重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは
- 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、主にSFTSウイルスを保有しているマダニに刺されることにより感染するダニ媒介感染症です。
- 近年、SFTSを発症した猫、犬の症例が確認されており、これらの動物の血液や糞便からSFTSウイルスが検出されています。
- 感染後6日から14日の潜伏期を経て、発症します。
- 主な症状は、発熱、消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血)で、腹痛、筋肉痛、神経症状、リンパ節腫脹、出血症状などを伴うこともあります。
- 血液所見では、血小板減少、白血球減少、血清酵素(AST、ALT、LDH)の上昇が認められます。
- 致死率は10%から30%程度といわれています。
長崎県の発生状況(2025年4月24日時点)
SFTSの患者報告数
診断年 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 |
長崎県 | 2 | 2 | 2 | 11 | 4 | 8 | 6 | 6 | 13 | 13 | 13 | 2 |
全国 | 61 | 60 | 60 | 90 | 77 | 101 | 78 | 110 | 118 | 134 | 120 | 4 |
- SFTSは、2013年3月4日から感染症法上の4類感染症に指定されました。
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2025年は、長崎県は第16週、全国は第15週までの報告数を掲載しています。
性別、年代別の状況(2020年から2025年第16週)
- 2020年以降に報告された患者は30代から90代でした。
- 70代と80代で70%以上を占めています。
診断月別発生状況(2020年から2025年第16週)
- 春から秋にかけて、患者が多く報告されています。
症状に関する情報(2020年から2025年第16週)
- すべての患者で発熱が認められました。
- 血小板減少、白血球減少が9割以上の患者でみられました。
- 全身倦怠感が7割以上、食欲不振が約6割の患者で報告されています。
感染予防のために
マダニ対策、今できること(国立感染症研究所 昆虫医科学部)[PDFファイル/4MB]より抜粋
野外では、肌の露出を少なくしましょう
忌避剤(虫よけ剤)を使用しましょう
- 現在、ディート、イカリジンの2種類の有効成分の忌避剤が市販されています
- 忌避剤は、マダニの付着を完全に防ぐわけではありません。他の防護手段と組み合わせて使用しましょう
マダニを持ち込まないようにしましょう
ペットの感染に注意しましょう
- ペットのダニ駆除剤の使用について、獣医師に相談しましょう
- ペットが外から帰宅したらダニがついていないか確認しましょう
- ダニが皮膚に食い込んでいる場合は動物病院へ相談しましょう
ダニに刺された場合の対処方法
- ダニに刺されたときは、無理に引き抜こうとせず、医療機関などで処置をしてもらいましょう
- ダニに刺されたあと数週間は体調の変化に注意をし、発熱等の症状が認められた場合は医療機関を受診しましょう
医療機関関係者の方へ
SFTSは、感染症法の四類感染症に位置付けられています。SFTSが疑われる場合には、最寄りの保健所にご相談ください。
また、SFTSの患者を診断した場合は、保健所への届出をお願いします。
参考情報
このページの掲載元
- 環境保健研究センター
- 郵便番号 856-0026
長崎県大村市池田2丁目1306番地11 - 電話番号 0957-48-7560
- ファックス番号 0957-48-7570