COPD(慢性閉塞性肺疾患)

COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは

 COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは、主に長年の喫煙習慣や肺の成長障害が原因となって、細い気管支が炎症を起こし、肺への空気の流れが悪くなり、呼吸機能が徐々に低下していく肺の病気です。以前「慢性気管支炎」、「肺気腫」と別々に呼ばれていた病気を含みます。
 また、COPD罹患の50から80%がたばこの煙が原因とされており、喫煙者では20%から50%がCOPDを発症するといわれています。長年の喫煙習慣を背景に中高年に多く発症するため「肺の生活習慣病」といわれることもあります。

COPDの症状

 初期は無症状で、ゆっくりと進行し、以下の例のような症状が特徴です。
 ありふれた症状であり、見過ごしてしまいがちなため、COPD発見の遅れにつながらないようにすることが大切です。

  • 階段の上り下りで息切れがする。
  • せきやたんが出る。
  • 風邪が治りにくく、せきやたんが出る。
  • 喘鳴(ぜんめい)がある。呼吸のたびにゼーゼー、ヒューヒューといった音が鳴る。

 COPDを治療せずに放置すると、重症化し、息切れのために日常生活に支障をきたすようになります。特に40歳以上の方で、喫煙歴のある方は要注意です。気になる症状のある方は、かかりつけ医や呼吸器内科の受診をお勧めします。

COPDの診断

 COPDが疑わしいかどうかは、内科の中でも呼吸器内科を専門にしている診療所や病院で、スパイロメーターという機械を用いて、肺機能検査を受けることで、簡単にわかります。

スパイロメーター検査

COPDの治療(まずは、禁煙)

 現時点でCOPDを根本的に治し、もとの健康的な肺に戻す治療法はありませんが、早期の治療開始により、現状の改善と将来の発症リスクは低減できます。喫煙者であれば、喫煙を続ける限り、病気の進行を止めることができないことから、まず禁煙することが重要です。
 このほか、以下の方法で進行を抑えたり、症状を和らげたりすることができます。

  • 薬物療法
    気管支を広げたり、炎症を抑える薬を用いて治療します。
  • 呼吸リハビリテーション
    息切れや疲労感などの症状や運動機能を改善するための呼吸方法を学びます。
  • ワクチン接種
    症状の悪化を防ぐため、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンなどを接種します。
  • 酸素療法
    症状が悪化して十分な酸素が取り入れられない場合に、酸素を供給する装置を使用します。在宅用と携帯用があります。
  • 外科療法
    内科的療法では効果が得られない場合に、機能しない肺を切除する手術などを行います。

 ※禁煙治療については、長崎県内で禁煙支援を受けることができる病院・医院を県ホームページに掲載しています。
  上手に禁煙しよう | 長崎県 (pref.nagasaki.jp)

健康日本21・健康ながさき21での位置づけ

  • 健康日本21(第二次)(計画期間:平成25年度から令和5年度)では、COPD認知度を上げることで早期発見・介入に結び付け、健康寿命の延伸や死亡数の減少に寄与することを期待し、「COPDの認知度の向上」を目標として設定され、情報発信など様々な取組が行われました。
  • 健康日本21(第三次)(計画期間:令和6年度から令和17年度)でのCOPD対策では、最終的な目標として死亡率の減少を定め、引き続き認知度の向上を行うことに加え、予防、早期発見・介入、重症化予防など総合的に対策を行うとされています。
  • 本県の健康増進計画である健康ながさき21(第3次)(計画期間:令和6年度から令和17年度)でも国と同じ目標を定め、COPDに関する認知度の向上や禁煙支援の取組、早期発見・早期治療につなぐための医療機関受診の周知・啓発を行っていきます。なお、本県の人口10万人当たりのCOPD患者数における全国順位は、患者数が多い方から入院25位、外来2位(令和2年患者調査)という状況となっています。

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