定例会等の開催概要

過去の定例会情報はこちら

意見書・決議

定例会を終わって  ●主な質問・質疑  ●会期日程本会議一般質問  ●予算特別委員会総括質疑  ●意見書・決議 

新成長戦略に関する早期の工程表の作成及び今後政策を推進する
うえでの財政展望の明示を求める意見書

  平成22年度の一般会計当初予算は、約92兆円と過去最大となり、税収(約37兆円)が国債発行額(約44兆円)を下回るという昭和21年度以来の逆転現象が生じた。また、今後も社会保障費が高齢化による自然増だけで毎年1兆円以上のペースで増え続ける現状、現政権が主張する子ども手当の支給、高校授業料の実質無償化、農業の戸別所得補償及び高速道路の無料化等の政策を勘案すると今後更なる財源確保が必要となる。しかし、無駄削減、予算の組み替え及び税外収入に頼るのも限界があり、平成22年度末の国・地方を合わせた長期債務残高は、約862兆円になる見通しで大変危機的な状況にあるのが現状である。

 また、政府は、昨年12月30日に「新成長戦略(基本方針)」を策定し、成長率や失業率の目標を始め、「第三の道」を進むと宣言した。近年の景気低迷・円高そしてデフレ長期化の懸念を払拭するためにも、早急に具体的な成長戦略によって国民の将来への「安心」を構築しなければならない。

 よって、国におかれては、以下の事項に特段の配慮がなされるよう強く要望する。

  1. 新成長戦略の目標を達成するための工程表を早期に策定すること。その際、具体的な政策と財政展望を明確に示すこと。
  2. 今後政策を実現するうえでの財源確保の展望を示すこと。その際、高齢化が進む中で将来世代にツケを回すことのないよう、財政健全化の道筋をつけること。
  3. 政府がリーダーシップを発揮し、マクロ的視点で戦略を示し、国民が雇用・社会保障などの将来に対し「安心」を抱くことができるよう努めること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 平成22年3月30日


長 崎 県 議 会

(提出先)  
衆議院議長 横 路 孝 弘  様
参議院議長 江 田 五 月  様
内閣総理大臣 鳩 山 由紀夫  様
副総理・財務大臣 菅   直 人  様
経済産業大臣 直 嶋 正 行  様
総務大臣 原 口 一 博  様
国家戦略担当大臣 仙 谷 由 人  様
内閣官房長官 平 野 博 文  様

非核三原則の厳格な実施を求める意見書

長崎県議会は、平成2年12月、全会一致により「自由と平和の尊厳に関する長崎県宣言」を採択し、「長崎を最後の被爆地に」との願いのもと、核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現を訴え続けてきた。

本年は、戦後65年を迎えるが、高齢化した多くの被爆者は、今なお原爆による後遺症に苦しんでおり、長崎県民は、世界に向かって被爆の実相を訴え続けながら、核兵器廃絶と世界の恒久平和の実現を心から願っている。

 こうした中、去る3月9日に、「いわゆる『密約』問題に関する有識者委員会」からの報告が、外務大臣になされ、「核持ち込み」に関して、長年の間、日米間の政府解釈の違いを放置することにより、暗黙の合意があったとし、事実上、密約と言える状態ができていたと結論付けている。

 また、政府は、平成3年以前については、艦船寄港時に核が持ち込まれていなかったとは断言できないとしている。

今回の核密約問題は、米艦船の寄港を受け入れている佐世保市民や被爆地である長崎市の市民をはじめ県民の信頼を損ねるものであり、大変遺憾である。

「いわゆる『密約』問題に関する有識者委員会」の報告後も、政府は、非核三原則を今後とも堅持する姿勢を強調しているが、国是である非核三原則の運用に大きな疑義が生じている。

よって、長崎県議会は、県民感情を思うとき、国におかれては、非核三原則の法制化を含めた厳格な実施と、核兵器のない世界の実現のための一層の取組みを行うよう強く要請する。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 平成22年3月30日


長 崎 県 議 会

(提出先)  
衆議院議長 横 路 孝 弘  様
参議院議長  江 田 五 月  様
内閣総理大臣 鳩 山 由紀夫  様
外務大臣 岡 田 克 也  様
内閣官房長官 平 野 博 文  様

国家公務員制度に準じた地方公務員制度の改革を求める意見書

 地方分権の進展に対応し、地方公共団体が住民に対し質の高い行政サービスを効率的・安定的に提供していくためには、地方公務員が能力を最大限発揮し、地域の諸課題に取り組んでいくことができるようにすることが必要である。

このため、地方公務員制度においても、地方自治の本旨に基づき、地方公共団体の実情を十分勘案しながら、国家公務員制度の改革に準じた改革を進める必要がある。

しかしながら、能力本位の任用制度の確立、新たな人事評価制度の構築、退職管理の適正な確保、不正な再就職あっせんに対する罰則の整備などを盛り込んだ地方公務員法改正案は、平成19年の通常国会に提出され、継続審査となっていたが、衆議院の解散に伴い廃案となった。よって国家公務員制度改革の法案は成立しているが、地方公務員制度の改革法案は未成立の状態である。

政府は公務員制度改革を政治主導で取り組む姿勢を明確にしているが、政治・行政の信頼回復のためには、地方公務員についても国家公務員と同様の改革を進めなければならない。また、ヤミ専従や不法な政治活動に取り組む地方公務員に対しても毅然たる態度で臨むことが必要である。

能力本位での適材適所の任用や、能力・職責・業績が適切に反映される給与処遇を実現し、真の地方分権に対応した質の高い政策形成能力を有する人材育成に取り組むためにも、国におかれては、地方公務員法の改正に取り組むことを強く要望する。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 平成22年3月30日


長 崎 県 議 会

(提出先)  
衆議院議長 横 路 孝 弘  様
参議院議長 江 田 五 月  様
内閣総理大臣 鳩 山 由紀夫  様
副総理・財務大臣 菅   直 人  様
総務大臣 原 口 一 博  様
国家戦略担当大臣 仙 谷 由 人  様
内閣官房長官 平 野 博 文  様

教育公務員特例法の早期改正を求める意見書

 北海道教職員組合(以下「北教組」という。)が、民主党の小林千代美衆議院議員の陣営に不正な資金を提供していた疑いが持たれている事件は、3月1日に北教組の委員長代理以下の幹部が政治資金規正法違反容疑で逮捕され、同月24日には起訴されるという、重大な事態に発展した。

 教職員組合の違法な選挙活動については、平成18年に山梨県教職員組合(以下「山教組」という。)が参議院選挙において民主党の輿石東参議院議員を応援するため、組合員である教職員から政治資金を集め、政治団体の政治資金収支報告書に虚偽の記載をしたとして、政治資金規正法違反で有罪となるなどの事件がこれまでも起きており、子供達に対し強い影響力及び支配力を持つ教員の政治的行為については、かねてから厳正に中立を保つべきであると指摘されてきた。

 「教育公務員特例法」第18条では、「公立学校の教育公務員の政治的行為の制限」が定められているものの、同条違反に対する罰則規定がないことから、北教組、山教組の事件などに見られるように、残念ながら、同法の実効性が担保されているとは言い難い状況にある。

 鳩山内閣総理大臣もこのような状況を認め、3月1日の衆議院予算委員会において「教育公務員特例法」の改正について川端文部科学大臣に検討させるとの答弁を行った。改正すべき点は、公立学校の教育公務員が政治的行為の制限に違反した場合には、国家公務員並みの罰則を適用するといった単純明快なものであり、何ら適法な教職員の活動に制限を設けるものではない。

 よって、国におかれては、直ちに法改正に着手するよう、強く要望する。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 平成22年3月30日


長 崎 県 議 会

(提出先)  
衆議院議長 横 路 孝 弘  様
参議院議長 江 田 五 月  様
内閣総理大臣 鳩 山 由紀夫  様
副総理・財務大臣 菅   直 人  様
文部科学大臣 川 端 達 夫  様
国家戦略担当大臣 仙 谷 由 人  様
内閣官房長官 平 野 博 文  様

教員免許更新制度の存続を求める意見書

 平成21年度から教員免許の更新制度(以下「教員免許更新制」という。)が開始された。教員免許更新制は、一定期間ごとに教員が自らの技術及び知識を向上させる機会が提供されるものであり、時代の変化に的確に対応した教員を養成し技能を向上させる上で必要不可欠なものでもある。この制度導入に当たっては、教育改革の根幹をなすものとして、大きな期待が寄せられていた。

 しかしながら、政府は昨年10月に教員免許更新制の「抜本的見直し」を表明し、平成22年度予算において教員免許更新制の効果検証等を目的とする調査・検討事業に関する予算を計上した。

 教員免許更新制は、実施から一年も経っていないことから、成果及び課題を十分に検証することができない状況にある。また、受講費を自己負担した教職員への補償についても検討がなされていない。具体的な改革の方向性が示されないまま「抜本的見直し」だけが表明されている現状では、学校現場に混乱を来たすことが懸念される。

 よって、国におかれては、質の高い教員を確保し、国民の負託に応えられるような教育水準を維持・発展させるためにも、教員免許更新制を存続するよう、強く要望する。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する


 平成22年3月30日


長 崎 県 議 会

(提出先)  
衆議院議長 横 路 孝 弘  様
参議院議長 江 田 五 月  様
内閣総理大臣 鳩 山 由紀夫  様
副総理・財務大臣 菅   直 人  様
文部科学大臣 川 端 達 夫  様
国家戦略担当大臣 仙 谷 由 人  様
内閣官房長官 平 野 博 文  様

教育再生・教育の正常化の徹底を求める意見書

  日本教職員組合(以下「日教組」という。)の「政策制度要求と提言」と民主党の「政策集INDEX2009」及び「マニフェスト」の内容は、ほとんどが一致しており、民主党の教育政策は日教組の強い影響下にあるように見受けられる。実際、新政権発足早々には、制度面において「教員免許更新制度」の廃止を含む抜本的見直し及び「全国学力・学習状況調査」の悉皆(しっかい)方式から抽出方式への変更並びに教育内容面において道徳教育予算の縮小などが次々と実行に移されている。

 さらに、平成22年1月23日に開催された日教組の第59次教育研究全国集会において、中村讓中央執行委員長が「政治の壁が低くなり、社会的パートナーとして認知された今、私たちは公教育の中心にいる」と発言し、文部科学省より政務を担う国会議員として59年ぶりに高井美穂大臣政務官が出席するという状況である。

 民主党が進めようとしている教育の地方分権・現場主権の考え方は、学力が世界一とされるフィンランドの教育制度をモデルにしていると考えられる。しかし、フィンランドでは、教育においての政党による意見の違いはないと言われ、教育内容に政治は介入しない。すなわち、フィンランドにおいては、教育の政治的中立が確保された上で、教育の地方分権が行われているのである。

 しかるに、わが国では、日教組をはじめとする教職員組合が教育現場でイデオロギー闘争及び思想教育を繰り広げ、日教組出身の政権政党の参議院議員会長が「教育に政治的中立などない」とたびたび公言する状況が今日まで続いており、教育の政治的中立が確保されているとは、到底、言えない。このような状況下で教育の地方分権化・現場主権化を行えば、日教組の意のままに偏向教育が行われる恐れがある。

 民主党が掲げる教育の地方分権は、制度論としては議論の対象とできるかもしれないが、その前提として、何よりも教育の政治的中立・教育の正常化が確保されなければならず、それは国民が第一に求めるものでもある。

 よって、国におかれては、拙速な制度の改廃及び教育内容の見直しを行う前に、まず、国民的議論を高め、教育関係者の意見を広く聴きながら、教育再生・教育の正常化に取り組むよう、強く要望する。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 平成22年3月30日


長 崎 県 議 会

(提出先)  
衆議院議長 横 路 孝 弘  様
参議院議長 江 田 五 月  様
内閣総理大臣 鳩 山 由紀夫  様
副総理・財務大臣 菅   直 人  様
文部科学大臣 川 端 達 夫  様
国家戦略担当大臣 仙 谷 由 人  様
内閣官房長官 平 野 博 文  様

特定扶養控除制度縮減による経済的負担増加の是正を求める意見書

  家庭の教育に係る経済的負担の軽減を図り、高等学校教育を希望するすべての者が安心して就学できる機会を提供することを目的として、公立高等学校の授業料を不徴収とする「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律」が平成22年4月から施行されることとなった。

 しかしながら、その財源確保のため、平成22年度の税制改正により、16歳から18歳までの特定扶養親族に対する「扶養控除の上乗せ分」が廃止され、増税が行われることとされている。

 この結果、公立の全日制高等学校の生徒を持つ家庭においては、増税分よりも授業料無償化による便益が上回り、実質的な経済的負担は減少することになるが、低廉な授業料の定時制及び通信制並びに授業料負担のない特別支援学校高等部の生徒を持つ家庭においては、授業料無償化による便益よりも増税分が上回ることになり、それらの家庭の経済的負担は増加するという事態が生じる。

 このことは、家庭の教育に係る経済的負担の軽減を図ることを目的とする施策に矛盾があると言わざるを得ず、教育に係る経済的負担の実質的な増を強いられる家庭が生じることは、決して看過できるものではない。

 なお、平成22年度税制改正大綱によれば、特定扶養控除の見直しは平成23年分からとされ、「現行よりも負担増となる家計については適切な対応を検討する」と記載されているものの、税制改正の適用は平成23年1月からであることから、平成22年度在籍の生徒を持つ家庭に影響を与えることになる。

 よって、国におかれては、このような状況を真摯に踏まえ、国民の教育に係る経済的負担増を生じさせないため、直ちに適切な措置を講ずるよう、強く要望する。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 平成22年3月30日


長 崎 県 議 会

(提出先)  
衆議院議長 横 路 孝 弘  様
参議院議長 江 田 五 月  様
内閣総理大臣 鳩 山 由紀夫  様
副総理・財務大臣 菅   直 人  様
文部科学大臣 川 端 達 夫  様
国家戦略担当大臣 仙 谷 由 人  様
内閣官房長官 平 野 博 文  様

子ども手当財源の地方負担に反対する意見書

  平成22年度政府予算案に、中学校卒業まで1人当たり月1万3千円の「子ども手当」の支給に係る事業予算が盛り込まれた。給付費総額としては2兆2,554億円であるが、平成23年度以降は子ども1人当たり月2万6千円の支給となるため、さらなる財源の確保が必要となる。また、平成22年度は児童手当相当額を財源とするものであることから、地方及び事業主負担も必要となる。このため、一部の地方自治体からは給付事務のボイコットが表明され、地方六団体からは「子ども手当の地方負担に反対する緊急声明」が行われるなど、実際にその支給が行えるのか懸念される。なお、各知事へのアンケート調査結果においても子ども手当財源の全額国庫負担を求める声が大勢を占めているのが現状である。

 よって、国におかれては、以下の事項を実現するよう、強く要望する。

  1. 平成23年度以降の子ども手当は、国の責任において実施すべきであることから、全額国庫負担とすること。また、平成22年度の支給に当たっては、地方の事務負担及び費用負担について十分配慮すること。
  2. 子ども手当によって目指す国の中長期のビジョン及び平成23年度以降の子ども手当を支給する上での財源確保の展望を示すこと。その際、国民の理解を十分に得られる内容とすること。
  3. 子ども手当のような現金の直接給付を行うだけではなく、子育てをしやすい環境整備にも十分配慮していくこと。
  4. 平成23年度以降の子ども手当の制度設計については、国と地方との役割分担の在り方を明確にすること。また、国と地方との十分な意見交換の場を設けること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 平成22年3月30日


長 崎 県 議 会

(提出先)  
衆議院議長 横 路 孝 弘  様
参議院議長 江 田 五 月  様
内閣総理大臣 鳩 山 由紀夫  様
副総理・財務大臣 菅   直 人  様
厚生労働大臣 長 妻   昭  様
総務大臣 原 口 一 博  様
国家戦略担当大臣 仙 谷 由 人  様
内閣官房長官 平 野 博 文  様

幼児教育の無償化及び保育サービスの充実を求める意見書

  政府は、平成22年度予算案に「子ども手当」の支給に係る事業予算を盛り込んだ。世帯の収入に関係なく一律に手当を支給することは、家庭間における教育費格差を拡大することにも繋がりかねず、抜本的な少子化対策のためには不十分なものと言わざるを得ない。子育て世帯としては幼児教育の無償化及び保育サービスの充実を求めており、このようなニーズに応える施策を的確に打ち出す必要がある。

 幼児期における教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培うものであり、すべての子供たちに質の高い幼児教育の機会を提供することが必要不可欠である。また、待機児童を解消するとともに、国民が安心して子供を産み、育てられる社会づくりを進めていかなければならない。

 よって、国におかれては、以下の事項を実現するよう、強く要望する。

  1. 幼児教育に対する子育て世帯の負担を軽減するため、国の責任の下、幼児教育の無償化に取り組むこと。
  2. 国の責任の下、児童福祉の原則を踏まえた保育サービスの質の向上に努め、保育所及び認定こども園の整備並びに家庭的保育(保育ママ)及び預かり保育の拡充を図り、仕事と子育ての両立ができる社会の実現に取り組むこと。
  3. 待機児童解消に努める地方自治体の創意工夫を最大限に活かせるような支援の在り方について検討すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 平成22年3月30日


長 崎 県 議 会

(提出先)  
衆議院議長 横 路 孝 弘  様
参議院議長 江 田 五 月  様
内閣総理大臣 鳩 山 由紀夫  様
副総理・財務大臣 菅   直 人  様
文部科学大臣 川 端 達 夫  様
厚生労働大臣 長 妻   昭  様
国家戦略担当大臣 仙 谷 由 人  様
内閣官房長官 平 野 博 文  様

漁港・漁場・漁村の整備促進を求める意見書

 水産業をめぐっては、水産資源が低水準にあること、就業者が高齢化していること、水産物価格の低迷、燃油価格の高騰など困難な課題に直面している。

 水産物の安全性・品質に対し消費者の関心も高まっており、老朽化した漁港施設の改善、漁場環境の保全、流通の効率化・高度化など水産業振興のための課題は山積している。

 しかしながら、平成22年度予算では漁港・漁場・漁村整備関連予算が大幅に減額された。漁港・漁場・漁村整備を進める農山漁村地域整備交付金が新たに創設されたが全体的な枠組みは依然として不透明で、地域の漁港・漁場・漁村の安全と活力が失われかねない現状である。

  よって、国におかれては水産業が直面する課題に的確に対処し、地域の創意工夫が生かされる真に必要な漁港・漁場・漁村の整備を着実に推進し、安心・安全な水産物を求める消費者のニーズにこたえる政策を打ち出すよう、強く要望する。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 平成22年3月30日


長 崎 県 議 会

(提出先)  
衆議院議長 横 路 孝 弘  様
参議院議長 江 田 五 月  様
内閣総理大臣 鳩 山 由紀夫  様
副総理・財務大臣 菅   直 人  様
農林水産大臣 赤 松 広 隆  様
国家戦略担当大臣 仙 谷 由 人  様
内閣官房長官 平 野 博 文  様

生産性の高い持続可能な農家の育成を求める意見書

 政府は平成22年度予算で米の戸別所得補償モデル事業として5,618億円を計上した。同事業は水田農業に取り組む全ての農家を対象とすることが原則で、農家の経営基盤強化に向けて期待の声がある一方、全国一律の単価で交付するため生産性が高く販売性の高い地域が有利になる点や、水田農業が優先されるため麦や大豆の自給力向上につながらず、果樹・野菜・畜産など多様な農業の発展にも支障を及ぼすとの見方もある。

 また、食料自給率を向上させるため必要不可欠な農業農村整備事業の予算が大幅に削減され、農家の生産性を高める基盤整備が十分に進まないことも危惧される。

 よって国におかれては、以下の点に留意し、生産性の高い持続可能な農家の育成を進める施策の充実を行うよう強く求める。

  1. 戸別所得補償制度の本格導入にあたっては、麦・大豆など畑作物の位置付けを明確化し、多様な農業の展開に資する制度とすること。
  2. 戸別所得補償制度によって生産力の高い担い手への農地集積を阻害する結果とならないよう農地の「貸しはがし」問題に早急に対処すること。
  3. 米作り優先ではなく、野菜・果樹・畜産など多様な農業を支援する政策体系を構築すること。
  4. 予算が縮減された農林道整備事業や農業農村整備事業については、予算の箇所付けの基準の明確化や新たな交付金の充当等、現在進められている事業が継続できるような措置を講じること。
  5. 離島や中山間地域等条件不利地域においても、生産性の高い持続可能な農業が営めるよう支援措置を充実すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 平成22年3月30日


長 崎 県 議 会

(提出先)  
衆議院議長 横 路 孝 弘  様
参議院議長 江 田 五 月  様
内閣総理大臣 鳩 山 由紀夫  様
副総理・財務大臣 菅   直 人  様
農林水産大臣 赤 松 広 隆  様
国家戦略担当大臣 仙 谷 由 人  様
内閣官房長官 平 野 博 文  様

農業農村整備事業の促進を求める意見書

 本県は、離島・半島地域を多く抱え、平坦地に乏しく、水資源にも恵まれないという厳しい営農条件にあるが、農業者をはじめ関係者の創意工夫と努力で、個性豊かな農業を展開してきた。

しかしながら、農業・農村を取り巻く環境は、輸入農産物の増加や、農産物の価格低迷、担い手の高齢化と後継者不足など厳しい状況である。

このような中、食料自給率を確保し、農産物の安定供給と、農村の振興を図るためには、生産性の高い優良農地の確保と農業用施設の適切な整備・更新とともに、輸送コストの縮減を図るための農道の整備など、生産基盤の整備が必要不可欠である。

しかしながら、平成22年度の国の当初予算では、基盤整備に必要な農業農村整備事業予算が大幅に縮減されており、また農業農村整備等を進める新たな「農山漁村地域整備交付金」が創設されたものの、全体的な枠組みは依然として不透明である。

よって、国におかれては、予算が縮減された農道整備事業や農業農村整備事業について、予算の箇所付け基準の明確化や、新たな交付金の適切な充当など、農業・農村の振興に必要な基盤整備事業の継続ができるよう措置を講じるとともに,更なる促進が図れるよう施策の充実を図ることを強く要望する。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 平成22年3月30日


長 崎 県 議 会

(提出先)  
衆議院議長 横 路 孝 弘  様
参議院議長 江 田 五 月  様
内閣総理大臣 鳩 山 由紀夫  様
副総理・財務大臣 菅   直 人  様
農林水産大臣 赤 松 広 隆  様
総務大臣 原 口 一 博  様
国家戦略担当大臣 仙 谷 由 人  様
内閣官房長官 平 野 博 文  様

中国向け輸出水産食品の取扱いについての見直しに関する意見書

 長崎県においては、水産物の新たな販売先の確保による適正な魚価の形成と漁業生産体制を維持強化していくために、平成19年に「長崎県水産物輸出戦略」を策定し、海外への輸出を強力に推進しているところである。

また、平成20年には輸出に取組んでいる関係団体及び県、市を中心とし長崎県水産物輸出海外普及協議会を設置し、中国等を主な輸出先とした海外輸出プロジェクトに取組んでいるところである。

その結果、上海を拠点として北京、大連等中国主要都市11都市まで水産物の輸出は伸びてきており、今後も拡大が期待されるところである。

このような中で今般、国においては、「中国向け輸出水産食品の取扱いについて」(平成21年11月10日付け食安発1110第1号)により、水産物輸出の手続きの変更等を県及び関係団体に通知し、平成22年2月1日から運用することとされたところである。

本制度改正は、対中国輸出を行う団体等にとって、輸出実態に即しない内容であり、かつ多大の負担を強いることになるばかりではなく、検査業務等の遅延による輸出の停滞も懸念されるところである。

よって、国におかれては、県内関係団体が行う中国向け輸出の手続きが今後も継続的に発展が可能な手続きとなるよう、見直しを行うことを強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 平成22年3月30日


長 崎 県 議 会

(提出先)  
衆議院議長 横 路 孝 弘  様
参議院議長 江 田 五 月  様
内閣総理大臣 鳩 山 由紀夫  様
厚生労働大臣 長 妻   昭  様
農林水産大臣 赤 松 広 隆  様
内閣官房長官 平 野 博 文  様

トップページへ戻る