手熊・柿泊のモットモは、節分に行われる来訪神の行事で、年男、福娘、モットモ爺という三人一組の異装の者が家々を訪問し、災厄を祓って福を招くものである。
手熊町では、男性が三人一組で家々を訪問する。まず年男が「鬼は外」と唱えながら豆をまき、次に女装した福娘が「福は内」と唱えながら続く。最後にモットモ爺が「モットモォー」と大声で叫んで床を激しく踏み鳴らす。モットモ爺は、顔にドーランを塗って棕櫚蓑などを着る。子どもが泣くほど福が舞い込むなどといわれ、モットモ爺は子どもを脅かす。三者が家を出ると、付き添いの女性が「福の神様お見えになりました」などといって家人から祝儀をもらう。
柿泊のモットモも手熊町とほぼ同様であるが、福娘は若い女性が扮することが多く、モットモ爺は怪物のマスクなどを被り、手にした独特の形の杖で床を激しく突く。