県史跡狸山支石墓群の6号支石墓の箱式石棺から出土した大珠である。平面長楕円形の完形品で、色調は乳白色を基調とし部分的に緑色を呈するヒスイ製である。中央やや上位に直径0.9㎝の穿孔がある。大珠が出土した6号支石墓は、上石は失われていたものの、5個の支石と多数の板石で蓋をした小型の箱式石棺からなる。床面には板石を敷いており、大珠は床面付近から出土した。時期は弥生時代早期と考えられる。
大珠は縄文時代中期以降東日本に分布し、中期末から後期前葉にかけて近畿から九州へと伝播し、後期中葉には使用が終了すると考えられている。本資料は日本列島で最も新しい大珠であり、縄文時代の伝統的な装身具が朝鮮半島系の墓制である支石墓の副葬品として確認できた点で、本県の縄文時代から弥生時代への転換期における特徴を反映した考古資料として非常に貴重である。