます。
 松浦市長、友広郁洋様でございます。
 佐世保市長、朝長則男様でございます。
 平戸市長、黒田成彦様でございます。
 壱岐市長、白川博一様でございます。
 九州電力株式会社代表取締役社長、瓜生道明様でございます。
 それでは、皆様、お座りください。
 ただいまから、原子力防災に係る長崎県民の安全確保に関する協定の締結式を執り行います。
 協定締結に先立ち、長崎県、坂谷危機管理監より、協定の概要についてご説明を申し上げます。

○危機管理監    危機管理監の坂谷でございます。
 協定の概要について、ご説明をいたします。
 本日、出席者の皆様にご署名いただく協定は、玄海原子力発電所における災害等に備えて策定する地域防災計画の的確かつ円滑な実施を推進するため、長崎県、松浦市、佐世保市、平戸市、壱岐市及び九州電力株式会社が一体となって、県民の安全・安心を確保することを目的に締結するものであります。
 協定の主な内容について、ご説明いたします。
 まず、九州電力からの情報連絡であります。
 原子力災害対策特別措置法に該当する非常時、原子炉施設の故障等のトラブルが発生した場合の異常時には、九州電力から、長崎県、松浦市、佐世保市、平戸市、壱岐市へ直接連絡をいただきます。
 また、平常時には、環境放射線の測定結果や、発電所の保守・運営状況等について、長崎県へ情報が提供されます。
 次に、九州電力からの事前説明であります。
 九州電力が原子炉施設を変更する場合等においては、長崎県及び松浦市へ、その内容について事前に説明をいただきます。
 説明を受け、長崎県及び松浦市及び九州電力は、相互に意見を述べることができます。なお、佐世保市、平戸市、壱岐市へは、長崎県からその内容を連絡いたします。
 最後に、県の立入検査でございます。
 長崎県は、原子力災害対策特別措置法の施行に必要な限度において、職員を玄海原子力発電所に立入検査をさせることができます。
 以上が主な内容でありますが、協定の条文はお手元の資料(原子力防災に係る長崎県民の安全確保に関する協定書)【PDFファイル:204KB】に記載しておりますのでご覧ください。
 以上で、説明を終わります。

○危機管理課長    それでは、内容をご確認のうえ、「原子力防災に係る長崎県民の安全確保に関する協定書」にご署名をいただきます。複数ございますので、順次お願いをいたします。

〔各自署名〕

○危機管理課長    ありがとうございました。それでは、出席者の皆様、ご着席ください。
 ここで、出席者の皆様から、ごあいさつを賜りたいと存じます。
 まず、長崎県知事、中村法道よりごあいさつを申し上げます。

○知事    一言ごあいさつを申し上げます。
 今日は、この原子力防災に関する安全協定の締結のために、九州電力株式会社の瓜生社長様、そして関係自治体の首長の皆様方、並びに関係の皆様方には大変ご多忙の中、ご出席をいただき本当にありがとうございました。
 おかげをもちまして、ただいま滞りなく協定書の締結ができたところでありますが、この間、協議、調整のために格別のご尽力をいただき、そしてまた、最終のご判断をいただきました皆様方に心から敬意を表し、感謝申し上げます。
 この間の経過については、既に皆様ご承知のとおりでありますが、昨年3月の東日本大震災、そして、これに端を発する福島第1原子力発電所の事故災害等は、地域住民のみならず広範な地域にその影響を及ぼし、今日もなお、復旧・復興、収束に向けた懸命の努力が重ねられているところであります。
 こうした状況を受けまして、玄海原子力発電所を8.3キロメートルの至近距離に抱える県内のそれぞれの地域の住民の皆様方から、この原子力発電所に対する不安感、あるいはこうした事態を受けて、立地県と同じような安全協定を締結すべきではないかという数多くの意見が寄せられたところであります。
 県といたしましては、そうしたことを受けまして、改めて、九州電力に対し、この安全協定の締結に向けた協力を要請したところであり、また、本日ご出席をいただいております県内の各自治体の皆様方とも、この間、さまざまな意見交換の場を設け、一緒に取り組んできたところであります。
 本日、こうした結果が得られたということに関しまして、心から改めてお礼を申し上げます。
 しかしながら、今回の安全協定の締結というのは、これは決して目標ではありません。一つのステップであると、いわば新たな出発点であると考えております。原子力発電所の運営等に関する情報を常時共有化し、いざという時の連絡通報体制をしっかりと確立をする。そして、日ごろから防災関係の訓練等を共同して行うなど、力を合わせて地域住民の安全・安心確保のために全力で取り組んでまいりたいと考えておりますので、これからもよろしくお願い申し上げます。
 今回の締結に至りましたことに対しまして、改めてお礼を申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。
 本日は、本当にありがとうございました。

○危機管理課長    次に、松浦市長 友広郁洋様、お願いいたします。

○松浦市長    一言ごあいさつ申し上げます。
 本日、原子力安全協定の締結ができましたことに対し、まずもって心からお礼を申し上げます。
 はじめに、今回の安全協定締結に向け、中村知事様をはじめ長崎県ご当局並びに県議会様のご尽力に心から感謝を申し上げます。
 松浦市はかねてより、安全協定では、立地自治体並みを求めてまいりました。交渉窓口となっていただきました長崎県におかれましては、この意向を十分に受け止めて、交渉に臨んでいただきましたことが、本日の調印につながったものと思っております。
 特に、本日のこの協定につきましては、安全協定の当事者になることやEPZ(防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲)圏にあることに最大限のご配慮をいただき、このことについて心から厚くお礼を申し上げます。
 次に、佐世保市様、平戸市様、壱岐市様には、本市との連携のもとに取り組みを進めていただきました。特に3市長様ご参加のもと、5月7日、九州電力株式会社に共同要望活動を行い、各市の立場を直接伝えることができましたことは、この安全協定締結に向け、拍車がかかったのではないかと思います。ご協力に感謝を申し上げます。
 また、安全協定の内容についても、本市が最短で8.3キロメートルであることにご理解を賜り、大変ありがたく思っております。
 九州電力株式会社様には、今回、一定のご理解をいただいたことは大きな前進であると考えており、お礼を申し上げます。
 しかしながら、最短で8.3キロ(メートル)に位置する当市市民の、安全に暮らしたい、重大な事故が起きたらふるさとに帰られなくなるという安全に対する切実な気持ちを受けて、当市がなぜ立地自治体並みを求めているかについて十分に理解していただけなかったことは、まことに残念でありました。
 市議会、市民の皆様に申し上げます。まずは、今日までの市議会の取組に感謝し、お礼を申し上げます。市議会、住民説明会では、大変厳しい意見もいただきましたが、安全協定を締結して、市民の皆様の安全を守るという私の考えにご理解をいただき、おかげさまをもちまして、本日、締結の運びとなりました。また、安全協定が再稼働につながるのではないかという皆様の声に、安全協定と再稼働は別次元のものであることを説明させていただき、一定のご理解をいただいたものと思っております。
 市議会や住民説明会で寄せられました厳しいご意見は、今後、取り組むべき課題として心に刻み、立地自治体並みを機会あるごとに求めてまいる所存でございます。
 今度とも、市民皆様が、安全で安心して暮らせるまちづくりに取り組んでまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
 本日は、どうもありがとうございました。

○危機管理課長    佐世保市長 朝長則男様でございます。

○佐世保市長    佐世保市長の朝長でございます。
 本日、玄海原子力発電所に係る安全協定が無事に締結できましたことは、近隣に位置する佐世保市といたしましても、大変意義深いことだと、そのように感じております。
 これまで協定の締結に向けては、その早期実現のためにご尽力をいただきました中村知事をはじめといたします県ご当局、そしてまた、今ご発言がございましたが、松浦市長のご苦悩、そういう経過のもとに、本日締結ができたことだと、そのように思っております。
 九州電力の社長さんもお見えでございますが、九州電力もできる限りのご努力をされたということは認めるわけでございますが、しかしながら、やはりまだまだこれは、先ほど知事もおっしゃいましたように、まず第一歩ということでございますので、今後、協定の改定を必要とする、あるいは法律の改正等があれば、そういうものをきちっと踏まえて対応していくことが必要じゃないかなと、そのように考えているところでございます。
 協定の内容につきましては、いろんな考え方もあろうかと存じますが、本市では、事案に応じた連絡体制が確保され、また、連絡会議が設置されるというようなことでございますので、まずは円滑に運用されることを期待いたしているところでございます。
 また、住民の安全・安心の確保という観点から見れば、九州電力におかれましては、原子力発電所の安全対策はもちろんのこと、情報の公開が非常に大事なことだと、そのように思っておりますので、この協定の着実かつ誠実な実行を期待しておるところでございます。
 なお、私は、原子力発電所は絶対に安全ということはないと思っております。安全でないからこそ、細心の注意を払って、最大限の安全対策を重ねていかなければいけないということ、これを九電の方にはくれぐれも重ねてお願いをさせていただく次第でございます。事故が起こらないということが、これが最大のことでございますが、起こらないように努力をしていくということ、それが九電さんの務めだと思いますし、また、私どももそれに対する協力は惜しまないつもりでございます。
 どうぞ今後とも、長崎県をはじめとする関係者の皆様方と連携をしながら、住民の皆さん方の安全・安心のために尽力をしてまいる所存でございますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。

○危機管理課長    平戸市長 黒田成彦様、お願いいたします。

○平戸市長    平戸市の黒田成彦でございます。
 玄海原子力発電所から30キロ(メートル)圏内に位置し、海に囲まれ漁業が盛んな平戸市民は、非常事態が発生した場合、迅速で正確な情報伝達がどのように行われるか、避難行動をどのようにとっていけばいいのか、大きな不安を持ちながら生活をいたしております。
 平戸市といたしましても、現在、原子力災害に対する避難誘導の方法を模索しておりまして、今月27日に、平戸市総合防災訓練を予定しております。これはそのほとんどがEPZ圏内である離島の大島村で実施し、そして、全島の避難誘導訓練を行うこととしております。しかし、現実には、幾ら訓練を重ねたとしても、そのような状況が発生した場合には、迅速で正確な情報の収集がすべての判断と行動の大前提となってまいります。
 本日、原子力安全協定が締結できましたことで、非常時や異常時において、九州電力から直接正確な情報を速やかに得ることができることになりまして、平戸市民の安全確保に大きく近づけたものと評価いたしております。
 今度とも、原子力発電所が存在する以上は、住民の不安をできる限り軽くしていくための努力を続け、体制を整えなければなりません。そのような折には、九州電力は平戸市とともに積極的に住民説明会等に参加していただき、市民の安心・安全ために尽力していただくよう要望いたします。また、平常時においても情報の共有が図れるような体制づくりについてもさらなる努力をしていただきたくお願いを申し上げます。
 以上です。

○危機管理課長    壱岐市長 白川博一様、お願いいたします。

○壱岐市長    壱岐市長の白川でございます。
 本日、原子力安全協定の締結ができましたことは、玄海原子力発電所からわずか24キロ(メートル)に立地し、施設が目視できる位置にある壱岐市といたしましては、書面において市民の安心と安全を確保するためのお約束をしていただいたことに一応の安堵を得ております。
 これまで協議の窓口としてご尽力いただきました長崎県ご当局に感謝申し上げますとともに、原発立地県の佐賀県や、さきに締結となった福岡県との協定内容との整合性に苦慮しながらもご理解をいただきました九州電力様にもお礼を申し上げる次第でございます。
 また、この協定締結と同時に運用開始となります原発異常時等の連絡体制におきましても、既に事前の打ち合わせ及び送信テストも完了し、情報伝達に万全の体制がとられておりますことにも安心しているところでございます。
 こうして安全協定が締結できるようになりましたのも、UPZ(緊急防護措置を迅速に実施するための整備がなされていなければならない区域)の範囲を概ね30キロメートルとすることを尊重されてのことでありまして、壱岐市といたしましてはやっと玄海原発周辺自治体としての協議のテーブルに着かせていただいたという気持ちであります。
 原子力防災に関する取組は、これからが本番であると思っております。国論が二分される中で、昨日、日本のトップである野田首相は、再稼働にゴーサインを出されました。これは国民の生活を守るためということでございます。しかしながら、壱岐市の市長であります私は、市民の安全について100%の担保がない限り異論を申さざるを得ません。
 九州電力様におかれましては、震災後の原発の安全神話の崩壊と国のエネルギー施策の狭間で大変な立場であろうかと思われますが、安定した電気を安全に供給し、電気事業の健全な発展を図るという使命を果たすべく最大限の努力をお願いするものであります。あわせて安全・安心について最大限の努力をお願いいたしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○危機管理課長    最後に、九州電力株式会社代表取締役社長 瓜生道明様、お願いいたします。

○九電社長    ただいまご紹介をいただきました瓜生でございます。一言ごあいさつを申し上げます。
 平素より長崎県様をはじめ、松浦市、佐世保市、平戸市、そして壱岐市の皆様には、当社の事業活動にご理解とご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
 特に松浦市様、それから佐世保市様、壱岐市様には、私どもの発電所がその市内にあるということで日ごろより非常にお世話になり、また、ご支援、ご鞭撻をいただいているところでございます。この場をかりまして、改めて御礼を申し上げます。
 当社は、長崎県及び周辺の4市の皆様から、県民の皆様のさらなる安全確保を図るため、協定締結の申し出をいただき、昨年よりこれまで長崎県様を中心に協定締結の協議を進めてまいりましたが、本日、このように6者による「原子力防災に係る長崎県民の安全確保に関する協定書」を締結することができました。皆様のご努力に感謝を申し上げます。
 今回の協定締結は、玄海原子力発電所におきまして原子力の災害が発生した場合、直ちに通報・連絡を行うこと等について取り決めたものでございまして、本協定を誠実に、着実に運用していくことで、県民の皆様の安全・安心の向上につなげることができると考えております。
 さらに今後、この協定がしっかり機能するように、いろいろな訓練とか、確認とか、そういったものも今後やられていくものと思いますが、その場合においても最大限我々も関与してまいりたいと思っております。
 当社といたしましては、今後とも原子力発電所の安全運転に万全を期して、二度と福島と同じような事故を起こさないという強い決意のもと、安全対策を今いろいろとやっているところでございます。
 どうぞ長崎県民の皆様のご理解と信頼が得られるよう努めてまいる所存でございますので、よろしくお願い申し上げます。

○危機管理課長    皆様、大変ありがとうございました。
 以上をもちまして、「原子力防災に係る長崎県民の安全確保に関する協定」の締結式を閉会させていただきます。
 引き続き、この場におきまして、報道の皆様からご質問をお受けいたします。できるだけ各トップの思いなどを中心にお願いをしたく考えております。
 なお、事務的、技術的なご質問につきましては、後ほど事務局の方でお受けをいたしたいと考えております。
 それでは、まず、幹事社でございます長崎新聞の方、お願いいたします。

○記者(長崎新聞社)  まず、瓜生社長に伺いたいことがあるんですけれども、長崎県はこれまで事前了解を含む立地自治体並みの協定を求めてきましたが、事前説明ということになりました。事前了解を認められなかった理由をまず聞かせてください

○九電社長    事前了解・事前説明ということですけれども、了解という言葉を皆さんお使いになるのは、多分立地自治体の佐賀県さんとの話を言われているんだろうと思うんですが、もともと了解という概念の中に、この佐賀県さんと結んでいる安全協定では、実は今ある事前了解の範囲というのは、例えば原子力の設備が改変される時にその工事をこういう形でやりますがよろしいですかというご了解をいただくことで、工事をやる際にその場所で、例えば玄海町にいろんな工事車両が入ってくるとか、宿泊者がどんどん増えますとか、そこの町の皆さんにいろんな影響を与えるということで、実は事前了解という言葉で確認をさせていただいていたわけでございます。
 今回、確かにおっしゃるように事前説明という形にはなりましたけれども、基本的な考え方としては我々としてはそう大きく隔たりはないものと思っています。そういった言葉にはなっていますけれども、精神的にはあまり変わらないものだと我々は理解をしているところです。

○記者(長崎新聞社)  続けていいですか。今、大きな隔たりはないということでお答えいただきましたけれども、事前説明した後に(県等が)意見を述べることができる。それはどの程度反映されるものなんでしょうか。

○九電社長    それぞれいただいたご意見を、恐らく我々信頼関係でもってお話をさせていただくわけですから、当然その皆さんから発せられたご意見等について、当然十分配慮をするというのは、我々のこういう協定の紳士協定ではないかなと、私は思っておりますけれども。

○記者(NBC)  昨日、野田総理が、大飯原発について再起動すべきという表明をされたというタイミングなので、再稼働についてお伺いしたいんですけれど、まず、知事の方に、玄海原発の再稼働に対する県のスタンス、それから瓜生社長の方に、玄海原発の再稼働に関する九電としての方針、見通しというものをそれぞれお聞かせください。

○知事    玄海原発の再稼働については、まだ一切お話をお聞きしてない状況でありますので、今の段階でどうだということを申し上げることは困難と思いますが、一般的にこれまで私が原発再稼働についてお話をさせていただいてきたのは、さきの福島原発事故、これを十分に検証し、その安全性を確立した上で、それを幅広く国民の皆様方に説明責任を果たしていただき、そうした上で、例えば環境問題であるとか、エネルギー政策との関連、あるいはその原発再稼働は必ずリスクが伴うものであるという前提に立って、そういった事柄について総合的に判断をしていくべきであるということであります。
 今まだ、玄海原子力発電所の検討がどの過程にあるのかというのは十分承知しておりませんが、基本的にはそういう考え方を持っております。

○九電社長    今(の質問は)、大飯の再稼働に関連してということですか。それとも、直接的に玄海原子力発電所の再稼働についてというご質問でしょうか。

○記者(NBC)  国の中でこういった大きい流れがある中で、玄海原発に限っての話で、九電としては玄海原発の今後の再稼働をどのように考えておられるか。

○九電社長    今、国の方の大飯の対応については、我々も新聞報道でしか知っていませんけれども、今の再稼働に向けてのステップにつきましては、皆様ご承知だと思いますが、まずストレステストを実施して、それを保安院で、そのストレスの内容について確認を受け、さらに、その内容の再確認といいますか、もう一度再チェックをするといいますか、そういう意味合いで原子力安全委員会の方で、それを確認した後、首相、それから3大臣でもって、地元の状況を踏まえながら再稼働についてのご判断をされるという流れになっていると我々は理解しております。現在、玄海の2号、3号、4号については、ストレステストを完了しまして、(その結果を)国に提出し、審査を待っている段階でございますので、まだ再稼働云々という状態には現実にはなっておりません。

○記者(NBC)  夏場に向け電力が逼迫する時期がくると思うんですけど、そちらに対する時期的な焦りというか、そういったものはないんですか。

○九電社長    焦りといいますか、私どもはもともと5月18日に、いわゆる需給の状況について需給検証委員会のご確認、それからエネルギー環境会議でのいろいろなご指示に従いながら、需給バランスについてご説明したとおり、今回は原子力が1基もないという状態で対応をしようということになっておりますので、決してその原子力がある、ないということで焦るとかということではなくて、それはそれなりに淡々と我々としては、皆様の電力をいかにしっかり安定的に供給するかということに最大限、今、腐心をしているところでございます。

○危機管理課長    そのほか、よろしゅうございましょうか。

○記者(共同通信社)  前回の知事の会見と重なってしまうんですけれども、改めて事前説明というところまで踏み込んだことへの意味を教えてください。

○知事    基本的には、まさに玄海原子力発電所から海を隔てて8.3キロメートルしか離れていない、そういった中で、立地自治体とほぼ同じような形で安全協定を締結したいという思いが、まず最初にございました。
 ただ、その中で、今、大きな課題になっていますのは、事前了解と事前説明。これは先ほど社長からもご説明がありましたように、例えば原子力発電所の施設の変更に伴う土地利用計画の変更でありますとか、そういった分野については、これは立地自治体ならではの手順と作業になっていく部分があるのかなという思いもありました。
 それともう一つ、原子炉の施設の変更とか、そういった内容等については、やはりごく至近距離にある隣接自治体として、十分にご説明をいただき、そしてまた地元としての意見も、お聞きいただく必要があるだろうということで、事前了解という前提で協議は進めさせていただいてきましたが、先ほど社長からのご説明もありましたように、若干そこは地元と隣接自治体との立場の違いといいますか、私どもも、実質的には十分、地域住民の皆様方の立場に立って意見は申し上げていきたいと思っておりますし、そのことについては真摯にご対応いただけるものと考えております。

○記者(西日本新聞社)  瓜生社長にお伺いしたいことは、長崎県の事前説明と、福岡県の情報連絡との違いというのは、具体的にどういうことなんでしょうか。

○九電社長    情報連絡と事前説明というのは、どういうふうに言うかだけど、連絡も説明も、事実を伝えるだけでは、多分お話は終わらないと思うんですよね。文言的には連絡かもしれませんけど、ただ単にペーパーを出して、「はい、連絡しました」というわけには多分ならないんですよね。中身はご説明する形になって、やはりご理解をいただくということになると思いますので、表現は、確かに「連絡」と「説明」という文言の差はありますけれども、中身はほとんど変わらないというふうに私は理解しています。その辺はご理解いただければと思っています。

○記者(西日本新聞社)  それで、一番問題になるというか、先ほど立地自治体とそんなに変わらないという事前説明、先ほど説明されましたけれども、例えば佐賀県が「イエス」と言って、周辺の福岡とか長崎が「ノー」と言った場合というのは、どういうふうにそれを受け止めて反映していくようなことになるのか。具体的な問題になるのは、みんなオーケーであれば問題ないでしょうけれども、立地県が「イエス」と言って、例えば周辺県が「だめだ」と言った場合が一番、こういった事前説明とか事前連絡がどういうふうに反映されるかというのが問題になる点だと思うんですけれども。

○九電社長    頭の中でのシミュレーションというか、それはそういうケースもあり得るかもしれませんけれども、やはり私どもは、仮に一番近い立地の皆様が「イエス」で、周りの方が「ノー」となるようなそういうケースというのは、頭の中のケースではあるかもしれませんけれども、なかなかそこは悩ましいところがあると思います。やはりそれは、皆様が何をおっしゃっているか、例えば、さっき知事がおっしゃったように土地の改変の時に、地元がオーケーと言っていて、周辺の方が、全然その土地を使われていない方が「ノー」と言うケースはまずあり得ないだろうと思っているんですね。
 それから、例えば、原子炉の格納容器を替えますというような工事をやるときに、その原子力の格納容器を替えることが、より一層原子力の安全につながるものであるならば、それはしっかりしたご説明をすれば、皆さん同じようにご理解をいただけるのではないかなというふうに私は思っています。

○危機管理課長    それでは、時間の都合等もありますので、残り1問とさせていただきまして、残余の質問等につきましては、九電さんと私どもの事務方の方で、一たん閉会をした後お受けしたいと思います。
 それでは、NHKさん、お願いします。

○記者(NHK)  九電の瓜生社長に聞きたいんですけれども、今、松浦の市長から話があっていたと思うんですが、やっぱり一番近くて、30キロ圏内に全部が入る松浦市というのは、やっぱり住民で不安を抱えている人というのは多くて、今、実際に松浦の市長がおっしゃっていたんですけど、今後の事前了解は機会あるごとに求めていきたいと言っているんですが、それについては社長はどう受け止められますか。

○九電社長    当然そういうご意見とか、ご希望とか、ご要望があるのは我々も重々承知してございます。私どもが今回、この協定を結ばせていただいたのは、まずは私どもの原子力発電所の災害の状況を速やかに、直ちに皆様方にお伝えして、先ほど、平戸市長も言われましたように、いろんな対応に反映をさせていただくということがまず第一ではないかなと思って、今回この形でまずやらせていただいているところでございます。当然これからそういったいろんな法制度が変わったりすれば、それに対応して変えていくというのは、先ほど知事もおっしゃったように出発点であるという認識になるのかなと思っています。

○危機管理課長    ありがとうございました。
 それでは、公務等のご都合がございますので、トップによる会見は以上で終了させていただきます。
 皆さん、どうもありがとうございました。

★発言内容については、わかりやすいように一部変更している部分があります。
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