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ファイル 木造千手観音立像

○寄木の繊細な技巧と、頭体根幹部を一材で彫刻する古式な用材の取り合わせ
木造千手観音立像
重要文化財(国指定) 
よみがなもくぞうせんじゅかんのんりゅうぞう
指定年月日昭和63年(1988)6月6日
所在地長崎市脇岬町2330
所有者観音寺
最寄り駅バス「観音寺前」下車 徒歩5分

 「みさきの観音」と呼ばれ、古くから信仰を集めてきた円通山観音禅寺の半丈六千手観音像。像高は2m半に近い。頭上に十一面を載き、頬の張りも豊かで、おだやかに見おろす円満な面相はいかにも藤原彫刻のふくよかさを伝えている。像容は42臂の普通の千手観音像で裳(も)の襞(ひだ)はことに薄く浅く彫出され、平安末期の特色をみせている。八尺に及ぶ大像を、頭体根幹部は1材を用いて彫出するという豪放さは古式さの踏襲でもあるが、藤原後期のおだやかな彫技と古式な用材とのとり合せは、寄木の繊細な技巧になじみにくい地方彫像の特質ともいえる。


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