旧親和銀行本店本館は、佐世保駅から北西に延びる商店街に東面する銀行店舗で、大正期に竣工した旧銀行本店の増築として昭和42年10月に建設された。
設計は、「哲学の建築家」と評された建築家 白井 晟一※1によるもの。
「原爆堂計画※2」の造形を原型とする北半部と、ブロンズパネル貼の弓形構造体を立ち上げた南半部からなる独創的外観である。円筒内壁を巡る螺旋階段など彫塑的な造形が静謐な空間を創出している。
重厚な吹抜の大空間や繊細な感覚あふれるディテールなど創意のある建物である。
※1 白井晟一(1905~83)は京都で生まれ。ドイツで哲学を学ぶなど異色の経歴をもつ建築家。個人住宅・公共建築から、「渋谷区立松濤美術館」などの記念碑的建築まで、多くの記憶に残る作品を残した。そのユニークなスタイルから哲学の建築家などとも評されている。本県には、他に「旧親和銀行大波止支店(長崎市)」がある。
※2 1955 年白井晟一により発表された計画。丸木夫妻が描いた「原爆の図」をおさめる美術館として構想されたが、建設は実現されていない。きのこ雲の造形でも知られる。