弓張岳展望所は、西海国立公園指定10周年の記念として昭和40年5月に佐世保湾を望む弓張岳の山頂付近に整備された。
設計は、国立代々木競技場(第一体育館・第二体育館)等の構造設計を担当していた坪井(つぼい)善勝(よしかつ)氏によるもので、構造は海に向かって反り屋根を前方二点と後方一点の三点で支持する鉄筋コンクリートHPシェル構造(※1)で造られている。
屋根の大きさは、二点支持間は12mで、反り屋根は長さ11.5m。高さは、中央部4.1m、先端部6.3m。銅板葺き仕上となっている。
後方の支柱(玄武岩)は、側面に彫刻家の本郷新(※2)氏により太陽、月、弓矢を引く手、波が彫り込まれている。
自然景観に反りあがった屋根のシャープで軽快な造形が際立つ。
(※1)hyperbolic paraboloidal shell(双曲放物線面シェル)の略。貝殻のように薄い曲面板で大空間をつくる建築構造様式。
(※2)戦後日本の具像彫刻を牽引した彫刻家。代表作は「風の中の母子像」(広島県平和記念公園内)