旧小川家住宅主屋は、大正9年(1920)に医師・小川法民が小川医院の主屋として建てたものである。建物は木造2階建て、桟瓦葺きの寄棟造りである。式台を持ち、部屋ごとに異なる欄間を入れ、床を1間幅よりも広くするなどの高い格式をもつ。建具の配置によって内部空間を広くも狭くも使えるように工夫されており、大正期の医師の暮らしぶりを伝える貴重な建物である。石垣の築造年代は、主屋完成以前の大正期と考えられている。総延長約69m、高さ4.1m~5.1mあり、丸味のある自然石を用いながらもの壁面を積み上げる技術の高さが伺われる。
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