旧魚の町団地の概要
旧魚の町団地(建設当初は酒屋町団地と呼ばれていました)は、1948年(昭和23年)築の公営住宅で、戦後に建設された公営住宅としては、現存する最古のうちの1つです。(1948年に造られた団地で現存が確認されているのは、長崎、広島、下関の3棟だけであり、旧魚の町団地はそのうちの1つ)
鉄筋コンクリート造り4階建て。各戸の間取りは8畳及び6畳の和室、台所、トイレなどがあり、地下倉庫が特徴。当初は浴室がありませんでしたが、昭和53年に階段部分に浴室が増築されました。
2019年(平成31年)まで県営魚の町団地として使用されました。現在は閉鎖しています。
※敷地内への無断立入はご遠慮いただきますようお願いします。なお、令和3年度より、内部見学を受け付けておりますので、見学ご希望の方は以下のホームページよりお申込みください。
ながさき県政出前講座のホームページへ (来て!見て!見学コース ナンバー16 をご覧ください。)
建設の背景
団地が建設されたのは、戦後の住宅不足が背景にありました。当時の資料によると、戦前の長崎市の住宅戸数は5万1千戸でしたが、原爆で約1万8千戸が破壊されてしまいました。戦後になり、疎開先から戻ってくる人や引き揚げ者らで急激な人口増加が起こり、深刻な住宅不足に陥ったことが、団地建設の契機となりました。
下記は、当時の新聞記事の抜粋です。資材確保、敷地選定、入居申し込み状況や抽選会の様子などの記事が残っており、注目の高さが伺えます。
- 昭和23年5月19日 長崎民友新聞 『縣営に本決り 長崎市の中央に・七月頃着工』
住宅難に悩み抜く長崎市民に縣の放つ住宅復興のホームラン…これは杉山知事の狙う縣営事業の振興と住宅難救済の一環として考案されたもので、時代の薄幸兒サラリーマン向四階建の鉄筋コンクリートアパートを長崎市の中央部に建設しようというもので…(略)…目下長崎市の中央部の敷地を選定中で、土地と豫算の関係から着工は七月ごろになる見込みだが、年末までには完成の豫定という
- 昭和23年5月30日 長崎民友新聞 『長崎市酒屋町に敷地を選定』
このほど長崎市酒屋町電車停留所附近の空地(約三百五十坪)を候補地に選定…
- 昭和24年6月21日 長崎民友新聞 『五十戸に申込千件を突破 長崎市縣営アパートの申込締切り』
長崎市の縣営アパート(酒屋町、中川町)入居受付は二十日で締切られたが、両方合わせて約五十戸の受付に、申込み数は千件を突破。相も変らぬ住宅難を物語つている。なおこの公開抽選は来月早々縣議会議場でひらかれる。
- 昭和24年7月9日 長崎民友新聞 『おゝ!家が當つた 固唾をのむ縣営アパートの抽選会』
待望の長崎市酒屋町、中川町縣営アパート入居者の公開抽せんは、八日午後三時から市内本大工町市民運動場で挙行、運命の入居者が発表された…
- 昭和24年7月28日 長崎日日新聞 『晴れて入居は8月1日から 酒屋町縣営アパート落成』
さきに抽せんで入居者を決定した酒屋町、中川町縣営アパート中酒屋町アパートは四階建のスマートな姿が美しくこのほど落成した。ガス、水道付きで八畳、六畳の文化住宅、開放の日を待ちわびる幸福の廿四世帯は八月一日から入居できるとのこと
建物見学会の開催(令和2年10月10日)
長崎市内でレトロな建物を訪問し活用方法等を考える催し(長崎ビンテージビルヂング実行委員会主催)が開かれ、旧魚の町団地の見学会が開催されました。部屋の中や屋上が公開され、市民ら約60人が参加しました。
建物見学会の様子
旧魚の町団地・旧中川町団地に関する写真や思い出、エピソードを探しています!
県では、旧魚の町団地と、昭和56年頃に解体された旧中川町団地の写真や思い出、エピソードを探しています。
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