長崎県大村市の旧郡村の寿古、沖田、黒丸の各地区にそれぞれ伝わる風流踊である。これらは祝事の芸能として神社祭礼等とは結びつかず、また、3地区それぞれに伝承される踊りが一連のものとして位置付けられ、演じられてきた芸能である。近世の文献に記された踊り手の構成などを今に残し、地域的特色や芸能の変遷の過程を示して重要なものである。
寿古踊、沖田踊、黒丸踊の3つの踊りには「同時に始まった吉例の踊」との伝承があり、地元で「郡三踊」と呼ばれている。
3つの踊りは、いずれも踊りの庭までの道行と庭での踊りの2部構成をとっている。それぞれ踊りは異なるものの、踊り手や囃子方の衣裳や、囃子方が1列に座して演奏する形など共通する要素が多く見られるものである。