ヤマネは、本州・四国・九州の山地に分布する小型のげっ歯類で、我が国特有の1属1種である。体長は8cm程で、5cm内外の尾の先は毛が房状になっている。体毛は非常に滑らかで、背は淡褐色、背にそって1本の濃い色のすじ模様が入っており、一目で判別できる特徴を持っている。
樹上や森林を好み、活動は極めて鈍い。果実・種子等を好んで食する。夜行性で昼間は樹洞内に眠る。12月上旬から山中の樹洞・古社殿・人家の屋根下等に枯葉で円形の巣を造り、体を丸めて冬眠する。冬眠中は気温の変化に応じて体温・生理機能全体も低下し、転がされても目覚めない。このような冬眠を完全冬眠という。
ヤマネは、日本列島が大陸と陸続きであった時代に渡来し、その後の島嶼化によって取り残されたものと考えられる遺存動物の一つであり、生きた化石とみることができる。