島山島は、五島列島福江島の西端に接する島である。この島の西海岸は高さ約100m程度の断崖となっており、白(灰色)と黒の地層が規則正しく重なる様子が南北方向に約2.5㎞にわたって連続して観察できる。これらは、中新世中期(約2,000万年前~1,600万年前)にユーラシア大陸の東端で堆積した「五島層群」と呼ばれる地層の一部である。
五島層群は、火山活動によってできた「下部層」、湖や小さな川によって形成された「中部層」、日本海に流れ込む巨大な河川の痕跡を残す「上部層」からなるが、島山島西海岸の露頭は、約1,700万年前に形成された「中部層」にあたる。白い層は、川が流れ込む場所で堆積した砂の層、黒い層は川の周辺の湿地にたまった泥の層であり、周辺の河川から湖に土砂が流れ込み、長い時間をかけて堆積した地層と考えられる。
その後、ユーラシア大陸から徐々に引き離されて湖は広がり、最後には日本海に流れ込む巨大河川へと移り変わっていく。
島山島西海岸の砂岩泥岩互層は、約1,700万年前にユーラシア大陸東端部の陸上環境を示す地層であり、高さ約100m、長さ約2.5㎞の断崖は、地層の上下方向の変化と横方向の変化を同時に読み取ることができる。日本海が形成される以前の日本列島の姿を伝える地質学的な証拠として学術的に貴重である。