〇旧佐世保海軍工廠川棚魚雷遠距離発射場射場(大正7年建造)
大村湾北部に位置する旧魚雷試射専用施設。陸地から約50メートル離れた海中に、コンクリートブロックで構築した矩形の人工島で、魚雷発射用の切込みを設け、煉瓦壁体と鉄筋コンクリート造屋根スラブ等からなる上屋や軌道敷を残す。全国的に希少な軍事遺構である。
〇旧佐世保海軍工廠川棚魚雷遠距離発射場突堤(大正7年建造)
射場と陸地を結ぶために海中に築いた突堤。形状の異なるコンクリートブロックで積み上げた、長さ45メートル、スパン8メートルの扁平な五連アーチ構造物。天端には2線の引込線跡を残す。コンクリートブロックを自在に成形して築いた独特な大規模構造物である。
〇旧佐世保海軍工廠川棚魚雷遠距離発射場機械室及び水雷調整室(大正7年頃建造)
突堤と正対して建ち、魚雷用の燃料などを搭載し、調整した施設。正面12メートル、奥行27メートルで、下部は石造で内部を水雷調整室と機械室の二室に区画する。上部は後の増築で壁体を鉱滓煉瓦積とする。機能と建設技術において貴重な軍事遺構である。
〇旧佐世保海軍工廠川棚魚雷遠距離発射場油庫(大正7年建造)
機械室及び水雷調整室の南側に建つ燃料用の格納庫。桁行5.5メートル、梁間3.7メートル、切妻造、妻入の石造平屋建で、内壁はモルタル塗で仕上げる。凝灰岩を精緻に積上げ、隅部を算木積で築く、丁寧なつくり。魚雷試射システムに欠かせない施設の一つである。
〇旧佐世保海軍工廠川棚魚雷遠距離発射場観測所(大正14年建造)
発射場が位置する片島の山頂に位置し、魚雷試射後の雷跡を観測する建物。2階建の煉瓦壁体の頂部に鉄筋コンクリート造の梁とスラブを廻らし、2階正面には広角に開いた観測用の窓を突出して海を望む。建物の機能を直裁的に造形化した特徴的な外観の軍事遺構である。