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対馬の盆踊

対馬市各地の村落において、旧暦7月の盆に踊られる風流踊
対馬の盆踊
重要無形民俗文化財(国指定)
よみがなつしまのぼんおどり
指定年月日令和3(2021)年3月11日
所在地対馬市
管理・保護団体対馬盆踊保存連合会

 長崎県対馬市各地の村落において、旧暦7月(現8月)の盆に踊られる風流踊である。各地区旧家の長男を中心とする男性によって踊られる。
 伝承曲は地区により異なるが、祝言(しゅうげん)と呼ばれる演目類を含む点が特徴の一つである。祝言は扇子踊又は手踊であるが、生み字を長く伸ばした独特の旋律で歌われる歌に乗せ、踊りは腰を低く落とした姿勢を終始保ちつつ、両手を同時に前に出す振り、手首の返し方、親骨をつまむ扇使いなどに独特の所作が見られる。また足使いも前方に足を滑らせるように出すなど特徴的である。祝言の他、綾竹(あやたけ)・長刀(なぎなた)・杖などの道具を手にして踊るもの(採り物踊)、あるいは役柄の扮装を伴い物語風の内容を演じるもの(仕組(しくみ)踊)など、成立時期が異なると考えられる多様な踊りを含んでいる。
 踊り子は6から12名ほどが二列縦隊を基本として位置を占め、その付近で鋲留(びょうどめ)太鼓を桴(ばち)で打つ者や、歌い番(地謡、ジューテーとも)が演奏する。歌い番が複数の地区、太鼓を打ちつつ歌う地区、また踊り子が歌いつつ踊る曲がある地区も見られるが、基本的に踊り子を務め上げた者が演奏に回る慣習になっている。なお盆踊の場には、笹竹に布で作った飾りや色紙などを飾ったエヅリ(エツル・エンヅリ等とも)が掲げられる。エヅリは祖霊の依代と考えられ、踊り子たちは踊りの場への行列に際し先頭に掲げるほか、盆踊の終了後には所定の地に納めたり川へ流したりする。
 近世前期から伝わると考えられる演目とともに、後期から加わったと思われる演目もあるなど、成立背景も重層的で複合的な内容を含み、また、手振りや足使い、扇使いといった所作にも独特のものがある。九州最北端の離島である対馬における盆踊の展開や特徴をうかがわせる事例であり、芸能の変遷の過程や地域的特色を示して重要である。

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