長崎県内各地のかくれキリシタンの集落で使用されていた信仰用具を網羅的に分類・整理した資料群である。
長崎では、江戸幕府によるキリスト教の禁教以後も、平戸や外海、五島列島などの地域で信仰が密かに継承された。その信仰は、宣教師不在の長い時代を通して、在来の仏教や神道などと習合、共存しながら独自の信仰形態となり、今日に伝えられてきた。
本収集は、メダルやコンタツ、聖像、聖画などの信仰対象をはじめ、祭祀や儀礼に使われた祓い具や占い具、オラショと呼ばれる祈祷文、信仰上の暦を記した日繰り帳、護符類、衣装類など2,218点で構成されている。
本件は、キリスト教の伝来以後、宣教師による活動が盛んに行われ、キリシタン信仰が広く浸透していた歴史を持つ長崎県における信仰用具の集積であり、体系的に分類・整理されており、かくれキリシタン信仰の実態をよく示している。我が国におけるキリシタン信仰の変遷や九州地方における民間信仰の地域的様相を考える上で重要である。