オガタマノキは、モクレン科の常緑樹である。オガタマとは「招(おき)霊(たま)」が転訛したもので、現在の神事ではツバキ科のサカキやヒサカキが使われるが、元来はオガタマノキが使用されたといわれている。春に葉の付け根に直径3cmほどの黄白色の花が咲き、ほのかに香りがする。秋には果が熟し、裂けた部分から赤い種子がのぞき、揺れるとシャラシャラと音がする。指定の木は、長里川の河口をさかのぼること2㎞、多良(たら)岳の東麓の畑の中に立っている。樹齢1,000年、高さ20m、幹周り9.1mもあり、オガタマノキとしては日本一の巨樹(幹周り)である。樹勢は極めて旺盛で、樹上にはムクノキ・エノキ・クスドイゲ・オオイタビ・イヌビワなどの樹木が着生している。
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