ダニ媒介感染症の予防

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ダニ媒介感染症

 マダニ類やツツガムシ類は草むらや藪などに生息しているダニです。
「ダニ」といっても、食品等に発生するコナダニや衣類、寝具に発生するヒョウダニのように家屋内に生息するダニとは種類が異なります。

 農作業やアウトドアレジャーの際にマダニ類・ツツガムシ類に咬まれることがありますが、これらのダニは病原体を持っていることがあり、咬まれると日本紅斑熱、つつが虫病、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)などの感染症にかかる危険性があります。これらの病気の予防のためにも野外でのダニ対策が重要です。

ダニ媒介感染症の発生件数

20230928HP更新用

※2023年の発生件数は、長崎は第38週(1月から9月24日まで)時点、全国は第37週(1月から9月17日まで)の感染症発生動向調査週報 (IDWR)の速報データです。
※この週報は速報性を重視しておりますので、今後調査などの結果に応じて、若干の変更が生じることがあります。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

 SFTSウイルスを保有するマダニに咬まれることで感染して起こる病気です。潜伏期間は6日から2週間で、主な症状は発熱、消化器症状で重症化して死亡することもあります。ワクチンや有効な抗ウイルス薬はなく、治療としては対症療法が主体になります。

 近年、SFTSを発症したネコ及びイヌの症例が確認されており、これらの動物の血液や糞便からSFTSウイルスが検出されています。SFTS以外の感染症に対する予防の観点からも、動物を飼育している場合は過剰な触れ合いを控え、動物由来の感染に注意してください。

SFTSグラフ

つつが虫病

 つつが虫病リケッチア(Orientia tsutsugamushi)という細菌を保有するツツガムシ(小型のダニの一種)に咬まれることで感染して起こる病気です。潜伏期間は5日から14日で、高熱と発疹(主に体幹部)で発症し、重症の場合は死に至ることもあります。発熱、発疹、刺し口が主要三徴候であり、ほとんどの症例にみられます。有効な抗菌薬があるため、治療に用いられます。

 全国的には、春から初夏および秋から初冬に2つの発生ピークがみられますが、関東から九州では、秋から初冬に多くの患者発生がみられます。

つつが虫病グラフ

日本紅斑熱

 日本紅斑熱リケッチア(Rickettsia japonica)という細菌を保有するマダニに咬まれることで感染して起こる病気です。潜伏期間は2日から8日で、頭痛、高熱、倦怠感発疹(体幹部より四肢末端部に比較的強い)を伴って発症し、重症の場合は死に至ることもあります。発熱、発疹、刺し口が主要三徴候であり、ほとんどの症例にみられます。有効な抗菌薬があるため、治療に用いられます。

 発生時期は、天候の影響を受けるものの、春から秋の長期にわたるため注意が必要です。

日本紅斑熱グラフ

予防対策

 ダニに咬まれないようにすることが重要です。特にダニの活動が盛んな春から秋にかけて注意しましょう。
 ダニに咬まれていても、痛みや痒みはあまりなく、気づかないことが多いようです。屋外活動後の着替え時などに、ダニが吸着していないか確認してください。  

  • 雑木林や草むらなど、ダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴を着用し、肌の露出を少なくしましょう。
  • 防虫スプレーを使用しましょう。
  • 屋外活動後は、衣服や身体をはたいてダニ類を落としましょう。
  • 屋外活動後は、入浴してダニに咬まれていないか確認しましょう。
  • 吸血中のマダニを見つけた場合は、できるだけ医療機関(皮膚科など)で処置してもらいましょう。
  • ダニに咬まれた後に、発熱等の症状があった場合は、医療機関を受診しましょう。

 

長崎県予防啓発リーフレット:「ダニからうつる病気の予防」 (PDF:3.8MB)

ダニにご注意ください(厚生労働省)[PDFファイル/777KB]

マダニ対策、今できること[PDFファイル/3MB]

リンク

ダニ媒介感染症(外部リンク:厚生労働省)
重症熱性血小板減少症候群について(外部リンク:厚生労働省)
つつが虫病について(外部リンク:厚生労働省)
日本紅斑熱について(外部リンク:厚生労働省)

マダニ対策、今できること(外部リンク:厚生労働省)

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